衆議院予算委員会第4分科会で、給食無償化、過酷な教育実習、教員不足・非正規教員の問題について質問しました。
保護者の方や先生方はじめ現場の皆様、地方議員の皆様にお話を伺い準備をいたしました。
お忙しい中、本当にありがとうございました
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給食無償化―4月からの値上げを許さないために国の物価高騰対策への財政措置を!
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学校給食は教育の一環で、政府は72年前、1951年に義務教育無償の範囲を「できるだけ早く広範囲に実現いたしたい」と答弁し、次は学用品、学校給食費、できれば交通費も無償にしていくという意欲を答弁していました。(日本共産党の岩間正男衆議院議員への答弁)
「異次元」「こどもファースト」というなら、今こそ給食無償化を実現するべきです。
食材費高騰のもとで、「電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金」などを活用して給食費無償化、負担軽減、値上げしないよう地方自治体は努力しています。
ところが、来年度予算案には、「電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金」がないことから4月から給食費の保護者負担を増やす自治体が出てきています。
さらに物価は高騰しており、今、保護者負担を増やすなど絶対にやってならないと、来年度も「電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金」など地方自治体への支援が必要だと追及しました。さらには、3月までにまとめる「少子化対策のたたき台」のなかに給食無償化を位置づけること、学校給食法を改正し保護者負担をなくすと質しました。
永岡桂子文部科学大臣は、「地方創生臨時交付金などを活用して負担軽減を促している。政府全体で関係省庁と連携し、適切に対応したい」と述べました。
和田義明内閣府副大臣も「政府全体で適切に対応したい」と答弁しました。
中川貴元総務大臣政務官には総務省としての地方財政措置を求めました。「まずは文部科学省で検討していただく必要がある」との答弁でした。
また、給食と大学生などの学食の負担軽減のためにも、農家応援のためにも、地元産の農産品購入支援を行うべきと求めました。
勝俣孝明農林水産副大臣は、「米飯給食の実施回数を前年よりも増加させる取り組みに対して政府備蓄米の無償交付を行っている。地場産品を学校給食に使用し、食に関する生きた教材として活用してもらうため、学校給食での地場産メニューの開発や食育授業としての農林水産物の試食等を支援してきたい」と答弁しました。
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過酷な教育実習
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民青同盟愛知県委員会の皆様が行った「教育実習実態アンケート」で、1日の実習時間が14時間30分(研究授業の前)にも及んだ学生がいることが判明。研究授業の前でなくても13時間30分も学校にいるケースがありました。朝7時半に学校に行き、夜9時まで学校にいるというイメージです。
「過酷な実態の下で、教員になることを諦めるケースが出ている」と指摘し、文部科学省に実態をつかむよう求めました。
永岡文科大臣は「過度な負担を学生に課すことはあってはならない。各大学、受け入れ先である学校を設置する教育委員会に、しっかりと働きかけていく」と答弁しました。
週5日、1日8時間、週40時間、3週間で120時間(4単位分取ることができる時間)を徹底するよう求めました。
教育実習先でハラスメントがあり、大学側からの是正要請の後に実習生と指導教諭の関係がさらに悪化するケースがあると指摘。「救済措置を国としてつくるべきだ」と主張しました。
永岡文部科学大臣は「ハラスメント防止やハラスメント被害にあった場合の相談窓口の周知等について、大学、教育委員会等に働きかけていく」と答弁しました。
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教員不足・非正規教員問題
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愛知県内でも教員不足は深刻です。
愛知県内のある小学校の特別支援学級の子どもさんのケースでは、
◆新年度、4月7日から専任の担任ではなく、校務主任が担任。授業は様々な先生がくる。
◆4月18日から校務主任が担任業務。
1時間目から5時間目は非常勤講師の先生が授業、6時間目は教頭先生や教務主任の先生が授業。
◆2学期は新しい担任(家庭科の先生)がきて、授業も行う。(12月末まで)
◆3学期始業式から担任不在。
(育休復帰の先生が担任になるはずが、5人欠員で通常学級に行ってしまう。)
特別支援学級3組の子は他のクラスに振り分けられる。
◆1月19日から教頭先生が兼務で担任になり、授業は様々な先生がくる。
◆2月6日から新しい担任がくる。
先の見通しがつく事が大切で、予定の変更が苦手な特性のある子どもさんは非常につらい思いをされ、不登校になってしまいました。保護者の方も泣いておられました。
先生が変わるたびに子どもさんの特性を伝えなければなりません。1年間を通じて責任を持って特別支援教育をするべきです。
3学期から育休復帰の先生が担任になると言われていたのに通常学級にいってしまい、通常学級が優先されたこと、子どもさんが「自分が大切にされていないと感じている」と。
この学校だけではなく、「自分たちはほおっておかれている」と別の自治体の生徒さんの声も伺っています。
今年2月2日、全日本教職員組合(全教)の皆様がとりまとめた実態調査の結果からも教職員の未配置は昨年5月時点から10月時点で増えています。子どもたちに悲しい思いをさせてはなりません。
来年度4月からは、年度を通じて子どもの学ぶ権利が奪われるなどあってはならない。文部科学省あげて教員の確保に取り組むこと、今年度末での退職者、新年度の配置予定数を精査し、不足する教職員数を把握することや担任の先生がいないクラスはないか、その他未配置はないか、確認をするべきだと質しました。
永岡文部科学大臣は、「教育委員会等の関係者の声を聞きながら適切に判断して参りたい」との答弁に留まりました。また、「各教育委員会の実情を聞きながら、更なる教師のなり手の確保についてしっかりと検討して参りたい」と答弁しました。
今年度、愛知県では4月当初に2534人もの正規採用不足が生まれ、欠員補充ということで、そこを臨時教員で補いました。2534人の欠員補充は過去最高の数字とのことです。
これほどの数の臨時教員を年度当初の採用不足に充てているため、年度途中の産休・育休や病休・介護休暇の代替が不足する原因となっています。
正規採用のための財源不足が生じないように手立てをとること、非正規で使い続けるあり方を変えるべきだと質問しました。
永岡文部科学大臣は、「都道府県等が正規教員を任用した場合においてはそれに対応する給与水準で国庫負担をしている。」「積極的に正規教員の採用を進めていただくようにお願いをしてきたところでございます。」と答弁しました。
文部科学省は積極的に正規教員の採用をすすめるように言っているのに、過去最大の臨時教員で補い、教員不足が生じている愛知県の異常さが浮き彫りになりました。
多くの臨時教員を年度当初の採用不足に充てているため、年度途中の産休・育休や病休・介護休暇の代替が不足する問題、正規採用をもっと進めることを愛知県にも求めていかなければなりません。
質問の映像へのリンク
過酷な実態把握求める 教育実習 1日14時間 2023.2.21