もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
国会質問

質問日:2016年 11月 16日 第192国会 国土交通委員会

ホームドア設置、義務化を

2016年11月17日(木) しんぶん赤旗

ホームドア 低い目標 本村氏「国は義務化踏み出せ」

衆院国交委

写真

(写真)質問する本村伸子議員=16日、衆院国交委

 日本共産党の本村伸子議員は16日の衆院国土交通委員会で、駅のホームドア設置を事業者任せにする国の姿勢を批判し、「義務化に国が踏み出すべきだ」と迫りました。

 本村氏は、転落死亡事故が相次ぐなか視覚障害者団体から「命を救う方法がある」とホームドア設置を求める要望が強いことを示し、石井啓一国交相の認識をただしました。

 石井国交相が「最大限の取り組みを進める」と述べたのに対し、本村氏は、1日平均10万人利用の駅を優先し2020年までに800駅で設置するとの政府の目標は設置済み駅に135カ所を上乗せするにすぎず「不十分だ」と指摘。1日平均1万人利用の駅だけで2131駅もあると述べ、「目標の前倒し、引き上げをやるべきだ」と批判しました。

 本村氏は、JR東海の在来線ではホームドア設置は「ゼロ」だと述べ、1日平均10万人利用の名古屋、金山、静岡の3駅でも「具体的な計画はない」(国交省)という問題を追及。

 「JR東海は巨額なもうけをあげ、経営基盤もある。リニアは開発できるのになぜホームドアはできないのか」とただしました。

 石井国交相は「扉の位置が異なり、設置困難と聞いている。JR東海の検討を踏まえて必要な対応をしたい」などとJR東海を擁護。本村氏は「線路保全と同様の安全対策と位置付けるべきだ」と強調し、駅ホームの安全対策要員の配置も求めました。

 

議事録

本村(伸)委員 日本共産党の本村伸子でございます。

 駅のホームからの転落死亡事故をなくすために質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いを申し上げます。

 八月十五日、東京メトロ銀座線青山一丁目駅で転落死亡事故がありました。これに続いて、十月十六日、近鉄大阪線河内国分駅で転落死亡事故がございました。視覚障害者の方が駅ホームから転落し、死亡する事故が相次いでおります。亡くなられた方に心からの哀悼の意を表したいというふうに思います。

 駅のホームでの転落件数は、国土交通省の資料によれば、二〇〇九年度二千四百四十二件だったものが、二〇一四年度に三千六百七十三件と、一・五倍にふえております。このうち、視覚障害者の方々の転落件数は、三十八件から八十件へと倍増しております。

 視覚障害者の皆さん方は、東京メトロの事故が起こる前から、長い間、駅のホームにホームドアを設置してほしいということを、ずっと声を上げておられます。

 私の地元愛知県の視覚障害者の皆さんもそうです。ことし五月二十七日にも、愛知県内で集められた、点字の署名も含んで五千人の方々の署名、可動式ホーム柵の設置を求める要請書を持ってこの国会に来ていただいて、そして、愛知県の視覚障害者協議会の皆さんを中心に国交省の鉄道局に要請をし、私も島津幸広衆議院議員と一緒に同席をさせていただきました。

 視覚障害者の皆さんはこうおっしゃっておられました。これ以上仲間の命を落とさせたくないんだ、救うことができる命なんだ、救う方法があるのだからやるべきだというふうに訴えておられます。また、別の視覚障害者の方はこうおっしゃっておりました。盲導犬と一緒にホームに転落したことがあります、ほかの人には言いたくないほど屈辱でした、こういう思いで家から出なくなってしまう視覚障害者も出ていますというふうにおっしゃられておりました。

 視覚障害者の皆さんにとって、駅のホームは、欄干のない橋と言われ、とりわけ危険な場所になっております。ホームからの転落事故の防止のために、ホームドアの設置が極めて有効な対策だということは言うまでもありません。国交省も、二〇一一年、ホームドアの整備促進等に関する検討会を開いて、設置する方向は出しております。

