6月16日、衆議院国土交通委員会で、都市再生機構(UR)法改定や国土交通関係の独立行政法人改革にかかわる法案の質問にたちました。
この日の委員会には、全国公団住宅自治会協議会の皆さんがたくさん傍聴にこられ、国会審議も緊張感をもったものになりました。他党の議員も「たくさん傍聴者が来られたので、緊張した」と語っていました。
変な答弁を許さないためにもこうした傍聴はとても大事だと実感します。
質問では、住宅セーフティネット法上でも位置づけられた公的賃貸住宅であるUR賃貸住宅について、低所得者、高齢者などの要配慮者のセーフティネットとしての役割を国が責任をもって強化することを求めました。
URの計画では、2018年度までに既存のUR賃貸住宅を8万戸削減する計画になっていますが、公営住宅の数が足りず、雇用促進住宅ももっと活用すべきなのに売却・廃止の方向が出されているなかで、UR賃貸住宅を削減することは、セーフティネットとしての役割の後退であると批判しました。
さらに、建て替えや居住の移転について、居住者の方々の同意、十分な話し合いが必要だ、と質問。
太田国土交通大臣は、「UR団地につきましては、居住者が安心して住み続けられることが何よりも大事だと思っています。UR団地の建てかえに伴う居住者の移転に当たりましては、居住者の同意が前提でありまして、従来どおり、居住者と十分な話し合いを行うということが必要かと思います。」と答弁しました。
また、名古屋市の鳴子団地や鳴海団地の建て替え事業で便利な土地は営利企業に売られ、駅やスーパーから離れた不便な住宅に移転を余儀なくされている実態を示し、居住者の立場に立っていないと指摘しました。
橋本公博住宅局長は「住民の方々の利便性を考えながら土地利用計画を指導してまいります」と答弁しました。
法案では、団地の建て替えが従来は隣接地のみで可能だったものを近接地(飛び地)でも可能にし、駅前など想定しています。
駅前などに建て替えれば、「高家賃で狭い住宅になる」と指摘し、「入居できる安い家賃にすべき」と質しました。
加えて、2014年9月の全国公団住宅自治会協議会幹事会の皆さんのアンケートのUR居住者9万3128戸からの回答の結果では、
世帯収入251万円未満が51.3%、251万~367万円未満で20.1%で、合計すると71.4%の世帯(7割以上の世帯)という状況で、
今の家賃の負担については「大変重い」が35.5%、「やや重い」は37.1%と7割を超える(72.6%の)世帯がURへの家賃負担が「重い」と感じておられることを紹介しました。
名古屋の東区と北区のUR住宅にお住いの方々からも、年金だけで生活が苦しい、家賃をさげてほしい、せめて所得に応じた家賃にしてほしいとの要望が多数寄せられていることも紹介しました。
とりわけ、年金はさがり、消費税はあがり、介護保険料はあがり、国民健康保険料の負担、後期高齢者医療保険料の負担など、本人の責任とは関係ない部分でも生活が苦しくなっているなかで、UR賃貸住宅の家賃を下げること、家賃の減免措置、家賃補助などの家賃制度をつくるべきと提案し、家賃を引き下げることに足かせとなっているUR法の第25条の「近傍同種の住宅の家賃の額と均衡」の規定の削除を検討するよう求めました。
太田大臣の答弁は、「今後とも、適正な家賃水準と入居者の適正な負担の両立を図りながら、住宅セーフティーネットの役割を果たしてまいりたいと考えています」とのものでした。
貧困な住宅政策を転換させるために引き続き頑張ります。