2018年2月27日 しんぶん赤旗
本村氏、防衛相に迫る 衆院予算委
日本共産党の本村伸子議員は26日の衆院予算委員会分科会で、最新鋭ステルス戦闘機F35Aの整備拠点の今年夏に向けた設置が進む三菱重工小牧南工場(愛知県豊山町)に関し、滑走路としての使用が想定される県営名古屋空港を米軍や他国軍機の整備拠点として使用させないよう求めました。
本村氏は、地元自治体の首長や名古屋空港周辺の安全対策を求める地元協議会が、同空港において「米軍機の利用などがないように」として政府に要望書を提出したことに言及。「これに反する事態だ。米軍・他国軍の整備や兵たんの拠点として使わせないよう約束していただきたい」と迫りました。
小野寺五典防衛相は「他のF35Aの整備については、米国政府等と調整していくことになる」と述べました。
本村氏は、昨年6月20日、日本で初めて最終組み立てを行ったF35Aが試験飛行中に冷却系統の不具合が原因で名古屋空港に緊急着陸したことに言及。米軍の管理下で実施された検査のため米軍マークをつけたF35Aが試験飛行していたことも明らかにし「事故を起こしたら、誰が責任を取るのか」とただしました。
小野寺防衛相は「事故発生の責任等を踏まえ、日米間でしかるべく調整する」と述べました。
議事録
○本村分科員 日本共産党の本村伸子でございます。
F35に関する諸問題、そして、岐阜基地に新たに大規模なものをつくるという電子評価施設、仮称ですけれども、この問題について質問をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
今年度、愛知県内にあります三菱重工小牧南工場のF35ステルス戦闘機最終組立て工場で初めて最終組立てが終わり、愛知県営名古屋空港から飛び立つF35戦闘機の試験飛行が行われました。
今年度の試験飛行はどういうものだったのか、来年度、そして再来年度はどうなるのか、まず計画をお示しいただきたいと思います。
○鈴木政府参考人 国内で最終組立て等を行いましたF35Aにつきましては、防衛省に引き渡される前に試験飛行が米側により実施されております。
今年度におきましては、これまでに国内組立ての初号機と二号機の飛行試験が約十回実施されたところでございます。
来年度以降につきましても、国内で最終組立て等を行ったF35Aについては、一機につき四回程度の試験飛行が実施される見込みでございます。
○本村分科員 今年度は二機ということで、来年度は恐らく四機、再来年度は六機というふうにふえていくんじゃないですか。
○鈴木政府参考人 今製造中でございますので、具体的に、納入時期、幾つというのははっきり申し上げられませんが、その納入に応じまして、一機当たり約四回程度の試験飛行をさせていただくという予定でございます。
○本村分科員 昨年六月二十日に、十二時二十五分ごろですけれども、その試験飛行を行っていたF35ステルス戦闘機が、試験飛行中にトラブルを発生させ、緊急事態を宣言し、緊急着陸するという事件がございました。愛知県営名古屋空港周辺は人口密集地でございます。試験飛行の大変な危険性というものを改めて痛感いたしました。
ふぐあい、緊急着陸、どういう事件だったのか、原因とそして再発防止はどうなっているのか、お示しをいただきたいと思います。これは大臣にお願いしたいと思います。
○小野寺国務大臣 本件は、F35A国内FACO初号機がロッキード・マーチン社による試験飛行のため六月二十日十一時四十一分に県営名古屋空港を離陸しましたが、飛行中に機体の冷却系統に関する警報装置が作動したため、安全に万全を期すため試験飛行を中断し、十二時三十六分に県営名古屋空港に着陸いたしました。
ロッキード・マーチン社による調査の結果、機体の冷却系統の部品の不良が確認されたため、同社は、部品を交換し、その後、地上試験において、機体が正常に機能することを確認したものと承知をしています。当該処置により安全性が確保されたことを受け、六月二十七日には、機体の点検及び整備を入念に行った上で試験飛行が実施され、無事に終了しております。
