被爆者の皆さんの願いに背く日本の軍縮大使の発言に抗議の申し入れ
12月26日、日本共産党国会議員団は、ウィーンで開かれた「核兵器の人道的影響に関する国際会議」での佐野利男軍縮大使の発言(8日)について、外務省に抗議の申し入れを行いました。
申し入れには、井上哲士参院議員(広島の被爆二世)、仁比聡平参院議員(広島、長崎を含む地域選出)、大平喜信衆院議員(広島在住、広島を含む地域選出)田村貴昭衆議院議員(長崎を含む地域選出)、真島省三衆議院議員(長崎を含む地域選出)と私(長崎に被爆二世)が参加しました。
佐野氏は同会議で、「核爆発後の市民の救出は不可能」とした専門家の研究報告に対して、「(核爆発後の)対処能力がないというのは悲観的だ」「もう少し前向きな面から見てほしい」と述べ、核兵器廃絶を目指す会議の趣旨に反する発言をしました。
井上哲士参院議員は「大使の発言は核兵器使用を前提とするものであり、絶対に許されない」と抗議。
仁比聡平参院議員は「廃絶こそ被害をなくす道。救護などあり得ない。会議の趣旨、合意の到達に背くもので、国際的賛同を得られるものでない」と批判。
大平喜信衆院議員は「多くの被爆者から強い怒りと失望の声が上がっている。被爆者の最大の願いは核兵器の廃絶であり、大使の発言は、その願いに背いている」と述べました。
田村貴昭新衆院議員は「反省や謝罪の表明が必要」と要請。
真島省三新衆院議員は「発言に誤解の余地はない」と追及。
私は「私の父の弟は、長崎で原爆の光を正面から受け、その年のうちに亡くなった。このような発言が出るたびに被爆者の皆さんの心を大きく傷つける。被爆の実相をわかってもらっていないのではないかと。長年苦しみ、裁判に訴えている被爆者の方々もおり、そうした裁判の到達点からも(被爆の実相を)学んでほしい。被爆者と懇談し謝罪すべき」と迫りました。
対応した外務省の引原毅軍縮不拡散・科学部長は、「究極的核廃絶を求める我が国の態度は変わりない。誤解が生じたのは遺憾。ご意見を受け止め大臣に報告する」などとしました。
議員団は「核兵器は究極でなく緊急に廃絶すべき。発言ついて、反省、謝罪、撤回の意思表示を示すべき」とあらためて要請しました。