もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
国会質問

質問日:2015年 6月 19日 第189国会 国土交通委員会

リニア・JR東海在来線安全対策

2015年6月22日(月)  しんぶん赤旗

環境アセスやり直せ リニア 計画書にない2変電所

衆院国交委で本村議員追及

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本村伸子議員

 リニア新幹線の工事計画書にない変電所建設計画が新たに長野県豊丘村と岐阜県恵那市の2カ所あることが明らかになりました。中部電力が先月、自治体に示すまでJR東海はこの事実を説明せず、国土交通省もつかんでいなかったことが分かり、本村伸子議員が19日の衆院国土交通委員会で追及しました。

 本村氏は「恵那市では小学校や保育園の真上を高圧線が張られ、子どもたちに電磁波の悪影響を及ぼすのではないかと懸念されている」と述べ、計画は事実かとただしました。経産省の吉野恭司大臣官房審議官は今年2月、JR東海が中電と契約したと答えました。

 本村氏は、変電所と送電設備の建設費はJR東海が負担することを確認したうえで、リニア新幹線の環境影響評価(環境アセス)書や工事実施計画書の記載や事実の把握について質問しました。国交省の藤田耕三鉄道局長は「環境影響評価書にも工事実施計画書にもない」と、国として把握していなかったと認めました。

 本村氏は「環境アセス逃れといわれても仕方ない。環境アセスや事業説明会をやり直すべきだ」と追及。太田昭宏国交相は「丁寧に説明するよう指導する」と述べるにとどまりました。

 

議事録

○本村(伸)委員 日本共産党の本村伸子です。
 リニア中央新幹線について質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 今月初め、リニア中央新幹線用の変電施設が新たに設置予定であるということがわかったと報道されました。報道にはこう書いてございます。JR東海がリニア中央新幹線の変電施設一カ所の建設を予定している下伊那郡豊丘村で、中部電力が別のリニア変電施設一カ所の建設を予定していることを同村に説明していなかったことが二日明らかになった。村側は、この変電施設について、中電から五月に知らされて初めて把握したという報道でございます。
 また、岐阜県の恵那市においても中部電力がリニア中央新幹線用の変電施設を建設することが、五月二十六日、恵那市議会の全員協議会で報告されたということでございます。
 まず、経済産業省にお伺いをいたします。
 この岐阜県恵那市、長野県豊丘村に中部電力がリニア新幹線用の変電施設を建設するというのは事実でしょうか。

○吉野政府参考人 お答えをいたします。
 中部電力株式会社によりますと、リニアモーターカー用の変電施設として、下伊那変電所それから恵那変電所、いずれも(仮称)でございますけれども、その建設を計画しておりまして、今後、建設に必要な調査や測量を行うというふうに聞いております。

○本村(伸)委員 この変電所というのはとても大規模なものでございます。この長野県豊丘村では、八から九ヘクタールということで、東京ドーム二つ分。岐阜県恵那市では、約十一から十二ヘクタールということで、東京ドーム二・五個分の広さにもなります。そうなりますと、森林の伐採ですとか、工事用の車両用の道路を敷設する必要があるということになってくると思います。
 送電線も、豊丘村の場合、伊那山地の地上部を十五キロにわたって張られる。高さ六十メートルくらいの鉄塔が、これから四十から六十という間で、そのぐらい立つということでございます。恵那市もそういうことになってくるというふうに思います。
 恵那市では、小学校や保育園の真上に高圧線が張られるということになる。子供たちに電磁波の悪影響が及ぼされるのではないかという心配の声もございます。さらには、景観、風切り音など、自然環境への影響や生活環境への悪影響が心配をされております。
 さらに、経済産業省に三点お伺いをしたいと思います。
 一つ目が、東京電力がリニア中央新幹線用の変電施設を建設する予定があるかという点。そして二つ目が、中部電力は、JR東海からリニア運行用の電力使用に関する申し入れをいつ受け入れ、契約をいつ結んだかという点。そして三点目が、中部電力が豊丘村、恵那市に変電施設の建設計画を正式に説明したのはいつかという点、お示しください。

