2018年4月4日(水) しんぶん赤旗
強要AV 動画削除把握へ 衆院総務委 本村氏に総務相答弁
野田聖子総務相は3日、被害者が意に反して出演を強要され、インターネット上に流出したアダルトビデオ(AV)について、今年度から、総務省委託の「違法・有害情報相談センター」が、相談された動画が削除されたかを把握していくことを明らかにしました。衆院総務委員会で
性暴力被害支援拡充を 支援センター増設求める
日本共産党の本村伸子議員は3日の衆院総務委員会で、性暴力被害者ワンストップ支援センターの増設と、補助金増額など財政支援の充実を求めました。
ワンストップ支援センターは、被害直後の心身のケアや証拠採取、被害届提出などを1カ所で行うもの。 日本共産党の本村伸子議員は3日の衆院総務委員会で、性暴力被害者ワンストップ支援センターの増設と、補助金増額など財政支援の充実を求めました。
本村氏は、視察した愛知県内2カ所(一宮市、名古屋市)の支援センターを例に、2016年1月に2カ所目が設置された後も1カ所目への相談件数は減っておらず、県内で支援センターが空白となっている三河地域からの相談は少ないとして「身近にワンストップ支援センターがあることが重要だ」と指摘。とりわけ、病院内に相談窓口のある「病院拠点型」が迅速に医療支援や証拠採取をできるとして、全国的な増設を訴えました。
内閣府の渡辺清大臣官房審議官は「まず全都道府県に最低1カ所を目標とし、その後は(既存施設の)運営の安定化を図る」と述べるにとどまりました。
本村氏は、1県あたり400万円に満たない支援センター設置・運営費への交付金を増額するよう要求。被害者支援を行う公立病院を特別交付税の対象にするなどの国の財政措置も求めました。
野田聖子総務相は、交付金の対象に公立病院を加えるなど「交付金の使い勝手の改善に取り組みたい」と表明しました。
、対策を求めた日本共産党の本村伸子議員の質問に答えました。
同省は3月23日、共産党の仁比聡平参院議員の質問には「実際に削除されているかを把握する運用は行っていない」と答弁しており、新年度から運用を改めた形です。
本村氏は質問で、「意に反する映像がネット上で繰り返し流通・拡散されることが二次被害となり、被害者の苦しみが続く」として、業界の自主規制頼みの国に主体的な対策を要請。海外プロバイダーを使った無修正動画の拡散や検索サイトで身元が判明してしまう問題への対処も求めました。
議事録
○本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。
重大な人権侵害であるアダルトビデオの出演強要問題、性暴力被害者支援の充実強化について質問をさせていただきます。
まず、重大な人権侵害であるアダルトビデオへの出演強要問題について伺いたいと思います。
スカウトから勧誘され、アダルトビデオへの出演があると説明を受けておらず、契約書などもよく読む時間もなく、控えの書類もなく、断ろうとしても、長時間説得をされ、高額の違約金の請求や、実家や家族に話すなどと言われ、結局、強要されてしまう実態がございます。
アダルトビデオへの出演強要、同意していない性的な行為等の撮影の被害状況について、まずお示しをいただきたいと思います。
〔委員長退席、原田(憲)委員長代理着席〕
○渡邉(清)政府参考人 今御指摘いただきました調査は、私ども、インターネットの調査を行っておりまして、その中で、若年層を対象とした性的な暴力の被害等について調べたものでございます。本年一月から二月にかけまして、十五歳から三十九歳までの女性で、調査委託業者に登録されているモニター会員に対して行ったものでございます。
まず、約三万二千人を対象としまして事前調査を行ったところ、先生御指摘のとおりの、その前段階で、モデルやアイドルにならないかとかそういった勧誘を受けたり、また高収入のアルバイトだというようなうたい文句に応募した経験のある人は、およそ五人に一人いらっしゃいまして、五千七百四人という数字でした。
この五千七百四人のうち、本調査の方に協力していただいたのは二千四百六十一人いらっしゃいましたけれども、このうち、勧誘や募集のときに聞いていなかった、又は同意していなかった性的な行為などの写真や動画の撮影を求められた経験がある人が、一一・三%、二百七十七人いらっしゃいました。
