もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
国会質問

質問日:2018年 6月 5日 第196国会 総務委員会

一律雇い止めやめよ/団体向け集荷サービス継続を  日本郵便の問題追及

2018年6月14日(木)しんぶん赤旗

65歳での一律雇い止めやめよ 本村氏 衆総務委

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(写真)質問する本村伸子議員=5日、衆院総務委

 日本共産党の本村伸子議員は5日の衆院総務委員会で、日本郵便が人手不足を理由に第三種郵便物を含む法人・団体の集荷サービスを廃止しようとしている一方で、65歳の非正規労働者を一律で雇い止めしている問題を追及しました。

 本村氏は、日本郵便に65歳での一律雇い止め撤回を求めている裁判で、東京高裁の水野邦夫裁判長が「65歳になっても必要な能力を維持している者が一般的だ」と述べていることを指摘し、雇い止め制度の見直しを要求しました。

 日本郵政の谷垣邦夫常務は、「一般論として、65歳以上の働き方については今後必要があれば検討を行うべきと考えている」として、現時点での制度変更は行わないと答弁しました。

 本村氏は、「給与・福利厚生・退職金その他の条件を前提に正規社員には定年制がある。そういう条件を一緒にするなら非正規の定年制もわからなくない。でも差別はそのままで納得できない」という非正規労働者の悲痛な声を紹介しました。

 そのうえで、正社員の3分の1の賃金で働いてきた非正規労働者が65歳で雇い止めされ、低年金のなかで困窮している実態を突きつけ、「非正規労働者の期間更新の上限を機械的に65歳とする不当な政策はやめるべきだ」と求めました。

2018年6月15日(金) しんぶん赤旗

団体向け集荷続けよ 本村氏 郵便サービスで要求

 日本共産党の本村伸子議員は5日の衆院総務委員会で、日本郵便が人手不足などを理由に、法人・団体向けの郵便物集荷サービスを6月末ごろに廃止する問題についてただしました。

 本村氏は、低料金で利用できる第三種郵便物の発送で集荷サービスを利用している障害者や高齢者の団体には、郵便物を自ら運べないとの懸念があると指摘。日本郵便が一方的に期日を切って集荷廃止を文書で通知している実態を示し、「集荷の廃止で、第三種郵便物などのユニバーサルサービスの利用が困難になることがあってはならない」と対応を迫りました。 日本共産党の本村伸子議員は5日の衆院総務委員会で、日本郵便が人手不足などを理由に、法人・団体向けの郵便物集荷サービスを6月末ごろに廃止する問題についてただしました。

 野田聖子総務相は「障害者や高齢者であっても当然、郵便サービスを利用できることは重要」と述べ、「日本郵便からは、障害者及び高齢者が差し出す郵便物は集荷を継続する、交通弱者には個別の事情に応じて配達のタイミングに合わせて引き受けるなど対応を行うと聞いている」と答弁しました。

 本村氏は、日本郵便に必要な集荷を継続するよう要求しました。

 

議事録

○本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。
 郵便にかかわる問題で質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 ことしの五月一日ですけれども、ある団体の皆様のところに、日本郵便副社長から次のような文書が届きました。郵便物の集荷見直し等についてのお知らせ、お願いという文書でございます。その中には、今般、次の郵便物等の集荷を取りやめさせていただきたく、お願い申し上げます、なお、御同意いただけない場合は二〇一八年五月三十一日木曜日をめどに集荷を終了させていただく予定というふうに書かれてございます。
 報道にもございますけれども、このケースの場合は五月末なんですけれども、報道では六月末というふうに書かれておりますけれども、法人、団体の集荷をやめるということですけれども、これはどういうことか、端的にお示しをいただきたいと思います。

○谷垣参考人 お答え申し上げます。
 郵便物の集荷についてのお尋ねでございますけれども、郵便物の差し出しにつきましては、原則として、ポスト投函あるいは郵便物をお持ちいただくというのが原則でございますけれども、これまで、個別の事情に応じまして、弊社が必要と認めたときは無料で集荷を行ってきたところでございます。
 しかしながら、御案内のとおり、昨今の労働需給の大変厳しい状況、当社も含んだ運輸関係の有効求人倍率は大変高い水準にございますし、その中で、当社の取り扱ってございますゆうパックにつきましては、昨年度の競合他社の料金改定等の影響もございまして、昨年度、二五%を超える水準で増加をしたところでございます。また、今年度に入ってもまだ増加が続いているということでございます。
 このような経営環境を踏まえまして、今後とも、お客様に確実に、郵便物と、それからゆうパック等の荷物をともにきちんとお届けするということができるための安定的な配達体制を構築するように、郵便物の集荷を見直し、集荷を行っていた社員を配達に転換するということで配達体制の強化を図ろうとしたものでございますので、どうか御理解をよろしくお願いいたします。

