更なる保育士配置基準改善、処遇改善を求める質問を衆議院予算委員会第一分科会で行いました。
保育士の皆様、保護者の皆様が、1万5000人以上のアンケートをとって、保育現場の実態を可視化するなど、「子どもたちにもう1人保育士を!」と大きな声をあげ、
2024年度から保育士1人が担当する子どもの人数の基準が、とうとう改善します!
4歳児・5歳児 30人→25人(76年目にとうとう改善!)
3歳児 20人→15人(55年目にとうとう改善!)
まだまだ政府、国会は、皆様の声に応えきれていません。
一歩前進ではありますが、OECD調査では、先進国ワーストクラスのままです。
子どもの命・安全を守るためにも、子どもの権利を保障する丁寧な保育を実現するためにも保育士の配置基準と諸軍改善の更なる改善が必要です。
質問に関し、感想的コメント
◆公立保育園・民間保育園の全施設分の財源が確保されていると加藤鮎子こども政策担当大臣が答弁したことは、これから現場で迫っていくうえで大事だと思います。
◆重大事故増大、配置基準完全実施を先送りしていいはずがない。「当分の間」はごくごく短くすべき、との質問に、加藤大臣は「すべての子どもが良質な保育を受けられる体制を早急に確保することが重要」と答弁。そんなに積極的な答弁とも思いませんが、「早期に確保」はそれなりに前向きととらえたいです。
◆3歳児加算のできているところとできていないところの調査、比較などをやると言ったことも大事な点です。
◆潜在保育士は107万人。保育士不足ではなく、「現状の保育施設で働きたい保育士が不足している」
◆基幹的業務が所定労働時間内に終わらない、有給、休憩時間などの実態調査の要求については「保育士が無理のない働き方ができているかに関する実態把握につきましても、科学的検証のエビデンスとなり得るかも含め検討しつつ、何ができるか検討していきたい」との答弁。引き続き、「検討の結果どうなった?」としつこくチェックしていきたいと思います。
◆こども誰でも通園制度に関する答弁は、保育士以外に頼る規制緩和に使われないか、すごく心配です。本当は相当なベテラン保育士さんが担うべき内容なのではないかと思っています。
◆質問後、与党議員が「いい質問でした。本当にひどいね。やります!」とおっしゃっていました。本当に早急に保育士の配置基準の改善、処遇改善をやってほしいです!!!
==================
質問の映像へのリンク
保育士配置改善さらに「丁寧な保育実現へ」 2024.2.28
議事録
2月28日 衆議院予算委員会第一分科会 書き起こしメモ
【さらなる保育士の配置基準改善と処遇改善を】
もとむら伸子
日本共産党の本村伸子でございます。
どうぞよろしくお願いを申し上げます。
さらなる保育士の配置基準の改善、そして処遇改善を求める立場で質問をさせていただきたいと思います。
76年目にして、これまで動かなかった4歳児、5歳児の保育士の配置基準がとうとう改善をすると、そして3歳児の保育士配置基準も55年目にしてとうとう改善をいたします。
もう一人子どもたちに保育士を!愛知の保育士の皆さんや保護者の皆さん、そして全国の保育士の皆さんや保護者の皆さんが本当に大きな声を上げ、アンケートも合計をいたしますと、1万5千人以上の方々の声を取り、そして保育現場を可視化をしていくというご努力をしてくださいました。
そういう声で政治が動いたということは本当に嬉しいことです。
しかし、まだまだ政府や国会はそういう声に十分応えていないと私は痛感をしております。
今回、4歳児、5歳児30人に1人という保育士の配置基準を子ども25人を1人の保育士さんでみるというふうに改善をいたしました。
そして、3歳児は20人に1人の保育士の基準が、子ども15人に1人の保育士というふうに改善をするという方向になっております。
一つ前進をいたしますけれども、しかし、国際的に見てこれはどうなのかということも再確認をさせていただきたいと思います。
資料を1パネルをご覧いただきたいんですけれども、一番上に日本がございます。
これはOECDの国際比較になるんですけれども、もともと日本はワースト1でございました。
じゃあ、今回、改善をされてこのワースト1がどうなるかというと、25人のところで見ていただきたいんですけれども、
国際的、先進国で見てみましても、やはりまだワーストクラスということになっております。
やはり、先進国の中でも子どもたちを大切にしていないという状況だと私は思っております。
今、改善をすると言っても、ここでとどまってはならないと思います。