防衛省としては、試験飛行に際しては安全面の確保が大前提と認識しており、今後とも、米側に対し、安全面に最大限配慮するとともに、住民の方々に与える影響を最小限にとどめるよう働きかけてまいりたいと思います。
○本村分科員 そもそもF35ステルス戦闘機は、昨年一月にアメリカ議会に提出されたアメリカ国防総省の報告書では、重大な二百七十六項目の欠陥を特定したと書かれております。その中に、冷却系統のふぐあいも指摘されておりました。
二〇一六年九月、十月には、アメリカ国内で機体発火ということもあったわけでございます。
日本政府として、二百七十六項目の欠陥について、一つ一つ安全性は確認されているんでしょうか。
○小野寺国務大臣 平成二十八年十二月、米国防総省運用試験・評価局が米議会に対して提出したF35プログラムに関する報告書において、開発中のブロック3Fというソフトウエアについて、二百七十六個の欠陥があると指摘されたということを承知をしております。このため、米国防総省において、既に一年以上かけて、これらの事項を改善するための取組を着実に進めてきているものと承知をしております。
航空自衛隊の保有するF35Aへのブロック3Fの導入は、今後、実施する予定となっております。
防衛省としては、F35Aの運用に当たって、安全性を確保することは当然と考えており、空自の機体にブロック3Fを導入する際には、運用に支障がなく、安全性に問題のないことをしっかりと確認をしてまいりたいと思っています。
○本村分科員 確認してまいるというお答えだったんですけれども、少なくとも、二百七十六項目の欠陥を全てチェックして報告していただきたいと思いますけれども、大臣、お願いします。
○西田政府参考人 お答えを申し上げます。
先ほども大臣から申し上げたとおり、米側は、欠陥事項とされた点を改善する取組を着実に進めてきており、また、本年一月には、主要なものは既に改善したと表明していると承知をしてございます。
今後、空自のF35Aにブロック3Fがインストールされるに当たりましては、米側によるソフトウエアの改善の結果として、我が国が要求する性能や安全性等がしっかり満たされているということを確認することは当然のことでありまして、他の装備品と同様、防衛省側において検査を行ってまいりたいというふうに考えております。(本村分科員「報告してくださいますか」と呼ぶ)
今申し上げたように、納入されたときに安全性等がしっかり満たされているということを確認することは当然のことであり、他の装備品と同様に検査を行ってまいりたいと思っております。
ソフトウエアの改善策につきましては、さまざまな手法がございますので、ソフトウエアの改善のための手法等を一つ一つ確認するということよりも、改善の結果として、我が国が要求する性能、安全性を有するものになっていることを確認するということが重要と考えております。
したがいまして、納入の際にしっかりと検査を行ってまいりたいと考えております。
○本村分科員 ぜひ報告をしていただきたいと思います。
このトラブルもありましたF35戦闘機の試験飛行ですけれども、事前の自治体への説明はどうなっていたでしょうか。
○鈴木政府参考人 F35Aの試験飛行の自治体への説明につきましては、試験飛行に使用する県営名古屋空港及び航空自衛隊岐阜基地の周辺自治体に対し、原則、試験飛行の前日に翌日のフライト情報をお伝えしております。
具体的に申し述べれば、県営名古屋空港に関しましては、防衛省から同空港を運営する愛知県に伝達し、愛知県から周辺自治体である名古屋市や豊山町等に伝達しております。
また、航空自衛隊岐阜基地に関しましては、現時点では、防衛省から岐阜県各務原市及び愛知県扶桑町に伝達し、それを受けて、各務原市から岐阜市等に、扶桑町から江南市等にそれぞれ同様の内容をお伝えしております。
○本村分科員 今のお答えですけれども、そのほかにも、防衛省から、石川県庁、小松市役所なども、北陸の方も御説明していると思うんですけれども。
○鈴木政府参考人 石川県につきましては、防衛省から、現地の金沢防衛事務所を通じまして、石川県庁、小松市等に御説明申し上げております。
