もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
国会質問

質問日:2017年 2月 23日 第193国会 予算委員会

南スーダン自衛隊派遣日報 ブルーインパルス展示飛行

2017年2月27日(月) しんぶん赤旗

南スーダン資料要求 第11次隊の所属内訳明らかに 本村議員

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(写真)質問する本村伸子議員=23日

 日本共産党の本村伸子議員は23日、南スーダンで大規模戦闘が起きていたさなかに航空自衛隊小牧基地(愛知県)所属のC130輸送機部隊が派兵されていた問題を取り上げ、派兵中に部隊が作成していた資料の提出を求めました。

 同部隊が派兵された昨年7月11日前後には、同国の首都ジュバで政府軍と前副大統領派による大規模戦闘が発生し、陸上自衛隊の宿営地近くでも戦車や迫撃砲による激しい戦闘が起きていました。

 本村氏は、同機で派兵された隊員の日々のリポートなどの第一次資料と、邦人等輸送と国連平和維持活動(PKO)での同機の全活動が分かる資料の公開を要求。稲田朋美防衛相は、輸送業務について「全活動が分かる資料の提出準備を進めている」とし、PKO活動についても「離発着時間等を取りまとめた文書は提出可能」だと述べました。

 本村氏は、駆け付け警護など新任務が付与された第11次隊の所属駐屯地ごとの隊員数を質問。辰己昌良統合幕僚監部総括官は、青森駐屯地など各駐屯地からの隊員数の内訳を初めて明らかにしました。(表)

 本村氏はまた、3月に小牧基地で計画されているブルーインパルスによる危険な展示飛行の中止を迫りました。

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議事録

○本村(伸)分科員 日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 まず最初に、南スーダンPKO撤退を求める立場から質問をさせていただきたいというふうに思います。
 先日の日本国際ボランティアセンターの今井高樹さんのお話でも、自衛隊が活動しているところがジュバの中でも最も不安定なところなんだという御指摘や、PKO五原則は崩れているという御指摘、あるいは、日本は自衛隊派遣ではなく、憲法九条を持つ国として紛争当事者間の和解の手助けをする、こういう方法で貢献をするべきだということもおっしゃっておられました。
 私の地元愛知県にあります航空自衛隊小牧基地所属のC130輸送機も、南スーダン・ジュバに派遣をされております。
 資料一をごらんいただきたいというふうに思いますけれども、これは御存じのとおり、中央即応集団司令部が出した二〇一六年七月十三日のモーニングレポートです。ここの資料の中に、小牧基地所属のC130輸送機が二〇一六年七月十一日に小牧基地を出発し、南スーダン・ジュバに向かったということが書いてあります。なぜ派遣をされたのか、どういう政策判断を行ったのかということを知りたくて資料を見てみましたら、その判断を行ったときの政府の動きは全て黒塗りでございます。
 わかるのは、七月十一日十七時四十分、防衛省で関係幹部会議を開き、そして十一日の十八時二十五分、在外邦人等輸送の態勢確立に関する自衛隊行動命令が出され、そして同じ時刻に在外邦人等輸送の態勢確立に関する統幕長指令が発出され、そしてその二十六分後、十八時五十一分、C130輸送機が小牧基地から飛び立ちました。
 大変緊迫した事態というふうに見受けられるわけですけれども、モーニングレポートでは、政府の動きは黒塗りでわからないわけです。
 稲田大臣にお伺いをします。このとき、一体何があったのか、お示しをいただきたいと思います。
    〔主査退席、石崎主査代理着席〕

○稲田国務大臣 本資料の政府欄や防衛省各機関の記述部分については、昨年七月の衝突事案に係る政府や防衛省各機関における意思決定の過程や自衛隊の運用体制について記述しておりますが、それらを明らかにした場合、防衛省内及び政府部内の率直な意見の交換もしくは意思決定の中立性が損なわれるおそれがあり、また、自衛隊の任務の効果的な遂行に支障を生じさせるおそれがあることから、不開示としております。
 また、七月十一日に、御指摘のC130輸送機のジブチへの移動、待機のため、自衛隊法第八十四条の四の規定に基づく在外邦人等の輸送に係る準備行為については、本資料の防衛省欄に、命令の発出として、在外邦人等輸送の態勢確立に関する自衛隊行動命令を開示しています。
 閣議決定やそれに係る国家安全保障会議の開催は政府として公表しているところですが、本資料の不開示箇所には含まれておりません。さらに、不開示箇所にC130に係る記述はありますけれども、飛行経路に関する記述のため、他国との関係に係ることから不開示としているところでございます。