まず確認をさせていただきたいんですけれども今回3歳児、4歳児、5歳児の保育士配置基準の改善ですけれども、保育園、地方自治体に財源をしっかりと保障するべきだというふうに当然ながら考えております。
公立保育園、民間の保育園両方全保育園分、ちゃんと財源は保障されますねという点、確認をさせていただきたいと思います。
そして、財源を財源措置されているということをちゃんと広報、徹底をしていただきたいというふうに考えますけれども、加藤子ども政策担当大臣、そして総務大臣政務官ぜひお答えをいただきたいと思います。
加藤鮎子こども政策担当大臣
お答え申し上げます。
保育士の配置基準につきましては4、5歳児について令和6年度からこども未来戦略に基づき30対1から25対1へ委員御指摘のとおり、改善を図るための公的価格上の加算措置を設けることとしております。
併せて当分の間は従前の基準により運営することも妨げないとする経過措置を設けた上で最低基準の改正を行うこととしました。
また、平成27年度より公的価格上の加算措置を実施している3歳児につきましても、令和6年度から経過措置を設けた上で最低基準の改正を行うこととしております。
配置基準の改善に係る費用につきまして、私立保育所につきましては、国負担分の財政支援を行うとともに、地方負担分について普通交付税措置を行うこととしております。
また、公立保育所につきましても普通交付税措置を行うこととしているところであり、私立公立問わず全ての施設において配置基準の改善に必要な財政支援を講じることとしております。
船橋総務大臣政務官
お答えいたします。
今ほど加藤大臣の方からもお答えいただいているところでございますけれども、3歳、4歳、5歳児の保育士配置基準の改善に係る費用を含めた保育所の運営費については、施設型給付費により公費負担をすることとしてございまして、その地方負担分に対して地方交付税措置を講じることとしております。
なお、4歳5歳児の配置基準改善は、こども未来戦略に基づいて令和6年度から実施されるものでございまして、その地方負担に対して新たに地方交付税措置を講じることについて、本年1月に各地方団体に対して事務連絡を発出をして周知をしているところでございます。
もとむら伸子
はい。総務省分、地方交付税措置ということで、3歳児の分は従来からやっているので、今回新たに通知をしなかったようですけれども、3歳4歳5歳と保育士の配置基準の改善について財源は保障されているということを確認をさせていただきました。
先ほど加藤大臣がお話にありましたように、今度は、「当分の間は従前の基準により運営も可能とする経過措置を設ける」という問題について質問をさせていただきたいんですけれども、
そもそもなぜ保育士の配置基準の改善が必要だったかということが問われると思います。
子どもの命と安全を守るためであり、一人一人の子どもの発達を保証するために保育士の配置基準の改善をしてほしいという声が大きく上げられたわけです。
先送りしていいはずがないと私は考えております。
資料16をご覧いただきたいんですけれども、一番最後めくっていただいて、16の資料を見ていただきたいんですけれども、
これは子どもたちにもう一人保育士を全国保護者実行委員会、全国実行委員会の皆様がまとめられた資料です。
保育事故を防ぐために、配置基準の改善は不可欠なのだ、というふうに訴えられております。
子どもさんが亡くなったり、重体になったり、悲しい事故が相次いでおります。
ここにも書かれておりますように、件数は2015年399件だったものが、2022年で言いますと、1896件と、約4.8倍にもなっております。
こうした悲しい事故をなくすためにも、当分の間、今の配置基準でいいというのではダメなのだ、というふうに私は考えております。
やはり国を挙げて子ども家庭庁を挙げて、命・安全を守るその真剣な取り組みこそ必要だというふうに考えております。
各自治体が不適切保育ですとか、重大事故ですとか、そうした事故が起こった時に検証を行っております。
その検証結果、再発防止に向けた提言が資料16、17のところに書かれておりますけれども、例えば三重県桑名市の不適切保育の事案で言いますと第三者委員会の報告書では保育の実践現場では保育士1人が担当する子どもの数が多く、全国的に見てもこのことが保育士等の余裕のなさにつながり、子どもの権利を保障する丁寧な保育を難しくさせていることが従来から指摘をされている。
この基準では不適切保育を防止するという観点はもとより、災害時や防犯の観点から子どもの安心安全を守ることに困難が予想されるというふうに記され、保育士の増員が提言をされております。
