もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
国会質問

質問日:2016年 4月 27日 第190国会 国土交通委員会

宅建業法改正 熊本地震住宅被害、インスペクション、サンヨーハウジング名古屋 

しんぶん赤旗 2016年4月28日(木)

住宅被害調査 迅速に 本村氏 支給額引き上げも

写真

(写真)質問する本村伸子議員=27日、衆院国交委

 日本共産党の本村伸子議員は、27日の衆院国土交通委員会で、被災住宅・建築物の被害認定について質問しました。

 応急危険度判定について国交省の由木文彦住宅局長は、熊本県14市町村で3万1030件(26日)が判定中で「追加実施の要望もある。全体は把握できていないが早急に進めたい」と答弁しました。

 本村氏は、職員不足や専門家の確保といった課題に加え、外観調査だけでは正確な実態の反映は困難だと指摘し、「判定結果は、り災証明や支援額を左右する。全国から専門家を派遣して迅速、的確で信頼性ある調査が必要だ」と求めました。

 内閣府の林俊行政策統括官付参事官は「自治体職員や地方公共団体の応援職員に(認定の)研修を実施」「必要な応援職員数を県でまとめてもらい、国の職員も速やかに送入する」と答弁しました。

 本村氏は、被災者生活再建支援法について「支給額の上限が300万円では建て替えができないとの声があがっている。500万円に引き上げるべきだ」と要求。林参事官は「額のあり方は慎重な検討が必要だ」と述べるにとどまりました。




しんぶん赤旗 2016年4月30日(土)

車いす用住宅支援を 本村氏 助成制度実現求める

写真

(写真)質問する本村伸子議員=27日、衆院国交委

 宅地建物取引業法改正案が27日の衆院国土交通委員会で全会一致で可決されました。日本共産党の本村伸子議員は採決に先立つ質疑で、既存住宅の流通促進や車いす用のバリアフリー住宅への支援についてとりあげました。

 本村氏は、住宅に長く住み続けられるための支援が必要だとし、既存住宅の長寿命化に補助を行う長期優良住宅化リフォーム制度への予算拡充と周知を求めました。

 その上で、安全に関する建物状況調査の実施結果が既存住宅の取引価格にどう影響するかと質問し、国交省の谷脇暁土地・建設産業局長は「住宅の状態をより正確に反映した価格が形成され、既存住宅の流通活性化の重要な要素になる」と答弁しました。

 さらに、本村氏が「宅地業者に有利な調査結果を示すことも考えられる。建物状況調査業者の中立性をどう担保するか」とただしたのに対し、谷脇局長は「重要な事項だ。指導監督等によって担保する」と答えました。

 本村氏は、宅建取引業者サンヨーハウジング名古屋が車いすの障害者に対して、バリアフリー性能が確保される保証もなく解約するには320万円以上の金額が必要な不当契約を結ばせた事例をあげ、業界をただすよう要求。通常より費用がかかる新築・リフォームの車いす用バリアフリー住宅への助成制度や障害者への無料相談窓口などを切望する声があると紹介し、実現を求めました。

議事録

本村(伸)委員 日本共産党の本村伸子でございます。

 まず、熊本、大分を中心とした九州地方の地震の問題で質問をさせていただきたいと思います。

 この地震で亡くなられた方々に心からの哀悼の意を表したいと思います。そして、被害に遭われた全ての皆様に心からのお見舞いを申し上げたいというふうに思います。

 ずっと余震が続いております。帰宅をしたいけれどもなかなかできない、不安だ、大丈夫なのかという声が聞こえてまいります。十四日の地震では何とかしのいだ家屋も、十六日未明の本震で倒壊や大きく損壊する状況が相次いでおります。被災者の方々の思いに応えていくためにも、早急に家屋の調査、そして支援をしていくことが欠かせないというふうに思います。

 そこで伺いますけれども、被災建築物の応急危険度判定の実施状況はどうなっているのか、そして、全体のどのくらいまでできているのかということをお答えいただきたいと思います。