○本村分科員 北陸の方では、細かな自治体の市役所や役場も説明をしているわけでございます。
愛知県は、防衛省から、各市町村ごとではなく、愛知県に説明して終わりになっておりますけれども、市町村の方が住民の皆さんにより近い存在でございます。市町村へ個別に事前に説明するということはできるというふうに思いますけれども、その点、確認をさせていただきたいと思いますし、試験飛行について、住民の皆さんへの説明会を開くべきだと思います。
また、試験飛行でF35は三沢基地あるいは岩国基地にも行っておりますけれども、事前にいただいた資料では何も説明していないということになっておりますけれども、こういう点も改めていただきたいと思いますけれども、大臣の答弁をお願いしたいと思います。
○鈴木政府参考人 F35の試験飛行に係る地元への御説明については、地元の自治体とよく調整した上で、先ほど申し上げた形でさせていただいておりまして、今後とも、よく自治体と調整させていただいた上で説明を実施させていただきたいと考えております。
○本村分科員 やろうと思えばできるということですよね。そして、住民説明会もぜひやっていただきたいというふうに思います。
もう一つ大問題なのが、三菱重工小牧南工場でつくられたF35戦闘機の試験飛行で、愛知県営名古屋空港から飛び立ったF35戦闘機が米軍のマークをつけていたという問題でございます。
それが資料の一ですけれども、航空機の雑誌ですが、その中に、愛知県営名古屋空港から試験飛行でアメリカに飛び立つF35の写真が載っておりますけれども、よく見ていただきますと、米軍のマークがついているのではないかと。文言としても、米国のマークがついていると書かれております。
試験飛行の段階ですけれども、三菱重工小牧南工場で最終組立てされたF35はアメリカ軍のものなのか、ロッキード・マーチン社のものなのか、アメリカ政府のものなのか、三菱重工のものなのか、防衛省のものなのか、お答えをいただきたいと思います。
○小野寺国務大臣 国内で最終組立て等を行ったF35Aの最初の機体、これは、国内FACO初号機、五号機ということになりますが、これについては、製造後に、品質検査のため、昨年十一月に米本土まで飛行いたしました。
この飛行機については、機体が航空自衛隊に納品された後、米空軍の管理下で実施するという形で、機体が製造された後に、米空軍の管理下で実施されたこの検査のために、機体のマークを米空軍のマークに変更した上で実施されたと承知をしております。
機体は航空自衛隊の保有ということになります。
○本村分科員 六月二十日、試験飛行した、トラブルが発生したときに、愛知県の航空対策課から県営名古屋空港関係市町の担当宛てに、緊急宣言、着陸をしたというファクスが送られたわけですけれども、そこには、米国政府所属F35が緊急事態を宣言し着陸したということが書かれております。本件に係る公表は防衛省が米国政府と協議中ですと書かれております。
公表したのはいつなのかということと、米国政府と協議など前提にせず、トラブルや事故が発生したときにすぐに公表するというのは当たり前だと思いますけれども、大臣、お願いしたいと思います。
○鈴木政府参考人 昨年六月二十日の事象につきましては、六月二十三日に地元に御説明しているところでございます。
今後につきましても、その事案の中身に応じまして、迅速かつ正確に地元への御説明をさせていただきたいと考えております。
○本村分科員 済みません、初号機以外は、初号機はアメリカ政府のものなんでしょうか。そして、初号機、二号、三号、四号とこれから続くわけですけれども、それ以外は空自という理解でよろしいでしょうか。
○鈴木政府参考人 先ほど大臣が御答弁されましたように、一旦航空自衛隊に納入された後、初号機につきましては、米空軍の管理下の試験のために米国本土に飛来したものでございまして、こういった試験飛行については初号機のみを考えております。
○本村分科員 二十三日に公表したとありますけれども、事故が起こったのは二十日でございます。実際に詳しく公表されたのが二十三日ということで、やはり、トラブルが発生した、事故が発生したときに、米国政府などと協議を前提とせずに、すぐに公表をしていただきたいというふうに思います。