愛知県の一宮市5歳の子、意識不明の重体となりました。この検証、提言をみてみますと、やはり、配置基準このままの国の配置基準では足りないのだというふうに結局読み取れる提言が出されております。
次にパネル2、3ですね。
資料の2、3を見ていただきますと前後して申し訳ないんですけれども、0歳児から5歳児までの保育の状況を可視化するイラストが書かれております。
今回改善をする3歳児、4歳児、5歳児、「当分の間」で本当にいいのかということを問いたいと思います。
3歳児のところの絵を見ていただきたいんですけれども、20人に保育士さんは1人というところで、奥にテープカッターを戸棚から取ろうとして落としてしまったと、そこまでは描いてないんですけれども、実は現場ではこのテープカッターを取ろうとして落としてしまったと、そして隣にいた子どもの頭を3針縫う怪我をさせてしまったと。やはりこういう時にもう1人保育士がいれば、怪我をさせずに済んだかもしれないと、そして、この絵の中にはたくさんの子どもたちの声が書いてあります。おしっこしちゃったよ、うんこ出たよ。あるいは、先生、見て見て、先生、エプロンつけて、こういう子どもたちの声がたくさん載っていますけれども、もう1人保育士がいれば、こういう子どもたちの声ももっともっと聞くことができるかもしれないと、そして右の方には保護者の方もうつっております。保護者の方が相談したいけれども、先生忙しそうというふうに仰っておりますけれども、もう1人保育士がいれば、保護者の方の声ももっと聞くことができるかもしれない、と。
先生のところを見ていただきたいんですけれども、先生も保育士さんもトイレに行きたいけど行けないということが書かれております。
保育士さんがトイレに行く時間も取れずに膀胱炎になっているということは、よく聞くお話だと思います。
そして、4歳児、5歳児30人に1人、園庭遊びの絵なんですけれどもこの30人に1人という状況が25人に1人になったとしても、命と安全を守ることが非常に難しい実態があるというふうに思います。
子どもの命・安全を守るためにも、発達を保障するためにも、「当分の間」というのはごくごく本当に短い期間でなければならないというふうに考えますけれども、加藤大臣の見解を伺いたいと思います。
加藤鮎子こども政策担当大臣
お答え申し上げます。
最低基準を引き上げた場合には、全ての施設において新しい基準に見合うだけの保育士等を確保することが必要になりますよって、保育士等の確保ができない施設においては、子どもの受け入れができなくなるなど、子どもたちへの保育の提供に支障が生じる可能性がございます。
こうしたことを踏まえ、経過措置を設けることとしております。
現時点で経過措置の見直し時期を明示することは困難ですが、
全ての子どもが良質な保育を受けられる体制を早期に確保することが重要であり、職員配置の改善状況を把握するとともに保育士の確保の取り組みを進めてまいります。
もとむら伸子
やはり完全実施、この配置基準の改善の完全実施の取り組みを行う上でも従来から行われてきた3歳児の配置改善の加算、これを取得した保育園、これは保育士さんが確保できた保育園ということになりますから、この加算を取得した保育園と取得していない保育園、これの調査、比較、分析が必要だというふうに考えております。
3歳児加算の取得している割合ですけれども、公立民間の保育園は内閣府の調査でも89.3%ができていると、ただ1割程度ができていない。公立は3歳児加算と同程度の配置をしているというのは28.3%ということで、公立がかなり遅れているということも見て取とれます。
公立、民間ともに分析、比較調査やっていくべきだというふうに考えますけれども、まず見解を伺いたいと思います。
特に遅れている公立保育園の調査、分析が必要だというふうに考えます。
ぜひ、3歳児加算やっている園とやっていない園との違いを分析していただき、どうやったら基準の方向へ行けるのか急いで明らかにするべきだというふうに考えますけれども、大臣と政務官ぜひお答えをいただきたいと思います。
加藤鮎子こども政策担当大臣
お答えを申し上げます。
3歳児配置改善加算につきましては。
平成27年度より私立。保育場において3歳児の職員配置を20対1から15対1に改善した場合に公定価格上の加算措置として実施をしてきたものであります。
その配置改善の実施状況について、私立保育場では実施の状況を把握するなど一定の調査分析を行っている一方で、公立の保育場につきましては加算の対象外であったことから、これまで調査を実施しておりませんでした。