    〔委員長退席、小島委員長代理着席〕

由木政府参考人 お答えいたします。

 余震などによります二次災害を防止いたしますとともに、被災した自宅を使用しても大丈夫かどうかという点を確認いたしますために、被災した住宅や建築物につきまして、倒壊の危険性や外壁、窓ガラスの落下などの危険性を判定いたします被災建築物応急危険度判定を実施いたしております。

 熊本県では、益城町と熊本市において、地震発生翌日の四月十五日から判定活動を開始いたしております。これまでに、宇土市、菊陽町、西原村、南阿蘇村、御船町、高森町、甲佐町、山都町、宇城市、美里町、嘉島町及び氷川町、今申し上げましたのを数えますと十四市町村になります、において判定活動を進めているところでございます。

 四月の二十六日までの数値でございますけれども、延べ三千二十人体制で判定を行っておりまして、申し上げました十四市町村において、合計で三万一千三十件について判定が行われているところでございます。

 判定の終了の状況でございますけれども、菊陽町が四月の二十三日に、益城町は四月の二十四日、宇土市及び山都町は四月の二十五日に、当初予定をしておりました予定分を完了いたしております。その他の市町村においても、地元の状況を踏まえつつ、できるだけ速やかに実施していくというふうに聞いております。

 全体の状況でございますけれども、まだこれから実施をしたいという市町村もございますのと、実施を当初予定で終了いたしました市町村でも追加で実施をしてほしいという要望もございます。したがいまして、全体で幾らぐらいになるのかというのは今時点でまだ把握することができませんが、いずれにいたしましても、地元の御要請にできるだけ丁寧に対応していただいて、かつ早急にこの判定を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

本村(伸)委員 余震によって被災をする二次災害を防ぐための制度が有効に機能するように、ぜひ全体を手のひらに乗せて対応をしていただきたいというふうに思います。

 次に、住宅被害調査についてお伺いをしたいと思います。

 自然災害により被害に遭った住宅について、内閣府が定めている災害の被害認定基準に基づいて、全壊、半壊等の被害の程度の認定をするわけですけれども、いつから実施し、誰がやるのか、答弁をお願いしたいと思います。

林政府参考人 お答えをいたします。

 災害対策基本法上、住宅被害の認定調査、それから罹災証明書の発行につきましては、市町村の事務とされております。したがいまして、具体の調査は市町村の職員がやるということになります。

 また、現在被災した各市町村におきましては、住宅被害認定調査の計画、それから調査体制の構築を進めておりまして、この計画に基づきまして住宅被害認定調査を行っていくこととなります。

 既に一部の市町村ではこの住宅被害の調査、それから罹災証明の交付が行われていると承知しております。

本村(伸)委員 自治体がやるということなんですけれども、自治体の職員がそもそも足りないという問題がございます。

 そして、建築の専門家ではない職員の方が研修を少しやって調査、判定ができるようになるというふうに言いますけれども、その結果が罹災証明などにもかかわる、その後の支援の額にもかかわる、そういうことを左右するものになるわけですから、やはり信頼できるものでなければならないというふうに思います。

 この信頼性の確保について、答弁をお願いしたいと思います。

林政府参考人 住宅被害の認定調査につきましては、市町村職員あるいはほかの地方公共団体から応援をいただいた職員の方に研修を受けていただいた上で実施をすることといたしております。

 内閣府におきましては、こうした建築の専門知識のない職員の方でも住家被害の認定調査を適切に実施していただけるように、調査フローあるいは判定基準をわかりやすくまとめたマニュアルを作成しておりまして、四月二十日には熊本県、その翌日には大分県の職員の皆さんに住宅被害調査の説明会を開催させていただいたところであります。

本村(伸)委員 これまでの災害の現場を見てみましても、これが半壊なのかとか、いろいろ疑義があるわけでございます。ぜひ信頼の置けるものにしていただきたいというふうに思います。

