4月27日、名古屋環状2号線東南部懇談会の皆様、名古屋環状2号線問題懇談会の皆様が国会に来られ、名古屋市天白区、緑区を通る名古屋環状2号線(高速専用部)・国道302号(一般部)、関連工事(雨水調整池、共同溝立坑)周辺の住宅で家屋の各所に被害が出ている問題で、国土交通省と交渉・聞き取りを行いました。
沿線のお宅には、家屋各所の歪み、亀裂、傾斜、隙間の発生、配管の破裂、下水道管の傾斜による逆流など被害が出ています。
両懇談会の皆さんは、沿線住民の皆様に被害を書いてもらうアンケートをとって被害の事実をしめしています。
しかし、名古屋環状2号線も国道302号も関連工事も一体的にやられているにもかかわらず、わざとなのか、一体ととらえないようにしようとしたり、いざ被害が出たら、“それはNEXCO中日本の方へ”、“それは愛知国道事務所の方へ”とそれぞれの組織が自らの責任を回避したり、そもそも被害を家の経年劣化だと言い張って補償しない例など、住民の皆さんに誠実に対応しようとしていません。
NEXCO中日本、愛知国道事務所が誠実に対応してくれないなかで、沿線住民の皆様が国土交通省との交渉、聞き取りに来られたわけです。
国土交通省とのやり取りの概要を以下に書いておきます。
◆家屋被害については、「おのおの事業者において、事前事後の調査をしていて、損傷の状況と工事個所との位置関係、工事との因果関係を総合的に判断していただいている」との回答。
沿線住民の皆様は、「愛知国道事務所は、事前の調査をしていないではないか」と指摘しました。
◆沿線の皆様は、4つの工事の前に行った事前調査とすべてが終わった事後調査を比較して、被害の事実をみてほしいと述べましたが、「おのおのの事業者が責任をもって対応した」というのみでした。
◆沿線の皆様は、「公共事業に係る工事の施行に起因する地殻変動により生じた建物等の損害等に係る事務処理要領」(以下、「要領」)に基づいて行われていない問題も指摘しました。
→これについては、「要領」にもとづいて、どこまで調査をしてきたか、資料をもらってさらに確認作業をしなければなりません。
◆「要領」第12条には、「地殻変動による損害等が他の工事等の施行に係わるものと複合して起因していることが明らかな場合は、当該工事等の施行者と損害等に係る費用の負担の割合等について協議するものとする。」と書いてあり、同じ名古屋環状2号線及び国道302号の工事で守山区での被害の場合は、複合的な被害として補償をしているのに、なぜ天白区と緑区の被害は、4つの工事の複合的な被害とみてくれないのか?との質問も出されました。
これについては、国土交通省があとから回答するとのことでした。
◆国土交通省は、天白区については、愛知国道事務所が736軒の建物を調査し、そのうち13軒は現状回復の費用負担を行っていることも明らかにしました。
「緑区はどうか?」と問うと、あとから回答するとのことでした。
◆橋脚工事や調整池工事にともなって、大量の湧水(地下水)を滝の水川に放水していたが、名古屋市環境保全条例80条による地下掘削工事の届出は行ったと国土交通省が述べたので、その証拠書類を出してもらうことにしました。さらに住民の皆様があまりに大量の湧水が出ていたので、愛知国道事務所の職員にきてもらって現場確認したのに、愛知国道事務所の職員は、知らないと答えているため、その当時の記憶が残っているか調査してもらうことになりました。
◆愛知国道事務所がこの間、不誠実な対応をしてきたことを住民の皆さんが指摘すると、国土交通省は、「愛知国道事務所の対応について、丁寧に対応するように連絡を3月2●日の時点でさせてもらった」と答えました。
引き続き、被害の実態を明らかにし、被害に対する正当な補償をさせ、住民の皆さんの声を届けるために全力を尽くします!!