○吉野政府参考人 お答えをいたします。
 まず一点目、東京電力の関係でございますけれども、東京電力株式会社によりますと、リニアモーターカー用の変電施設については、現時点では計画をしていないというふうに聞いております。
 それから二点目、中部電力とそれからJR東海の関係でございますけれども、まず中部電力株式会社とJR東海との契約の具体的内容につきましては、私契約でございますので、通常把握しているものではございませんけれども、中部電力によりますと、平成二十六年十一月にJR東海から中部電力に対し電力使用に関する申し入れがあり、本年二月に両社が電力使用に関する契約を締結したというふうに聞いております。
 それから三点目、御地元への説明についてでございますけれども、中部電力による変電設備の建設計画に係る説明については、長野県豊丘村に対しては、本年五月十一日に下平村長への建設計画の御説明をし、また同日、岐阜県恵那市役所の担当課に対しましても同計画の説明を行ったというふうに聞いております。
 以上でございます。

○本村(伸)委員 もう三点ですけれども、経済産業省に確認をしたいというふうに思います。
 一点目が、リニア用の下伊那変電所及び送電設備、恵那の変電所と送電設備の費用は一体誰が払うのかという点。そして二点目が、幾らかかるのかという点。そして三点目が、負担割合はどうなっているかという点を確認したいと思います。

○吉野政府参考人 お答えをいたします。
 この変電設備、送電設備の費用負担の問題でございますけれども、まず一般的に申し上げますと、変電設備や送電設備といった系統設備の増強を行う場合の費用負担につきましては、原則として、当該設備の設置による受益者が特定される場合には、特定された受益者全体で負担することになるということでございます。今回の変電設備及び送電設備の建設費用の分担についても、こうした考え方のもとでJR東海も必要な分を負担することになるというふうに聞いております。
 それから、建設費用それから費用負担割合でございますけれども、これらに関しましては、まず建設費用に関しましては、こうした情報が公になりますと競争において不利な立場に立たされるなどのおそれがあるため、お答えを差し控えたいと考えております。それから、具体的な費用負担割合については、私契約ということでございますので、これは承知しておりません。
 以上でございます。

○本村(伸)委員 国交省にお伺いをいたします。
 資料の一をお配りしておりますけれども、資料の一をごらんいただきますと、昨年の十月十七日にリニアの工事実施計画が認可をされました。この工事実施計画の資料の中に、工事費の予算書というものがございます。その中に、発電所、変電所というものがございまして、ここで千八百五十五億円ということが書かれております。
 この千八百五十五億円の中に、新しくつくると報告されております下伊那変電所及び送電施設、そして恵那の変電所、送電設備が入っているかどうか確認をさせていただきたいと思います。
    〔委員長退席、中村(裕)委員長代理着席〕

○藤田政府参考人 お答えいたします。
 御指摘の工事実施計画の中の工事費予算書における発電所・変電所費として示されている千八百五十五億円、この中に、中央新幹線新設に伴う運転用電源の供給に必要な施設としての変電所費用は含まれております。

○本村(伸)委員 JR東海がお金を出すということを、今の恵那変電所、送電設備と下伊那変電所、送電設備ということで確認をさせていただいたというふうに思います。
 続けて確認をしたいと思いますけれども、三点伺います。
 一つ目は、中部電力の変電所と送電設備はリニア中央新幹線の環境影響評価書や工事実施計画書に記載されていたかという点。二つ目が、国交省は、この工事実施計画を認可する際に、こうした計画があるということを知っていたかという点。三点目が、ことし二月に契約を結んだということですけれども、そういう点を国交省としてつかんでいたかどうかを確認させていただきたいと思います。

○藤田政府参考人 お答えいたします。
 変電所それから送電線についての具体的な位置等の整備に関する計画につきましては、中部電力が今後必要な調査、設計を行って決定する予定であります。したがって、中央新幹線の環境影響評価書や工事実施計画には記載はございませんし、その工事実施計画の認可時点では、これらの施設の具体的な位置等については私ども承知をしておりません。
 それから、JR東海が中部電力と締結した契約につきましては、これは当事者間の契約に関することでありまして、国土交通省としては承知しておりません。

○本村(伸)委員 予算書の中には含まれているのに、工事実施計画にも環境影響評価の対象にもしないというのは本当におかしいというふうに思います。
 そもそも、リニアで使用する電力の施設であれば、JR東海がきちんと説明するべきではないかというふうに思いますけれども、JR東海は、環境アセスやあるいは事業説明会のときに、住民の皆さんに説明をしていたのかどうかということを確認させていただきたいと思います。