さらに、この二百七十七人のうち、求められた行為の撮影などに応じてしまった、実際に応じた件数は、約半数の百二十九人いらっしゃったという結果が出てございました。
○本村委員 このアンケート結果を見ますと、被害の数は相当数あると見なければならない。それだけ深刻な人権侵害があり、潜在化しているという問題だというふうに思います。
一層深刻なのは、同意していない悪質な性暴力の被害の映像が繰り返し使用、流通され、インターネット上で販売、拡散されて、二次被害に悩み、苦しみ続けるという問題です。
総務省は、違法・有害情報センターでは、相談者に対して迅速かつ的確な助言を行うことに注力している、現時点では、実際に相談対象となった情報が削除されているかどうか把握する運用は行っていないということで、答弁もされておりますけれども、それでは被害回復の対応になっていないというふうに思います。
三月二十三日、参議院の法務委員会で、日本共産党の仁比聡平参議院議員の、同意をしていない悪質な性暴力の被害の映像削除を求める質問に対して、上川法務大臣は、アダルトビデオ出演強要問題、政府が一丸となって取り組むべき問題であると認識しております、野田大臣、関係省庁ともしっかりと連携し、一丸となった対策に努めてまいりたいと答弁をされております。
削除をメーカーや販売店、プロバイダーに求めても、削除されないという現実があるわけでございます。同意をしていない悪質な性暴力の被害の映像をインターネット上で販売、拡散される問題、削除できるように総務省としても真剣に研究し、そして実施をしていただきたいと思いますけれども、大臣、お願いしたいと思います。
〔原田(憲)委員長代理退席、委員長着席〕
○野田国務大臣 お答えいたします。
AV出演強要は、女性の人権を著しく踏みにじる、決して許されない重大な問題であると認識しています。
総務省としては、まず、権利侵害情報への対応に関する民間ガイドラインやモデル約款の策定支援、そして、事業者団体を通じた、事業者に対するAV出演強要問題の周知などにより、出演強要のあった動画が適切に削除されるよう、事業者の取組を支援しているところです。
また、総務省が委託により設置している違法・有害情報相談センターにおいても、今年度から、相談のあった動画が削除されたかどうかについての実態把握を行うなど、運用の強化に取り組んでいくことにしています。
今後とも、違法・有害情報相談センターの周知に努めるとともに、実態も踏まえつつ、更に適切な措置が講じられるよう、関係省庁と連携しながらしっかり取り組みます。
○本村委員 ありがとうございます。
海外のプロバイダーを使って無修正の動画を流す場合、事実上、訴訟を起こすことも難しいという現状がございます。このことに対しても、政府が何か有効な対策はとれないかということで、検討、研究が必要だというふうに思います。
また、グーグル検索の結果で身元がわかってしまうという問題もございまして、こうした検索サイトも、被害を回復するために研究するべきだということも申し述べておきたいというふうに思います。
次に、性暴力被害者支援について質問をさせていただきます。
伊藤詩織さんの「ブラックボックス」の中で、このように語られておられます。レイプ被害に遭い、事件後、命を絶つという選択をしようとしたことが何度となくあった、自分の内側が既に殺されてしまったような気がしていた、しかし、死ぬなら、変えなければいけないと感じている問題点と死ぬ気で向き合って、全てやり切って、自分の命を使い切ってからでも遅くはないと語っておられます。
性暴力は被害について相談することすら困難な中で、このように命をかけた被害者の方々の声にしっかりと国会が応えていかなければならないというふうに痛感をしております。
性暴力被害者の方々の支援を強め、被害に遭った方が相談しやすくすることは、その被害者の方の人生を左右すると同時に、犯人の処罰にもつながり、同じ犯人が何人も被害者を出すというような性暴力被害を未然に防ぐということにもつながってまいります。
