もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
国会質問

質問日:2016年 2月 18日 第190国会 予算委員会

三菱重工小牧南工場 F35ステルス戦闘機整備拠点の白紙撤回求める

2016年2月19日(金) しんぶん赤旗

F35、日本を整備拠点に

民意と憲法踏みにじる 本村議員が告発 衆院予算委

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(写真)質問する本村伸子議員=18日、衆院予算委

 日本共産党の本村伸子議員は18日の衆院予算委員会で、アメリカの戦闘能力を高めコストを削減するために米軍のF35ステルス戦闘機のリージョナルデポ(整備拠点)が日本に設置され、F35生産体制で国内企業が米軍需産業の下請けになると告発しました。

 本村氏は、一昨年12月にアメリカ政府が三菱重工小牧南工場(愛知県)と、IHI瑞穂工場(東京都)にアジア太平洋地域のF35整備拠点の設置を決定したことに触れ、日本が米軍のための整備拠点になるのかと追及。中谷元・防衛相は「現時点で計画はない」と答弁。これに対して本村氏は2013年の内閣官房長官談話で「国内に設置される整備基盤により米軍に対する支援も可能となる」と書いてあると指摘すると、中谷氏は現時点での「整備基盤」が三菱重工業小牧南工場とIHI瑞穂工場だと認めました。本村氏は「米軍支援が可能になるという重大な答弁だ」と述べました。

 本村氏は米国の政府監査院がF35のコストが高すぎると指摘していることを示し、アメリカがコスト削減を目的に、自国の戦闘機の解体や重整備、燃料代・維持管理費の負担を他国に負わせる狙いがリージョナルデポにあると指摘。「米軍や米軍需産業の下請けを日本にやらせるものだ」と強調しました。

 さらに本村氏は、整備拠点に位置づけられる小牧南工場の利用のために滑走路はどこを使用するかと質問。中谷氏は「小牧南工場に隣接する県営名古屋空港を利用することになると考えられる」と述べました。

 本村氏は「米軍機の利用がないように」との地元2市1町の首長や春日井市飛行場周辺対策市民協議会の要望書や、県営名古屋空港を小牧基地専用の滑走路にさせないために残された点に触れ「F35戦闘機が頻繁に飛来してくる計画は住民の思いを無視した暴挙だ」と厳しく批判。F35整備拠点を白紙撤回するよう求め、「平和憲法に反する計画は撤回し軍縮のために本気の外交努力をすべきだ」とただしました。

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2016年2月19日(金) しんぶん赤旗

F35コスト米に貢ぐ 衆院予算委 本村議員が指摘

 日本共産党の本村伸子議員は18日の衆院予算委員会で、日本政府が5年間で自衛隊のF35戦闘機42機中22機などに6165億円をつぎ込み、大半が米政府に支払われている点を指摘し「支配を強め、コストを削減したいアメリカに日本が貢ぐ形になっている」とただしました。

 本村氏は、F35関連予算の「その他関連経費」の大半が米政府に支払われている点を指摘。この中には、アメリカの一元管理のもと全てのF35戦闘機のユーザー国が世界規模で部品などを融通し合うシステム(ALGS)や、F35の情報をアメリカが一元管理する情報システム(ALIS)関連経費も含まれています。本村氏は「空爆を繰り返すアメリカ軍などの戦闘機の製造に日本が加担することになり、F35の情報をアメリカが一元的に管理し支配下におくものだ」と強調しました。

 さらに本村氏は関連予算内に使途不明とされるアメリカ政府へ払われた金額(表下)の実態を追及すると、中谷元防衛相は「米国政府との契約金額の一部。運用支援体制の構築にかかわる経費。これ以上の詳細は米国政府により非公表とされていることから答えられない」と答弁。本村氏は使途不明金の内容についての資料提出を求めました。