愛知県の県営名古屋空港がある地域は、人口密集地でございます。タッチ・アンド・ゴーを行う、試験飛行を行う岐阜基地も、住宅街が広がる地域でございます。
もし、三菱重工小牧南工場で最終組立てをしたアメリカ軍のマークをつけたF35戦闘機が、あるいは、マークがついていないときでも試験飛行のときに事故を起こした場合、日本の警察、消防、労働基準監督署などは、すぐさま、アメリカよりも先に調査に入れるのか。また、証拠のものも、警察、消防、労働基準監督署などがアメリカよりも先に回収できるのか。この点、お話しいただきたいと思います。
○小野寺国務大臣 そもそも、米軍機の運用に際し、安全性が最大限確保されていることは当然ですが、お尋ねのような調査のあり方については、発生した事故の態様に応じてさまざまであり、一概にはお答えすることは難しいと思います。
その上で申し上げれば、専ら米軍機のみが関係する航空機事故に対して我が国が事故調査の責任を負うことはありませんが、そのことをもって、そのような航空機事故について、我が国が事故調査に参画することが否定されるものではないということであります。
○本村分科員 非常にわかりにくい今御説明だったというふうに思います。
もっとわかりやすく、まず、初号機、二号機、三号機、どういうふうになっていくのか、詳しくお答えいただきたいと思います。
○鈴木政府参考人 お答えします。
基本的に、考え方としましては、事故が起きた時点でその航空機がどこの管理下にあるかということによって調査形態が異なってくると思いますので、一概にあらかじめ申し上げられませんが、先ほど大臣が御答弁しましたように、米軍機の場合であれば、専ら米軍機のみが関係する航空事故については我が国が調査責任を負うことはありませんが、だからといいまして、我が国がそれに参画できないということでもないということでございます。
なお、先生に先ほど、六月二十日のトラブルにおきまして六月二十三日に御説明申し上げたと御答弁しましたが、その六月二十日の当日に、電話で愛知県庁等には説明はしたというふうに承知しております。
○本村分科員 初号機だとどこの段階で米軍なのか、二号機だとどこの段階で米軍、米国機なのかという点もちょっと御説明いただきたいと思います。
○鈴木政府参考人 初号機につきましては、日本政府に納入された段階で、一旦日本政府の管理下に入りまして、かつ所有権も日本政府に帰属します。その後、米空軍に寄託しまして、米空軍の管理下で試験飛行を実施している最中でございます。
二号機以下につきましては、先ほど申し上げました試験飛行を四回、フライト試験をした上で米国政府から日本政府に納入されまして、それ以降は、航空自衛隊の所属で、かつ管理も航空自衛隊の管理ということでございます。
○本村分科員 そうすると、やはり米国政府の管理の時期がある、二号機以降もという御説明だったというふうに思います。(小野寺国務大臣「違いますよ」と呼ぶ)それで、次の質問と一緒に答えていただきたいんですけれども、三菱重工小牧南工場で最終組立てがされたF35が事故を起こしたとき、誰が責任をとるのか、賠償を出すのか、段階によって詳しく言っていただきたいと思います。
○小野寺国務大臣 まず、F35Aで日本政府が取得するものに関しては、これは日本政府の保有ということになります。
ただ、日本で組み立てた一号機に関しては、日本政府には納入されるんですが、初めの一機については、アメリカでもう一度しっかり性能試験をして、そして大丈夫ということを確認して返っててくる。ただ、二号機、三号機以降、日本で組み立てられたものについては、そのまま日本政府に納入されるということでありますので、日本政府の所有ということは変わりません。
ただいま事故のことについてのお話がありましたが、そもそも、米軍機の運用に関して安全性が最大限確保されることは当然であります。これは日本の航空機もそうであります。
仮にF35Aの試験飛行の際に事故があった場合の賠償という仮定の質問にお答えすることは控えますが、いずれにせよ、事故発生の責任等を踏まえ、日米間でしかるべく調整した上で、損害賠償等に遺漏がないよう措置をしていくことが必要だと考えております。