 応急危険度判定で危険と判定された住宅は、被害認定でも全壊になるのかという問題もございます。

 応急危険度判定で危険を示す赤紙が張られますと、イコール取り壊しになるのではないかという誤解も生じ、そのことが被災者の方々に大きな不安を与えている現状もあるというふうに思います。

 外観の目視の調査だけではやはり実態を正確に反映したものにはならないというふうに思いますけれども、やはり、全国から専門家を派遣して、迅速的確に信頼できる調査をするべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

    〔小島委員長代理退席、委員長着席〕

林政府参考人 お答えをいたします。

 内閣府におきましては、住宅被害調査の計画策定や調査体制の構築につきまして、県を通じまして市町村に依頼をしておりますけれども、絶対的な職員数の不足ということもございまして、必要となる応援職員数の確認も行わせていただいております。

 必要となる応援職員数につきましては、九州地方知事会などの御協力もいただきながら、県で取りまとめていただいた後、国の職員も速やかに派遣をいたしますし、また、各自治体からの応援職員の追加派遣も行わせていただく予定にしております。

本村(伸)委員 さらに、被災者の方が、大規模半壊ですとか全壊ですとかになりますと被災者生活再建支援法による支援金が出ますけれども、新築、建てかえで最大三百万円しかないという状況がございます。

 被災者の方が住宅を再建するために、三百万円ではやはり住宅を建てかえることはできないという声が、被災地はどこでもそういう声が上がるわけです。私有財産、憲法上の問題があるということも言われておりますけれども、自然災害により財産的な被害を受けた被災者を国が支援することは憲法上何の矛盾もないんだということがちゃんと指摘をされているわけですから、被災者の方が住宅を再建するためにも、せめて五百万円に引き上げるべきだ、そういう改善を図るべきだというふうに思いますけれども、答弁をお願いしたいと思います。

林政府参考人 お答えをいたします。

 被災者生活再建支援法に基づきます支援金につきましては、住宅の再建等、被災者の生活再建に資するものでございますけれども、被災者の生活再建につきましては、保険や共済といった自助や共助を基本としながら、公助でそれを側面的に支援するということが適当であると考えております。

 被災者生活再建支援金につきましても、全都道府県の相互扶助で基金を造成いたしておりまして、また、これに国による財政支援を加えまして、議員御指摘のように、全壊などの場合には最大三百万円を支給するというものでございますが、いわゆる見舞金的な性格を有するものとして三百万円に増額をするときに整理をされております。

 本制度に基づきますこの支援金の額のあり方については、災害弔慰金など他の制度とのバランス、国、地方の財政負担などを勘案する必要がありまして、慎重な検討が必要であるというふうに考えております。

 引き続き、被災地方公共団体や各府省など関係機関とも連携しながら、被災者の生活再建に向けて対応してまいりたいと考えております。

本村(伸)委員 この支援金の増額を強く求めたいというふうに思います。

 次に、宅地建物取引業法の改定について伺いたいと思います。

 住宅は、人が生活する上で必要不可欠なものです。良好な居住環境の住まいを確保し、そして長く安心して住み続けたいというのは、多くの方々の共通の願いだというふうに思います。

 伺いたいんですけれども、現在、日本の既存住宅の取引戸数というのは十七万戸で、新築の着工というのは九十八万戸、全住宅の流通量に占める既存住宅の流通シェアというのは一四・七%で、先ほど来指摘がありましたように、欧米諸国と比べましてもやはり低い水準にあるというふうに思います。この日本の既存住宅の流通が進まなかったのはなぜか、これまでの住宅政策についてお聞かせをいただきたいと思います。

由木政府参考人 お答えいたします。

 平成二十六年度に行いました住宅市場動向調査によりますと、既存住宅を選択しなかった理由として、耐震性や断熱性などの品質に対する不信感、あるいは、ふぐあいがあるのではないかといった不信感、そうした回答が挙げられておりまして、住宅の取引に対しまして消費者がやはり不安を抱えているという実態が明らかになっております。