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議事録

○本村(伸)委員 日本共産党の本村伸子です。
 来年度の予算にも盛り込まれておりますF35ステルス戦闘機の関連で伺います。
 このF35ステルス戦闘機は、アメリカを初め九カ国が共同開発をし、ロッキード・マーチン社が中心的につくるものでございます。既に、アメリカが二千四百四十三機の取得を予定し、日本を含め十二カ国で三千百七十機の取得が計画をされています。今後三十年以上にもわたり、主力の戦闘機として使われるものです。
 二〇一七年にアメリカ軍の岩国基地に配備をされることを初め、在日米軍の戦闘機も順次このF35戦闘機にかわっていく予定でございます。自衛隊機も四十二機の取得を予定し、そして、二〇一七年度から青森県の三沢基地に配備をされようとしております。
 そこで、F35戦闘機にかかわって伺います。
 二〇一四年十二月十八日、資料の二枚目にございます、二の資料でございますけれども、「米国政府によるアジア太平洋地域のF―35整備拠点に関する発表について」という防衛省の発表資料が一枚、この一枚が、愛知県から豊山町、そして春日井市、小牧市、名古屋市にファクスで送られてきました。
 私は、二月四日、この全ての自治体を回ってまいりましたけれども、このファクスが一枚送られてきた二〇一四年十二月十八日以降、防衛省からもどこからもこの問題で連絡はその後全くないということでございました。
 愛知県にある三菱重工小牧南工場、東京にあるIHI瑞穂工場に置かれるこのアジア太平洋地域のF35整備拠点とは何なのか、大臣、端的にお示しください。
    〔委員長退席、菅原委員長代理着席〕
○中谷国務大臣 平成二十六年の十二月十八日の防衛省の発表資料、これは、前日、十二月十七日に米国政府が、アジア太平洋地域におけるF35の整備拠点、リージョナルデポを日本及びオーストラリアに設置することを決定した旨公表したことをお知らせしたものでございます。
 具体的には、機体については平成三十年初期までに三菱重工業の愛知県小牧南工場に、エンジンについては平成三十年初期から三ないし五年後にIHI東京都瑞穂工場に設置をされる予定ということでございます。
 リージョナルデポにつきましては、F35の重整備、すなわち、機体やエンジンについて分解、検査を要する整備作業等を実施することが予定をされておりまして、米国政府としては、今後、F35の全世界的な運用が予定をされる中で、ユーザー国のF35の整備を効果的に実施するために、北米、欧州、アジア太平洋地域において、機体とエンジンを中心とした整備拠点を設ける計画である、そういうことが内容でございます。
○本村(伸)委員 アメリカ政府にとってリージョナルデポはどういうものかということですけれども、二〇〇八年四月、アメリカ空軍のデポ整備戦略計画というところに、リージョナルデポというのは戦闘能力を高めるものだというふうに書いてございます。
 こちらのパネルにありますけれども、この資料の三の地図にあるような、アメリカ軍、在日米軍、在韓国の米軍、そしてオーストラリア軍、こういう外国軍もリージョナルデポを使うことになるのか、確認をしたいと思います。
○中谷国務大臣 アジア太平洋地域のリージョナルデポにおきましては、この地域に配備される予定のF35の整備を行うことが想定をされております。
 現時点におきましては、日本に設置されるリージョナルデポにおきましては、航空自衛隊が取得を予定しております四十二機、このF35Aの整備をする予定でありますが、ほかのF35の整備につきましては、今後米国政府と調整をしていくということにしておりまして、現時点において具体的な計画は有していないということでございます。
○本村(伸)委員 現時点ではないというふうにおっしゃっておりますけれども、二〇一三年三月一日のF35にかかわる内閣官房長官談話にこういうふうに書いてございます。国内に設置される整備基盤により米国に対する支援も可能となると書いてございます。
 この米国の支援ができる国内に設置される整備基盤というのは具体的に何なのか、お示しください。
○中谷国務大臣 現時点におきましては、先ほど御説明しましたが、愛知県の小牧南工場におきまして三菱重工業が機体について重整備を実施する、また、その後、三―五年後に、IHIが東京都瑞穂工場においてエンジンにつきまして整備を行うということでございます。