○藤田政府参考人 この二つの変電所は、中央新幹線新設に伴う運転用電源の供給に必要な施設でありますけれども、中部電力が送電線のルートや変電所の位置を決定するものでありまして、現在、中部電力が必要な調査、設計を行っているところと聞いております。
 それから、中部電力が、関係する県、市町村、関係者に対して、順次計画概要を説明しているところと聞いております。

○本村(伸)委員 リニアを運転するための電力というのは、工事実施計画で書いてある変電所だけでは足りないということなんですよね。
 今回、中部電力が出してきた二つの変電所は、リニアを動かすためにはなくてはならない必要不可欠なものだというふうに思います。それを、環境影響評価書にも書かず、工事実施計画にも出さず、そして市町村、住民の皆さんにも説明してこなかった。これは、アセス逃れだと言われても仕方がないというふうに思います。
 私は、この事業の進め方に瑕疵があるというふうに思います。こういうやり方は、大臣がこれまでずっとおっしゃってきた丁寧な説明という点や住民の皆さんへの理解と納得ということとは、全く違う状況じゃないかというふうに思いますけれども、環境アセスや事業説明会などをやり直すべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

○太田国務大臣 今局長からも話があったとおりでありますが、電力会社が計画をする変電所や送電設備などの電力会社の設備の建設工事に関しましては、これまでの在来線やあるいは新幹線と同様に、電力会社が説明を行うということになります。
 先ほど局長が答弁しましたように、中部電力が、関係する県、市町村、関係者に対して順次説明をするというふうに聞いているところでございます。

○本村(伸)委員 予算書の中には入っている、JR東海がお金を出すにもかかわらず、住民の皆さんに説明をしていなかったというのは、これは事業の進め方について本当に瑕疵があるというふうに思います。こういう事例はこの変電所だけではなく、JR東海は、工事実施計画には盛り込まれていなかった工事関連施設を新たに設置しようという例は、ほかにもあるわけでございます。
 通常の鉄道のレールに当たるリニアのガイドウエーの作業ヤードや仮置き場なども、何の説明もなかったのに突然また出してくるということもございます。JR東海は、ガイドウエーを組み立てて仮置きする場所や工事の資材置き場など、飯田の下伊那地方で約十ヘクタールほどの用地を探しているというふうに報道をされております。特にガイドウエーに関しては、五ヘクタールほどの広大な土地が必要だというふうに報道をされております。
 このように、後出しじゃんけんのように次から次へといろいろな施設が事業説明会が終わった後、環境アセスの手続が終わった後に出されてくる、こういうやり方は許されないというふうに思いますけれども、大臣、しっかりと指導するべきじゃないでしょうか。

○太田国務大臣 ガイドウエーの製作場所や仮置き場など工事に伴って必要となる資材置き場や作業ヤードにつきましては、事業の進捗に合わせて地元自治体と相談しながら候補地を検討していくというものです。
 したがって、今後、計画を具体化する中で、地元に対しまして丁寧に説明するように指導監督してまいりたいと思っています。

○本村(伸)委員 丁寧な説明と言っておりますけれども、丁寧な説明をされていないということをきょうも指摘させていただいているわけでございます。国は、JRがおやりになることだからといってほとんど責任をとらないわけですけれども、しっかりと責任を果たしていただきたいというふうに思います。
 そもそも、この問題山積のリニア事業についてですけれども、JR東海は、リニア中央新幹線の事業説明会で、リニア中央新幹線事業だけでは採算がとれないというふうに説明をしております。あえて採算がとれない事業を行う意味は何なのかということを、大変理解しがたいものがあるわけですけれども、確認させていただきたいんですけれども、リニア事業は単独では採算がとれない事業かということをまず確認させていただきたいと思います。

○藤田政府参考人 中央新幹線は、全国新幹線鉄道整備法に基づいて実施をされる事業でございます。
 この法律の中では、建設主体として指名しようとする法人は、その建設をみずから適確に遂行するに足る能力を有すると認められるものでなければならないというふうに規定されております。
 こうした観点から国土交通省はいろいろ検討しているわけでございますけれども、本事業につきましては、全国新幹線鉄道整備法に基づいて、交通政策審議会においてJR東海の財務的事業遂行能力の検証を行ったところでございます。
 この結果、収益力の高い東海道新幹線と一体的に経営を行うことで、経営の安定性を維持しながら事業を遂行することは可能であるという答申を得たということでございます。