私立保育場におきましては、3歳児配置改善加算について9割の施設で実施をされております。
また、加算を取得していない理由について、一部の自治体に聞き取り調査を行ったところ、必要な保育士を確保できないことが主な理由として挙げられており、引き続き保育士等の確保の取組を進めてまいります。
また、公立保育場につきまして、今般の最低基準の改正を踏まえた実施状況を把握することは重要と考えておりまして、今後、地方自治体を通じて把握をしてまいります。
総務省濱田官房審議官
お答えいたします。
ご指摘の調査、分析等につきましては、公立保育所も含め保育行政を所管する子ども家庭庁において実施いただくものと承知しておるところでございます。
以上でございます
もとむら伸子
加藤大臣にお願いしたいんですけれども、3歳児加算できている保育園とできていない保育園を比較してできている保育園は、なぜ保育士が確保できたのかということもしっかりと分析をしていただきたいんですけれども、加藤大臣お答えをいただきたいと思います。
加藤鮎子こども政策担当大臣
今後、地方自治体を通じて把握をしてまいりたいと思います。
もとむら伸子
ありがとうございます。
ぜひ、3歳児加算というのはすでにやっていることですから、来年度を待たずにすぐに調査をしていただきたいというふうに思っております。
保育士の配置基準の改善について今回パブリックコメントを行っていると思いますけれども、どのようなご意見が多かったのかお示しをいただきたいと思います。
こども家庭庁藤原成育局長
お答え申し上げます。
ご指摘のパブリックコメントにつきましては、昨年末から本年1月にかけてご意見を募集いたしました。
提出いただいたご意見につきましては現在集計中ではありますけれども、ご意見といたしましては、経過措置をつけないでほしい。
つけるとしても期限を明記してほしいですとか。
それぞれ15対1あるいは25対1への改善では不十分でさらなる改善が必要であるですとか、1、2歳児についても配置基準を改善してほしいといったご意見を頂戴しております。
パブリックコメントの結果につきましては、配置基準を改善する内閣府令等と合わせまして、今後公表を予定しております。
もとむら伸子
その中で1歳児、2歳児の配置基準の改善も求める声があったというお話ですけれども、資料の10を見ていただきたいんですが、これは保護者の方から7,316人の保護者の方から実行委員会の皆さんが取られたアンケートの結果です。
保育士1人がみる子どもの人数は、どのくらいが安心できますか?との質問なんですけれども、
今回見送られた1歳児6人の子どもさんを1人の保育士でみるというのでいいというふうにお答えになっている保護者の方はゼロでございます。
そして2025年以降やろうと、国がやるんだというふうにお示しをしているんですけれども、1歳児5人を1人の保育士でいいんだ、というふうにお答えになっておられる保護者の方は、2%でございます。
本当は納得できない。
5人に1人という保育士の配置基準の改善でも納得できない改善なんですけれどもこのくらいはすぐにやっていただきたい。
1歳児、2歳児の部分すぐにやっていただきたいというふうに思いますけれども、大臣お答えをいただきたいと思います。
加藤鮎子こども政策担当大臣
1歳児につきましては、こども未来戦略において、令和7年度以降保育人材の確保等の関連する施策との関係も踏まえつつ、加速化プラン期間中の早期に6対1から5対1への改善を求める改善を進めるとされており、今後の予算編成過程において引き続き検討してまいります。
もとむら伸子
早急にやっていただきたいんですね。
それで保育士の確保のことがやはり必要になってまいります。
そこでお伺いしますけれども、潜在保育士というのは何人だと把握をされておられますでしょうか。
子ども家庭庁藤原成育局長
お答え申し上げます。
いわゆる潜在保育士でございますけれども、直接的な正式な定義は必ずしもないのではありますが、保育士資格を持ちながら保育所等に勤務していない方の数につきまして保育士登録者数から保育士として保育所などに勤務している方の数を単純に差し引いて計算いたしますと粗い数字でございますけれども、令和3年10月1日時点で約107万人おられます。
ただこの中には保育士資格あるいは幼稚園教諭免許上の両方を持っておられて幼稚園で勤務している方ですとか、保育士資格を取得した方が他の職種に従事をしている方など、それぞれの事情で保育士として就業していない方が含まれているので、この方々がすべて直ちに保育士として就業できる方のみではないとは考えております。