○本村分科員 時間がないので話を進めたいんですけれども、そもそも、春日井市長や小牧市長や豊山町長から、また春日井市飛行場周辺対策市民協議会からは、繰り返し、県営名古屋飛行場において米軍機の利用などがないようにされたいと要望書が国に出されているわけでございます。このことに反した事態だというふうに思います。
周辺住民の皆さんあるいは自治体の皆さんの、騒音とか危険性がもっとふえるのではないかという懸念もまだあるわけでございます。
二月二十一日のロイター通信の報道では、今の自衛隊保有計画の四十二機の配備以上に、日本政府は、アメリカからステルス戦闘機F35Aを二十機以上追加購入する調整に入った、F35Bもアメリカ側と協議に入ったというふうに書かれております。
既に自衛隊に導入すると決まっている四十二機以上のF35Aはどこでつくるのか、F35Bはどこでつくるのかという点や、また、F35は巡航ミサイルを装着できるというふうに思いますけれども、その点も確認させていただきたいと思います。
また、F15戦闘機は、巡航ミサイルをつけることができるかどうか、適合性の調査を行うとしておりますけれども、適合となれば、愛知の三菱重工で改修することになるのか、この点、答弁をお願いしたいと思います。
○小野寺国務大臣 今後の防空体制のあり方については、平素からさまざまな検討を不断に行っております。その一環として、必要な情報収集などを行っているところであります。
他方、現時点において、航空自衛隊によるF35Bの導入や、F35Aを現在計画している四十二機を超えて取得することについては何ら決定していません。このことから、F35Bにせよ追加分のF35Aにせよ、その取得方法について現時点でお答えすることは困難であります。
また、平成三十年度予算においては、F15にJASSM及びLRASMの搭載に必要な機体改修を行うための適合性等の調査経費を計上しております。この調査を踏まえ、どのような改修が必要となるのかといったこと等を把握することとなるため、機体改修を行う場合に、お尋ねの三菱重工小牧南工場において改修作業を行うかどうかについては、現時点でお答えすることは困難であります。
○本村分科員 そういう可能性もあるというふうに認識をさせていただいておりますけれども、そうなれば、ますます騒音、危険性は深刻になるばかりだということで、到底認めることはできないというふうに思います。
もう一つ重大なのは、二〇一四年十二月に、アメリカ政府が、自治体や住民の皆さんの声も聞かずに勝手に決めたわけですけれども、F35戦闘機のリージョナルデポ、重整備の拠点の問題です。
これも三菱重工小牧南工場につくられつつありますけれども、二〇一八年度、リージョナルデポの立ち上げを実施できるようというふうに言って、防衛省の資料でありましたけれども、これまでF35リージョナルデポの予算はどのくらい使って、今どういう段階にあるのか、お示しをいただきたいと思います。
○西田政府参考人 お答え申し上げます。
アジア太平洋地域におけるF35整備拠点、リージョナルデポのうち、機体については愛知県の三菱重工業小牧南工場に設置をすることとされておりまして、平成二十九年度までに約百五億円、三十年度予算案を加えると約百十三億円を計上しておるところでございまして、リージョナルデポの施設整備や整備の際に必要となる機材の取得等を実施しているところでございます。
機体のリージョナルデポにつきましては、本年の夏ごろまでに運用を開始する予定でございます。
○本村分科員 以前、予算委員会でも取り上げさせていただきましたけれども、アメリカ軍などの他国軍のF35ステルス戦闘機も、愛知県営名古屋空港を使い、三菱重工小牧南工場をリージョナルデポとして使うのではないかという問題がございます。
先ほども申し上げましたように、春日井市長、小牧市長、豊山町長、春日井市飛行場周辺対策市民協議会の皆さんからは、県営名古屋飛行場において米軍機の利用などがないようにされたいというふうに、繰り返し要望書が出されております。