 こうした不安が生じます原因といたしましては、住宅の質そのものに関する課題と、住宅の取引環境、その質が、そのあり方がきちんと伝わっているかどうかという問題、それからもう一つは住宅の評価に関する問題、住宅の価格等がきちんと反映されたものになっているかどうかという問題があろうかというふうに思っております。やはり、それぞれこうした三つの課題がこれまであり、また、この三つの課題を今後解決していかなければならないということだというふうに思っております。

 そのためには、まず、質の面につきましては、住宅が長く使われるように質の向上を図るということが大切でございます。そのために、長寿命化や耐震化、省エネ性能の向上などを図るリフォームに対しまして、補助や税制で支援をしてまいってきているところでございます。

 また、住みかえを促進するためには、住んでいた住宅が資産として評価をされて、適正な価格で売却できるようにするということが必要でございます。

 そのためには、先ほど申しました評価の問題でございますけれども、宅建業者や不動産鑑定士の適正な評価手法の普及、定着を進めまして、住宅の性能やリフォームの状況が評価に適切に反映されるということに取り組んでまいっているところでございます。

 また、国民の皆様が住宅を安心して取引できる環境を整備するということが重要でございます。既存住宅の性能表示制度の普及、あるいは、リフォーム等の住宅履歴が蓄積されるような、そういう仕組みの整備とその普及、あるいは、本日御審議をいただいております、この法改正によりますインスペクションの活用による情報提供の充実、こうしたことを図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。

 既存住宅の流通やリフォーム市場の活性化につきましては、先月閣議決定いたしました住生活基本計画におきましても、今後十年の住宅政策の中心をなす目標と位置づけておりまして、より一層積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。

本村(伸)委員 これまでの日本の住宅政策というのは、新築の方がやはりハウスメーカーなどがもうかるということで、スクラップ・アンド・ビルドという政策をとってきたというふうに思います。

 実際、私の地元の方でも、杉やヒノキの人工林が各地であるのに、林業が業として成り立たない。そこで、ある森林組合の組合長さんが、地元材を使ってほしいとハウスメーカーさんにお願いしたんですけれども、しかし、それでは日本の気候と風土に合ってしまうので、家が長くもってしまう。そうすると、新築する回転率が悪くなる、だから使えないと言われたというふうにおっしゃっておりました。

 かなりゆがんだ利益優先の姿になっているというふうにこのことからも痛感したわけですけれども、住宅においても、やはり大量生産、大量消費、大量廃棄、こういうあり方を変える必要があるというふうに思います。住宅を長く使い続ける取り組みにやはり政策的にも大きくシフトしていく必要があるというふうに思っております。

 既存住宅を長もちさせるために、国の支援策に長期優良住宅化リフォーム制度というものがあるわけですけれども、これは、リフォームなどによって既存住宅の長寿命化を図ることに対して国が費用の一部を補助する制度なんですけれども、では、この制度を国民の皆さんが知っているかというと、かなり疑問ですし、国民の皆さんにとって使いやすいものかということについてもかなり疑問だと思いますし、予算額も少ない。一都道府県当たり一億円もないような予算額でございます。

 やはりこうした支援制度をもっと拡充させるべきだと思いますけれども、答弁をお願いしたいと思います。

由木政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘の長期優良住宅化リフォーム事業の周知につきましては、住宅の取得、改修に対する補助制度や税制等の支援制度等を紹介いたしますリフォーム事業者など一般向けの説明会を、ことしに入りまして、全国で五十三回開催いたしているところでございます。実績といたしまして、一万一千名を超える方々の参加をいただいております。

 また、二十七年度事業におきましてどんな取り組みがなされたかという取り組み内容を紹介いたしますシンポジウムにつきましても、東京と大阪で三月に開催をしてきているところでございます。

 また、今年度の補助事業の実施に際しましては、五月に全国七都市において、リフォーム事業者等一般向けの説明会の開催を予定しているところでございます。

 また加えて、こうした事業者団体等への単なる周知にとどまりませず、長期優良住宅化リフォームの制度あるいは補助事業に関しまして、国土交通省で作成いたしましたテキストを利用した勉強会をさまざまな団体で実施をしていただき、こうした制度の周知、浸透を図っているところでございます。

