もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
国会質問

質問日:2025年 4月 24日 第217国会 消費者問題特別委員会

公益通報者保護法改正案について

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公益通報者保護法改正案について 2025.4.24

議事録

○本村伸子

 日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 闇カルテルを公益通報した串岡弘昭さんを始め、参考人質疑がございましたけれども、長期にわたって壮絶な人生を送られた串岡さんの涙の陳述、これについて大臣は御覧いただけたでしょうかという点、まずお伺いをしたいというふうに思います。

 

○伊東国務大臣

 私も、録画したビデオで全部つぶさに見ております。

 

○本村伸子

 ありがとうございます。

 公益通報を行った串岡さんへの壮絶な人権侵害、それは御家族にも影響が及んだということですけれども、二度と同じようなことが起きないようにということで、だからこそ、配置転換も罰則、立証責任の事業者への転換を求めているわけです。

 しかし今回の改正案には入らなかったということで、じゃ、早く改正をできるように一刻も早く検討してほしいということを申し上げているわけですけれども、しかし、それは施行後五年めどの改正検討、結局、七年後からの検討ということになっているわけです。

 それは一刻も早く、今回、改正を、修正をしていただきたいんですけれども、少なくとも今からすぐ検討していただいて、すぐ次の改正に結びつけていただきたいということを強く思うわけですけれども、ちょっと順番が変わっておりますけれども、消費者庁の方にお伺いをしたいというふうに思います。これは一刻も早く、すぐ改正するべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

 

○藤本政府参考人

 お答えいたします。

 今回の制度の見直しを議論しました消費者庁の有識者検討会は、消費者庁の様々な実態調査結果等を基に、労使の立場や専門家の見解等を踏まえて昨年五月から十二月まで議論を行い、制度の課題と対応について報告書を取りまとめました。今回の改正法案は報告書の内容を踏まえたものであり、制度の実効性向上に向けて大幅な見直しを行うものであります。

 今後の検討に当たりましては、今回の法改正による効果あるいは影響など、施行後の状況について、立法事実の蓄積を踏まえる必要があると考えております。このため、今すぐに新たな検討会を開催することは困難であると考えているところです。

 

○本村伸子

 それですと、今回の配置転換の部分が全然手当てが取られていないということになってしまいます。配置命令権の濫用という部分は、串岡さんの場合は全く明らかだというふうに思うんです。

 配置命令権の濫用に関する判決の到達点、判決の内容について、厚生労働省にお示しをいただきたいというふうに思います。

 

○尾田政府参考人

 お答えいたします。

 裁判例におきましては、転勤を含む配置の変更につきまして、就業規則等に根拠があれば、使用者はその裁量により配置の変更を命ずることができるとする一方で、業務上の必要性がない場合や、業務上の必要性が認められる場合であっても他の不当な動機、目的をもってなされたものであるときや、労働者に対して通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものであるときなどには、権利の濫用になると解されているものと承知しております。

 

○本村伸子

 これまでの判決の中でもこういう整理がされてきたわけです。配転命令権の濫用というところで、業務上の必要性がない、不当な動機、目的がある、そして労働者に対して通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるもの、明らかな濫用のケースがあるわけです。

 こうしたことをしっかりと明記をして、ここであれば濫用であるので、分かりやすい例でございますので、こうやって書いて、今回、そのことだけでもせめて改正をするべきだというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

 

○伊東国務大臣

 昨日、録画を見ておりまして、串岡さんの、なかなか厳しい、壮絶な人生であった、このように感じたところであります。

 一般論としての話をさせていただきますけれども、刑事罰につきましては、犯罪の構成要件は明確で、また、対象となる行為は罰則に値するものでなければならないという点、この点、委員御指摘の明らかに配転命令権の濫用と考えられるような行為につきまして、配置転換は個別の事案ごとに状況が異なることから、客観的に明確な定義を定めることがなかなか難しく、刑事罰の対象とすることはこれまでも困難でありました。

 また、民事訴訟におきましては、自己に有利な法律効果の発生要件となる事実について立証責任を負うことが原則とされておりまして、立証責任の転換は、その例外を設けるものであります。

 また、我が国におきましては、配置転換が労働契約法上の権利濫用と認められるためには労働者に相応の立証負担があり、このような労働訴訟実務の平仄や、あるいは事業者の人事異動への影響を踏まえますと、配置転換につきまして、御指摘のように立証責任を事業者に転換することは、現状では困難と考えております。

 ただ、昨日のお話、多くのテレビを見ておりました国民の皆さんには相当伝わるものがあったのではないかなと感じているところであります。

 

○本村伸子

 是非、二度と串岡さんのような事例が出ないようにということで、やはり、立法する力を持った大臣が、そして私たち国会が立法措置をして、二度と同じようなことが起こらないようにというふうに手だてを取るのが国会議員としての責任だというふうに思っております。