○本村(伸)分科員 先ほど国家安全保障会議の部分は含まれていないということもありましたけれども、当時の新聞報道では、二〇一六年七月二十一日付の朝雲では、日本政府は七月十一日、C130H輸送機と搭乗員ら約六十人の派遣を閣議決定というふうにも書いてございます。
 また、七月十一日、毎日新聞には、菅官房長官が十一日午前に記者会見で、南スーダン首都のジュバで政府軍と第一副大統領派の部隊が衝突し多数の死者が出ていることに関し、治安情勢が急激に悪化しているとして、在留日本人の退避に向けて自衛隊機の派遣準備に着手したことが明らかになっておりまして、そして、政府は、これに先立ち、首相官邸で国家安全保障会議を開催し、こうした方針を決定したということが新聞報道でございます。
 当時のこういう新聞報道に示されていることは一切書いていないのかということを確認したいと思います。
    〔石崎主査代理退席、主査着席〕

○辰己政府参考人 今御指摘のあった閣議決定、それに係る国家安全保障会議の開催について、本資料の中には含まれておりません。

○本村(伸)分科員 これは真っ黒だから本当にわからないわけですよ。大臣は隠蔽じゃないというふうにおっしゃいますけれども、こういう真っ黒だからこそ、私たちには不信感が募るわけでございます。
 二〇一六年七月十二日のモーニングレポートを見てみますと、七日の銃撃戦を発端とした大統領派、政府軍と副大統領派の衝突は、ジュバ市内全域の戦闘へ拡大と書いてあります。そして、十日、十一日も戦車や迫撃砲を使用した激しい戦闘がUNハウス、UNトンピン周辺で確認される等、緊張は継続、UNハウスにおいて中国軍兵士二名が死亡する等、UN兵士の巻き込まれ事案が発生と書いてございます。
 こういうところに自衛隊員の方々が派遣をされている。そして、こういうときに小牧基地のC130輸送機が飛び立ったわけでございます。
 大臣は日報の問題で防衛省の情報公開のあり方についても述べられておりますけれども、日本国憲法の国民主権の大前提は情報公開だと思いますけれども、大臣の認識をお伺いしたいと思います。

○稲田国務大臣 国民の知る権利、そしてそれにしっかりと応えていくということは大変重要なことだというふうに思います。
 したがって、南スーダンPKOを含む政府の施策に関する文書は、可能な限り国民に対して情報が開示されるべきというふうに考えております。私からは、今回の一連の経過を受けて、南スーダン派遣施設隊の日報等の情報開示、できる限り開示するように指示をいたしているところであります。
 ただ一方で、日報には、南スーダン全土やジュバの情勢、派遣施設隊の活動成果、自後の活動予定、部隊の状況等について記述をされていて、本資料の内容を全て開示してしまいますと、派遣施設隊の情報収集能力や警備を含む運用体制等が推察されて、自衛隊の任務の効果的な遂行に支障を生じるおそれがあるとともに、他国もしくは国連との信頼関係が損なわれる、そういったおそれがあることから一部不開示としているものでありますが、委員御指摘のとおり、今後とも国民の皆様の理解を深めていただけるよう努めてまいりたいと考えております。

○本村(伸)分科員 情報公開を徹底していただきたいと思うんですけれども、南スーダンPKOの日報について、こういう第一次資料については、保存期間一年未満とか用済み廃棄などではなく、ずっと保存していただきたいと思いますけれども、そのことをお約束いただきたいと思います。

○稲田国務大臣 今回、私は、この日報の取り扱いについて、今も規定自体は用済みは廃棄になっていますけれども、まず、施設隊が活動している間、そしてそれを次の教訓に生かせる適当な期間は保存をしていくように既に指示はしておりますけれども、今委員御指摘になりましたように、そもそもこの日報の取り扱いが一年未満、用済み廃棄でいいのか、そういう問題点は共通をいたしておりますので、今後の課題として早急に改善してまいりたいと考えております。