総合的に被害者の方々を支援するために野党で性暴力被害者支援法案というものを提案をさせていただいておりますけれども、ぜひ、与野党を超えて賛同をしていただいて、成立させたいというふうに考えております。しかし、この法律案が成立する前でもやはり進めていかなければならないということで、きょうの質疑はさせていただきたいと思っております。
性暴力の被害に遭われた方々の電話、面接相談、そして緊急医療処置、産婦人科、精神科医療支援、心理的支援、捜査関係の支援、そして法的支援、同行支援などを行う性暴力被害者ワンストップ支援センターについては、地域によって支援のばらつきはありますけれども、二〇一八年度中に全ての都道府県で少なくとも一カ所はできるという見通しになってまいりました。
前提のまず確認ですけれども、性暴力被害者ワンストップ支援センター、ワンストップで行うということを推進している目的と整備の状況、お示しをいただきたいと思います。
○渡邉(清)政府参考人 ただいま御指摘いただきましたワンストップ支援センターでございますけれども、性犯罪、性暴力被害者への支援において最も重要なことは、被害者の心身の負担をできるだけ少なくすることだと考えております。
このため、政府といたしましては、被害直後から相談を受け付けまして、医療的な支援、心理的な支援など、先生が御指摘いただいたのと同じですが、これを可能な限り一カ所で提供するワンストップセンターを全国に整備をするということにしております。
具体的には、第四次の男女共同参画基本計画におきまして、平成三十二年度までに性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの設置数を各都道府県最低一カ所達成するという成果目標を設定をいたしまして、その取組を進めているところで、現在、四十三都道府県においてワンストップ支援センターが設置をされております。
先生おっしゃるとおり、開設見込みのところまで含めると、何とか早期に、前倒しでこれを達成したいと考えているところでございます。
○本村委員 そのワンストップ支援センターなんですけれども、病院拠点型が七府県、相談センター拠点型が四都県、そして相談中心連携型が三十一府県になるというふうに思います。資料の一から三に各都道府県の状況を出しておりますけれども。
もう一つ確認をさせていただきたいんですけれども、性暴力を受けてしまった被害者の方の緊急避妊は何時間以内に行わなければならないのかというのを厚生労働省に、そして警察庁さんには、性暴力の証拠採取のためにはどのくらいの時間で証拠採取をしなければいけないのか。加害者の体液、DNA、レイプドラッグの尿、血液などの時間的な緊急性について、お示しをいただきたいというふうに思います。
○森政府参考人 お答えいたします。
現在、医薬品として承認を受けている緊急避妊剤につきまして、国内での臨床試験において、性交後七十二時間以内に投与した際、投与された六十三例中妊娠例は一例というふうになっておりまして、月経周期ごとの妊娠確率から求める妊娠阻止率は八一%というふうになっております。
こうした成績を踏まえまして、緊急避妊剤は、その予防として、性交後七十二時間以内に経口投与するというふうにされてございます。
○大賀政府参考人 お答え申し上げます。
性犯罪の被害に遭った後、どれくらいの時間内であれば証拠が残っているかということは、事案によりさまざまでございますので、一概に申し上げることは困難でございますけれども、一般に、犯罪の証拠資料は、当然ながら時間の経過とともに収集が困難となるということでございますので、迅速かつ適切に証拠保全をすることが重要であると考えております。
警察におきましては、性犯罪被害の申告があれば、被害者の協力を得て、できる限り早期に被疑者の体液やあるいは被害者の尿、血液といった必要な証拠の提出を受けて鑑定することなどによって、被疑者の早期検挙に努めているところでございます。
○本村委員 ありがとうございます。
緊急を要する医療処置が必要なのだということを確認させていただきました。
病院拠点型でとても先進的に頑張っているのが、NPO法人性暴力救援センターの大阪SACHICOというところがあるんですけれども、そこの代表の加藤治子医師は、全国で多くのワンストップ支援センターの設立に携わってこられた第一人者でございます。