 引き続き、こうした取り組みを進めてまいりたいと思います。

 また、御指摘の事業の内容でございますけれども、耐震性が確保され、長もちさせるための劣化対策が講じられました長寿命化に資する住宅のストックの形成をリフォームにより図ろうとする事業でございます。

 具体的には、劣化対策や耐震化、省エネルギー化、バリアフリー化などのためのリフォーム工事費に対しまして、補助率三分の一、補助上限額百万円、長期優良住宅の認定を受ける場合には二百万になりますといった支援になっておりまして、支援内容は充実したものとなっているというふうに考えております。

 また、既存住宅の質の向上を図るためには、耐震、バリアフリー、省エネ改修を行った場合に所得税や固定資産税を軽減するという措置がございます。こうした措置についてもあわせて講じているところでございます。

 今申し上げました補助制度や税制を積極的に活用することによりまして、住宅ストックの質の向上の取り組みを支援してまいりたいというふうに考えております。

本村(伸)委員 ぜひ拡充をお願いしたいというふうに思います。

 次に、建物状況調査、インスペクションについてお伺いをしたいと思います。

 建物状況調査は、調査をしてくれる業者などが、やはりこれも信頼できるものでなければ安心できないというふうに思います。住宅が安心、安全なのかを判断、判定するのに高い信頼性を確保するというのは不可欠な問題だというふうに思います。

 この建物状況調査を一体どんな調査内容で誰が担うのかという問題で、公務員の方や独法などのみなし公務員の方やあるいは建築士などの専門家、こういう方々、信頼が置けるものにしていく必要があると思いますけれども、国交省の見解を伺いたいと思います。

谷脇政府参考人 お答えいたします。

 今回、法律に位置づけようと思っております建物状況調査でございますけれども、一つは、構造耐力上主要な部分、基礎、壁、柱等、それと雨水の浸入を防止する部分、屋根、外壁、開口部、こういった建物の重要な部分につきまして、水平器等々の器具なども使いまして、傾きあるいはひび割れの状況等を調査するというものでございます。こういう重要な調査でございます。

 この調査を実施する者の詳細、法案の中では省令で具体的に規定をするということになってございますけれども、調査が適正に実施されることを担保するために、次の三つの要件が必要であるというふうに考えております。一点目は、建物の設計や調査に関する専門知識を有していること、二つ目は、適正な業務遂行を担保するための指導監督等の仕組みが制度上確保されていること、三つ目といたしまして、円滑に調査が行われるために必要な人員が確保されていること。

 この三つの要件を満たす者といたしまして、現時点では、委員から御指摘もございました、建築士法に基づく国家資格でございます建築士であって調査に関する一定の講習を修了した者とすることを想定しているところでございます。

 御指摘のございました公務員、独法職員につきましては、その職にあるということをもって建物状況調査を実施する者として規定することは想定をしておりません。

本村(伸)委員 ぜひ信頼性のある調査にすることを求めておきたいというふうに思います。

 この建物状況調査をした既存住宅について、調査結果が取引価格にどのように影響すると考えているかという点についてもお伺いをしたいと思います。また、影響するとすれば、宅建業者、不動産業者の方に有利な調査結果を示すことも考えられるというふうに思います。宅建業者と結託、癒着するようなおそれがないのか、建物状況調査業者の中立性をどう担保するかということをお伺いしたいと思います。

谷脇政府参考人 既存住宅の流通促進のためには、住宅の市場価値が現在経年で一律に減少するという評価のあり方から、個々の住宅の状態を反映して既存住宅がより適正に評価される必要があるというふうに考えているところでございます。

 今回の建物状況調査の実施によりまして、建物をしっかりと調査するということによりましてその住宅の状態をより正確に反映した取引価格が形成されることとなるわけでございまして、これが既存住宅の流通活性化のための重要な要素になるというふうに考えているところでございます。