○本村(伸)分科員 次に伺いたいんですけれども、この南スーダンPKOの日報には傷病者数も書かれております。資料二にそれをまとめたわけですけれども、このことに関して三点お伺いをしたいんです。
 昨年七月六日から七日にかけて傷病者数は十一名、そして七日から八日にかけては七名、八日から九日にかけては二名、そして十一日から十二日にかけては七名と書かれております。一点目は、この方々はどういった傷病だったのかという点。
 二点目は、資料三をごらんいただきたいんですけれども、七月七日、ジュバでウガンダ出張の方が二名事故と書いてございます。どういうことかという点、この方々は大丈夫だったのかという点を確認したいと思います。
 そして三点目、七月八日のモーニングレポートでは、昨日の受診者数が黒塗りになっているわけでございます。これはなぜなのか、お答えをいただきたいと思います。

○辰己政府参考人 まず、傷病の方からでございますが、御指摘のどういう症状だったのかということについては、感冒であったり急性腸炎であったり急性咽頭炎などの疾患があった、そういうふうに報告を受けております。これらの疾患について、当時起こっていた武力衝突を理由とするものはございません。
 それから、ウガンダの件でございますが、ここには事故と記述をされているわけですが、この事故というのは、自衛隊でよく、単に不在をしているということでこういう表現を使います。当時ウガンダに、ここに書いてございますように、出張二名と書いてございますので、単に出張していたということでございまして、その間に事故があったということではございません。
 そして、この症状のところをなぜ不開示にするかというと、これを長期的に分析したり、いろいろな観点から見ると、自衛隊の運用や能力が推察されるのではないかということで不開示としております。
 以上でございます。

○本村(伸)分科員 七月八日、モーニングレポートでは、昨日の受診者数は黒塗りになっているんですけれども、その点はいかがでしょうか。

○辰己政府参考人 繰り返しになりますが、この受診患者の症例及び件数、こういった詳細を公表するということにつきましては、その傾向を分析するということで、自衛隊の運用、能力について推察が可能になるのではないかという観点から不開示としているところでございます。

○本村(伸)分科員 先ほどのC130輸送機の話に戻るんですけれども、日本の宿営地のすぐ隣で銃撃戦が行われる、また、戦車、迫撃砲も出てくるような緊迫した時期に、小牧基地C130輸送機はジュバに向かったわけでございます。
 ジュバで、自衛隊員の方々、傷病者の方もみえますけれども、その方々を含めて、この小牧基地から飛び立ったC130輸送機が運んだということは絶対にないのかという点、今後もこういう傷病者の方を運ぶ役割、C130輸送機にはないのかという点、確認をさせていただきたいと思います。

○辰己政府参考人 これまで、南スーダンPKOにおいて、こういうC130輸送機が傷病者を輸送した実績はございません。
 一方で、今後、このC130によってどういう方々を輸送するかという点でございますが、傷病者についても、それは状況によりますけれども、輸送が可能な場合、これは傷病者の症状にかかわることもございますれば、医務官などと相談をしながら適切に判断していくことになると考えております。

○本村(伸)分科員 もともと、このC130輸送機、七月十一日から十八日までの派遣予定だったものが、実際には二十二日に小牧に到着することになったというふうに思いますけれども、なぜそうなったのか、お示しをいただきたいと思います。

○辰己政府参考人 当時の状況でございますが、まだ現地におられる、在留の、ジュバにおられる邦人がどうされるのか、退避をされるのかどうか、その意向を確認する必要があったので、当初十八日ということにしておりましたが、四日間延長しまして二十二日まで、状況を確認して、その時点で帰国を決定したということでございます。

○本村(伸)分科員 七月十一日に出発したこのC130輸送機の日報を提出してほしいということを防衛省の職員の方にお願いをいたしました。そしたら、日報はないんだ、口頭でやりとりするんだという話でございました。大臣は、そのことを信じることができるでしょうか。
 三点要求をさせていただきたいというふうに思います。
 一つ目、七月十一日に出発した小牧基地C130輸送機三機の現地に派遣された隊員の方が書かれたレポート、あるいは、その報告を毎日聞き取った報告、これは日々報告という名前になるかわかりませんけれども、その第一次資料を提出していただきたいという点。
 そして二点目ですけれども、この航空自衛隊の南スーダンPKOの活動と南スーダン邦人等輸送の任務、誰を乗せていって誰を乗せて帰ってきたか、何を運んだか、全活動がわかる資料、どういうものがあるのか、リストをお示しいただきたい。
 そして三点目が、そのリストに示された全ての資料を出していただきたいというふうに思いますけれども、大臣の答弁をお願いしたいと思います。