○本村委員 人手不足の問題があるということですけれども、その解消の努力はできることがあるということを後で質問をさせていただきたいというふうに思います。
 集荷の廃止の対象に第三種郵便も入ってきます。
 そこで、ちょっと確認をしたいんですけれども、第三種郵便の趣旨、総務省に端的にお答えをお願いしたいと思います。

○巻口政府参考人 お答えいたします。
 第三種郵便物制度は、国民文化の普及向上に貢献すると認められる刊行物の郵送料を安くして購読者の負担軽減を図ることにより、その入手を容易にし、もって社会、文化の発展に資するという趣旨で設けられたものでございます。このため、第三種郵便物は第一種郵便物よりも低廉な料金とされているところでございます。
 また、第三種郵便物のうち、心身障害者団体が心身障害者の福祉を図ることを目的に発行するものにつきましては、一般の第三種郵便物よりも更に低廉な料金が適用されているところでございます。

○本村委員 ありがとうございます。
 資料にも出させていただきましたけれども、この第三種郵便というのはユニバーサルサービスの一つでございます。
 実際に、ある団体の方で考えられていることなんですけれども、自動車などでみずから運べないといった事情がある、そういう場合に、業者さんに郵便局まで郵便物を運んでもらうというふうに検討しなければいけない。そうすると、費用が新たにかかることになる。これでは、低料で利用できるという趣旨が薄まってしまうというふうに思います。業者を探すのも一苦労だというふうに言われておられます。郵便物を業者に運んでいただけたとしても、郵便局に行って手続をしなければいけないということもございます。
 先ほども総務省の方から御説明がありましたように、心身障害者用の低料第三種郵便物制度というのもございまして、障害を持った方々も郵便のサービスを利用できるように配慮をされてきたのだというふうに思います。集荷がなくなれば、障害を持った方々あるいは高齢者の方々を始め、足腰が不自由な方の団体あるいは患者さんの団体、郵便局が遠くて、車を持っていない、そういう団体、法人が、ユニバーサルサービスの郵便を使えなくなるのではないかという懸念がございます。
 集荷の廃止で、第三種郵便などの郵便、ユニバーサルサービスの利用が困難になるということがあってはならないというふうに思いますけれども、総務大臣の見解をお願いしたいと思います。

○野田国務大臣 本村委員にお答えします。
 外出が困難で郵便局や郵便ポストに行くことができないような障害者や高齢者の方々であっても、当然郵便サービスを利用できることは重要なことだと思っています。
 今回、日本郵便からは、このような障害者及び高齢者の方が差し出す郵便物については引き続き集荷を継続するというふうに聞いているところです。また、交通弱者の方については、その方の個別の事情に応じて、例えば郵便物等を配達するタイミングに合わせて引き受けることを御提案するなどの対応を行うということも聞いています。
 日本郵便においては、これらの方々に十分配慮し、利用者目線で丁寧な対応をしていただきたいと考えています。

○本村委員 丁寧な対応をという御答弁でしたけれども、しかし、先ほど申し上げました副社長からのお願い文書の中には、相談に乗るとかそういうことは一言も書かれておりません。こういう対応はおかしいと思いますけれども、大臣、是正をさせていただきたいと思います。

○野田国務大臣 副社長のお手紙というのは、私、しっかり読んでいなかったので、ごめんなさい。
 日本郵便においては、繰り返しになりますけれども、誰もが郵便物を簡単に差し出すことができる環境を維持するということが利用者利便の観点から重要だと考えております。
 ただ、郵便サービスをコストに見合った料金でなるべく安く提供するという観点からは、先ほど答弁があったように、郵便物の集荷を無償で行うことには限界があって、日本郵便は郵便物の集荷を法令上義務づけられていないわけであります。
 今回、日本郵便からは、郵便物の集荷の見直しに当たっては、繰り返しになりますけれども、外出が困難な障害者や高齢者の方については引き続き集荷を継続すると聞いているところです。
 総務省としても、日本郵便に対しては、この五月に、利用者に丁寧な説明を行うこと、そして、集荷を取りやめる時期については利用者の納得を得られるよう柔軟に対応すること、そして、集荷の見直しに伴い郵便局窓口等での混乱が生じないよう適切に業務を運行すること等はもう既に要請しているところです。
 日本郵便からは適切に対応していくと聞いていますので、まずは日本郵便の今後の対応を注視していきたいと考えております。

