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レポート

【14・08・29】NEXCO中日本からの聞き取り――大規模崩落、黄鉄鉱・重金属の大量発生、橋梁基礎の沈下で新東名開通1年延期

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 8月29日、新東名高速道路の浜松いなさJCT(ジャンクション)~豊田東JCT間(55km)の開通予定時期が1年間延期して、2015年度末に見直された問題で、NEXCO中日本(中日本高速道路)豊田工事事務所に鈴木まさ子岡崎市議、八田ひろ子元参院議員と聞き取りにいきました。

 開通1年延期の理由は、以下の3点です。
◆複数の切土のり面で地滑りの兆候や大規模な崩落が発生したこと
◆自然由来の黄鉄鉱・重金属(主にヒ素、その他、鉛、カドミウムなど)を含んだ土砂が推定以上に大量発生したこと
◆橋梁基礎の沈下が2~9センチ発生したこと

 大規模な崩落が起きた地点は、岡崎SA(サービスエリア)の1.5km東京側の地点。今後、コンクリート製の“のり枠”を約3万平方メートル、グランドアンカーを約370本追加する工事を行う予定とのこと。
 この他に、地滑りの兆候が2013年7月以来、額田、広田、設楽原、県境付近の4箇所であり、新たな対策を講じていくとのこと。
 なぜ、事前のボーリング調査などでわからなかったのかと問うと、1kmで10本のボーリング調査、山の上から50mボーリングしたところもあるが、少しの亀裂はあったが、固い地盤だと思っていた。しかし、改めて3本追加調査したところ、風化しやすい花崗岩帯であったことがわかったとのこと。

 黄鉄鉱と重金属を含んだ土砂の発生については、当初、黄鉄鉱100万m3、重金属30万m3と想定していたものが、黄鉄鉱160万m3、重金属90万m3と大幅に増加。
 低濃度の部分は地下水などに浸透しないように本線で使うことになるが、その他は、黄鉄鋼は衣浦、重金属は半田の最終処分場にお願いすることになると思うとのこと。

 橋梁基礎の沈下については、浜松いなさJCT~豊田東JCT間(55km)で上下線別々に橋を数えると78本(豊田工事事務所管内は26本、豊川工事事務所管内は52本)の橋が新たにできますが、そのうち大宮川橋(上下)、名高田高架橋(上下)、五反田川高架橋(上下)、宮下川高架橋(上下)、新城ICランプ橋の9本で沈下。

 今年の2月に検討会を立ち上げ、有識者の意見を含めて対策を検討しているところで、鋼管杭による増し杭(マイクロパイル)、および薬剤注入による地盤改良で対策をとる予定とのこと。

 事前のボーリング調査などでわからなかったのかと問うと、ボーリング調査をやってきたが、変形係数の計算があまかった。日本国内で数台しかない機械を使って、追加のボーリングを行った。今後は、変形係数を厳しめにとるなどしていきたいとのことでした。

 開通によって、周辺への損害については、何か請求がきているわけではないとのこと。

 新東名開通とあわせて、オープン予定の新城市「もっくる新城」(8億円の税金投入)は年間100万人が訪れる(新城市当局)と見込んでいましたが、どうなるのでしょうかとの問いについては、新東名と一緒に開所すると注目をあびないので、1年前にオープンで注目される、との回答でした。

 3つの問題の追加工事を行うことになりますが、追加の予算額については、まだわからないとのこと。

 追加工事を除いた今までの総事業費は、浜松いなさJCT~豊田東JCT間(55km)で5500億円との見込み。
 
 1km(1000m)=100億円、10m=1億円。高い買い物です。

 その上に今回の3点の問題のための追加工事の費用が必要です。

 つくってしまった以上は、安全対策が大切ですが、じくじたる思いがあります。

 私たちの貴重な税金は、本来、命を大切にすること=社会保障に最優先で使われなければなりません。

 こうした大型開発に湯水のように税金が投入され、国の財政が悪化して、借金返しで社会保障に使うお金を少なくし、将来世代にツケをまわして本当によいのでしょうか。

 こうした大型開発には、莫大な費用負担と環境破壊があることを忘れてはなりません。
 
 これ以上、国の財政を一層悪化させる大型開発はやめさせましょう!!

 

 

 

 

 

 

 

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