この加藤医師に日本弁護士会の皆様が昨年聞き取りを行い、報告書にもまとめられておりますけれども、性暴力を受けて、緊急避妊や、アルコール摂取、薬物摂取に起因する性暴力の証拠採取、被害者が相談に来たときに、時間的ロスや移動の負担をかけず、即時その場所で医師が対応し、体液をとることができることが必要不可欠なんだと。特に夜間相談を受けた場合、相談を受けた場所から病院に移動することは、相談者のみならず支援者にとっても負担が大きく、安全面でも不安だと。同じ場所で支援と医療が受けられるのが、本来あるべきワンストップ支援センターだと言われております。
また、内閣府に確認をさせていただきますけれども、病院拠点型をふやすこと、ふやす意義についてどのように認識されているのか、お示しをいただきたいと思います。
○渡邉(清)政府参考人 ワンストップセンターの核となる機能は二つございまして、一つが支援のコーディネート、相談という機能、それから二つ目が産婦人科医療の機能でございます。これらの機能はそれぞれ別の主体によって担われるものでございます。
被害者にワンストップで支援を行うためには、病院内に相談センターを置くいわゆる病院拠点型、それから、病院から近いところに相談センターを置いて、この相談センターを拠点とする相談センター拠点型、この二つの形ができれば望ましいと考えております。
しかしながら、地域によっては、拠点となる病院ですとか相談センターを確保することがなかなか困難なこともあるため、相談センターを中心として、協力病院を幾つかお願いして、そこでネットワークをつくるという連携型も考えられるところであります。
このように、ワンストップ支援センターにつきましては、各都道府県がそれぞれの地域の実情を踏まえた形態により整備を進めているところでございます。
○本村委員 被害者の方の医療的な支援あるいは証拠採取という点でも、やはり病院拠点型が望ましいということでは一致できるというふうに思うんです。
病院拠点型は全国で七府県のみとなっております。資料一を見ていただいてもわかると思いますけれども。で、病院拠点型がなぜふえないのか、ふえない原因についてどのように分析されているか、お示しをいただきたいと思います。
○渡邉(清)政府参考人 ワンストップ支援センターにつきまして、病院拠点型は、先生おっしゃるとおり、七カ所ということになってございます。
病院拠点型が少ない主な理由としましては、拠点となる病院が不足している、それから、医療関係者や支援者といった人材が不足しているということが一般的には指摘されていると承知しております。
一方で、病院がワンストップ支援センターの拠点としての役割、機能を担うことが難しい場合でも、先ほど申し上げましたように、提携病院あるいは協力病院という形で、支援のネットワークの中で一定の役割を担っていただいている。こちらの方も私どもも承知しております。
やはり、こうした状況は地域によっていろいろでございますので、都道府県の実態それからニーズに応えられるように、二十九年度予算で設けました性犯罪・性暴力被害者支援交付金、こちらを有効に活用してまいりたいと考えております。
○本村委員 ふやさなければならないわけですけれども、ハードルがあってなかなかふえないという実態がございます。やはり、拠点病院となるところの負担が大きいという問題があるわけです。こういうハードルを取り除いていかないといけないということを指摘したいと思います。
愛知県の実態に基づいてお話を進めたいと思うんですけれども、愛知県には二カ所、性暴力被害者ワンストップ支援センターがございます。二つとも病院拠点型でございます。一つは、一宮市内にありますハートフルステーション・あいち、もう一つは、名古屋市内にあります日赤なごや・なごみというところでございます。
ハートフルステーション・あいちは、一宮市内の民間の病院の中に設けられております。民間の病院の皆様が手を挙げてくださったことから、愛知県警との連携の中で始まりました。こういう医療機関の皆様の御努力にも、心からの敬意と感謝を申し上げたいと思います。月曜日から土曜日の九時から二十時、窓口が開かれております。支援員の方々と女性警察官がおります。
