もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
レポート

【14・09・10】新日鐵住金名古屋製鉄所の爆発事故の問題で、愛知県環境部、愛知県防災局消防保安課、愛知労働局からの聞き取り――辻井タカ子東海市議、坂ゆかり東海市議、山口きよあき名古屋市議、日本共産党新日鐵住金名古屋製鉄所委員会の皆さんと

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 9月10日、新日鐵住金名古屋製鉄所の爆発事故の問題で、愛知県環境部、愛知県防災局消防保安課、愛知労働局からの聞き取りを行いました。

 辻井タカ子東海市議、坂ゆかり東海市議、山口きよあき名古屋市議、日本共産党新日鐵住金名古屋製鉄所委員会の皆さんが参加。

 今回の調査でも大企業を規制するルールのない(行政に権限のない)日本社会の問題点が浮き彫りになりました。 
 ルールをつくるのは政治の責任です。大企業の利益最優先の自民党政治の弊害がこうしたところにも出ていると痛感しました。

 愛知県環境部は、事故後、愛知県では8種(一酸化炭素、硫化水素、二酸化硫黄、ベンゼン、塩化水素、二酸化窒素、窒素酸化物、アンモニア)の検査を行い、検知されなかったと述べました。ただし、これは煙や降下物が無害であるということではありません。8項目のみ調べたということです。
 また、現地調査(3日、4日、8日)も行ったが、4日の時点では、一酸化炭素の濃度が高く現場には入れず、周辺の聞き取りなどを行ったと語りました。

 “新日鐵住金は、住民の皆さんにたいし、住民説明会も謝罪もちゃんと行っていない、新聞に5日に住民説明会を2回開いたというが、町内会長や農業団体関係者など計29人のみ。ひどい対応だ。住民の皆さんは、新日鐵住金の降下ばいじんで日々苦しんでいる、そのうえに黒煙、爆発。にもかかわらず再稼働も東海市には一本のメールだけで本当に不誠実”、との指摘にたいし、
 
 「前回、おっしゃっていたので、住民の皆さんへの説明については、新日鐵住金に前に伝えました。少なくとも一般住民の方、多くの人にたいして、説明するべきだと考えている」と答えました。

 愛知県防災局消防保安課からは、11時すぎに白煙が発生し、東海市の消防に連絡があって駆け付けて、消火作業の必要なしと判断し、12時40分ごろの爆発になったことについて、消火作業の必要なしと判断したのは、新日鐵住金の自主消防なのか、東海市の消防なのかとの問いに、白煙が直接的な原因なのかを含めて調査中、との回答がありました。

 事故の要因の一つとも言われている石炭塔の貯蔵槽に3日間にわたり保管されていた百トンの石炭からでるCO濃度が上昇し、過剰に発熱した問題について、なぜ3日も保管されていたのか、との問いに、

 愛知県防災局消防保安課は、“毎年一回、定期検査をしているが、今回もそのケースだった。毎年行っていることなのに、なぜこうしたことになったのか調査中”、と答えました。

 新日鐵住金の社長が愛知県知事にたいして謝罪をしましたが、そのあとの囲み取材のなかですぐに早期再稼働を述べていました。
 再稼働優先、安全軽視の態度がありありと出ています。

 住民、働く人の命を守る立場で、愛知県知事が役割を果たすことが一層求められていると強調しました。

 連続する事故で懸念がいっそう高まる新日鐵住金はじめ大企業の南海トラフ巨大地震の防災対策について、全電源喪失などの場合は、どうなるか想定し、対策をとっているのかという質問に、企業が必要な対策をとるという企業まかせの現状であることも浮き彫りになりました。

 愛知労働局では、今回の新日鐵住金名古屋製鉄所の爆発事故をうけて、藤澤勝博局長を本部長に、9月3日午後4 時30分に「新日鐵住金名古屋製鐵所災害対策本部」を設 置し、災害発生原因の究明、再発防止を行うこととしたとの説明がありました。
 
 現場には、半田労働基準監督署から4人、愛知労働局から2人が行っているとのこと。今後の予定については、調査中でいうことができないが、一般論としては、調査ののち、指導や勧告、法違反があれば司法処分ということになるとのこと。

 黒煙問題についても、愛知労働局の対応を詳しく申し上げられないとのこと。

 重大な事故をおこし、重傷者までだした企業への過度な配慮、情報隠ぺいについては、批判の声があがりました。
 情報を共有することは、労働災害など防ぐことにもつながるとの声もありました。
 「広報要項」があるので出せないとのことで、情報を出す方向へと国に要請することが必要です。

 半田労基署の体制については、職員19人で監督官が10人。2002年4月に安全衛生課の専科をつくった?
 
 半田労基署管内の事業所数は、2006年1万6730社(企業統計調査)、2009年1万7731社(経済センサス基礎調査)。

 半田労基署管内の死亡災害は、2012年6件、2013年5件。死傷災害は、2012年496件、2013年527件。

 労働基準監督官、一人当たりの平均担当数は、2216社とのこと(幹部は除いてということか?)。

 愛知労働局管内には、14の労働基準監督署があり、労働基準監督官は173人。

 愛知労働局管内の死亡災害は、2009年50件、2010年58件、2011年53件、2012年49件、2013年54件。

 死傷災害は、2012年6392件、2013年6534件。

 愛知労働局管内の事業所数は、2006年24万5608社(企業統計調査)、2009年25万4419社(経済センサス基礎調査)。

 コークス炉で働いていた労働者からは、「DAPS(低品位原料炭を利用する新しいシステム)が稼働してから、火災など事故が相次いでいる。第五コークス炉は新しい施設なので、まだましだが、古い施設でもDAPSをやっており、危険」との声がありました。

 死亡事故など労災事故が相次いでいる新日鐵住金にたいし、抜本的な対応で、これ以上事故が起きないようにしてほしいと改めて求めました。

 

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