2016年2月28日(日) しんぶん赤旗
特別支援校 環境改善を 本村氏要求 文科相「視察したい」
日本共産党の本村伸子議員は25日の衆院予算委員会分科会で、特別支援学校の教室、体育館、保健室などの施設不足、老朽化の問題を取り上げました。
本村氏は、生徒数が全国4位の大規模校である愛知県立三好特別支援学校を視察したことにふれ、豊田市など5市1町で113以上もの小学校区という広大な地域に、知的障害の特別支援学校が同校1校しかない点を指摘。現状は、障害者権利条約の趣旨に反し、差別的扱いそのものだとただしました。
馳浩文部科学相は、「障害者の権利条約、差別禁止に、わが国も括目をする状況に入っている。障害者を取り巻く環境の整備には、より一層取り組んでいかなければならない」と答弁しました。
本村氏は、40度~マイナス4度という劣悪な教育環境、つぎはぎの廊下、雨漏りなどの実態を示し、対応にスピード感がなく、設置基準もないため問題が放置されていると指摘。馳文科相は「意識を向けないと、障害児、障害者に対する改善が遅々として進まない。愛知県が財政上厳しいとは言えない。視察にも行きたい」と改善に前向きな姿勢を示しました。
日本が批准した障害者権利条約は、障害のある児童の人権享受に際し、国は「すべての必要な措置を取る」こと、「児童の最善の利益が主として考慮される」ことを定めています。
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議事録
○本村(伸)分科員 日本共産党の本村伸子でございます。
障害を持った子供たちが通う特別支援学校の問題について質問をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
ことし四月から、障害者差別解消法が施行されます。関係者の皆さんの期待というのは大変大きいものがあるというふうに思いますけれども、この障害者差別解消法というのは、もともと、障害者権利条約を批准するためにつくられたものだというふうに思うわけです。
まず最初に、外務省にお伺いをしたいというふうに思います。
障害者権利条約の中には、障害を持った子供たちについて書かれている条文がありますけれども、それをお示しいただきたいというふうに思います。
○水嶋政府参考人 障害者権利条約には、第七条に、「障害のある児童」ということで条文が規定をされてございます。
読み上げさせていただきます。
1 締約国は、障害のある児童が他の児童との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を完全に享有することを確保するための全ての必要な措置をとる。
2 障害のある児童に関する全ての措置をとるに当たっては、児童の最善の利益が主として考慮されるものとする。
3 締約国は、障害のある児童が、自己に影響を及ぼす全ての事項について自由に自己の意見を表明する権利並びにこの権利を実現するための障害及び年齢に適した支援を提供される権利を有することを確保する。この場合において、障害のある児童の意見は、他の児童との平等を基礎として、その児童の年齢及び成熟度に従って相応に考慮されるものとする。
以上でございます。
○本村(伸)分科員 ありがとうございます。
日本は、この障害者権利条約は、二〇一四年一月、批准を国連から承認をされ、効力が発生したということです。
馳大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、この障害者権利条約の、「全ての必要な措置をとる。」「児童の最善の利益が主として考慮される」、こういう観点で文部科学行政を進めるという決意を、まずお伺いしたいというふうに思います。
○馳国務大臣 障害者の権利に関する条約第七条、また同条約の第二十四条で示されたインクルーシブ教育システムの理念を踏まえ、文部科学省としては、同じ場でともに学ぶことを追求するとともに、発達障害を含む障害のある子供の教育的ニーズに的確に応えることができるよう、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった、連続性のある多様な学びの場の整備が必要と考えております。
国としては、これらを踏まえつつ、インクルーシブ教育システム構築に向けた取り組みを支援する事業や、児童生徒の日常生活上の介助や学習活動上のサポートを行う特別支援教育支援員の配置に係る地方財政措置等も実施しており、引き続きそれらの取り組みの充実に努めてまいりたいと思います。
○本村(伸)分科員 そこで、特別支援学校の問題について具体的にお伺いをしたいと思います。
文部科学省は、二〇〇八年三月五日、「特別支援学校の在籍児童生徒等の増加に伴う大規模化・狭隘化への対応について」という通知を出しております。