 立証責任を事業者に転換しなければ、本当に立証するのが労働者側としては難しいんだということを、参考人の串岡さんもそうですし、志水さんからも言われたというふうに思います。だからこそ求めているわけです。

 先日も尾辻議員が取り上げておられましたけれども、外資系の製薬会社で、指定難病の治療薬について、本来認められていない適応外の患者さんにも使用するように促す不適切なプロモーション活動を行っている実態を、仮名の小林まるさんが厚生労働省に公益通報をいたしました。会社内で通報をしたけれどもそれが是正をされなかったので、厚生労働省に公益通報をしたわけです。

 厚生労働省は、二〇一九年の二月一日、薬剤の使用上の注意の改訂も指示をするということで、実際にそういう是正措置が図られるということになったわけですけれども、そういうアクションを起こしていただいたわけですけれども、その直後、配置転換がなされた。一人だけの部署で、ほぼ仕事がない状態に置かれた。裁判に訴えても、内部通報に対する報復だと認めるに足りる証拠はないというふうに言われてしまったわけです。

 内部通報者はどのように証拠を出せばよかったんでしょうか。どう立証すればよかったんでしょうか。消費者庁にお伺いしたいと思います。

 

○藤本政府参考人

 委員御指摘のように、明らかに配転命令権の濫用と認められるような行為については、実際に民事訴訟で無効になっている事例もあるというふうに考えております。実際の裁判実務におきましても、仮に立証責任が転換されていなくとも、立証責任のある方だけから話を聞くわけではなくて、双方の主張を聞いた上で中立的な判断がなされているものと考えます。

 かつ、労働法制全体におきまして、立証責任の転換がなされている、原則ではなく例外措置が設けられていることにつきましては、マタハラの解雇の事例のみというふうに認識をしています。

 こうした制度との平仄を考えますと、公益通報者保護制度について、配置転換も立証責任の転換の対象とすることは、現状困難ではないかと考えているところであります。

 

○本村伸子

 個別の事情ですとか個人の主観とか言うわけですけれども、不当な配転は、個人が不当と考える背景、原因、客観的な事実があるわけです。その客観的な事実にしっかりと目を向けていただき、法修正をしていただきたいというふうに思っております。

 闇カルテルを公益通報した串岡さんのように、暴力団を使った退職強要、これは明らかに配転命令権の濫用の場合があるわけです。その場合は、やはり解雇と同様に解釈をし、少なくとも立証責任の事業者への転換を行うべきだというふうに裁判所が判断できるように、是非QアンドAを出すべきだというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

 

○伊東国務大臣

 御指摘の明らかな配転命令権の濫用と認められるような行為につきましては、民事訴訟で無効となると考えられ、裁判において勝訴している実例も一定程度あると承知をいたしております。

 また、民事訴訟におきましては、自己に有利な法律効果の発生要件となる事実について立証責任を負うことが原則とされており、立証責任の転換はその例外を設けるものであるため、QアンドAで対処することは困難であると考えております。

 

○本村伸子

 裁判に訴えるということは本当に大変なんだということを串岡さんの事例からもお分かりいただけるというふうに思います。串岡さんは、三百万円くらいかかった、そして法律扶助をつけてやっと裁判をすることができたというふうにおっしゃっておりまして、金銭的な負担もあるわけです。そういう事態にならないためにも、法的にしっかりと規定をして、そして、まずは未然に防止をする。

 今回、解雇、懲戒が、罰則、立証責任の転換ということになりましたので、配置転換の方にシフトをしていくんじゃないか、公益通報をされた方の不利益取扱いの部分、不利益取扱いなんですけれども、罰則などが入っておりませんので、配置転換の方に嫌がらせが行くんじゃないかということが言われている下で、是非とも、そういう点からも、本当に早く、今回できないというのであれば一刻も早く、検討を今すぐ行っていただき、法改正を是非していただきたいというふうに思いますけれども、改めて大臣にお伺いをしたいというふうに思います。

 

○伊東国務大臣

 今回の制度の見直しを議論した消費者庁の有識者検討会は、消費者庁の様々な実態調査結果等を基に、労使の立場や専門家の見解等を踏まえて昨年五月から十二月まで議論を行い、制度の課題と対応について報告書を取りまとめ、今回の改正法案につきましては、報告書の内容を踏まえたものであり、制度の実効性向上に向けて大幅な見直しを行うものであります。先ほども御答弁させていただきましたけれども、各界各層の意見を集約したもの、このように認識をいたしております。

 

○本村伸子

 是非、一刻も早い検討、改正を求めて、質問を終わらせていただきます。

 大臣、よろしくお願いいたします。

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