このハートフルステーション・あいちは、全国の性暴力ワンストップ支援センターの中で唯一、警察主導型でございます。警察に届けたくないという方、迷っている方にはかなりこれはハードルになっているという現状がございまして、電話相談、二〇一六年から二〇一七年十一月までで三百十件、そして来所でいいますと、二〇一六年から二〇一七年十一月三十一件ということで、来所相談は、一宮市や江南市、周りの自治体の被害者の方が多いということでございます。
もう一つは、日赤なごや・なごみの方ですけれども、なごみでは、二十四時間三百六十五日支援をしております。アドボケーターという、患者さんのかわりに意見や権利を主張する代弁者の方や、あるいは専門の看護師の方が二十四時間体制で支援をしております。
なごみの開設から一年と十一カ月の時点で私は伺ったわけですけれども、電話相談は千八百四十八件、そして来所、面接が百五十六人ということになっております。県外始めいろいろな方を受け入れてくださっているんですけれども、それでも主に名古屋市内の被害者の方が多いという状況でございました。
二〇一六年一月五日に、後から日赤なごや・なごみが名古屋市内にできたわけですけれども、だからといって、従前からあったハートフルステーション・あいちへの電話相談とか来所が減ったのかというと、そうじゃないんです、減っていないわけでございます。
愛知県には二カ所のワンストップ支援センターがあるわけですけれども、ハートフルステーション・あいちは一宮尾北地域の方が多く、なごみは名古屋市内の方が多いと。愛知県内の東半分、三河地区は全く空白でございまして、三河地区の被害者の方が一宮や名古屋へ行っているという実態もなかなか見られなかったわけでございます。
声を上げられない、どこにも相談できないケースが多い中で、やはり身近にワンストップ支援センターがあることが、被害の潜在化を顕在化させるためにも大事だというふうに思います。また、そのことが結局、加害者を処罰することにもつながり、第二の被害者を出さないということにもつながってまいります。
二〇一八年度には、全ての都道府県で少なくとも一カ所はできるということになっておりますけれども、この性暴力被害者ワンストップ支援センター、更に箇所数をふやすということが必要だと思いますけれども、答弁を求めたいと思います。
○渡邉(清)政府参考人 お答えいたします。
ワンストップ支援センターにつきましては、先ほど申し上げたとおり、第四次男女共同参画基本計画に基づいて整備を進めておって、先生が先ほどからおっしゃっておられるとおり、できるだけ早期のうちに各都道府県一カ所はということで整備を進めているところでございます。
まずは、全ての都道府県に最低一カ所、センターを設置するということを最大の目標といたしまして、その後につきましては、引き続き、その運営をずっとしていっていただくための安定化を図るなど、自治体と緊密に連携しながら、性犯罪、性暴力被害者支援を充実させていきたいというふうには考えてございます。
○本村委員 もう時間がないので、いろいろ飛ばさなければいけないんですけれども、内閣府の性犯罪・性暴力被害者支援交付金というものがございます。この予算額なんですけれども、二〇一八年度予算額で一億八千七百万円しかないんです。四十七都道府県で割りますと、一県当たり四百万円にも満たないという、本当に少額しかございません。警察庁の方にも、被害者の方を支援する予算があります。これも、緊急避妊など病院にかかわる予算、二〇一八年度予算六千六百万円です。カウンセリングの予算二千八百万円でございます。
私、これを皆様にお知らせしたときに、これが全国の予算額なのかと、本当に皆さんに衝撃を与えるような少なさでございます。この交付金の補助金の額も大幅にふやして、実質的に、質の向上と、そして、ワンストップ支援センターが広がるようにしていただきたいというふうに強く求めておきたいと思います。
総務大臣に最後に二問お伺いしたいというふうに思いますけれども、二〇一七年度から内閣府の方でこの性犯罪・性暴力被害者支援交付金が創設されたわけですけれども、二分の一とか三分の二、自治体の負担があるわけでございます。
総務省として、地方財政措置をしっかりとやるべきですし、内簡と呼ばれる「地方財政の見通し・予算編成上の留意事項等について」などでしっかりとお知らせをして、性暴力被害者支援の取組の強化についてしっかりと財政措置するとともに、広報するべきだと思いますけれども、答弁をお願いしたいと思います。