○本村委員 五月一日に出されたこのお願い文書には、相談に乗るということは一言も書かれていないわけですから、ぜひ丁寧な対応をお願いしたいと思います。
 そこで、日本郵便さんにもお願いしたいと思うんですけれども、団体や法人の集荷のサービスの廃止というのは見直すべきだというふうに思いますし、サービスを維持するべきだというふうに思います。
 先ほど来大臣からも御答弁がございましたように、少なくとも、個別に、丁寧に相談に乗るということ、対応するということ、そして、こちらのお願い通知には、五月末で廃止と、もう廃止ということになっておりますけれども、それ以降もこれは何も相談に乗りますとも書いてございませんので、当然それ以降でも相談に乗っていただけますねということを確認をさせていただきたいと思います。

○谷垣参考人 お答え申し上げます。
 これまで集荷をしていたお客様へ郵便局への持込みとかポスト投函をお願いするものでございますので、当然丁寧な対応に努める所存でございます。
 個々のお客様の御事情に応じまして、その御案内している見直し時期を経過した後も、持込み方法とか、あるいは集荷から持込みへの切りかえ時期の御相談など、丁寧に対応させていただきます。

○本村委員 済みません、何か、今の話だと、結局持込み前提、それ以外は認めないという話のように聞こえるんですけれども、しっかりと、障害者の方々あるいは高齢者の方々、患者団体の方々、そういった方々に対してちゃんと配慮をして、集荷をするんだということをお約束いただきたいと思いますけれども。

○谷垣参考人 お答え申し上げます。
 高齢の方でございますとか障害のある方で外出が困難なお客様につきましては、従来から集荷を行ってきたところでございますが、この取扱いについては変更ございません。

○本村委員 ぜひ、各団体、丁寧にやっていただきたいというふうに思います。
 先日は、郵便局ネットワークを守るために、その交付金、拠出金制度、新たな仕組みをつくることもいたしました。また、昨年六月一日に郵便物の値上げというものもやったわけでございます。二〇一六年度と比べて、二〇一七年、業績がよくなっているというふうにお伺いをしておりますし、トール社の関係では四千億円の損失を計上したけれども、しかし、株主配当は二〇一七年やっているということも聞いております。
 そういう状態からしても、団体や法人の集荷サービス廃止というのは、やはり納得がいかないというふうに思います。サービスの維持を強く求めておきたいというふうに思います。
 次に、日本郵便の非正規雇用六十五歳雇いどめ問題について質問をさせていただきたいというふうに思います。
 先ほど来、郵便局では、配達、集荷の人手不足にあるんだというふうに言われますけれども、私、働きたいという方のお声を聞いてまいりましたので、そのお声も含めて質問をさせていただきたいというふうに思います。
 日本郵政グループが非正規雇用の労働者を六十五歳で一律に雇いどめをしている問題ですけれども、非正規労働者というのは、正社員と比べて賃金が三分の一で、六十五歳で切られて、結局、年金がかなり少ないという中で、日本郵便で働いてきた方々が生活困窮に陥るという事態になっております。それで、一律雇いどめを見直してほしいというふうに裁判に訴えられたわけでございます。
 二〇一七年十月五日の東京高等裁判所の判決の中でも、日本郵便の非正規社員の年金や貯蓄が少額であり、雇いどめで生活困窮者が出るということを指摘しております。そして、高等裁判所の裁判長は、次のように異例の呼びかけを行っております。六十五歳になっても必要な能力を維持している者が一般的だとうかがえる、六十五歳という年齢をもって期間更新の上限としていることについては、政策的には再検討の余地があるというふうに異例の呼びかけを行っております。
 この東京高裁の裁判長の呼びかけに応えていくべきだというふうに思いますけれども、日本郵政の方にお答えをいただきたいと思います。