○本村(伸)委員 米軍の支援もするという重大な答弁だというふうに思います。
 昨年四月末に発表された日米の新ガイドライン、これで初めて「防衛装備・技術協力」という部分が盛り込まれました。
 この新ガイドラインでは、資料の四でお示ししておりますけれども、日米の「相互の効率性及び即応性のため、共通装備品の修理及び整備の基盤を強化する。」というふうに書かれております。
 リージョナルデポは、この記述の具体化という位置づけでよろしいでしょうか。
○中谷国務大臣 資料のとおり、昨年の四月に策定されました新ガイドラインにおきましては、日米二国間の協力の実効性をさらに向上させるための防衛装備、技術協力の一環といたしまして、共通装備品の修理及び整備の基盤、これを強化するということが挙げられているわけでございます。
 F35のリージョナルデポが日本に設置をされるということは、新ガイドラインに挙げる共通装備品の修理及び整備の基盤の強化の実現につながるものでありまして、積極的に推進をしてまいりたいと考えております。
 また、このリージョナルデポにおきましては、F35の重整備、機体やエンジンについて分解、検査を要する整備作業、これを実施することが予定されておりまして、米国政府としては、今後、F35の全世界的な運用が予想される中で、ユーザー国のF35の整備を効果的に実施するために、北米、欧州、アジア太平洋地域において、機体とエンジンを中心とした整備拠点を設ける計画でございますが、現時点において、日本に設置されるリージョナルデポにつきましては、航空自衛隊の取得する四十二機のF35Aの整備を実施する予定でありまして、他のF35の整備につきましては、今後、米国政府等と調整をしていくということにしておりまして、現時点において具体的計画はないということでございます。
○本村(伸)委員 先ほどの官房長官の答弁とはちょっと今違う答弁だったんですけれども。
 この新ガイドラインというのは、平時から有事まで切れ目のない、力強い日米の共同対応をグローバルにやっていくということが趣旨だというふうに思いますけれども、このリージョナルデポというのは平時でも有事でも使うことになるのかということを確認したいと思います。
○中谷国務大臣 このリージョナルデポといいますと、F35の重整備、すなわち機体やエンジン等を分解して検査をするような整備作業等を実施することが予定されておりまして、米国政府としては、今後、F35、これを全世界的に配備していくわけでありますが、北米、欧州、アジア太平洋地域においてこういった整備拠点を設ける計画を示したものでございます。
 このリージョナルデポにつきましては、定期的な重整備、この時期に使用することなどが考えられますけれども、現時点で、個々の機体の整備の時期等について具体的な計画はございません。
○本村(伸)委員 日米の新ガイドラインには、重要影響事態のときに整備を強化するというふうに書いてあります。ガイドラインに基づくリージョナルデポということですから、そういうときにも使われる可能性があるということでございます。
 次に、コストについて議論をしていきたいと思います。
 資料の五を見ていただきたいんですけれども、アメリカの政府監査院というところが、二〇一四年九月、F35に関する報告書というものを出しております。アメリカの国防総省に対して、これまでのF15、F16、AV8、F18という戦闘機、攻撃機と比べても、F35の運用維持のコストは一・八倍で高過ぎる、コストを削減せよというふうに指摘をされております。
 この報告書を防衛大臣は認識されておりますでしょうか。
○中谷国務大臣 御指摘の資料でございますが、これは二〇一四年、平成二十六年九月に、米国会計検査院、GAOが、F35の維持に係る報告書、これを公表したということで承知をいたしております。
○本村(伸)委員 アメリカは、コスト削減を目的に、これまでアメリカ軍の戦闘機は、アメリカに帰って、機体を解体したり、バージョンアップをするような重整備をやっていたわけですけれども、それをせずに、近くのリージョナルデポで整備、バージョンアップすれば、燃料代も維持管理費も安くなると。しかも、日本にやらせれば、今回の予算案の中にも入っておりますけれども、日本が重整備の拠点の工場のお金まで出してくれる。アメリカ軍やアメリカの軍需産業の下請を日本にやらせて、結局、アメリカ軍のコスト削減を図るものだというふうに思います。