○野田国務大臣 お答えします。
性犯罪、性暴力被害者への支援については、被害を訴えることをちゅうちょせずに必要な相談を受けられる相談体制の整備、そして、被害者の心身回復のための被害直後及び中長期の支援が受けられる体制整備を図ることが重要だと思います。
このため、政府としては、被害直後から医療面そして心理面などの支援を可能な限り一カ所で提供する、ずっとお話をしていただきましたが、ワンストップ支援センターを平成三十二年までに各都道府県に最低一カ所設置することを目標に取り組んでいます。
このワンストップ支援センターの設置形態や場所については、都道府県において判断をいただいていますが、公立病院等に設置を希望し、支援の要望があった場合には、そのあり方等についてはしっかり関係省庁間で議論をしてまいります。
その際、新たな地方財政措置を講じることとなれば、地方団体に対する周知のあり方についてもあわせて検討してまいります。
○本村委員 今、公立病院の話もしてくださったかなというふうに思うんですけれども、やはり性暴力被害者ワンストップ支援センターは、身近にあるということが重要だというふうに思います。
そして、お金がない未成年の方が被害を受けているということもございまして、交通費もないという状況の中で、経済的な理由によって支援が受けられないということがないようにしていただきたいというふうに思います。
そして、証拠採取、緊急避妊、精神的なケアのためにも、病院拠点型というものをふやしていかなければならないというふうに思います。
総務省として、自治体病院に対して、例えば、先日も質問させていただいたんですけれども、不採算医療の部分は特別交付税で措置しているわけですけれども、この性暴力被害者支援を行う自治体病院に対する特別交付税などの財政措置を行って、病院拠点型のワンストップ支援センターを広げていくということや、あるいは、自治体と国が連携して支援センターをふやして、内容を充実させていくということが必要だというふうに思います。
財政面を含めた自治体の取組への支援、総務省として行えることを積極的に取り組んでいただきたい、野田大臣のもとだからこそ、積極的に進められるというふうに思っております。ぜひ大臣、お願いをしたいと思います。
○野田国務大臣 私がちょっと先走った感じで公立病院の話もしてしまいましたけれども、病院拠点型というのは極めて理想的であることは間違いありません。
ただ、残念ながら、なかなかそれが進まない理由には、例えば、先ほども説明があったと思いますけれども、拠点となる病院が不足しているとか、医療関係者や支援者などの人材不足というのがあります。
一方、病院が担う場合には、協力病院とか提携病院というような形で、支援ネットワークの中の一部分ということで役割を担っているケースもあろうかと思います。
繰り返しになるんですけれども、このワンストップ支援センターの設置形態、場所というのは、あくまでも都道府県がお決めになる。これからのその拡充につきましては、二十九年度に創設しているのが性犯罪・性暴力被害者支援交付金の執行、これに当たっては、他の国庫補助金制度を適用可能な場合は他制度を優先して適用することとしていて、今現在、公立病院は交付対象としていないというふうに整理しています。
また、交付金の初年度の執行実績なんかも踏まえて、今後とも、都道府県のさまざまな実態やニーズに応えられるよう、交付金の使い勝手の改善には引き続きしっかり取り組んでいきたいと思います。
○本村委員 ありがとうございます。
ぜひ、厚生労働省に来ていただいているんですけれども、診療報酬についても引上げをしていただいて、病院拠点型のワンストップ支援センター、応援をしていただきたいということも強く申し述べまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
参考資料
https://motomura-nobuko.jp/wp-content/uploads/2018/08/7ba7db1a1c72efa65019f94e24f3a3a7.pdf