○谷垣参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の訴訟は、現在、最高裁においてまだ係争中の事案でもございまして、会社としてのコメントは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、一般論で申し上げますと、六十五歳以降の働き方につきましては、社会情勢の変化等も踏まえまして、今後、必要があれば検討を行うべきと考えているところでございます。
 現時点においては、期間雇用社員の雇用上限については、六十五歳ということについては変更ございません。

○本村委員 必要な時期というのは今だというふうに思うんです。人が足りないから集荷サービスをやめると言う前に、人を確保する努力、まだできることがあるということで、今質問をさせていただいているわけですけれども。
 六十五歳以上の方々の雇用を促進していこうというのは、高齢社会対策基本法に基づく高齢社会対策大綱ですとか、あるいはニッポン一億総活躍プラン、あるいは働き方改革実行計画の中でも書かれておりまして、例えばニッポン一億総活躍プランの中では、六十五歳以降の継続雇用延長を行う企業等に対する支援を実施し、企業への働きかけを行うというふうに書かれております。
 そこで厚生労働省に確認をいたしますけれども、六十五歳以降の継続雇用延長について、当然これは日本郵便にも働きかけているということでよろしいでしょうか。

○坂根政府参考人 お答えいたします。
 今委員からお話があったとおりでございまして、ニッポン一億総活躍プランにおきましては当該記述がされているところでございます。
 したがって、厚生労働省といたしましても、例外を設けることなく幅広い企業に対して働きかけを行っているところでございます。

○本村委員 日本郵便にもこれは働きかけられている問題であるということでございます。
 私どもは、支給年齢の先送りをするために高齢者の方々に働けというのは反対でございます。しかし、高齢期になっても働きたい、あるいは年金が少ない中で働かないと暮らしていけないということは実際にあるわけでございます。六十五歳以上の方々にも働ける環境を整えていくというのは本当に重要なことだというふうに思っております。
 日本郵便は日本郵政が一〇〇%株を持っていて、その日本郵政は八〇%以上の株を国が持っている企業でございます。社会的な要請に先頭に立って応えていくべきだというふうに思っております。
 日本郵政に確認をもう一つさせていただきたいんですけれども、五月十五日発表された日本郵政グループ中期経営計画二〇二〇では、高齢者の雇用について、「高齢者の活躍」、グループで一万人雇用というふうにございますけれども、これはどういうものなのか、端的にお示しをいただきたいと思います。

○衣川参考人 お答えを申し上げます。
 ただいま委員から御質問のありました「高齢者の活躍」という項目でございますけれども、グループ共通施策としての「ダイバーシティマネジメントの推進」項目の一つとして「高齢者の活躍」を記載しているものでございます。
 この取組は、具体的には、正社員が現在六十歳定年制、以降五年間は高齢再雇用社員として雇用されている現状におきまして、正社員退職者のさらなる活躍の観点から、六十五歳までの定年延長も見据えた雇用制度の見直し、専門的業務への従事、短時間勤務等の働き方の柔軟化などについて検討していくために設けたところでございます。

○本村委員 今のお答えですと、正社員だけと。非正規労働者は関係ないというのは、私は余りだというふうに思います。六十五歳まで勤め上げた方はそれだけ日本郵便に貢献をしてきたという方々だというふうに思います。
 現に、二〇一一年九月三十日をもって、日本郵便の期間雇用社員を約一万四千人、六十五歳で雇いどめ、解雇をして、生活の糧を奪われております。その結果、配達のおくれですとか、郵便物の廃棄ですとか、労働基準法違反ですとか、さまざまな問題が郵便の現場で起きているわけでございます。
 日本郵便に確認をしたいというふうに思いますけれども、日本郵便で非正規で働く皆さんの支えがあってこそ日本郵便の仕事が回っていく、非正規の皆さんがいなかったら仕事は回っていかない、基幹的な仕事をしているんだ、大事な存在であるというふうに日本郵便、日本郵政さんはそういう認識がちゃんとあるのかということ、確認をさせていただきたいと思います。

○谷垣参考人 お答え申し上げます。
 二〇一八年、ことし四月現在におきます日本郵便株式会社の非正規社員数というのは約十九万三千人でございまして、その中で更に郵便、物流事業に限って言いますと約十五万三千人で、物流事業全体の社員総数に占める割合は六一%くらいとなってございます。このように、期間雇用社員を含めた多くの非正規社員を雇用してございまして、業務の重要な担い手となっているということについては認識してございます。

