12月9日、衆議院国土交通委員会で、建設工事従事者安全健康確保推進法案にかかわる質問をしました。
この法案は、全会一致で可決・成立しました!!!
建設業で重大な労働災害が多発していることを受け、建設現場の従事者の安全と健康の確保を図るものです。
安全・健康確保策が手薄だった「1人親方」も「建設工事従事者」に含め、労働者同様、安全と健康が確保されるべき対象とします。
本会議に先立つ衆議院国土交通委員会で、私は、建設従事者の安全と健康の確保のためには、そのための経費が、元請けから下請けに確実に支払われることが重要だと指摘。日本共産党が修正意見を出したことを紹介しながら、安全・健康経費を工事費とは別枠で支払われるようにすべきだと訴えました。
これにたいし、法案作成に関わった務台俊介内閣府大臣政務官は、別枠支払いの趣旨は、「経費が適切かつ明確に積算され、内容が明示されることと、下請関係の適正化の規定で実質的に担保される」答弁しました。
さらに、建設工事従事者の安全・健康を確保するうえで、トンネルじん肺やアスベスト被害の救済と新たな被害を生まない対策も喫緊の課題だと強調。現場を転々とすることの多い工事従事者の全就業状況を把握し、健康管理や安全教育を徹底する仕組みづくりや救済基金の創設を求めました。
さらに、「建設工事従事者」に当然ながら含まれる外国人技能実習生の問題を取り上げました。
相次ぐ外国人技能実習生の失踪問題で、職種別の失踪者数が法務省の調査でこのほど初めて明らかになりました。
全労連、愛労連の要請(7月)に同席した求めてきて法務省が9月から集計を始めました。
3枚目の写真の資料のように、9~10月の失踪者数は953人。最多は建設関係の292人、次いで農業関係195人、機械・金属関係101人、繊維・衣服関係84人、食料製造関係83人となっています。
日本の技術の海外移転を名目とする技能実習制度ですが、低賃金や長時間労働、暴行などの違法行為がまん延。2011年から今年9月までに2万人以上が失踪しています。
実習生の支援に取り組む愛労連の榑松佐一議長は「法務省はこれまで職種別の数を明らかにしてきませんでした。今回の調査で、実習生全体では15%程度にすぎない建設関係の割合が、失踪者では30%と倍になっており、建設業に大きな問題があることが分かりました」と述べ、さらなる調査の足がかりになると評価しました。
質問では、「失踪の一番の理由は、賃金が安いこと」と指摘。鹿児島県で、フィリピン人技能実習生の基本給が1日4082円だった事例を示し、鹿児島県の設計労務単価で言えば、例えば、普通作業員の日給は1万5700円で、「3・8倍の乖離がある」と指摘。日本人の報酬と「同等額以上」と定めた技能実習生制度に反するとして、建設関係の技能実習生の実態調査、待遇改善を求めました。
石井啓一国土交通大臣は、「実習生制度の所管は法務省と厚生労働省」と建設関係の技能実習生が一番失踪していることについての認識すら答えない無責任なものでした。
広島の入管で受け入れて、受入企業本社は鳥取県、実際に働いていた現場は宮城県気仙沼というケースもしめしながら、実態把握すらままならない現状を告発しました。
法務省の入管の職員の数が足りない、厚生労働省の労働基準監督官の監督官の数が足りないなかで、建設業を所管する国土交通省が、技能実習生の待遇改善に取り組まなければ解決できないからこそ対応を要求しているのに、我がことと感じない大臣にはとても失望しました。
「外国人技能実習生が失踪するようなブラックな職場では、建設業の担い手は増えない」と国交省が主体的に取り組むべきと求めました。
質問にあたっては、外国人技能実習生の暮らしと人権を守るために活動している愛労連の榑松佐一議長に大変お世話になりました。
本当にありがとうございましたm(__)m