もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
レポート

「民泊」問題の調査で、京都市へ行きました。

カテゴリー:

9月1日、全国のなかでも「民泊」(旅館業法の許可を得たものもあれば、無届けのものもあります)と言われる宿泊施設が多く、さまざまなトラブルも発生し、市として実態調査も行った京都市へ行き、京都旅館ホテル生活衛生同業組合の北原茂樹理事長はじめ皆様との懇談、京都市からの聞き取り、京都市議団や住民の皆様との懇談をしてきました。

穀田恵二国対委員長、倉林明子参議院議員、清水ただし衆議院議員、山添拓参議院議員と私で伺いました。

京都市議団からは、加藤あい京都市議、西野さち子京都市議、山田こうじ京都市議、山本陽子京都市議、事務局の皆様が参加されました。

「民泊」は、民家で宿泊するということですが、一軒家であったり、マンションの一室だったりします。
皆さんのご自宅のすぐ隣が突然「民泊」になり、管理人もいないなかで、ダイヤルキーで次から次へと知らない方々が入れ替わり立ちかわり宿泊することになったことを想像してみてください。

きっといい気分ではないと思いますし、不安に思う方も多いのではないでしょうか。

しかし、安倍政権は、規制緩和で、この「民泊」を広げようとしています。

法案も秋の臨時国会か来年の通常国会に出すと言われています。

 日本共産党と初めての京都旅館ホテル生活衛生同業組合の皆様との懇談のなかで、北原茂樹理事長は、無届、無許可の「民泊」の徹底的な取り締まりが必要なこと、旅館というのは、1日人の命と財産を預かる仕事で、建物、防災、衛生面で安全の担保が必要だと強調されました。また、パリ、サンフランシスコでは「民泊」を規制する方向なのに、日本は半周遅れ、一周遅れの対応になっていることも嘆いておみえになりました。
 京都市の旅館を営む皆様が「ほんまもんのおもてなし」をめざして熱意をもって奮闘されておられることが伝わってきました。

 京都市からは、民泊施設実態調査についてや8月31日に発表された「京都市宿泊施設拡充・誘致方針(仮称)」の内容について聞き取りを行いました。

 インターネットのなかで、京都市内における掲載件数が10件以上確認された7つの仲介サイト、日本法人によって運営されている唯一の仲介サイトで合計8サイトを調査されたそうです。

◆施設数は、2702件(戸建て935件、集合住宅1677件、その他90件)
◆所在地を特定した施設数 1260件(46.6%)
◆旅館業法上の許可施設189件(7.0%)
◆旅館業法上は無許可と推測される施設数1847件(68.4%)

 旅館業の許可を受けているところの地域と比較したりして一つ一つの物件を精査していったそうです。

 旅館業法の許可を受けた「民泊」が7.0%・・・ひどすぎます。

 京都市では、「民泊」対策プロジェクトチームを立ち上げて、7月13日から「民泊通報・相談窓口」も開設されています。

 通報を受けた施設で142件の施設のうち、特定できなかったのが97件で、指導調査できたのは14件、中止させたのが12件、指導中が16件とのことでした。

 通報・苦情としては、
◆利用者の大きな話し声やキャリーバックを引く音など騒音がひどい
◆たばこのポイ捨てなどもあり火災が心配
◆無許可で民泊に利用されていることで、マンションのオートロック機能が意味をなしておらず、不安
◆住居専用地域と思われる場所で民泊を行っているので、指導してほしい
などなど

 寄せられた意見としては、
◆こういった窓口は全国に設置してほしい
◆保健センター職員の体制を見直すべき。明らかに人員不足。
◆民泊は反対。規制を強める必要はあっても、弱める必要はない。治安維持を
優先させてほしい。
などなど

 京都市の考え方としては、現行の旅館業法、消防法、建築基準法等の関連法令を遵守し、適正に運営されていることが大前提であるとのこと。
 今後は、上記法律と前述の「方針(素案)」の中にも書かれている「指導要領」という形で地域にすむ方々との調和や安心・安全の確保など図っていきたいと述べられました。

 京都市からの聞き取りでは、さらに、旅館についての実態調査を2015年に行ったところ、旅館業としての許可施設は370軒あるものの、実質的な休廃業が100軒以上あり、職員の方自身が驚いたそうです。
 旅館は、和食の提供、和装でのおもてなし、畳など京都らしいおもてなしを体感できる場としてニーズが高いため、旅館も活性化するように支援していく方針とのことでした。

 京都市議団が地域を歩いて聞き取った例や相談活動の中では、許可をとった「民泊」でもお隣の一人暮らしの高齢者が、足音など騒音でメンタルをやられてしまうケースも出ているそうです。
 地域の合意と納得のもとで、街づくりが行わなければならないことを痛感します。

 また、疫病などの問題が発生したときにフロントもないので民泊宿泊者を把握することが困難で、防疫活動への支障になることも指摘がありました。
 実際は、無届民泊をやっているのに、やっていないとシラをきる業者もおり、取り締まりも大変になっていることも出されました。

 住民の皆さんとの懇談では、京都市南区の東寺の道はさんだ正面にゲストハウスが次々できており、工事で地域住民の皆さんが困っていることや、不動産会社が手紙をもって、土地買収に走り回っている実態がだされました。

 清水寺の周りでも、次々にゲストハウス、民泊などができ、その分、住民は減っていき、コミュニティーの維持も難しくなっていることなども出されました。

 さらに、京都市南区の「民泊」も訪れました。近くにも「ゲストハウス」があり、最後の写真のようにダイアル式のカギをあけて入っていく仕組みのようです。

 このような施設が家のとなりにあったら、やはり怖いですよね。 

 政府は、2020年までに外国人観光客を4000万人にすると豪語して、そのために宿泊施設の確保が必要と言っていますが、住んでいる人の暮らしが脅かされ、安心・安全が脅かされるようなことがあってはなりません。

 規制緩和で「民泊」を拡大するやり方では、住民の皆さんの安心・安全は守れません。

 穀田国対委員長が強調していた「住んでよし、訪れてよし」の政策にしていくために皆さんと力を合わせていきたいと思います。

 京都の皆様、本当にありがとうございました<(_ _)><(_ _)><(_ _)>

14202665_835550383248013_5141917405457910703_n 14224836_835550459914672_5558418206703417171_n 14192693_835550396581345_8454705783091813821_n 14117977_835550526581332_730896447202780942_n 14212770_835550566581328_4437914269969517023_n

© 2010 - 2024 もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)