 もう一点、御指摘のございました建物状況調査の中立性の確保、重要な事項であるというふうに考えておりまして、先ほども若干申し上げましたが、法令に基づく指導監督等の仕組みによってその中立性を担保するということを考えているところでございます。

 具体的には、この調査を実施する者、先ほど建築士法の建築士を想定しているというふうに申し上げたわけでございますけれども、例えば、建築士が調査をいたしまして、ふぐあい事象を発見したにもかかわらずふぐあい事象がない旨の報告を行ったというようなことがあった場合には、建築士法に基づく処分の対象になるということでございます。

 また、宅建業者の方につきましても、例えば、そういう不適切な調査を行っているという業者だということを知りながらあっせんをするというような場合には、宅建業法に基づく処分等の対象になるということでございまして、こういうような規定を使いまして担保をし、適正な建物状況調査が行われるように取り組んでいきたいというふうに考えております。

本村(伸)委員 この建物状況調査の対象は、戸建て住宅だけではなくマンションも含まれるのかということ、そして、含まれるとしたら調査費用はどの程度と想定されるかということ、そしてまた、マンションの場合の建物状況調査の内容ですけれども、売買する予定のお部屋はもちろんのこと、マンションの共用部分や基礎やそういったところも調査の対象に入るかという点を確認したいと思います。

谷脇政府参考人 今回の法改正において規定をいたします建物状況調査は、マンションも対象としております。

 マンションの建物状況調査につきましては、具体的に申し上げますと、専有住戸内の床、内壁、天井などのほか、共用部分でございます外壁、バルコニー、基礎などについても、目視検査や非破壊検査機器を用いた検査等を実施するというふうに考えているところでございます。

 この費用でございますけれども、現在実施されております共同住宅のインスペクション、事業者によって値段等の幅がございますけれども、一戸当たりの検査料金は大体五万円程度ということでございます。

本村(伸)委員 長く安心して住み続けたいという願いに応える住宅政策の充実をお願いしたいというふうに思います。

 次に、バリアフリー住宅をめぐる問題について伺いたいと思います。

 三月二十三日、国土交通省の中部地方整備局が宅地建物取引業者に対する監督処分を行っておりますけれども、それはどういうものか、概要を御説明いただきたいと思います。

谷脇政府参考人 今御指摘ございましたように、平成二十八年三月二十三日付で、私どもの中部地方整備局が、株式会社サンヨーハウジング名古屋に対しまして、宅地建物取引業法に基づく監督処分を行っております。

 その内容を御説明させていただきます。

 同社が買い主と土地売買契約を建築条件つきで締結をいたしました際に、買い主との間で建物の建設工事の内容を十分に協議せず、当該工事の内容が十分に定まっていないにもかかわらず、同日付で建物の工事請負契約を締結した行為が対象になってございます。

 建築条件つきの土地売買契約は、一定期間内に建物の工事請負契約が成立することを条件に効力が生ずるものであるわけでございますので、建築工事請負契約を締結しないことが確定すれば、土地売買契約は白紙解約され、買い主に手付金等が返還される、そういう性質の契約でございます。

 しかしながら、この処分の対象になりましたように、工事の内容がしっかりと合意されていない状態で、同日付で二つの契約を締結した。こういうような場合には、契約後に買い主の希望する予算や間取りで建物が建築できないというようなことが判明した場合に、契約を解除しようとすると、手付金等を放棄しなければならないといったようなことが生ずる可能性があるわけでございまして、損害をこうむるという可能性も出てくるということでございます。

 このため、同社の行為は、業務に関し取引の公正を害する行為に該当する、取引の関係者に損害を与えるおそれがあるということで、宅地建物取引業法に基づき指示処分を行ったというところでございます。

本村(伸)委員 この被害を受けた方は、車椅子を利用されている障害者の方でございました。最初、サンヨーハウジング名古屋は、建築条件つき土地売買契約で自由設計だといって、バリアフリーにできます、専門家が斬新なアイデアを出してくれますといって、土地の契約と同時に建築工事の請負契約もさせたわけでございます。しかし、実際は、車椅子の方が暮らしていくこと、バリアフリーについて本当に理解があったのかと疑問に思わざるを得ない状況でございました。