もとむら伸子
107万人いると、その中ですぐに保育士として働けるという方が全員ではないというふうに思いますけれども、こういうふうにたくさんの方がいらっしゃると保育士資格を持っているということでございます。
それで資料の5を見ていただきたいんですけれども、ここの実行委員会の皆さんの政策提言なんですね。
今の現行の基準に比べると2倍の配置基準が必要なんだという提言なんですけれども、資料の5を見ていただきますと、「保育士不足ではなく、『現状の保育施設で働きたい保育士』が不足していると言えます。余裕のない現場と、仕事の責任に見合わない処遇では、保育士が集まらないのは当然」だというふうに指摘をされております。
やはり、抜本的な配置基準の改善とさらなる処遇改善が必要だというふうに思います。
今の保育士配置基準や処遇を改善することは、潜在保育士の方々が職場復帰をするということにプラスになると考えますけれども、大臣お答えをいただければと思います。
加藤鮎子こども政策担当大臣
お答え申し上げます。
令和元年5月に公表された東京都保育士実態調査によれば、過去に保育士として就業した方が退職した理由として、職場の人間関係や給料が安いについて、仕事量が多い、労働時間が長いことが上位に挙げられております。
今般の配置基準の改善や処遇改善は、職場の状況の改善に資するものであり、潜在保育士の職場復帰にもつながるものだと考えております。
もとむら伸子
今回の保育士の配置基準が改善したとしてもどうなのか、ということで、今度は資料の14を見ていただきたいんですけれども、これは4,018人の保育士の皆さんのアンケートの結果になっております。
この対策では不十分というのが50%、ほとんど変わらないというのが40%、合わせて9割の方がそういう回答をされておられます。
そして、いろいろ制度をご存知の園長さんだけを取り出してみますと、98%が良くならないというふうに回答をしております。
やはり、子どもの命や安全を守ることのためにこういう対策だけではリスクがまだまだ減らないという問題や、一人一人の子どもたちへの丁寧な関わりの時間が十分取れないですとか。
保育士の方々が忙しそうで、保護者の方が相談しづらいですとか。これは資料の8にもあるんですけれども。
保育士の方がですね。有給休暇、休憩時間が取れないですとか、
基幹的業務を所定時間内に終えることが難しいと、所定労働時間内に仕事を終えることが基幹的な業務でも難しいと
産休、育休を取ることを後ろめたく感じてしまうようなギリギリの体制なんだと泣きながらおっしゃられた保育士のお話もお伺いをいたしました。
そうしたことから考えてもですね。
さらなる保育士の改善、保育士の配置基準の改善、処遇改善、人員体制の強化、これが必要だというふうに思っております。
それで私は保育士の方々の仕事というのはこの10年来増えているじゃないかというふうに質問をさせていただきました。
そうしましたら、当時の加藤厚生労働大臣はですね。
具体的に保育士の方の仕事量を定量的に調査した結果はないというふうに答弁をされ、私は非常にショックを受けました。
この仕事量の調査というのは行うべきだ、というふうに考えます。
けれども、大臣お答えをいただきたい。
と思います。
加藤鮎子こども政策担当大臣
保育士の業務は、例えば一人の子どもと関わりつつ集団全体の様子に目を配ったり、個々の特性に応じて援助をしたりするものであり、その複雑さや専門性を図ることが難しいこと、心理的な負担感を定量的に評価することは難しいこと、調査に係る保育士の負担も考慮しなければならないことなど慎重に検討すべき論点が多数あり、保育士の仕事量を定量的に調査することは容易ではないと考えております。
過去に保育士として就業した方が退職した理由として仕事量が多いや労働時間が長いが上位に挙げられております。
こうした状況を踏まえ、保育士の業務負担を軽減するため、勤務環境の改善のための保育補助者の配置や、スポット的な支援を行う保育支援者の配置のほか、登校園管理システムの導入等のICT化の推進などに取り組んできたところであります。
まずは、こうした努力を続けることで現場の保育士の方々が生き生きと働ける環境を作ることが重要だと考えております。
もとむら伸子
その時の予算委員会の保育士配置基準の根拠について加藤厚生労働大臣が答弁されているんですけれども、それは1962年68年の調査であるということになってまいります。