○稲田国務大臣 昨年七月に実施した在外邦人等輸送の活動については、その都度、当時の中谷防衛大臣から記者会見等で公表させていただいておりますが、全活動がわかる文書については、提出の準備を進めております。
 また、航空自衛隊のC130の輸送機が南スーダンPKOのための輸送を行うに当たっては、陸上自衛隊の派遣施設隊の日報のような文書は作成はしていませんけれども、部隊等においては、輸送業務が終了するたびにその任務飛行中のC130輸送機の離発着時間等を取りまとめた文書は作成をしておりますので、これを提出することは可能でございます。

○本村(伸)分科員 ぜひ確実に提出をしていただきたいと思います。
 一部防衛省から資料をいただいておりますけれども、本当にぺらぺらの、一回の派遣に当たりぺらぺらの一枚しかないんです。そういうものではなくて、本当に全活動がわかるものを提出していただきたいと思いますけれども、お約束をしていただけますでしょうか。官僚の方がないと言われたので、大臣にお願いしたいと思います。

○辰己政府参考人 今大臣から御説明いただいたように、その輸送の活動についてその活動がわかる文書、これは提出の準備を進めております。
 それから、航空自衛隊の活動につきましては、陸上自衛隊のような日報を作成していません。そしてそれは、業務が終わるたびごとに離発着時間等をまとめた文書を作成しております。そういったものについては提出をすることは可能だと考えております。

○本村(伸)分科員 離発着時間だけではなく、誰を乗せていって誰を乗せて帰ってきたか、何を運んだかが全てわかる資料をお願いしたいというふうに思います。
 次に、陸上自衛隊の駆けつけ警護などを付与された南スーダンPKO第十一次隊の問題についてお伺いをしたいというふうに思います。
 現在、駆けつけ警護など新たな任務を付与して南スーダンPKOに行っておりますのが、第十一次の部隊でございます。派遣されている全ての駐屯地、人数を大臣にお示しいただきたいというふうに思います。

○辰己政府参考人 現在派遣されております第十一次要員は、東北方面隊隷下の第九師団、これを基幹としております。
 駐屯地ごとの人数を申し上げますと、東北方面隊内として、青森駐屯地約百三十名、八戸駐屯地約百二十名、弘前駐屯地約十名、岩手駐屯地約三十名、秋田駐屯地若干名、船岡駐屯地約三十名、仙台駐屯地約二十名、霞目駐屯地若干名、福島駐屯地若干名、これが東北方面隊の内訳でございます。
 その東北方面隊以外からも約二十名派遣されていますが、この差し出し元につきましては、部隊の運用、能力にかかわることから、差し控えさせていただきたいと思っています。

○本村(伸)分科員 きょう初めてそういうことを明らかにしていただいたんです。
 資料の五番のところを見ていただきたいんですけれども、今まで、これ以上絶対に出なかったわけでございます。ずっとこの国会質問をするまで出なかったわけでございます。これは本当に、主権者の皆さんが知らないうちに、そして私たち国会議員が知らないうちに、どこの駐屯地の方が行ったかわからないところで駆けつけ警護の新たな任務が付与されたわけでございます。これは本当に強く抗議をしておきたいというふうに思います。徹底した情報公開を求めておきたいというふうに思います。
 次に、賞じゅつ金の問題についてもお伺いをしたいというふうに思いますけれども、今回の南スーダンPKO第十一次派遣で加えられた新たな任務について全てお示しをいただき、その全ての新たな任務の賞じゅつ金の最高額、それぞれお示しをいただきたいと思います。

○辰己政府参考人 第十一次隊の要員につきましては、十一月十五日の閣議決定におきまして駆けつけ警護の任務が付与されました。また、十一次隊の要員からは、宿営地の共同防護、これも新たな任務として付与されました。
 宿営地の共同防護については、賞じゅつ金の最高授与額は六千万円でございます。それから、駆けつけ警護につきましては九千万円でございます。