 先ほど指摘をいたしました二つの転落死亡事故のケースでいいますと、東京メトロも、そして近鉄も共通して、その駅にはホームドアがありませんでした。

 ホームドアさえあればこの二つの事故は起きなくて済んだのではないかというふうに思いますけれども、大臣はどのように認識をされているか。また、駅のホームでの転落事故が相次ぎ、そしてふえている。鉄道を所管する国土交通省として、責任、認識、どのようにお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。

石井国務大臣 駅ホームにおけます転落事故の防止は、視覚障害者の方を初め、全ての旅客にとって大変重要な課題であると認識をしております。

 このような中、八月十五日に東京メトロ銀座線青山一丁目駅において、また、十月十六日には近畿日本鉄道大阪線河内国分駅において、視覚障害者の方が転落して亡くなる事故が発生したことに関しては、重く受けとめているところでございます。

 また、ホームドアは、今回の事故のようなホームからの転落防止のための設備として非常に効果が高く、その整備を推進していくことが重要であると認識をしております。

 国土交通省といたしましては、引き続き、鉄道事業者に対して、整備費用に対する助成措置など必要な支援を行うことにより、ホームドアの整備の促進に取り組んでまいります。

 なお、国土交通省におきましては、八月二十六日に駅ホームにおける安全性向上のための検討会を設置いたしまして、ハード、ソフト両面からの対策の強化を検討しているところでございます。

 ハード面におきましては、ホームドアの整備の加速化や、技術面、コスト面の課題に対応可能な新たなタイプのホームドアの技術開発などによるホームドア整備の促進、ソフト面におきましては、希望者への駅係員のアテンドや、一般旅客に対する誘導案内の積極的な実施依頼、また、盲導犬を同伴する視覚障害者への接遇などの対策の強化等について検討を深めまして、駅ホームの安全性向上に向け、最大限の取り組みを進めてまいりたいと存じます。

本村(伸)委員 全国に駅は九千駅以上あるというふうに思いますけれども、そのうち、ホームドアの設置は、最新の数字で六百六十五駅だというふうに思います。その中で、一日平均利用者数が一万人以上、そして十万人以上の駅はそれぞれ何駅あるか、それぞれ幾つの駅にホームドアがついているか、お示しをいただきたいと思います。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十七年度末におきまして、一日当たりの利用者数が一万人以上の駅は二千百三十一駅ございまして、そのうちホームドアが設置されている駅は四百四十五駅となっております。

 同様に、平成二十七年度末におきまして、一日当たりの利用者数が十万人以上の駅は二百六十駅ございまして、そのうちホームドアが設置されている駅は八十二駅となっております。

本村(伸)委員 駅の数と比べて、ホームドアの設置は随分おくれている現状があるというふうに思います。

 国交省としてどういう目標でホームドア設置に取り組んでいるのか、また、優先的に設置すべき駅、具体的な計画、その設置目標の根拠についてお示しをいただきたいと思います。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど先生からもお話あったかと思いますが、ホームドアの整備促進等に関する検討会中間とりまとめ、平成二十三年八月によりますと、ホームドア等の転落防止対策の優先整備駅の考え方といたしまして、一つは、視覚障害者の方々からの要望が高い駅、もう一つは、駅の利用者数が多い駅ということで、特に利用者数十万人の駅が一駅当たりの事故発生件数が多いということから、こういった基準によりましてホームドアを優先的に進めていくべきであるという取りまとめがなされておりまして、私どもといたしましては、そういった基本方針をもって整備を進めているということでございます。

本村(伸)委員 二〇二〇年までに八百駅が目標ということですけれども、あと三、四年で百ちょっとやれば達成する数字でございます。十万人以上の駅でもまだ百七十ぐらいの駅が未達成だ、設置をしていないという現状があるわけです。

 全国の駅は九千駅以上あるわけですけれども、一日平均利用者数一万人以上の大規模な駅でも二千百三十一駅もあるということで、ホームドアがあるのが日本の駅の標準だという点からすると、八百という目標は、まだまだ本当に少ないというふうに思っております。こういう低い目標ではなく、目標の前倒しや目標の引き上げというものをぜひやっていただきたいというふうに思います。