 車椅子の方が安全に暮らしていくことができるバリアフリーを本当は理解していない、できない業者が、できますといって契約する。そして、営業マンがつくった手書きの設計図的なものを出してきて、本当に車椅子が回転できるのか、安全に動くことができるのかということも含めて、もっと中身を確認したい、設計士に相談したいと言うと、契約したら設計士と相談できます、契約しないとバリアフリーの詰めができないというわけでございます。そういう状況で、契約せざるを得ない状況に至ったというお話でございました。

 契約すると、最初に言っていた金額からどんどんとふえてくる。安心して暮らせるバリアフリーになってどんどん膨れ上がるんだけれども、バリアフリーになっていなくて、そして、玄関までのスロープも安全に公道に下がったり上がったりできるのか、家の中で車椅子の回転ができるのか、そういうスペースがあるのかということを御自身が検証して、できないというふうになった。

 これではだめだということで解約という話になったら、解約するんだったら三百二十万円以上の違約金が発生するということで、おどすようなことを言って、それで、国土交通省さんにも再度相談をした。そうしたら、今度は、これは言いがかりだといって、損害賠償を起こすようなことになるということを弁護士事務所から通知させる。

 障害を持った方が、障害年金や息子さんの給与など本当に少ない収入の中で、それでも、住宅が民間の賃貸とかではなかなか見つからないから、何とかつくろうということでこうやって努力をしてきたわけですけれども、しかし、こういうことをされて、首をくくらなければならないんじゃないかというような、せっぱ詰まって国交省に相談をされた。

 こういう障害を持った方々が追い詰められるようなやり方、こんなやり方が宅建業法で認められるのか。グレーとかそういうことではなくて、こういうやり方はだめだということを業界に対してはっきりと言っていただきたいと思いますけれども、答弁をお願いしたいと思います。

谷脇政府参考人 今回の事案、先ほども申しましたけれども、建築条件つきの土地売買契約ということでございまして、土地売買契約後に建物の工事請負契約が成立することを条件として土地の譲渡が行われる、そういう取引の形式でございました。

 この取引におきましては、消費者が、土地の売買契約と建物の工事請負契約という二つの契約の内容に加えまして、相互の関係まで理解をして契約するということが事故のトラブルを防ぐためにも重要だというふうに考えております。

 建築条件つきの土地売買契約を締結する宅建業者がバリアフリー仕様に関する専門的知識を有していなければならないというふうにはされておりませんけれども、片方で、宅建業者の責務として、その契約の特徴を消費者に適切に説明し、理解してもらう必要があるというふうに考えているところでございます。

 このため、宅建業法では、宅建業者に対しまして、土地取引の契約内容に係る重要事項説明におきまして、建物の工事請負契約の成立が土地の売買契約の成立条件である旨等々の必要な事項を説明することを義務づけているところでございます。

 さらに、建設工事の請負契約、これも締結するということでございます。これは建設業法の方になるわけでございますけれども、建設業法におきましては、建設工事の請負契約の締結に当たりまして、工事の内容を定めることとされております。バリアフリー仕様の住宅の建築であれば、その工事内容についての構造、仕様等を明確にして、具体的に定める必要があるというふうになっているところでございます。

本村(伸)委員 車椅子を利用する障害者の方がバリアフリー住宅を確保しようと思っても、実績のある設計士や専門業者も数少ないという中で、本当に困ってみえる現状がございます。車椅子の方が安全に暮らせる住宅、バリアフリー住宅のモデルなどを普及してほしいという要望もありますし、大学などの建築科にはぜひバリアフリーの講座、教育を進めていただきたいという要望や、あるいは、設計士や建築会社、現場の大工さんなどがバリアフリーの住宅の勉強会をもっと多くのところで設けるなど、そういう教育、研修についても徹底をしてほしいという要望があります。そして、障害者の方が家をつくったりリフォームのときに、少なくとも都道府県単位で、行政、専門家などを含めたバリアフリー住宅に関する無料の相談窓口、評価機関の設置が必要だと切望をされております。