やはり当時より保育時間というのは11時間保育ということでだいぶ長くなっております。
ぜひ、今日的な保育実態の調査をお願いしたいと思います。
その際には、基幹的業務が所定労働時間内に終わるかどうか、有休休暇や休憩時間、産休、育休、育児時間、生理休暇などが取得できているかどうか、どういう体制なら、ヒヤリハットが重大な事故にならないかという分析ができる実態調査をぜひお願いしたいと思いますけれども、大臣お答えをいただきたいと思います。
加藤鮎子こども政策担当大臣
こども未来戦略に基づく保育士の配置基準の改善が実行されれば、ご指摘の意見具申で必要とされた配置基準より手厚い配置を実現できることとなります。
まずは、安心して子どもを預けられる体制を早くに実現することが重要であり、全力で取り組んでまいります。
その上で、先日開催をしました子ども子育て支援等分科会においては、真に必要な配置基準はどうあるべきか科学的検証をしていただきたいとのご意見や、子ども子育てを取り巻く状況が変わっている中で今般の配置改善で十分なのか、エビデンスに基づいて確認いただきたい、といったご意見をいただいております。
現時点では、職員配置基準に関する科学的検証の手法や、必要となるエビデンスに関する知見が明確でないことから、まずはその点について情報の整理が必要だと考えております。
そうした整理の中で、ご指摘のあった保育士が無理のない働き方ができているかに関する実態把握等につきましても、
科学的検証のエビデンスとなり得るかも含め検討しつつ、何ができるかを検討していきたいと思っております。
もとむら伸子
ぜひよろしくお願いしたいと思います。
最後にこども誰でも通園制度に関して申し上げたいと思います。
全国保育団体連絡会の実方伸子さんは、こども誰でも通園制度について次のようにおっしゃっております。
「制度の内容が明らかになるにつれ、『このしくみで大丈夫なの?』という不安の声が大きくなっています。
人見知りが始まる6ヶ月児、後追いが激しくなる1歳児が突然知らない場所で知らない人に預けられたらどうなるでしょうか。『ならし保育』もなく、その子の特性などを理解する時間も情報も限られる。『預かり』がどんなに危険か、保育関係者なら容易に想像できます。何より、保育中の事故は0歳児、1歳児が8割を占め、特に預け始めの時期に集中しているのです。
さらに、慢性的な保育士不足で日々の保育にも余裕がない保育現場に、この制度はその日ごと、時間ごとに異なる子どもの受け入れを求めます。保育士にさらなる負担を強いることになりかねません。
たとえ短時間であろうと、『保育』は子どもの安心・安全が最優先です。
『社会で支える子育て』を保育所等が担うためにも、自治体等公的責任の所在、十分な条件整備はどうしても必要です。」
長年、一人一人の子どもさんを大切にしようと奮闘されてこられた。こういう方のご指摘は本当に重く重く受け止めなければいけないと考えております。
こども誰でも通園制度の保育士の体制は、子どもの命と安全を守り、子ども一人一人の特性、発達段階などをしっかりと把握し対応できる体制にするべきだと考えますが、見解を伺います。
また、子ども誰でも通縁制度を2025年度からの本格実施を見据えているということですけれども、実施するにあたってせめて一歳児始め、さらなる処遇改善をしてからと、そして、来年度から保育士の配置基準完全実施をするということが前提であるべきだというふうに思いますけれども、大臣のご見解を伺いたいと思います。
加藤鮎子こども政策担当大臣
お答え申し上げます。
こども誰でも通園制度におきましては、試行的事業において一時預かり事業と同様の人員配置基準で行うこととしております。
その上で、制度の本格実施に向けては、保育士以外の人材の活用も含め、試行的事業の運用状況などを踏まえつつ、さらなる検討を行うこととしております。
いずれにしましても、子どもの安全が確保されることが大前提であり、制度の本格実施に際しましても、この考えを徹底してまいります。
子ども誰でも通園制度は、保護者の方をはじめ多くの方々にご期待のお声をいただいております。
スピード感をもって実現していくことが重要であり、配置基準の改善と並行して取り組みを進めてまいります。
もとむら伸子
はい。命と安全を守り、子どもの権利を保障する丁寧な保育ができる、
そうした環境整備に是非尽力をしていただきたい、ということを強く求め、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。