 ここでちょっと確認をしたいんですけれども、先ほど御答弁がありましたが、視覚障害者の団体の皆さんからの要望が高い鉄道駅に転落防止設備の優先的な整備を行うというふうにしておりますけれども、視覚障害者団体の皆さんの要望を受けて具体的にどの駅に優先的にホームドアをつくることになったのか、お示しをいただきたいと思います。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 ホームドアの整備促進等に関する検討会の中間とりまとめがなされました平成二十三年度から平成二十七年度までの過去五年間にホームドアが設置されました百八十一駅のうち、視覚障害者団体の皆様や視覚障害者の方からの意見を踏まえた地元自治体からの要望があった駅として国土交通省において把握している駅数は八十二駅というふうになってございます。

本村(伸)委員 八十二駅ということですけれども、まだまだ十分反映されていないところがあるというふうに思います。具体的に視覚障害者の方が名前を挙げている駅は幾つもありますから、よくよく障害者の方の意見を、声を聞いていただきたいというふうに思います。

 また具体的にお伺いをいたします。

 昨年も指摘をいたしましたけれども、先日も清水忠史衆議院議員も指摘をいたしました、JR東海の在来線はホームドアの設置がゼロになっております。今回の駅ホームにおける安全性向上のための検討会におきましても、JR東海は委員になっております。

 先ほど、二〇二〇年までに八百駅だ、一日当たり平均利用者数が十万人以上のところで優先的に整備をしていくんだという答弁がありました。JR東海の在来線では、一日平均利用者数が十万人を超える大規模な駅というのは名古屋駅、金山駅、静岡駅の三つになるわけですけれども、いずれも現在ホームドアはございません。優先的に設置するべきところのはずですけれども、では、この三つの駅はいつホームドアが設置されるのか、お示しいただきたいと思います。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のJR東海の三つの駅のホームにつきましては、現時点では、ホームドアをいつ整備するかに関する具体的な計画はないものと承知をいたしております。

本村(伸)委員 計画もないというのは本当に無責任だというふうに思います。技術面で難しいんだとか、ドアの位置が違うんだとか、いろいろ言っておりますけれども、この検討会でも、新しいタイプのホームドアについてさまざま指摘があるわけです。

 JR西日本でいえば、会社として、ホームドアの設置のために技術開発にも踏み出しているわけですけれども、JR東海はそれすらやっていないということでございます。大もうけを上げているのに、在来線にホームドアを設置する気が全く見えてこないという現状がございます。

 視覚障害者の方は、この名古屋駅とか金山駅、要望をされております。リニアの開発はできるのに、なぜホームドアはできないのかということを視覚障害者の方は訴えているわけでございます。

 昨年もこの委員会で申し上げましたけれども、JR東海というのは、売上経常利益率が二六%、分割・民営化のときに想定されていた適正利益一%を大幅に上回る巨額のもうけを上げているわけです。

 国交省は、こういう経営基盤もしっかりとあるJR東海が在来線のホームドアの設置の計画すら立てていない、こういう態度を放置していいんでしょうか。

石井国務大臣 JR東海の一日当たりの利用者数が十万人以上の駅の在来線ホームにつきましては、さまざまな車種が混在していることや編成数が異なることによりまして、車両の扉の位置をそろえることができないことなどから、現時点においてはホームドアの設置は困難と聞いております。

 ただ、JR東海におきましては、現在、こうした課題を解消すべく、扉の位置のふぞろいに対応可能なホームドアについて、技術面やコスト面などの観点からの検討を行っていると聞いております。

 国土交通省といたしましては、こうしたJR東海の検討を踏まえて、必要な対応をしてまいりたいと考えております。

本村(伸)委員 今までのJR東海の態度は、本当に人命軽視そして安全軽視だというふうに言わざるを得ないというふうに思います。

 もう一つ聞きたいんですけれども、鉄道事業者は、ホームドアの設置など、駅ホームの安全対策の計画を立てて国交省に報告する義務があるんでしょうか。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 ホームドアや点状ブロック、内方線つき点状ブロックなどの転落防止のための設備の設置の有無につきましては、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に基づきまして、移動等円滑化実績等報告書として、鉄道事業者から国土交通省への報告が義務づけられております。