 では、日本の予算でどうなっているかということですけれども、パネルを見ていただきたい。資料は六でございます。これまでのF35の関連予算をまとめたものでございます。五年間で六千百六十五億円。自衛隊は四十二機を取得する予定ですから、二十二機分のものです。
 支払い先は、アメリカ政府、そして、ロッキード・マーチン社の下請工場として最終組み立て工場をやっている三菱重工、そして、プラット・アンド・ホイットニー社の下請としてエンジンをつくるIHI、ロッキード・マーチン社の二次下請としてレーダーをつくる三菱電機でございます。
 F35の取得費用というのを見ていただきますと、二〇一二年度、一機当たり九十六億円だったものが、二〇一六年度予算案では一機当たり百八十一億円と、二倍近くになっております。
 初度費についても巨額のお金がついておりますけれども、その他関連経費というところで、来年度を含めますと五年間で千二百三十七億円。そのほとんどがアメリカ政府に支払われるものでございます。その他関連経費の内訳ですけれども、ALGS整備費用、ALIS整備費用というふうにあります。
 このアメリカに支払われる費用というのはどういうものなのか、大臣、お答えください。
○中谷国務大臣 委員のお示しをした表に基づきまして項目を書いておりまして、その中で、ALGS並びにALISという項目がございます。これにつきまして、F35につきまして、従来我が国が取得した戦闘機と異なりまして、全てのユーザー国が世界規模で部品等を融通し合う国際的な後方支援システム、これがALGSでございます。このALGSの整備費用には、補給部品、資材、機材、支援機材の確保のために必要な経費等が含まれておりまして、このためのシステムに伴う費用でございます。
 また、ALISというのは世界規模の後方支援の情報システムでありまして、ALGSにおける情報を提供するためのシステムでありまして、このALISの整備費用は、当該情報システムに必要な端末等を購入する経費として計上しているということでございます。
○本村(伸)委員 御答弁がありましたように、ALGSというのは、アメリカの一元管理のもとで、全てのF35戦闘機のユーザー国が世界規模で部品などを融通し合うシステムだと。そのアメリカが一元管理する部品供給のシステムの構築まで日本が負担をさせられると。これが入りますと、エンジンとかレーダーとかそういうものが、結局、世界じゅうのF35戦闘機に使われるということになってまいります。空爆を繰り返すアメリカ軍、イスラエル軍、こういったところの戦闘機も、日本がそれをつくることに加担をするということになってまいります。
 そして、ALISも、F35の情報をアメリカが一元的に管理するものでございます。アメリカの支配下に置かれるものです。支配を強めコストを削減したいアメリカに日本が貢ぐという形になっている予算だというふうに思います。
 もう一つお伺いしたいんですけれども、アメリカ政府に支払われるもので使途不明のものがございます。二〇一三年度百三億円、二〇一四年度百九十一億円、資料の赤い字になっている部分ですけれども、合計二百九十四億円。これは一体何のためにアメリカ政府に支払うのか、そのことをお答えいただきたいと思います。
○中谷国務大臣 委員の提示された資料で、黒い部分におきましては、この金額でございます。米国政府との契約金額のこれは一部でありまして、運用支援体制の構築に係る経費でございますが、これ以上の詳細につきましては、米国政府により非公表とされていることから、お答えはできません。
 その上であえて申し上げれば、政府予算案の時点では、防衛省の見積もりとして次のように計上していたところでございます。
 平成二十五年度、教育用器材が約十七億円、ALGS整備費用が約七十九億円、ALISの整備費用が約三億円、そして、データ作成、体制整備等の費用が約百十二億円の合計二百十一億円ということでございます。
 また、平成二十六年度におきましては、教育用器材が約九十二億円、ALGS整備費用が約九十億円、ALIS整備費用が約九億円、データ作成、体制整備等の費用が約百九十二億円ということで、合計約三百八十三億円になっております。
    〔菅原委員長代理退席、委員長着席〕
○本村(伸)委員 詳細な資料を後でいただきたいというふうに思います。