○本村(伸)委員 もう一度お伺いしますけれども、採算は単独ではとれないという理解でよろしいでしょうか。

○藤田政府参考人 私どもは、建設主体としてのJR東海の経営の安定性を維持しながら事業を遂行できる、このことを確認しております。

○本村(伸)委員 当時の社長が採算はとれないという発言もされているというのは有名なことでございます。リニア中央新幹線というのは、単独事業では採算がとれない事業だ、東海道新幹線の収益によって維持される事業だということだというふうに思うわけです。
 私どもは、やはり今世紀最大のこの事業、九兆円も巨額の費用を使って、自然環境を大幅に壊し、そして生活環境を壊し、膨大なエネルギーを消費し、東京一極集中を加速するような、こういうさまざまな問題を抱えた事業、これはやめるべきだというふうに考えておりますけれども、リニア単独では採算がとれないというのがわかっているのに、なぜ推進するのかと本当に理解に苦しむわけでございます。
 さらに、採算性の問題や財政の問題についても加えてお伺いをしたいというふうに思います。
 巨大なこのリニア事業というのが開業、完成する前に、財源不足など採算がとれなくなる場合が起こり得るわけですけれども、その一つ、考えられることとして、建設工事費などが膨れ上がってJR東海が工事費の資金手当てができなくなるという場合、もう一つは、リニア開業時までに収益源の東海道新幹線が災害などで運行が不可能となって、想定どおり収益が得られない場合などが考えられるというふうに思います。
 そこで、確認をさせていただきたいんですけれども、JR東海は、資金計画の中で、五兆円を超えて債務を抱えることはできないというふうにされていると思いますけれども、いかがでしょうか。

○藤田政府参考人 JR東海は、交通政策審議会、これは平成二十二年五月十日の第三回中央新幹線小委員会でございますけれども、この場で同社の長期債務残高の数字について説明をしております。
 すなわち、長期債務残高を一定の範囲内に抑えて健全経営を堅持するための財務規律を保つ必要があり、各種指標及び過去の経験から、長期債務残高を五兆円以内とすることが適切かつ必要であるというふうに説明をしております。

○本村(伸)委員 大もうけを上げているJR東海でも、借金できる上限は五兆円、五兆円を超えて借金はできないということだというふうに思います。
 一方で、品川から名古屋間の建設費というのは、二〇〇九年当初は五兆四千三百億円だったわけですけれども、昨年、工事実施計画の認可時には五兆五千二百三十五億円と、既に九百三十五億円も膨れております。工事費がふえたことで、借金もふやさざるを得ないというふうになると思います。
 一つ目の、建設工事費が膨れ上がるリスクについて、具体的にお伺いをしたいというふうに思います。
 東海道新幹線など、これまで開業してきた新幹線の建設認可時の総事業費と完成までに実際にかかった事業費について、大体どこも膨れ上がっているというふうに思います。確認いたしますけれども、東海道新幹線、上越新幹線、東北新幹線の東京―盛岡間の工事実施計画認可時点と最終的にかかった額、それぞれの額をお示しいただきたいと思いますし、同時に、何倍になったのかということをお示しいただきたいと思います。

○藤田政府参考人 御指摘の区間の工事認可時それから工事完了時の事業費等でございますけれども、まず、東海道新幹線、東京―新大阪間につきましては、認可時が約一千七百二十五億円、完了時が約三千三百十億円、倍率にして一・九倍でございます。上越新幹線、大宮―新潟間につきましては、認可時が約四千八百億円、完了時が約一兆六千八百六十億円、倍率にして約三・五倍でございます。東北新幹線、東京―盛岡間につきましては、認可時が約八千八百億円、完了時が約二兆六千五百五十億円、倍率にして約三・〇倍となっております。

○本村(伸)委員 お配りしております裏面の資料二を見ていただきたいというふうに思いますけれども、これは国土交通省から提出をしていただいた資料でございます。
 各新幹線、全体で見ても一・七三倍に、当初と最終額を比べると膨れ上がっております。貨幣価値も違いますので一概には言えませんけれども、短期間で突貫工事で行ったと言われております東海道新幹線でも約二倍近くに建設費は膨れ上がっております。上越新幹線については三・五倍にも膨れ上がっているわけですけれども、なぜこんなに膨れ上がったのか、その主な理由をお伺いしたいと思います。とりわけ山岳トンネルの難工事の影響も大きかったのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○藤田政府参考人 上越新幹線の工事費の増加の理由でございますけれども、その建設主体であった当時の日本鉄道建設公団の工事誌、これは工事の記録でございますが、これによりますと、最も大きいのが物価の高騰ということでございます。これは、費用の増加額全体で一兆二千六十億円でございますけれども、そのうちの約半分、五〇%、六千六十八億円が、昭和四十八年、五十四年の二度のオイルショック等による物価の高騰に起因するものであるというふうにされております。
 山岳トンネルにつきましては、トンネルの地質不良による工法変更による増額が約千五百億円でございまして、増加工事費のうちの約一割強となっております。