四点確認をしたいんですけれども、まず一点目、何をもって大規模化だと判断をしているのか。二点目、大規模校の弊害をどのように考えているのか。三点目、なぜ大規模化しているのかという点。そして四点目ですけれども、この大規模な状況、教室が足りないという状況を解決すべきであるという認識は共有できるかということをお伺いしたいというふうに思います。
○小松(親)政府参考人 お答え申し上げます。
四点ほどお尋ねがございました。
まず、御指摘の平成二十年三月五日の通知で申しております大規模化とは、特別支援学校に在籍する幼児、児童、生徒の数の増加を意味しております。
二つ目に、それからくる弊害ということについて、どのような状況にあるかということでございますけれども、これは、私ども、平成十九年に全都道府県に対してヒアリングを実施いたしました。普通教室、特別教室、あるいはトイレといった施設の不足が多く挙げられております。
これとも関連をいたしまして、また教育指導面でも、例えばスペースが区切れないためにいろいろと干渉が起こるとか、ソフト面にも問題を生じている、管理運営面にも同じことが生じていると考えております。
その理由でございますけれども、こうしたヒアリング等の実情を見ますと、特別支援学校に在籍する幼児、児童、生徒が増加している一方で、施設整備のための財源の確保が困難である、あるいは、計画的に整備をしようとするんですけれども、その推計がなかなかできていない、困難であるということ、それから、増築するための公地の余裕がないといったようなことが、課題として多くの都道府県から挙げられております。
四点目でございますが、それらについて問題であるという認識かというお尋ねでございました。
文部科学省といたしましても、以上のような大規模化による弊害が生じていることについては問題であると認識しております。
このために、特別支援学校の教室不足については、毎年度調査を実施して、各自治体における教室不足解消のための計画の取り組みを促す通知を発出し、また、平成二十六年度からは新たな補助制度を創設するなどしておりますけれども、この問題の解消に取り組むために、施策の充実に努力をしてまいりたいという立場でございます。
○本村(伸)分科員 私が住んでおります愛知県は、全国の中でも、障害を持った子供たちが通う特別支援学校が足りない、大規模だ、マンモスだというふうになっております。
きょうお示しをしております資料は、特別支援学校を大規模順にまとめた表、第五十二回全国特別支援学校長研究大会研究協議会の資料ですけれども、お示しをしております。
全国の中で一番児童数が多いのは広島特別支援学校で四百八十四人。二番目から五番目は全て愛知県ということで、二番目に多いのが半田特別支援学校で四百七十一名、三番目が春日台特別支援学校で四百五十八名、そして四番目は三好特別支援学校で四百二十七名、五番目は安城特別支援学校で四百二十五名という順になっております。
私は、先日、愛知県の県立三好特別支援学校の方に行かせていただきましたけれども、先ほども述べましたように、マンモスで、全国でも四番目に多い児童数だというところです。
この学校は、国立病院機構の東名古屋病院の施設内学級ですとか、あるいは市街地から離れた小原学園というところにも教職員の方が行って、子供たちの発達保障のために本当に頑張っている。教職員の先生方は本当に頑張っているというふうに思いますけれども、しかし、施設設備の老朽化は本当にひどい。教室が足りないということも本当にひどい。施設が足りないということも本当にひどい状況がございました。
この三好特別支援学校というのは、小学部から高等部まであるわけですけれども、校舎は児童数がふえていく中で増設をしていて、現在、校舎は九棟ある。四百人以上子供さんがいるんですけれども、体育館は狭くて、バスケットコートが一面とれるだけの狭い体育館しかありません。体育館を使う時間割を組むのも大変御苦労されておられます。保健室も、小学部から高等部まであるのに、狭い保健室が一室しかない、常設のベッドも二つしかないという状況で、トイレも古くて数が足りない。
小学部の校舎から体育館に着くのに、重複の学級の子供たちは、移動するのに十分とか十五分かかる。でも、休憩時間は五分しかない。では、どうするかというと、前の授業を早めに終わって移動するということになっておりまして、本来必要な授業時間を確保、保障することができない、授業に支障が出ているという現状になっております。
教室が足りないために、音楽室の前に作業室というのもあるんですけれども、そこを潰して普通教室にしている。音楽室の目の前が普通教室ということで、ずっと音楽が聞こえた状況の中で学ばなければならないという子供さんもいらっしゃる。
三好特別支援学校だけではなくて、愛知県立の春日台特別支援学校も教室が足りない状況があります。図書館の一区画を教室にしたり、あるいは食堂の一区画を教室にしたり。食堂も、食事が始まりますとガタガタ音がする、子供たちの落ちつきがなくなってしまうという現状がございます。本当に教室、場所が足りないものですから、文部科学省さんも、パニックを起こした子供さんがクールダウンする、落ちつく部屋が必要だというふうにお考えだと思いますけれども、そういう部屋さえとることができないという状況にあります。