 それで、地元の問題なんですけれども、三菱重工小牧南工場がリージョナルデポに位置づけられるということでありますと、そうなると、滑走路はどこを使うのかという問題がございます。隣の県営名古屋空港を使うのではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○中谷国務大臣 具体的な計画につきましては、今後、米国政府と調整をして決定していくことになるわけでありますが、三菱重工業でF35の機体を整備する際には、小牧南工場に隣接をいたしております県営名古屋空港、ここを利用することになると考えられます。
 いずれにしましても、防衛省としましては、具体的な計画が見えてきた段階におきまして、空港の利用頻度、また利用開始時期等の具体的な計画につきまして、三菱重工業と連携をいたしまして、愛知県等地元自治体の皆様方に丁寧な説明を行っていく考えでございます。
○本村(伸)委員 リージョナルデポ、県営名古屋空港の利用が前提となっているというふうに思いますけれども、この間、愛知県豊山町、小牧市、春日井市、名古屋市にこのリージョナルデポについて説明したのは、いつ、どのようになされたのか、お答えください。
○中谷国務大臣 地元の説明につきましては、米国政府からアジア太平洋地域のリージョナルデポに関する発表があった当日の平成二十六年十二月十八日に、三菱重工業を通じて、防衛省が作成した、公表された資料をもちまして、愛知県庁に情報提供をいたしました。また、関係市町村、小牧市、春日井市、名古屋市、豊山町につきましては、同日、十二月十八日に、愛知県庁から同じ資料をもって情報提供がされたわけでございます。
 米国政府から発表の前に、十二月十五日に、防衛省及び三菱重工業の担当レベルにおきまして、愛知県庁に対して事前の説明を行った事実はございます。
 以上のような方法によりまして、関係自治体の方に情報提供をさせていただきました。
○本村(伸)委員 豊山町、小牧市、春日井市、名古屋市へは、もう全てが決まってしまってから、愛知県からこの資料二の資料がファクス一枚で通告されただけなんですね。それ以来、今まで何の音沙汰もない。住民の皆さんを無視し、そして地方自治を無視している。住民の皆さんや自治体はこのファクス一枚で従えというんでしょうか。その決め方そのものがおかしいのではないでしょうか。
 この決定を撤回するべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○中谷国務大臣 その件につきましては、先ほど御説明いたしましたけれども、十二月十八日にこの発表の決定を受けて行ったところですが、その事前に、十二月十五日、愛知県庁におきまして、防衛省から、旧経理装備局の航空機課及び航空幕僚監部の課長補佐クラスが参りまして、県庁の方には説明をさせていただきました。
 県庁側から、その事後も含めまして、空港の利用に関して、機体の諸元、利用の頻度、利用開始時期等について問われたわけでございますが、その質問に対しましては答えられる範囲で対応しておりまして、その他いまだ決定をしていないことにつきましては、今後決定をし次第説明に行く旨を回答して、御理解を得たものであると考えております。
○本村(伸)委員 名古屋空港が県営名古屋空港として残されるときに、周辺自治体である春日井市の市長、そして小牧市の市長、豊山町の町長が連名で、当時の額賀防衛庁長官に要望書を出しております。それが資料の七ですけれども、ごらんいただきたいというふうに思うんです。
 ここにはこう書いてあります。「県営名古屋飛行場において、他基地所属の自衛隊機による定期的業務以外による利用及び米軍機の利用などがないようにされたい。」こういうふうに明確に要望が出されております。そしてまた、同じ要望は、資料の八、二〇〇九年、浜田防衛大臣にも出されております。
 そして、資料の九は中谷防衛大臣に対する要望ですけれども、毎年毎年、春日井市の市議会と行政、そして住民の皆さんが入っている春日井市飛行場周辺対策市民協議会においても、中谷大臣宛てに、ほかの基地所属の自衛隊機の利用や米軍機の利用がないようにという要望書が出されております。
 大臣、こうした地元の声を当然尊重していただけますよね。
○中谷国務大臣 このリージョナルデポにつきましては、先ほど御説明させていただきましたが、当該地域に配備される予定のF35の整備、これを行うことでございまして、現時点において、日本に設置されるリージョナルデポにおきましては、航空自衛隊が取得をする四十二機のF35Aの整備をする予定でございます。他のF35の整備につきましては、現時点において具体的な計画はございません。