○本村(伸)分科員 十二月六日に、この南スーダンPKO、駆けつけ警護について、賞じゅつ金は最高で九千万円というふうになりましたけれども、九千万円出るのはこれまでどのような任務があったのか、お示しをいただきたいと思います。

○鈴木政府参考人 最高額九千万円の授与額の賞じゅつ金に係る業務につきましては、これまで、イラク特措法に基づく活動に従事する場合、海賊対処行動に従事する場合及び原子力災害派遣により派遣される場合の自衛隊員の賞じゅつ金について適用しております。

○本村(伸)分科員 今回、四つ目の任務として、イラク派兵と同じぐらいのリスクを駆けつけ警護は持っている、そういう判断ということでよろしいでしょうか。

○鈴木政府参考人 駆けつけ警護に従事する場合の賞じゅつ金につきましては、リスクの増減という観点ではなく、あくまでも駆けつけ警護という新たな任務が付与されることに対応するものでございまして、その金額については、派遣先国の勤務環境や任務の特質等を総合的に勘案して判断しております。

○本村(伸)分科員 駆けつけ警護は、ほかの任務と比べてどのような危険性があると判断し、賞じゅつ金を九千万円にしたのでしょうか。

○鈴木政府参考人 先ほど申し上げましたように、駆けつけ警護につきましては、その任務を新たに付与したことに伴いまして、駆けつけ警護が行われる派遣先国の勤務環境や任務の特質等を総合的に考慮したものでございますので、リスクが高まる措置ということでは考えておりません。

○本村(伸)分科員 大臣にあの写真を見ていただきたいんですけれども、資料の四でございます。これは、愛知にございます陸上自衛隊守山駐屯地、公開された訓練で撮影されたものでございます。私は、この写真を見て本当にぞっといたしました。南スーダンPKOで絶対にこういうことがあってはならないというふうに強く思っております。
 稲田大臣は、十一月十八日、南スーダンPKOの新たな任務を付与する命令を行いました。そのときに、先ほども委員から発言がありましたように、稲田大臣は、命令を発出したのは私自身なので、全てのことについては責任があるというふうに発言をされました。もし自衛隊員の方々が亡くなったら、責任がとれないんです。だからこそ私たちは、今すぐ撤退するべきだということを強く申し上げているわけでございます。
 もう一つ、私、地元の問題でお伺いをしたいというふうに思います。
 ことし三月、航空自衛隊小牧基地オープンベースで、ブルーインパルスと軍用機の展示飛行が行われようとしております。県営名古屋空港、つまりは、小牧基地周辺は住宅密集地でございます。もし事故があれば大惨事になります。
 ブルーインパルスは、この間、浜松基地での死亡事故を初め、事故を起こしておりますけれども、原因と事故の概要についてお示しをいただきたいと思います。

○鈴木政府参考人 ブルーインパルスの事故につきましては、展示飛行中の事故としましては、昭和五十七年十一月に浜松基地航空祭で行った展示飛行におきまして、当時のブルーインパルス、T2型航空機一機が会場近くの駐車場の地面に激突する事故が発生した例がございまして、この事故におきましては、パイロット一名が殉職したほか、地上におられました十三名の民間の方々が負傷したとの記録が残っております。
 このほか、訓練中の事故としましては、平成十二年七月に、宮城県金華山沖で行った訓練において二機が墜落し、パイロット三名が殉職した例があります。
 このほかにも事故が発生しておりますが、こうした事故は決してあってはならないことであり、過去の事故を風化させることなく、隊員の教育及び航空機の安全な運航に万全を期す所存でございます。