○本村委員 その非正規労働者の方の生存権あるいは勤労の権利からいっても、六十五歳一律雇いどめというのは、私は不当だというふうに思います。
 日本郵便の非正規労働者は、正社員と同等の業務を担いながら、賃金は三分の一でございます。正社員にはあるさまざまな手当はゼロ、正社員と同様の責任だけは課せられる、労働条件には大きな格差があるのに一律に六十五歳で雇いどめだと。退職金もなく、厚生年金はごくわずかで、定年後の生活保障はない。年金が少ない中で六十五歳以上でも働き続けたい、生活していく上で当然の願いだというふうに思います。
 日本郵便は、安く働かせてきた責任があるというふうに思います。そして、そもそも、ずっと働き続けることができるといって雇われた方々もいるわけでございます。
 日本郵便の職場で非正規で働いてこられた女性の方は、次のようにおっしゃっております。
 給与、福利厚生、退職金その他の条件を前提に、正規社員には定年制があります。そういう条件を一緒にするなら、非正規の定年制もわからなくはありません。でも、差別はそのままで、納得できませんというふうに言われております。
 日本郵便は、機械的な、非正規労働者六十五歳という年齢を期間更新の上限としている政策を見直すべきだ、見直すときは今だというふうに思いますけれども、御答弁をお願いしたいと思います。

○谷垣参考人 お答え申し上げます。
 日本郵政グループといたしましても、六十五歳以降の働き方につきまして、社会経済環境の変化でございますとか経営状況を踏まえつつ、検討しているところでございますけれども、例えば、加齢に伴う身体機能の低下が業務支障を来すおそれはないかとかそういう安全衛生管理上の観点とか、あるいはどういう業務を高齢者の方に担ってもらうかとか、どのような労働力の構成が適切であるかとかそういうことを踏まえて、中長期的に検討していきたいと思ってございます。

○本村委員 先ほど業務に支障がとか言われているんですけれども、実際に、現場で人が足りなくて六十五歳以上の方を雇っている実態があるわけでございます。
 東京高等裁判所の判決の中でも、六十五歳になっても必要な能力を維持している者が一般的だとうかがえるというふうに書かれております。先ほども厚生労働省が答弁したように、社会的な要請もあるわけでございます。年齢によって一律で見るべきではないというふうに、この大綱にも書かれているわけでございます。
 非正規で安い賃金で働いてきた日本郵便に貢献をされてきた方々の生存権ですとか、あるいは勤労の権利にかかわる問題を簡単に片づけてはいけないというふうに思います。
 日本郵政グループ、日本郵便にかかわっては、先日、先ほども申し上げましたように、交付金、拠出金制度、特別な仕組みをつくる、そういう法律をこの委員会で可決をいたしました。人手の確保が必要なんだということは、共通の認識だというふうに思います。ベテランを切っては、やはりユニバーサルサービスを守ることもできなくなってしまう、困難になってしまうというふうに思います。
 煩雑とかコストとかそういうことを言わずに、一人一人丁寧に対応して、六十五歳以上でも働き続けることができる環境をつくるべきだというふうに思いますけれども、答弁をお願いしたいと思います。

○谷垣参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げたように、当社では、働き方について、社会経済環境とか当社の経営状況等を踏まえ、高齢者の方々にどういう役割を担っていただくか等を踏まえて、中長期的に検討しているところでございます。

○本村委員 中長期ではなくて、今、人が足りなくて集荷サービスをやめると言っているんですよね。人が確保できれば、やめなくて済むわけですよね。今確保する努力をするべきじゃないですか。

○谷垣参考人 お答え申し上げます。
 今のところは、人が足りないというよりも、現在の要員で超勤等を使ってやりくりをしてございますけれども、今後の状況等を踏まえて、労働政策については考えていきたいと思っています。

○本村委員 低い賃金で働かせて、低い年金で生活困窮になっている、その非正規労働者の方々の生存権を守るためにも、ぜひ対策を打っていただきたいということを強く申し述べて、質問を終わらせていただきます。

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参考資料

https://motomura-nobuko.jp/wp-content/uploads/2018/06/887747d7ea50c81477aff646bd94bcde.pdf

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