 建物、設備をつくってから、これは使えなかったということが公的な施設でもよくあるわけですけれども、こういうことがないように、ぜひ、自力で暮らそうと思っている車椅子の方が安全を確保しながらバリアフリーの住宅にアクセスしやすくなるような、総合的な支援をお願いしたいと思います。

 今幾つか、教育の面や、あるいは専門業者の育成の件や、相談窓口、評価機関の設置など申し上げましたけれども、ぜひこういう総合的な支援策を進めていただきたいと思いますけれども、大臣の答弁をお願いしたいと思います。

石井国務大臣 障害者差別解消法に基づき、建築士についても、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、必要かつ合理的な配慮をするよう努力義務が課せられております。

 バリアフリーに関する建築士等への教育につきましては、全ての人に使いやすい建築物の設計に利用できるよう、国土交通省といたしまして、高齢者や障害者等に配慮した設計の具体的な考え方や手法を示したガイドラインを作成しておりまして、建築士等に周知をしているほか、建築士法に基づき建築士が三年ごとに受講する定期講習において、バリアフリーの意義や法令に関する知識の取得、向上を図っているところでございます。

 また、消費者を支援する環境整備について、住宅に関する相談窓口といたしましては、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターでは、一級建築士が幅広い相談に電話で応じる住まいるダイヤルを設けておりますし、また、全国の弁護士会では、例えばリフォーム工事に関するトラブル等に弁護士と建築士が対面で相談に応じる専門家相談を開設しておりまして、バリアフリーを含め、住宅に関する幅広い相談に対応しているところでございます。

本村(伸)委員 ぜひ総合的な支援をお願いしたいと思います。

 車椅子を利用されている方が住宅を探すというのは本当に困難を伴っております。例えばマンション、三千万で駅前で当たったとしても、トイレも二畳のスペースが必要だったり、車椅子が回転できるスペースをつくったりと、結局、車椅子用に全部つくりかえないといけない現状がありまして、費用がかさんでしまうということがございます。

 車椅子で暮らせる民間の賃貸住宅などはほとんどないわけで、車椅子を利用されているある方は、家を探して探して、今でも孤立しがちなのに、これまで住んでいたコミュニティーを離れて遠くまで引っ越さなければならず、さらに孤立をしてしまうというようなお話を伺いましたけれども、こういう現状を絶対になくしていかなければならないというふうに思います。

 車椅子の方が安全に、安心して暮らすためのバリアフリーの家の新築あるいは中古、リフォーム、バリアフリーにするためのそういう家の確保のために、財政的な支援、せめて通常の住宅並みの値段で建てられる助成制度をつくるべきだと思いますけれども、大臣の見解を伺いたいと思います。

石井国務大臣 高齢化が進む中で、バリアフリー化された住宅の流通やバリアフリー化のリフォームを促進することは重要であると考えておりまして、税制、融資、予算の各種支援措置を講じております。

 バリアフリー化された新築住宅や既存住宅の取得につきましては、住宅金融支援機構において、バリアフリー性能にすぐれた住宅に対して住宅ローンの金利を引き下げる支援策を行っております。

 また、バリアフリー化のリフォームを行った場合に、所得税額の控除及び固定資産税の軽減の特例措置を講じておりまして、平成二十八年度には、固定資産税の軽減措置について適用期限の延長を行ったところであります。

 さらに、住宅の長寿命化に資するリフォーム工事とあわせてバリアフリー化を行う場合に、その工事費の三分の一を限度に補助する支援も行っているところでございます。

 引き続き、こうした支援策を積極的に活用することによりまして、バリアフリー化された住宅の取得やリフォームを推進してまいります。

本村(伸)委員 ぜひ、車椅子の方が安心して住めるような住宅の確保のために、国交省としても全力を尽くしていただきたいということを求めて、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

すべて表示

© 2010 - 2021 もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)