○本村(伸)委員 上越新幹線においては、長大な山岳トンネルの工事で大出水があったり山はねの発生など、難工事によって工事費が膨れ上がったということは言えるというふうに思います。
 リニア中央新幹線については、八六%がトンネルでございます。全長約三十七キロの大深度地下トンネルの第一首都圏トンネルや、全長三十四キロメートルの第一中京圏トンネル、木曽山脈を貫く二十三キロの中央アルプストンネル、そして、南アルプストンネルは標高三千メートル級の山々が連なる山脈の真下を貫く約二十五キロの山岳トンネルでございます。
 これまでやったことのないトンネル工事も含まれ、大臣も認められているように、難工事が予想されるというふうに思いますけれども、費用の方も計画どおりにはいかないのではないか、増額することになるのではないかという心配がございますけれども、いかがでしょうか。

○藤田政府参考人 一般に、長大トンネル等の工事におきましては、さまざまなリスクを最小化する上で、まず施工前に十分な調査を実施して地質条件を把握すること、それから適切な工法で工事を実施すること、このことが重要だと考えております。
 中央新幹線につきましては、これまで全幹法に基づく国からの指示により、昭和四十九年から平成二十年まで、国鉄、鉄道・運輸機構、JR東海が地形、地質等に関する調査を行ってまいりました。その調査結果を踏まえて、鉄道・運輸機構及びJR東海が建設費を算定し、さらにそれを交通政策審議会において検証してきたという経過を経ております。
 平成二十三年五月の同審議会の答申では、建設費用の比較において重要な要素となるトンネル工事についても、全幹法に基づく調査の段階において、南アルプスルートの地山等級を最も厳しく査定した上で積算を行っており、工事費の想定は合理的に行われているものと判断できるというふうにされております。
 このことは、工事実施計画の認可に当たりましても、私ども、他の公共事業等における建設費等も参考にしながら、内訳、考え方について確認をしたところでございます。
 さらに、JR東海は南アルプストンネルにつきまして、先進ボーリングにより事前に地質等を把握する、あるいは先進坑を掘削しながら地質等を確認する等、入念な地質調査を行いながら適切な工法をとるというふうに聞いております。

○本村(伸)委員 ここでもう一つ確認をしたいんですけれども、報道では、リニアの品川駅の建設工事の入札が不調になった、JR東海の予定価格よりも札を入れた全社の提示した価格が上回ったという報道がございます。
 今、資材の高騰ですとか人件費の高騰、技術職人の方々の労働者不足など、ゼネコンといえども従来の公示価格では受注できない、公示価格の値上がりという事態が既に始まっているというふうに思います。
 リニア品川駅の入札が不調になったというのは事実かどうか、国交省としてどうつかんでいるか、お示しください。

○藤田政府参考人 御指摘のような報道があったことは承知しておりますけれども、これはJR東海による契約の事項でございまして、詳細は承知しておりません。

○本村(伸)委員 全く無責任だというふうに思います。リニアの品川駅の入札不調というのは、今の計画よりも事業費が膨らむのではないかということを、一層危機感を持つわけでございます。
 二〇一〇年十一月の交通政策審議会の議論でも、首都直下地震が発生したらどうなるのかという意見もございました。大地震が発生して、東海道新幹線が被災をして、損傷して、運行できなくなれば、収入源が一時絶たれてしまう。そうなった場合に、リニア建設工事だけ進めるということにはならないのではないかということを思うわけでございます。
 JR東海が示している費用を大幅に上回る事業費負担が発生する可能性がある、そして、大震災などで被災した場合に東海道新幹線の収益が減少する、結果としてリニア建設事業が続けられないという事態が発生した場合に、政府として何らかの救済措置をとるのかどうか。政府の支援として債務保証とか政府保証とかするのかということを確認したいと思います。