アメリカ軍や他国軍の重整備の拠点として三菱重工小牧南工場、愛知県営名古屋空港を使わせない、兵たんの拠点として使わせない、このことを大臣に明言していただきたいと思います。
○小野寺国務大臣 日本に設置されますF35Aのリージョナルデポについては、航空自衛隊の取得する四十二機のF35Aの整備を実施する予定でありますが、他のF35の整備については、今後、例えば米国政府等と調整していくこととなります。
○本村分科員 地元自治体の首長の皆さんや住民の皆さんが米軍機の利用などがないようにされたいというふうに言っているわけですから、絶対にやらないということを約束していただきたいと思いますけれども、大臣。
○鈴木政府参考人 米軍等の他国のF35の整備については、具体的な整備や要望があった時点でアメリカ政府と調整を行うこととなりますので、現時点でお答えすることは困難でございます。
○本村分科員 絶対に使わせないでいただきたいということを強く申し述べておきたいというふうに思います。
岐阜基地の問題についても質問をさせていただきたいんですけれども、電子評価施設、仮称ということで、来年度の予算、調査工事などの予算案が計上されておりますけれども、そもそも、大規模な施設を岐阜基地につくるということですけれども、大前提として、岐阜県の皆さんや各務原市の皆さんや自治体の皆さん、周辺の皆さん、議会の皆さんには、ちゃんと説明し、合意をとっているんでしょうか、大臣。
○鈴木政府参考人 先生が御指摘の電子戦評価施設の建設に関しましては、平成三十年度予算成立後、調査工事等に着手する計画でございまして、それに先立って、地元自治体に対して、具体的な建設計画について御説明をさせていただく予定でございます。
いずれにしましても、周辺の住民の方々に御理解が得られるよう、地元自治体とも相談しつつ、丁寧な対応に努めてまいりたいと考えております。
○本村分科員 まだ説明もしていないということが明らかになったわけですけれども。
この岐阜基地の電子評価施設というのは、資料の二枚目に出しておりますけれども、戦闘機などをつるして、密閉された施設内で戦闘機が電波を出し、敵レーダーを標的として妨害をしたり、あるいは妨害電波の無害化をするということでございます。この岐阜基地でやろうとしていることは、敵基地攻撃能力を持つための、それとやはり関連しているのではないかという懸念がございます。
中谷防衛大臣は、安保法制の審議の際に、「この敵基地攻撃を行うために必要な個別具体的な装備につきましては、これまで保有について検討をしてきていないことから、正確にお答えすることは困難でありますが、あえて一般論として申し上げれば、他国の防空用のレーダーの妨害、無力化に用いる電子戦用航空機等が必要になるものと考えられます。」というふうにお答えになっておりますけれども、この岐阜基地の新たな研究施設とこれはリンクしているんじゃないでしょうか、大臣。
○小野寺国務大臣 いわゆる敵基地攻撃については、日米の役割分担の中で米国の打撃力に依存しており、政府としては、今後とも、これまでの日米間の基本的な役割の分担を変えることは考えておりません。
このため、建設予定の電子戦評価施設で、御指摘のような敵基地攻撃を行う装備の研究開発を行うことは考えておりません。
なお、御指摘の中谷大臣の答弁については、敵基地攻撃を行うために必要な個別具体的な装備について、あくまでも一般論として例示したものであり、防衛省においてこのような装備体系の整備を検討していることを述べたものではないと承知をしております。
○本村分科員 実質、憲法九条からどんどん乖離しているあの自衛隊の現実があるというふうに思います。こうしたことを絶対に許すことはできないということを申し述べ、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
参考資料
https://motomura-nobuko.jp/wp-content/uploads/2018/02/6d13ace733a019560b5f836c6a0a12ee.pdf