もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
レポート

10月19日、国土交通委員会で、リニア問題を質問しました!!!

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10月19日、国土交通委員会で、リニア問題を質問しました!!!

今回は、地権者の権利を侵害する大深度地下法とリニアの関係を追及しました。

リニア計画では、東京都内の品川区、大田区、世田谷区、町田市、神奈川県川崎市の35キロメートル、愛知県名古屋市と春日井市の20キロメートル、合計55キロメートルが大深度地下法の使用の認可を受けようとしています。

大深度地下とは、地下40m以深、あるいは支持地盤上面から10m以深の部分です。

大深度地下法は、大深度地下の使用の認可を受ければ、事業者(リニアの場合はJR東海)が大深度地下を使用しても、地権者の同意もいらないというものです。

大深度地下法は、地権者の権利を侵害する悪法であり、使用するべきではないということをまず表明しました。

 今回の質問でも、国土交通省は大深度地下の地権者の数も把握していないと答弁しました。
 そこに住む人たちからしたら、あまりにもひどい話だと言わざるをえません。

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【東京外環道では、国土交通省と東京都が大深度地下の利用に関する住民をだます行為】

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東京外環道の関越~東名間も大深度地下を利用するということですが、2006年6月に国土交通省と東京都が一緒にだした発行されたパンフレット「東京外かく環状道路 これまでにいただいたご意見、ご提案と計画の具体化の検討等における考え方」では、大深度地下について、「土地利用に制限を課すこともないため、補償すべき損失が発生しないものと考えられることから、財産価値に与える影響はない」(91頁)と書かれていました。

東京外環道は、2014年3月28日に大深度法の使用の認可がなされました。同時に、住民の皆さんからすると突然のことだったのですが、都市計画事業承認・認可も同じ日にされたのです。
そのことで、建築制限、売買する場合は国への届出義務があること、国が土地を優先的に買い取る権利まで発生しました。

 国交省が、住民の皆さん、地権者の皆さんに「土地利用に制限を課すこともない」「補償すべき損失が発生しない」などと言っていたのに、実際は、建築制限や売買の自由が制限されることがおきました。
住民の皆さんは「だまし討ち」だと抗議の声をあげ、「地下にトンネルが通るだけで土地価格が下がるのに、建築制限などでいっそう土地の価格が下がってしまう」と不安の声をあげています。
 まさに、財産権の侵害です。
 こんな大深度地下使用の認可、都市計画事業承認・認可は取り消すべきだと主張しました。

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【建築制限などリニアの大深度地下の場合は?・・・制限される場合あり】

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大深度地下の使用の認可について外環道では、こうしただまし討ちがありましたが、リニアでは、都市計画事業の網をかけ建築制限や売買する場合にJR東海への届出義務、JR東海に土地を優先的に買い取る権利が発生するようなことはないのか質しました。

石井啓一国土交通大臣は、「現時点で予定はない」と述べましたが、今後の可能性は否定しませんでした。

また、都市計画事業がどうあろうと、大深度地下の使用の認可を受けた場合、その土地に自由に穴をあけたり、重い建物をたてたり、土地売買など自由にできるのかを問いました。

栗田卓也都市局長は、大深度地下使用の認可のみの場合でも、土地利用が制限される可能性について「皆無ではない」と答弁しました。

【大深度地下にリニアが通っているのに、それを知らせずに消費者に土地を売ってもいい!?】

 不動産取引の際、その土地の大深度地下にリニアが通っていることは宅建業法の重要説明事項になるのか質問しました。

 谷脇暁土地・建設産業局長は、「対象とされていない」と答弁。

 大深度地下法の使用の認可を受けた土地は、大深度地下にリニアが通っているのに、それを知らせずに消費者に土地を売ってもいいことになるという答弁です。

「消費者の不利益になる」と批判しました。

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【大深度地下のうえにある家屋の事前調査なし 事前の家屋調査を要求】

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 JR東海は、大深度地下の上の家屋の事前調査をやらない、と言っています。
愛知県春日井市では、亜炭廃坑があり、リニア沿線で陥没が実際に起きています。
事前の家屋調査をしないで、もともとその家にはヒビが入っていなかったのに、何かあった時に家にヒビがはいったことなどどうやって証明するのか。
公共事業である東京外環道では大深度地下でも万が一に備えて事前の家屋調査をやることになっており、政府がJR東海に強く指導して、事前の家屋調査やらせるべきだと要求しました。

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【かなり軽くなるJR東海の利息負担】

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 最後にJR東海のリニア事業にかかる金利負担について質問しました。

JR東海が民間から調達する予定だった借金3兆円の利息は一律3%を想定して計算していました。
利息3%とするとリニア事業で、JR東海はいくらの利息負担を想定していたのか、質問しました。
また、2016年度、2017年度、財政投融資でJR東海が総額3兆円借りた場合、31年目から返済がはじまり、40年後に完済するというしくみで、仮に0.6%と利息を想定した場合、JR東海の利息負担は、いくらになるのか問いました。

一律3%を想定していたこれまでの場合の利息負担の額は答弁せず。
今回の財政投融資で総額3兆円を0.6%で借りた場合の利息負担は「6000億円」と答弁しました。

JR東海が、一律3%と想定していた利息負担分を0.6%で借りた場合、かなり利息負担分をJR東海が軽減されることははっきりしています。

 大企業は優遇し、リニアルートに暮らす人々や地権者は軽視するリニアはやっぱりいらないとつくづく思う質問でした。

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