○藤田政府参考人 中央新幹線につきましては、まず、JR東海が全額自己負担で整備する意向を示したことを受けまして、交通政策審議会において合計二十回、有識者の幅広い御議論をいただきました。
 その結果、不測の事態が発生し、一時的な収入の低下や設備投資費用の増加などの事態が生じたとしても、債務残高を一定の水準に抑制しつつ、投資のタイミングを適切に判断することにより、経営の安定性を維持しながら事業を遂行することが可能であると考えられるという答申をいただいたところでございます。この答申を受けまして、リニア中央新幹線の建設主体としてJR東海を指名し、JR東海に対して建設の指示を行ったところでございます。
 国土交通省としましては、今後とも、JR東海が全額自己負担により整備を進めることを前提に、本事業が着実に進むよう必要な支援をしてまいりたいと考えております。

○本村(伸)委員 政府が支援しないということですね。

○藤田政府参考人 JR東海が全額自己負担により整備を進めることを前提というふうに考えております。

○本村(伸)委員 ちょっと曖昧な点があるというふうに思います。
 五月十三日の国土交通委員会の中でも、JR東海が売上経常利益率二六%で、分割・民営化当初に想定されていた適正利益一%を大幅に上回る巨額のもうけを上げているということをはっきりさせたわけですけれども、こういうJR東海に対して、国、政府がまず率先してやらなければならない支援はリニアではないというふうに思います。政府や行政がまずやるべきことは、公共交通機関として最も大切な安全性と公共性をいかに確保させるかということだ、そのために監視や監督こそが今求められているというふうに思います。
 そこで、JR東海の安全対策、バリアフリーの対策の現状についてもお伺いをしたいと思います。
 JR東海の安全、バリアフリー対策に関して、二点お伺いをいたします。
 ホームドア、ホーム柵の設置状況、新幹線のホームごとのものと在来線。そして二点目、駅の無人化の状況、JR東海の全ての線の駅の無人化の割合、そして武豊線や飯田線の駅の無人化の割合をお示しいただきたいと思います。

○藤田政府参考人 まず、JR東海におけるホームドアの整備状況でございますけれども、平成二十六年度末現在、新幹線七駅において設置をしております。在来線につきましては、これは扉位置の異なる車両が混在しているなどの理由によりまして、ホームドアが整備されている駅はございません。
 それから次に、無人化駅でございますけれども、平成二十七年四月現在、JR東海全体で、全駅数に占める無人駅の割合は約六割でございます。御指摘の武豊線、飯田線につきましては、無人駅の割合がそれぞれ約九割となっております。

○本村(伸)委員 本当にひどい話だというふうに思います。巨額のもうけを上げているのに、ホームドアは在来線ではどこもついていない。そして無人化。先ほど、武豊線、飯田線は九割無人だと。本当にひどい、安全対策が進んでいないと思います。
 名古屋駅でも新幹線はついているとおっしゃっていましたけれども、東京に行く方はついているんですが、大阪に行く方はついていないわけでございます。そこでも中途半端になっているというふうに思います。
 こういう在来線の安全サービスの改善の取り組みこそ、今求められているというふうに思います。リニア建設よりも、既存の東海道線や在来線の安全対策やサービスの向上こそやるべきだと指導するべきじゃないでしょうか。大臣、お願いいたします。
    〔中村(裕)委員長代理退席、委員長着席〕

○太田国務大臣 サービスの改善ということや安全対策は当然必要だし、両方やるべきものだというふうに思っております。
 私、例えば、JR東海の小牧の研究施設等にも行かせていただいたりしていますけれども、耐震あるいは老朽化対策ということについても大変すぐれた、脱線防止ガードや高架橋の耐震工法、そして、橋梁やトンネルなどの土木構造物の老朽化対策工法、大変技術開発をしながら、具体的に投資もそこにしてきているという現状を見ているところでございます。
 サービスの改善や安全対策はともに重要でありまして、リニア事業を着実に推進するとともに、既存の路線のサービス改善や安全性の向上に努めていただきたい、このように考えているところです。

○本村(伸)委員 採算のとれないリニア事業に巨額に投資して、ホームドアさえ在来線では全くつけられていない。視覚障害者の方々や車椅子の方々の本当に切実な願いに応えようとしないで、リニアばかりに投資するこのやり方はおかしいというふうに思います。
 JR東海に対して、公共交通機関としての責任を果たさせるべきだということを申し述べ、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

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参考資料

https://motomura-nobuko.jp/wp-content/uploads/2017/06/2ffb03bb4392700279711e474fe72120.pdf

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