馳大臣にお伺いしたいんですけれども、こういう教育施設の現状、どういうふうにお感じになるでしょうか。お答えいただきたいと思います。
○馳国務大臣 特別支援学校の教育環境の整備については、従来から、地方公共団体において取り組みが進められているところでありますが、近年の特別支援教育を必要とする児童生徒数の増加により、教室不足が生じている状況があると認識しております。
これによると、教育上の支障として施設の狭隘化など教育環境の悪化が懸念されることを踏まえ、文部科学省では、地方公共団体において、潜在ニーズを含め児童生徒数を把握し、解消計画を策定、更新した上で、新設校の設置や校舎の増築、分校、分教室の設置など、適切に対応するよう求めております。
また、平成二十六年度からは、地方公共団体が可能な限り取り組みを進めやすいように、新たに、廃校施設や余裕教室等の既存施設を活用した特別支援学校の建物の整備に係る補助制度を創設したところであります。平成二十八年度予算案においても、地方公共団体の事業計画を踏まえた経費を計上しております。
今後とも、地域の実情に応じ、地方公共団体において計画的な整備が行われるよう要請してまいりたいと思います。
○本村(伸)分科員 設置者に責任があるわけですけれども、しかし、ずっとずっとそういうことを言われていて、なかなか進まないということで、こうやって国会でも取り上げざるを得ないという状況にあるということは、ぜひ御理解をいただいて、劣悪な教育環境を緊急に改善していただきたいということを強調させていただきたいと思います。
そして、具体的にちょっとお伺いをしたいんですけれども、重複、重度の認定についてなんです。
重複、重度の障害を持った子供たちは、認定されれば、教員一人に対して子供さんが三人というふうになるわけですけれども、愛知県の中で、教室が足りない、だから認定されない状況があるというお話をお伺いしました。
本来なら手厚い教育が手厚い体制で行われる子供たちが、教室が足りないとか、そういう理由のために認定されていない、そういうことが起きております。
また、別の学校では、重複、重度の障害の認定はしても、やはり教室が足りないというために、二クラスで一つの教室を使っているという状況がございました。
確認をしたいんですけれども、重複、重度の認定をするべき子供さんは、教室がどうかとかそういうことじゃなく、その子の状況を見て認定をして、その子にとって必要な手厚い教育を受けるのが当たり前だと思いますけれども、確認したいと思います。
○小松(親)政府参考人 重複障害の認定をするかどうかというのは、その専門性において行われるべきことでございまして、教室不足かどうかということとは別の問題として取り扱われるべきものと考えます。
○本村(伸)分科員 ありがとうございます。
大規模校ということでもう一度戻りたいんですけれども、子供たちが広域から通っているという問題もあるというふうに思います。
先ほど申し上げました三好特別支援学校というのは、スクールバスの時間は大体一時間ということなんですけれども、バス停に行くまでに遠い子はやはり十五分とか三十分とか余分にかかってしまうということで、一時間半ぐらいかかる子もいるのではないかというふうに思われるわけです。
この三好特別支援学校というのは、豊田市、みよし市、日進市、豊明市、長久手市、そして東郷町の五市一町、そして刈谷市からもお一人は通学をされているんです。
豊田市だけでも名古屋市の面積の二・八倍もある広大な土地、地域なんです。豊田市だけでも小学校は七十五校、日進市は九校と一分校、豊明市は九校、みよし市は八校、長久手市は六校、東郷町は六校。小学校が百十三校と一分校あるという広大な地域なんです。その広大な地域から特別支援学校に知的障害を持った子供たちが通う、その特別支援学校が一つしかない。広大な地域に一つしかないというのは、私は差別的な扱いじゃないかというふうに思いますけれども、大臣の認識を伺いたいというふうに思います。
○馳国務大臣 愛知県みよし市に所在する県立三好特別支援学校について、御指摘のとおり、豊田市、みよし市、豊明市、日進市、東郷町、長久手市の五市一町が通学区域となっており、同学校において教室不足が課題となっていると承知しております。
愛知県教育委員会によれば、平成二十六年三月に策定した特別支援教育推進計画において、教室不足を解消する観点から、複数校の特別支援学校を県内にバランスよく配置することを検討するとされており、現在、豊明市及び長久手市の近隣にそれぞれ、平成三十年度または三十一年度に知的障害特別支援学校を開設する方向で準備を進めているところであります。
文部科学省としては、実際に特別支援学校が開設されることとなった場合には、必要な支援を検討してまいりたいと思います。
