もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
レポート

【16.04.22】4月19日の衆議院国土交通委員会で、九州地方地震の被災地の避難所への支援物資を被災者の皆さんに届ける対策やトラック労働者の労働条件の改善について質問しました。

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4月19日の衆議院国土交通委員会で、
◆熊本・大分を中心した九州地方地震の被災地の避難所への支援物資を被災者の皆さんに届ける対策
◆物流業界の下請け重層構造のもとで働くトラック労働者の労働条件の改善について質問しました。

【被災地支援】
現地からは水、食料、日常品などが足りないとの声がある一方で、民間物流会社が熊本行の輸送を中止しており、すぐに送れない状況にあることや、益城町の避難所では1食分がパンかおにぎりだけで1日2食という状況を示し、「なんとか早く支援物資が現地に届くように、国土交通省としても早急に対策をうってほしい」と要求しました。

石井啓一国交相は「物流事業者も一体となって参画させ、トラック・鉄道・内航海運を利用し、支援物資を輸送する」と答弁しました。

 また指定された避難所だけではなく、車のなかで過ごしておみえになる方、臨時の避難所で過ごしてみえる方、福祉施設などで過ごしてみえる方にも物資がちゃんと届くようにと求めました。

内閣府からは、指針のなかで、自治体の指定の避難所でないところも災害救助法の国庫負担の対象に入ること、食料や物資が届くように技術的支援をしていきたいと答弁しました。

さらに、熊本県では、広域防災活動拠点が被災して使えなくなってしまったことから、全国の広域防災活動拠点の総点検を求めました。

【トラック労働者の労働条件の改善】
 
 物流効率化法改定案の質疑においては、同法に基づく物流関係会社への2005年~2015年の減税額はどうなっているか聞きました。
◆大企業 国税3億8030万円、地方税38億9070万円、計42億7100万円、
◆中小企業が国税2億510円、地方税が25億8010万円、計27億8520万円
◆小規模事業者が3180万円、地方税が1億8910万円、計2億2090万円

 との答弁があり、大企業優遇になっていることが数字でも明らかになりました。

 今回の法改定は、労働力不足に対応するとしていますが、労働条件の改善などの対策ではなく、「効率化」「省力化」でしのぐためのものです。

 2015年9月に実施した、「トラック輸送状況の実態調査」の結果が今年の2月に出ていますが、ドライバーは全体の7割弱で不足しており、保有車両台数が多い事業者ほど不足感が強く、不足している場合の対応としては、「下請・傭車で対応」が最も多いという状況です。「対応できず輸送を断っている」ケースも半数近くの事業者で生じています。

2014年の年間総実労働時間は、全産業男子が年間2172時間なのにたいし、トラックは、年間2586時間で、全産業男子と比べて414時間も長くなっています。

 一方、年間所得は、右肩下がりの傾向で、全産業男子で536万円なのに、トラック労働者403万円で、全産業と比べて、133万円も低くなっています。
道路貨物運送業の中小型=小口配送をやられていると思われるのですが、そういう労働者は年間所得額375万円ともっと低くなります。過労死も全産業のなかで一番多いような状況です。

 労働条件の抜本的引上げなしに、人手不足は深刻化するばかりと追及しました。

 また、国交省が中小企業庁とも連携して、下請等中小企業の取引実態の把握という調査をし、国交省がトラック運送業を調査し、WEB調査735社の分が公表されています。その結果は、愕然とするものでした。

●適正運賃・料金の収受ができていない 70%
●荷主都合による荷待ち待機をさせられたが費用の支払いがない 71%
●燃料高騰分の費用を収受できていない 79%
●検品や商品の仕分け等の附帯作業をさせられたのに費用の支払いがない 59%
●高速道路利用を前提とした時間指定がされているのに高速道路料金の支払いがない 43%
●運送契約の書面化ができていない 74%

 この実態を突きつけ、この実態の改善のために実効ある施策を求めましたが、結局、石井大臣の答弁は、実効性が感じられない「トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会」で議論に終始しました。

建交労全国トラック部会の皆さんが指摘されている重層的下請構造による弊害についても質問しました。
 下請は、さらに下請(孫請)へ、そしてさらに下請(ひ孫請)へとまわされていくのが常態化していること、元請は荷主から受けた運賃をそのまま下請へ支払うのではなく、10~20%の「事務手数料」(マージン)を差し引いて下請けへとまわし、下請けが孫請へまわす際にも同様になっており、当初荷主から支払われるはずの運賃が再下請へまわるころには、60%程度にまで減額されてしまう実態を示しました。
「重層的下請構造は、重層的収奪構造に他ならない」と指摘し、重層的下請構造を改善させるため、利用運送業者や物流子会社の実態を国交省は把握し、一定の自社運行比率を義務付けるなど法的規制を強化するべきと質問しました。
国土交通省は「講習会の参加要請、相談があったところへの重点的監査、取引環境の改善など一層努めてまいります」と答弁しました。
「物流業界を所管する大臣として、重層的下請構造の解消、運賃の引上げ、賃上げ要請などを、荷主も含め、物流業界に直接行うべきだ!」と求め、質問を終えました。

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