5月27日、愛知県内で集められた点字の署名を含む5000人分の「可動式ホーム柵の設置を求める要請書」をもって、愛知県視覚障害者協議会、視覚障碍者の権利を守る運動を支援する会、愛知健康センターの皆さんが、国土交通省鉄道局に要請しました。
私も島津ゆきひろ衆議院議員とともに同席しました。
列車のホームは、「欄干のない橋」と言われるほど視覚障がい者の皆さんには、とりわけ危険な場所になっています。
「これ以上仲間が命を落とすことをさせたくない。救うことができる命だったのです。救う方法があるのですからやるべきです」と愛視協の梅尾朱美会長は訴えました。
要請項目は、
1、可動式ホーム柵設置を推進するために、補助金制度の充実をはじめ、実効ある対策を立て、全ての鉄道利用者の命を守ってください。
2、可動式ホーム柵は昇降式ではなく従来通り開閉式のものを採用するよう、鉄道事業者にはたらきかけてください。
3、ホームでの案内放送のうち「黄色い線の内側まで下がってください」を「黄色い点字ブロックの内側まで下がってください」に改めることをガイドラインに明記してください。
の3点です。
「盲導犬と一緒にホームに転落したことがあります。他の人に言いたくないほど屈辱でした。こういう思いで家からでなくなってしまう視覚障がい者も出ています」
「女性専用車両とかがありますが、視覚障がい者は、情報がないなかで、女性専用を選ぶこともできませんし、男性が女性専用を避けることもできません。開閉式ホームドアが名古屋の地下鉄でも設置され始めていますが、さまざまな効果があることがわかりました。駅を利用するときに一番困っているのは、乗車口がわからないこと。ホーム柵があれば、白杖でつたっていけばわかりますし、ホームドアのところに、何両目とか、どこ行きなのかなど点字で書いてあります。だから、不安を少なくする効果がものすごくあることがわかりました」
「昇降式のホーム柵では、白杖でつたっていくことはできませんし、開閉式にあるような点字の情報も難しくなります。また、上からバーやロープが落ちてきたらと思うと不安です。原則は開閉式の可動式ホーム柵にしてほしいです」
「黄色い線とアナウンスされると、みんなが黄色い線という認識になってしまいます。点字ブロックは、視覚障がい者が命を預ける大事なものだということをわかってほしい。だから、駅でのアナウンスは黄色い点字ブロックと言ってほしい」
「視覚障がい者が一番不安が大きい駅は、実は小さな無人の駅です。人もいないので、本当にこわい、小さな駅も稼動式ホーム柵をつけてほしい」
「国土交通省には、当事者の声をたくさん集めてほしい。どこに困っているか、不安なのか、たくさん集めてほしい」
「可動式ホーム柵は、さまざまな事故や自死を防ぐことになります。事故が起こった時、視覚障がい者は、困るのです。駅でトイレにも行けず、5時間まった仲間もいます。代替バスと言われてもどこにいったらいいかわからない。事故になっても困るのです。事故を防ぐためにも可動式ホーム柵をつくってほしい」
などなど次々に思いが語られました。
国土交通省からは、約9500駅あるなかで、可動式ホーム柵があるのは621駅で、10万人以上の利用者のいる駅では60駅になっている状況が述べられ、2020年までに800駅という目標をもっていることなど回答がありました。「黄色い点字ブロック」とアナウンスしてほしいとの要望については、事業者に「伝えます」とのこと。
梅尾さんたちは、「遅々として進まないなかで、どこかが変わってくれないと動いていかない。影響力のあるのは監督官庁である国土交通省。ぜひ進めてほしい」と語られました。
JR東海は、莫大な利益があるのに、在来線の可動式ホーム柵はゼロ。命にかかわるところには、しっかりと投資することが公共交通機関としての役割だと思います。
引き続き、皆さんとともに前進させるために私も頑張ります。