○本村(伸)分科員 いろいろ計画はあるんですけれども、本当にスローペースなんですね。
とにかく、愛知県というのは特別支援学校の数が足りなくて、大規模校でありました安城特別支援学校は、二〇〇九年に分かれて、七年前にみあい特別支援学校をつくったんです。しかし、この表を見ていただきますと、もう既に全国五番目の大規模になっている。安城特別支援学校が戻っている状況でございます。
そして、大規模校でありました一宮東特別支援学校も、二〇一四年に分かれていなざわ特別支援学校ができたんですけれども、一年目、もう二教室足りない、二年目は六教室足りないという状況になっておりまして、このいなざわ特別支援学校は、定員が二百八十だったんですけれども、現在三百二名の子供さんが通っておられます。
先ほども大臣がおっしゃられたように、大府市、瀬戸市に二〇一八年、一九年とつくられるわけですけれども、間尺に合わない状況がある。
三好特別支援学校も、学校の先生にお伺いすると、すごくニーズがあるんだと。でも、二百人ぐらい受け入れることができない、地域の学校に通っている状況があるということもお伺いをいたしました。
やはり、こういうスローペースでは間尺に合わないという現実がございます。こういう状況が放置されているというのは特別支援学校の設置基準がないからじゃないかということは、先生方からも全国で言われている問題でございます。
学校教育法第三条では、学校を設置する者は、「設備、編制その他に関する設置基準に従い、これを設置しなければならない。」というふうに定められておりまして、幼稚園、小中学校、高校、大学、各種学校まで、全て学校の設置基準が策定されております。学校教育法の施行規則の中で、特別支援学校の設置基準は、「別に定める。」というふうに書いてあるにもかかわらず、つくられていない。
障害を持った子供さんの学校にだけ設置基準がないというのはやはりおかしいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○小松(親)政府参考人 設置基準についてのお尋ねでございます。
法令の規定によりまして、ただいま御指摘のように、学校については設置基準を設けていくということも想定した規定が置かれているところでございます。
ただ、特別支援学校につきましては、現状を鑑みますと、対象とする障害種に応じた多様な施設設備が必要とされるということから、各学校の状況に応じて柔軟な対応が必要であるという状況があることも事実でございます。こうしたことが可能となるように、設置に当たっての統一的な基準というものが設けられていない状況にございます。具体的な実情に照らしまして、設置者において、障害のある児童生徒の方々の状況、それから地域の実情等を考慮した上で、一つ一つ適切に判断をしていただくという状況であると考えております。
その上で、今御指摘の特別支援学校の施設不足、教室不足等につきましては、今のような多様性ということは現時点では必要でございますけれども、問題であるというふうに私どもは考えておりますので、文部科学省においても、調査はもう毎年度行いまして、各自治体における教室不足の解消等のための計画的な取り組みを促す、あるいは補助制度等によってその整備を支援するということを行っている状況にございます。
障害をお持ちのお子さんたちの教育の場として、特別支援教育に係る環境が改善されますように、まずは、引き続き、教室不足の解消に取り組んでいくことに全力を挙げたいというふうに考えております。
○本村(伸)分科員 その設置基準に関しましては、対象となる障害の種類に応じた多様な施設整備が必要になるとか柔軟な対応が可能になるというようなことをずっと言っておりますけれども、各学校でそれができていない。そもそも、施設が足りない、余裕がない。そういう柔軟な対応ができない状況があるんですね。先生方も必死に頑張って、やりたくてもできない、そういう状況がある。
これを国としてどうするつもりかというのが問われていると思うんですけれども、大臣、お願いいたします。
○馳国務大臣 実は今、委員の質問を聞いていなかったわけではなくて、いただいた資料で、愛知県また名古屋市が、五十七のうち大体幾つ大規模な学校があるのかを実は数えておりまして、九つもありました。これは全国と比べても、正直、愛知県の教育委員会は今まで何をやってきたんだろうかと思わざるを得ません。
各都道府県で、大規模な特別支援教育学校については適正化を図ってきたはずでありますから、なぜ愛知県だけがこんなに突出しているのかなということについては、大変申しわけありませんが、私は今その実情は申し合わせておりませんが、この議論というのは、子供たちの立場に立って考えた場合に、先ほどの重複認定もそうですが、教室が足りない、施設が足りない、設備が足りないという問題と、障害児に支援、教育が必要であるという議論は次元の違う話でありますから、やはり全国の状況も鑑みながら、愛知県の教育委員会にはちょっと頑張っていただかなければいけない、私も率直にそういうふうに思っております。