 これまで御要望をいただいた点につきましては、私も拝見をさせていただきまして、今後とも、こういった地元の皆様方に御理解をいただきながら推進してまいりたいと考えております。
○本村(伸)委員 丁寧に説明すれば済むという話ではないんです。明確に、他基地所属の自衛隊機や米軍機の利用がないようにという地元からの声が上がっている。
 愛知県内には、もともと小牧基地と隣り合わせで国土交通省所管の名古屋空港がございました。それが、二〇〇五年に中部国際空港が開港しまして、もともと名古屋空港があったところは県営名古屋空港として残したわけです。なぜ県営名古屋空港として残したかといえば、こういうふうにしなければ隣接している航空自衛隊小牧基地の滑走路になってしまう、軍事専用の滑走路になってしまう、そういうことを恐れて、県営の名古屋空港として残したわけでございます。
 地元の皆さんには、小牧基地は教育と輸送の役割だから、戦闘の部隊じゃないと言って我慢をさせているわけでございます。そこにF35が、戦闘機が、米軍もあるかもしれない、頻繁に飛来してくるという計画は、こうした経過を全く無視した、住民の皆さんの思いを無視した暴挙だと言わざるを得ないというふうに思います。
 こういう住民合意のないF35戦闘機のリージョナルデポの計画、重整備拠点の計画、白紙に戻し、撤回するべきだと思いますけれども、大臣。
○中谷国務大臣 現在、航空自衛隊の小牧基地におきましては、第一輸送航空隊が所在しておりまして、県営の名古屋飛行場を使用して輸送などの任務を行うとともに、任務遂行に必要不可欠な練度の維持のための訓練飛行、これも実施をいたしております。さらに、同飛行場は、全国に配備される自衛隊の戦闘機の定期修理、また小牧基地に所在していない自衛隊機による任務や訓練のために使用することはございます。また、米軍機は燃料補給等の目的で同飛行場を使用しているということを承知いたしております。
 これらの任務、訓練等は我が国の防衛及び安全保障条約の目的達成のために極めて重要でありますが、一方で、地元住民の皆様方に及ぼす影響に十分配慮すべきであるということは申すまでもなく、基地周辺における訓練飛行、航空機のエンジンの試運転を必要最小限の時間で行いまして、騒音を抑制するといった取り組みも実施をいたしております。
 こういった取り組みを継続した上で、任務そして訓練の必要性につきましては地元の皆様方に御理解をいただけるように、引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
○本村(伸)委員 明確に、地元の皆さんは、他基地所属の戦闘機あるいは米軍の戦闘機、来るなということを言っているわけでございます。ぜひ、その地元の思いを酌んでいただきたいというふうに思います。
 きょうの話をまとめますけれども、結局、F35は、情報と部品、何もかもアメリカが握って、アメリカに一元管理されていくものでございます。
 十二月に、三菱重工小牧南工場、F35戦闘機の最終組み立ての工場が稼働いたしましたけれども、結局、ロッキード・マーチン社の下請、エンジンもレーダーもアメリカの企業の下請なわけでございます。アメリカのコストダウンのため、アメリカ軍にとって戦闘能力を高めるための、そういう重整備拠点を日本に、愛知に、東京につくるという話でございます。
 平和憲法に違反するようなこうしたリージョナルデポの計画、撤回するべきだということを強く求めたいと思いますし、戦後の原点を忘れるべきじゃないというふうに思います。ポツダム宣言第十一項では、戦争のための再軍備を可能とする産業は許されない、こういうふうに書かれております。
 この戦後の原点から大きく逸脱するような方向に進むことをやめ、軍縮のために本気の外交努力をするべきだということを求めて、質問を終わらせていただきます。
○竹下委員長 これにて本村さんの質疑は終了いたしました。

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参考資料

https://motomura-nobuko.jp/wp-content/uploads/2016/11/edc0c1d0f267b69e44c733c3d6648e55.pdf

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