もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
レポート

【16.01.05】厚生労働省の2015年度補正予算案・2016年度予算案について、聞き取りを行いました。

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1月5日、高橋千鶴子衆議院議員、堀内てるふみ衆議院議員、厚生労働部会の皆さん、関係部署の皆さんと厚生労働省の2015年度補正予算案・2016年度予算案について、以下の部局から聞き取りを行いました。

 官房会計課、官房国際課、官房厚生科学課、医政局、健康局、医薬・生活衛生局、生活衛生安全部、労働基準局、職業安定局、職業能力開発局、雇用均等・児童家庭局、社会・援護局、障害保健福祉部、老健局、保険局、年金局と次々に入れ替わり、聞き取りましたので、意外と大変でした。

 どの分野も大事な問題です。今回は、概略のみの聞き取りです。
 
 「一億総活躍社会の実現に向けた主な取組」が安倍政権の主要な政策になりますが、その「第一の矢『希望を生み出す強い経済』(GDP600兆円)」の一番目の項目が「最低賃金・賃金の引上げ等生産性向上に向けた支援の拡充」とあり、タイトルで期待しますが、予算額は、61億円・・・。豊田市の駅前ビル1棟の建設の公費の投入額が164億円ですから、駅前ビル1棟もたたない予算しか計上されていないことがわかります。

 同じく「第1の矢」のなかの「女性の活躍推進」にもタイトルに期待しますが、予算額は3億円・・・。中小企業に対する行動計画の策定支援等を実施するそうですが、日本の中小企業・小規模事業者数は、385万社です。1社あたり78円くらいですね・・・。

 一方で、同じく「第一の矢」のなかには、1回限りの1人3万円の「年金生活者等支援臨時福祉給付金」は2015年度補正予算案で3624億円、2015年度予算案で450億円となっています。「選挙のためのバラマキ」と言われています。低所得のお年寄りや障がいをもった方々を心配するのであれば、低所得の方ほど重い負担の消費税増税はやめ、大企業や富裕層から応分の負担をしてもらい所得の再分配機能を強化すること、マクロ経済スライドなど年金引き下げをやめ、最低保障年金制度を確立し、障がい年金の引上げをするべきです。

 年金の関係では、「持続可能で安心できる年金制度の運営」と書いてあるので、7~9月の年金積立金の運用で7兆8899億円の損失を出した問題を年金局に、どう責任をとり、どう回復していくのか聞きました。しかし、運用は、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の担当で担当者がいなかったこともありますが、“運用は、いい時もあり、悪い時もある。運用で回復していくんじゃないですか”との無責任な回答でした。

 「第2の矢」には、「『夢をつむぐ子育て支援』(希望出生率1.8)」とあります。
2017年度末までの保育拡大量は40万人から50万人に拡大するとのことで、拡大することはいいのですが、そのやり方に問題があります。
 今回、10万人枠を増やしましたが、そのうち約5万人分は、設置・運営に市町村の関与を必要としない、複数企業による共同利用を可能とする(社員ではない地域の一般家庭の子どもさんの保育も可能)企業主導型保育事業(内閣府予算案835億円。運営費、整備費)で確保するというのです。
 職員配置などの基準は「これから検討する」とのことですが、保育関係者の皆さんが、懸命に努力をされてきた保育の質がしっかりと確保されるのか大きな不安があります。

 「第3の矢」には、「『安心につながる社会保障』(介護離職ゼロ)とあります。
「介護離職ゼロ」のためにも、現在、介護の現場で頑張って働いている方々の賃上げ、労働条件の改善は、介護職員の離職を食い止め、安心できる介護基盤をつくるため、人材不足を解消するためにも欠かせないと思いますが、その対策がなく、これで「介護離職ゼロ」が実現できるのかと疑問に思いました。

保険局からは、2016年度診療報酬改定については、本体+0.49%で、薬価は、-1.22%、材料価格-0.11%との説明がありました。
この点に関しては、個別具体的に医療現場の皆様の声を聞いていきたいと思います。

労働基準監督官は、2016年度22名増えるそうです。ブラック企業をなくすためにももっと抜本的に増やすべきです。

社会・援護局の2016年度予算案に「戦争の経験の次世代への継承」という項目がありますが、2300万円・・・。とても国家レベルの予算額には思えませんでした。

健康局の2016年予算案に「原爆被爆者の援護」という予算は、1362億円で今年度より43億円減額です。
広島、長崎で被爆し、がんなどの病気に苦しみながらも救済されていない方々がいらっしゃいます。減額するのではなく、援護の拡充をするべきです。

今回新規で、被爆建物の保存で4000万円が計上されました。広島、長崎に2000万円ずつで、被爆建物の耐震化など行うとのことです。

 まだまだ書きたいことはありますが、まずはここまでとします。

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