障害者の権利条約、差別禁止、こういうふうに、我が国もようやくこの政策に対して刮目をする状況に入っているわけでありますから、もちろん財源の確保という問題もありますし、専門的に指導する教員の配置という問題もあります、障害者を取り巻く環境の整備には、まさしく教育の観点から、より一層取り組んでいかなければいけない、改めてそういうふうに思います。
○本村(伸)分科員 ありがとうございます。ぜひ、特別支援学校の建設、施設改善の緊急計画を国と地方で作成して、実施をしていただきたいというふうに思います。
もう一点、施設の老朽化、ぼろぼろだという問題についてもお伺いをしたいんです。
私が伺いました三好特別支援学校では、暖房はあるんですけれども、老朽化しているということで、ききが悪い、外がマイナス五度だったら、教室の中は暖房をつけてもマイナス四度だ、こういう状況があります。それは春日台特別支援学校でも同じような状況がありまして、防寒着を着ながら授業を受けている、子供たちがそういう状況でございます。夏も四十度を超す。ですから、マイナス四度から四十度という劣悪な室温の中で子供たちが過ごしている。
ちょっと時間がないので、まとめて質問させていただきますけれども、教室の適正な温度はどういうものかというのを後でお示しいただきたいというふうに思います。
それと、資料の二として写真をつけさせていただきましたけれども、三好特別支援学校の状況です。写真の二枚目ですけれども、廊下も先生方が修繕をして、継ぎはぎだらけ。横の壁、天井の継ぎ目から雨漏りがする。先生方にお伺いをしたんですけれども、愛知県内の特別支援学校の古いところは雨漏りが普通にある、こういうふうにおっしゃっておりました。
耐震化は進んでいるというふうに言いますけれども、耐震化は、建物が倒れないということを保証するだけでございまして、防災の観点からは、やはり老朽化を改善しなければならない。地震が起きたときに、天井が落ちたり壁が落ちたりとか、そういう、命にもかかわる問題ですので、やはり防災の観点からも、こういう現状を早急に改善していただきたいというふうに思います。
マイナス四度の教室とか、廊下は継ぎはぎだらけとか、あるいは壁にはひびが入って雨漏りだ、こういう老朽化が著しい状況というのは、「児童の最善の利益が主として考慮されるものとする。」という障害者権利条約に反しているのではないかというふうに思いますけれども、大臣、認識をお伺いしたいと思います。
○石原主査 先に小松局長。
時間がないので、端的にお願いします。
○小松(親)政府参考人 簡略にお答えいたします。
温度についてのお尋ねがございました。
法令や基準等によりまして、学校については、一棟当たりの延べ面積が八千平方メートル以上について規定されているものは、二十八度C以下というふうな定め方でございますけれども、八千平方メートルより小さい学校につきましては、一番下が十度C以上、一番上が三十度C以下ということが望ましい。各地域の実情に合わせるということはセットでございますけれども、そのように定めているところでございます。
○馳国務大臣 何度も申し上げておりますが、当該地方自治体において、その実態に応じた、やはり、施設整備も含めた事業計画を立てていただくということ、それに対して我々文科省としても協力するということに尽きますが、ちょっとひどいですね。同時に、恐らくこの学校だけではないのではないかと思います。愛知県の大村知事は私もよく存じておりますが、一度私がこの学校を視察に参りまして、ちょっと知事に文句を言いたいと思います。
やはり意識をこういったところに向けていただかないと、障害児、障害者に対する、首長としての、また議会の皆さんも恐らく頑張っておられるとは思いますが、改善がやはりなかなか遅々として進まないということにもなりますので。私は、愛知県がそんなに財政上厳しい厳しいと全国と比べても言えないと思いますが、ただ、実情は、まず地方公共団体として事業計画を立てていただくことが大前提でありますから、そのことを踏まえて対応し、視察にも行きたいと思いますから、私が視察に行くときには委員もぜひついてきてください。よろしくお願いいたします。
○本村(伸)分科員 ありがとうございます。現地に行っていただけるということは大変心強いというふうに思います。ぜひ私も参加をさせていただきたいと思います。ぜひ、現地を見ていただいて、実態調査を進めて、改善を早急に図っていただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○石原主査 これにて本村伸子君の質疑は終了いたしました。
参考資料
https://motomura-nobuko.jp/wp-content/uploads/2016/11/ced3cbcb55d66dde1a1df3d03b496bf1.pdf