 なお、ホームドア整備などのホームの安全対策を初め、踏切の安全対策、駅の耐震補強工事等の輸送の安全を確保するために講じた措置及び講じようとする措置につきましては、鉄道事業法により、毎事業年度、鉄道事業者が安全報告書として公表するということにされておるところでございます。

本村(伸)委員 鉄道事業者が公表するということになっているんですけれども、やはり事業者任せになっている、国交省としてもそれを義務づけていなくて、無責任になっているという状況だというふうに思います。

 ホームドアは、単なるサービスの一環ではなく、利用者の人命にかかわる駅の安全対策そのものだというふうに思います。線路の保全などと同じレベルだと考えるべきだというふうに思います。

 十一月五日の東京新聞で「東京メトロ ホームドア設置前倒し」というニュースがあったわけですけれども、そのことに関して、ある視覚障害者団体の方がこうおっしゃっておりました。ホームドアがあるのが日本の駅の標準という抜本的な価値観の見直しに向けたきっかけとして歓迎したいとおっしゃっております。ホームドアがあるのが当たり前になるような抜本的な価値観の見直しが今必要だというふうに思います。

 事業者任せでは、JR東海など、大もうけを上げている鉄道事業者でさえ、在来線のホームドア設置が進まない現状がございます。

 十月十四日、根本政務官にも要望書を出させていただきましたけれども、ホームドアの設置は、駅の必要な安全対策として鉄道事業者が計画的に設置するべきことを法的に義務づけるべきだというふうに、安全対策としてこのくらい抜本的なことをやってほしいということを大臣にお願いしたいんですけれども、答弁をお願いいたします。

石井国務大臣 ホームドアは、列車との接触やホームからの転落防止のための設備として非常に効果が高く、その整備を推進していくことは重要であると認識をしております。

 ホームドアの整備につきましては、旅客用乗降口の位置が一定しており、鉄道車両を自動的に一定の位置に停止させることができるホームにつきましては、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に基づき、新設または大規模な改良を行う際に整備を義務づけております。

 一方、ホームドアの整備に当たりましては、必要に応じホームの補強なども行う必要があり、一ホーム当たり数億から十数億と高額な費用がかかることや、車両により扉の位置が異なっているなどの技術的な課題がございます。

 国土交通省といたしましては、利用者が一日当たり十万人以上などの駅について優先的に整備を促進することといたしまして、整備費用に対する助成措置を講じるとともに、新たなタイプのホームドアの技術開発の支援も行うことによりまして、ホームドアの整備促進に取り組んでいるところでございます。

 今後とも、ホームドアの整備の加速化に向けまして、最大限の取り組みを進めてまいります。

本村(伸)委員 ホームドアの設置もそうなんですけれども、人的側面からも対策が必要だというふうに思います。

 同じJR東海では、静岡支社内ではホームドアの安全対策要員はゼロだというふうに聞いております。こういう人員配置、ホームの安全対策要員の配置、これもしっかりと対策をとらせるべきだと思いますけれども、大臣、最後にお願いしたいと思います。

石井国務大臣 ホームドアが設置されていない駅におきましては、視覚障害者が駅を利用する際に駅員等によるアテンドを実施するなど、駅員等がホームの安全性を確保する上で果たす役割は重要であると認識をしております。

 危険とされる駅を含めまして、個々の駅における駅員等の配置の見直しにつきましては、視覚障害者を初めとした利用者の個々の駅における利用状況や設備の状況に鑑み、鉄道事業者みずからが判断するものでありますけれども、鉄道事業者において、ふだんより、視覚障害者団体の意見をお聞きしたり、個々の利用実態等を見ながら必要に応じて駅員等の配置を見直すといった責任を持った対応が重要であると考えております。

本村(伸)委員 ありがとうございました。

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