7月22日、名古屋の事務所での会議終了後、豊田市猿投地域(井郷交流館)で開催された「第6期 豊田市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」に関する意見交換会に父と参加しました。
小原交流館での意見交換会に続いて二回目の参加です。
豊田市から30分間説明のあと、質疑応答の時間がありました。
※詳しくは、7月9日の小原交流館での意見交換会の記事をご覧ください。http://motomura.jcp-aichi.jp/nobi2/140714-144720.html
今回、私は、以下のことを質問、意見として述べさせていただきました。
【もとむら】前回、小原でも述べさせていただきましたが、豊田市では、現在、特別養護老人ホームの待機者は876人です。住み慣れた地域で老後、暮らす方向ですが、この地域の特別養護老人ホームは、豊田福寿園さんとこささの里さんがありますが、いろいろ調べて、インターネットでは、豊田福寿園さんが豊田市のなかで一番待機者が多いとありましたが、それぞれ、実際のところは、どのくらいの待機者がありますか?
この猿投の地域の方が、特別養護老人ホームに申し込んだら「15年待ってください」と言われ、8年間3カ月、3カ月、3カ月・・・と病院を追い出され、転々とし、やっと最近入所できた方がみえます。
この地域は、団塊の世代の方が多く、いっきに本格的な高齢期に入っていきます。必要な施設はちゃんとつくっていかないと今以上にいっそう深刻になると思いますが、いかがですか?
2点目は、小原交流館のときに、介護保険料は来年4月から値上げせざるを得ないということが言われましたが、高齢者の皆さんは、年金が3年連続で引き下げになり、消費税も上がり、来年また消費税増税になる可能性もあります。そんななかで、介護保険料まであげたら暮らしが本当に大変になってきます。生活が苦しくなるようなこと、貧困を増やすようなことはしないでいただきたい。
豊田市は、全国でも有数の財政力がある街です。この財政力を生かして、介護保険料をあげない工夫をしていただきたいですし、特別養護老人ホームもちゃんとつくってほしい。
豊田市:2014年3月の数字ですが、豊田福寿園(定員100名)さんの待機者は、226名、こささの里(定員29名)さんの待機者は、23名。こちらの数字は、多くみえるかもしれませんが、いろんな施設に申し込みをされている方がはいった数字です。
豊田市全体で、複数の施設に申し込んでいる方ののべの待機者数は1687名で、その重なっている部分を除くと待機者数は876名となります。
一般財源を使って、介護保険料を上がらないようにおさえること、特別養護老人ホームをつくることについては、国の制度で、一般財源からの繰り入れができない制度になっているので、全国どこでもそうなっていて難しいと考えております。
【もとむら】国の制度は問題があることはわかっていますが、それでも高齢者の方の暮らしを支えるために市として何かできないかということなのです。国の制度は問題ですので、制度の改善を求める意見をあげていただきたいです。
【もとむら】この地域の介護施設で働いている方から、人がいなくて、泣きながら仕事をしているというお話をお伺いしました。介護職員の人材不足について、把握していることを教えていただきたいと思います。
また、国の法改定のなかで、要支援1、2の方々が介護保険から外された場合、介護事業所の経営が悪化するということはないでしょうか?事業所の収入が減れば、介護職員の方の給与が減らされることにもなりかねません(それでは一層人手不足になります)。
豊田市:介護職員の人材不足についての数字は豊田市としてはもっていませんが、国の方で、今、150万人介護職員の方がみえて、今後250万人の介護職員の方が必要と試算されています。国でも豊田市でも介護職員の不足は問題だと認識しています。
地域人づくりというものをやっていて、失業をされている方を人材育成して、介護事業に結びつくようにしている。
私ども介護事業所の皆さんにアンケートもとり、聞き取りもしておりますが、人材不足はどこでも出されています。豊田市としても介護職員の確保に努力していきたい。
要支援1、2の方々は介護保険から外された場合に、介護事業所の経営がどうなるかについては、報酬単価がどうなるかなど、国からまだガイドラインのようなものも示されておらずわからない状況です。
会場からは、いろんな質問・意見が出されました。
他の参加者の皆さんのご意見やご質問について、すべては書ききれませんが、少し紹介させていただきます。
◆(参加者の方)新しい制度で、認知症施策の推進とあるが、これまでの施策とどう変わるのか。
豊田市:これまで、新聞配達や牛乳配達、配食サービスなどで、見守りなど進めてきた。また、徘徊高齢者情報配信システム「かえるメールとよた」という事業を行い、徘徊による高齢者の行方不明の早期発見・保護のため、こういう特徴の方がいなくなってしまったなどの情報を一斉メールで配信し、迅速な情報提供を図る事業をおこなっている。第6期では、そのサポート体制を拡充する。
(もとむら私見:認知症の初期段階での手厚い支援で、重度化しないようにすることも大事。)
◆(参加者の方)特別養護老人ホームの待機者の問題、豊田市としてはどのように解消しようと考えているのか?今後の施設整備の目標は?
豊田市:今の特別養護老人ホームなどの施設整備の考え方は、要介護2以上の方の37%分の床数(ベット数)を考えている。豊田市では、現在、約1万2000人の要支援・要介護認定者がいますが、そのうち、要介護2以上は6000人。その37%で2200人の定員。第6期(2015年度~2017年度)は2500床(ベット)にするということで、300床をつくることを考えています。待機者数が876人にたいして、特に必要な方は2割だと考えております。
(もとむら私見:876人の方々、それぞれに困難をかかえ、必要性があって申し込んでいるのでは?一人一人の実態をしっかりとつかみ、支援していくことが大事)
◆(参加者の方)要介護1、2の人が特別養護老人ホームに入れなくなると言われたが、結局、家でみろということで、昔に戻ってしまうように感じる。
豊田市:もともと、制度ができた時から豊田市としては、自助・共助・公助という考え方をもっています。まずは自助、自分や家族で支え合いましょう、共助、地域で助け合いましょう、そして公助、このなかに介護保険も入ってくると思うが、この考えがもともとありました。
(もとむら私見:介護保険をつくるときに介護の社会化と言っていたはずだし、介護心中や介護離職で一家破滅などの深刻な事態をなくすためにも、介護基盤の充実で介護の社会化をすることが一層必要。)
◆(参加者の方)高齢者が元気でいられるように、老人会をなくすのではなく、よい取り組みをしている平戸橋一区のような活動ができるようにしてほしい。
(もとむら私見:高齢者の方々が、元気に過ごしていただけるような工夫はとても大事ですね!!他の地域の皆様からも学びたいです。)