○本村(伸)分科員 この間、県営名古屋空港、航空自衛隊小牧基地周辺で事故、トラブルが相次いでおりますけれども、その点についてもお示しをいただきたいと思います。

○齋藤政府参考人 航空自衛隊小牧基地には第一輸送航空隊が所在しておりまして、県営の名古屋飛行場を使用して輸送などの任務を行うとともに、任務遂行に必要不可欠な練度維持のための訓練飛行等を実施しております。また、米軍機は燃料補給等の目的で同飛行場を使用していると承知しております。
 御指摘の小牧基地及び周辺地域では、過去、自衛隊機や米軍機の墜落等の事故が複数あり、直近では、平成十九年十月三十一日、定期修理中の航空自衛隊のF2戦闘機が、試験飛行のため名古屋飛行場を離陸直後に落下、炎上、擱座するという事案が発生いたしております。
 また、名古屋飛行場では、昨年二月四日、油圧系統にトラブルが生じた航空自衛隊のC130H輸送機が緊急着陸し、四分間程度滑走路を閉鎖するという事案が発生したほか、本年一月十六日及び十七日には、同じくC130H輸送機のトラブルに伴い、それぞれ四分間程度滑走路を閉鎖するという事案が発生しております。
 このような滑走路の閉鎖を伴う事案は、平成二十六年度に二件、二十七年度に三件、二十八年度にはこれまで四件あったものと承知いたしております。
 このほか、小牧基地周辺においては、自衛隊機による部品落下について、平成二十六年度、二十七年度に各一件、二十八年度にはこれまで一件ありましたが、地元自治体から被害の報告等は受けていないものと承知いたしております。
 防衛省といたしましては、引き続き、安全確保に万全を期すとともに、万一事故が発生した場合の地元自治体への情報提供につきまして、できる限り速やかに対応してまいります。

○本村(伸)分科員 この周辺は、米軍機が墜落して、春日井市でも、名古屋市の千種区、北区、西区でも落ちて、亡くなったり、住宅が全壊したり住宅被害があるわけです。自衛隊機も墜落をして、春日井市、小牧市、岩倉市に落ちて、亡くなる方、住宅被害もあったわけです。
 こうした経過があるからこそ、ブルーインパルスの展示飛行を春日井市長もやめてくれと反対しておられます。そして、小牧市、豊山町も、二市一町で歩調を合わせていくと表明をされております。
 稲田防衛大臣にお伺いしますけれども、ブルーインパルスの展示飛行について、春日井市、小牧市、豊山町、そして名古屋市、基地周辺の自治体に了承はとったのか、お示しをいただきたいというふうに思います。
 そして、前回、ブルーインパルスの飛行があったわけですけれども、この申請書の部分に、当該飛行に伴う飛行場周辺住民に対する騒音対策としての周辺自治体の同意を得ているというふうに書かれております。反対しておられるわけですけれども、同意をとられているということはどういうことでしょうか、お示しをいただきたいと思います。

○豊田政府参考人 お答え申し上げます。
 航空自衛隊小牧基地航空祭におけるブルーインパルスの展示飛行の実施に当たりましては、地元自治体等関係者の御理解を得ることが重要と考えておりまして、現地の小牧基地におきましても地元説明に努めておるところでございます。
 御指摘のとおり、小牧基地が地元説明を行う中で、毎年、地元の自治体等の関係者の皆様から非常に楽しみにしているというようなお声もいただいていると聞いておりますけれども、一方、平成二十七年三月、平成二十八年三月に実施いたしました航空基地祭におけるブルーインパルスの展示飛行については、春日井市長から反対の御意見をいただく中での実施となったと承知しております。そのことは大変残念に思っておるところでございます。
 いずれにいたしましても、防衛省・航空自衛隊といたしましては、愛知県及び近隣県の皆様や小牧基地周辺住民の皆様にブルーインパルスの展示飛行をごらんいただくことは、防衛省・自衛隊に対する認識と理解を深めていただく重要な機会と考えておりまして、今後とも、地元関係者の皆様から御理解を賜ることに努めつつ、また、航空機の安全な運航に十分配慮しながら、ブルーインパルスの展示飛行を実施したいというふうに考えております。
 なお、小牧市及び豊山町の関係自治体につきましては、特段反対の御意見もなかったとの報告を受けておるところでございます。

○西村主査 本村伸子君、時間が来ておりますので、まとめていただければと思います。

○本村(伸)分科員 市民、議会、行政が入った春日井市飛行場周辺対策市民協議会も、絶対に容認することはできない、小牧基地オープンベースにおけるブルーインパルスの展示飛行の計画を中止するよう、断固申し入れますと、防衛大臣に申し入れ書が示されております。
 地元の自治体の皆さんや住民の皆さんが反対している、この危険なブルーインパルスの展示飛行を中止するべきだということを強く申し述べ、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

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参考資料

https://motomura-nobuko.jp/wp-content/uploads/2017/06/98e8f03b3b7f4b5a5c2275b83a1fdec2.pdf

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