もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
国会質問

質問日:2022年 2月 10日 第208国会 予算委員会

女性差別是正 踏み出せ

しんぶん赤旗 2022年2月11日

女性差別是正 踏み出せ 衆院予算委

本村氏、男女賃金格差ただす

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(写真)質問する本村伸子議員=10日、衆院予算委

 日本共産党の本村伸子議員は10日の衆院予算委員会で、コース別雇用管理制度のもとで差別に苦しんできた女性労働者の実態とたたかいを示し、すべての間接差別を禁止するなど、男女雇用機会均等法の抜本改正に踏み出すよう迫りました。

 本村氏は、政府統計でも男女の賃金格差は勤続42年の単純計算で約1億円だと指摘。とりわけ金融・保険業界の賃金格差が最も大きいとして、商工中金の実態を告発しました。

 本村氏は、商工中金では女性の新卒採用者数が2019年以降激減していることを示し、「なぜこんなことになっているのか」とただしました。

 萩生田光一経産相は「女性の採用を減らしたのではなく一般職の採用を減らした」などと答えました。

 

 本村氏は、商工中金が、店舗の統合再編などで担当職(一般職)を減らしたと言って、女性の新卒採用を減らした不当性を追及。さらに、就職差別だけでなく総合職と一般職に分けるコース別雇用管理を設けることで、賃金が高い総合職は男性中心、より賃金が低い担当職は女性中心としており、「男女差別」を禁止する男女雇用機会均等法違反だと、指導・是正を迫りました。後藤茂之厚労相は「事実上の男女別雇用管理とならないよう、しっかりと男女雇用機会均等法に照らして、問題がある場合には対処しなければならない」と述べました。

 本村氏は、企業が女性差別を正当化する雇用管理区分を使っているのは、間接差別だと主張。すべての間接差別の禁止、立証を事業主の責任とする男女雇用機会均等法の抜本改正を求めました。

 後藤氏は、「間接差別については、企業の雇用管理が実質的に性別を理由とした差別にならないよう、しっかりと助言・指導を行っていかなければならない」と答えました。

 

 

論戦ハイライト

賃金格差是正早急に

ジェンダー問題 本村議員迫る

本村議員「男女賃金格差是正させるべきだ」

厚労相「適切に対応したい」

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(写真)質問する本村伸子議員=10日、衆院予算委

 日本共産党の本村伸子議員は10日の衆院予算委員会で、男女の賃金格差の是正の数値目標を持つとともに、男女機会均等法を抜本改正し、全ての間接差別を禁止するよう求めました。

目標年明言せず

 本村氏は、国税庁「民間給与実態統計調査」の2020年度の男女別の平均賃金を示し、男性532万円に対し、女性は293万円にとどまり、42年間働くと女性の生涯賃金は男性と比べて1億円も少ないと指摘。ジェンダー平等が世界の中で一番進んでいるアイスランドでは今年を男女の賃金格差ゼロの目標年としているとして、見解を求めました。

 本村 日本は、いつまでに男女の賃金格差をゼロにしようとしているのか。

 野田聖子男女共同参画担当相 にわかには答えられない。

 本村 日本は19年、20年ともにフルタイム・一般労働者の男女賃金格差は1ポイントも縮まっていない。遅れている日本こそ、数値目標を持つべきだ。

 その上で、本村氏は、金融業・保険業の賃金格差は他業種と比べて甚大だと指摘。次のようにただしました。

 本村 フルタイム同士で比較しても男女の賃金格差は55%にもなる。大変にひどい状況だ。

 後藤茂之厚労相 コース別にどのように管理されているか、しっかりと企業に対して助言・指導等を行うべきだと考えている。

 本村氏は、均等法では、厚労相が助言・指導・勧告することができるとされていることをあげ、「企業に是正を求めるべきだ」と迫りました。後藤厚労相は「事案の内容を踏まえて適切に対応したい」と述べました。

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差別実態を告発

 本村氏は、政府系金融でもひどい男女差別があるとして、商工中金の実態を告発しました。商工中金は経営改革プログラムを進め、2019年4月から女性の新卒採用を大幅に削減しています。

 本村 女性に対する就職差別はあってはならない。

 萩生田光一経産相 性差別なく、きちんと女性の採用を増やしていただければ。

 本村氏は、商工中金がコース別雇用管理を行い、男性は総合職、女性は担当職(一般職)として採用されていることを指摘。総合職の女性はわずか7・1%で、担当職の女性は99・7%にものぼるとして是正を求めました。

 本村 これでは、将来、女性の管理職の割合は増えようがない。結局、男女賃金格差も是正されない。

 野田担当相 一般職の女性割合は約95%と非常に多く、総合職とはコースが違う。当然、中間管理職にはなれない人たちが大変多い。構造的な問題。

 本村氏は「企業に雇用管理区分の差別を正当化する手段として使っている」と指摘。「差別に苦しんできた女性たちの声に応えて、全ての間接差別の禁止、ポジティブアクションの義務化、性別を理由とする差別の立証を事業主の責任にするなど、均等法の抜本改正が必要だ」と強調しました。

 

 

 

 

 

【質問で使った資料・パネルについて】
《①枚目》
国税庁2020年分「民間給与実態統計調査」
🔶男女賃金格差
239万円
🔶単純計算で42年間働くと
1億円以上の差
この格差を是正することは喫緊の課題
野田男女共同参画担当大臣も
「男女賃金格差の是正は、極めて、極めて重要」と答弁で強調
ただ施策が不十分
 
《②枚目》
内閣府提出の資料
男女の賃金格差は、ワースト2レベル。
世界からかなり遅れていることを多数を占める自民党の男性議員と共有したかった。
諸外国の方々との会合でも、かなり恥ずかしい思いをしなければならないレベルだが、自覚しているかどうか・・・ 。
 
《③枚目》
世界のなかでも遅れている男女の賃金格差是正。
そのなかでも遅れているのが、
金融業・保険業。
とくに大企業が社会的責任を果たしていない。
金融業・保険業では、働く人のなかで女性の方が割合が多いのに・・・。
 
《④枚目》
内閣府では、金融業・保険業の大きな男女の賃金格差の分析が十分できていないということで、政府系金融を調査。
そのなかでもひどかったのが、
政府が46.5%株を持っている
「商工中金」でした。
「商工中金」の現在の社長は、
岸田総理と同じ高校、同じ野球部のお友達。
元社長になってから、女性の新卒採用が激減💢
 
《⑤枚目》
「商工中金」
新卒の女性の採用、激減⬇️💢💢💢
萩生田経済産業大臣は、
“一般職を減らした”と答弁していたが、
総合職で女性を採用することは頭にない?
総合職の採用の倍率は女性の方が高かった。
男性:32.8倍
女性:55.5倍
 
《⑥枚目》
「商工中金」のコース別雇用管理制度
この5年間、男性の担当職(一般職)の採用はゼロ=全員女性
担当職の99.7%は女性。男性は0.3%
均等法で禁止する性別による差別
厚労大臣は「事実上の男女別雇用管理とならないよう、法に照らして、問題がある場合には対処しなければならない」と答弁 。

 

参考資料

https://motomura-nobuko.jp/wp-content/uploads/2022/02/c84e40a8dea1c9e917f549f4d60410df.pdf

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