もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
国会質問

質問日:2025年 3月 14日 第217国会 法務委員会

裁判所職員の増員を

 
衆議院法務委員会で、裁判所職員の定員を47人削減する裁判所職員定員法改定案について、裁判官、調査官、職員の増員を求めました。
 2023年から2024年12月までの間に、名古屋地方裁判所管内で裁判官の退職が12名と相次いています。特に突出して辞めているのが名古屋地裁岡崎支部です。
 転勤・地域手当・仕事量の地域間格差や、月4回の宿直は手当も宿直室もないため自己負担でホテルへ宿泊、連日深夜までの資料の読み込み、3か月で休日は5日という長時間過密労働の実態等を示し、証拠保全の遅れなど司法サービスにも支障が出ており、「裁判官の働き方や処遇を改善しなければ、なり手は減る一方」と迫りました。
 さらに、裁判所の職員についても、90日以上の長期病休取得者が裁判所全体で218人に及び、そのうち精神及び行動の障害による長期病休者が188人にも上っているという実態も突き付けました。「昨年も質問したが、また増えている。原因を分析し、対策をとるべき」と追及しました。
 最高裁事務総局の徳岡治人事局長は「原因を分析して原因を取り除くことは重要と認識している。可能な範囲でやってまいります。職員の健康保持に向けた取組を進めていく」と答えました。
 「6月からは、児童虐待などの一時保護についての司法審査が始まる。26年からは非合意『共同親権』を含み改定民法の施行で裁判所の業務が増える。抜本的な増員を求める」と迫りました。

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裁判官裁判所職員の増員について 2025.3.14

議事録

〇本村伸子

日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
まず最初に、名古屋地裁管内で裁判官の退職が相次いでいる問題について伺いたいと思います。
資料の一、中日新聞の記事です。二〇二三年から二〇二四年九月までで十二名が辞めています。中でも、愛知県の西三河地方を管轄する岡崎支部、私は豊田市に住んでおりますのでまさに地元の支部ですけれども、六人と突出をして辞めております。
最高裁は原因をどのように分析をしておられるのか、お示しをいただきたいと思います。

○徳岡最高裁判所長官代理者

お答え申し上げます。
依願退官というものは個々人の個別事情によってされるものでございまして、その事情も様々でございます。退官を決意する理由も必ずしも一つではないものと承知をしているところでございます。

とは申しましても、裁判官については、事件動向等を踏まえた適切な人員配置に努めておりますほか、各地の裁判所においては、個々の裁判官の業務負担の程度について様々な形で把握するように努めて、必要に応じてその働き方について助言をしたり、事務負担を見直したりするなどしているものと承知をしているところでございます。
先ほど申し上げたとおり、依頼退官の事情はいろいろ様々ではあるとは思いますけれども、今後とも個々の裁判官の状況等を把握して、ワーク・ライフ・バランスを実現できる執務環境の整備にも努めてまいりたいと考えております。

○本村伸子

岡崎支部、豊橋支部に対してどういう助言がなされているんでしょうか。

○徳岡最高裁判所長官代理者

お答え申し上げます。
御指摘の豊橋支部、岡崎支部、それぞれでどういう助言をしたか、これは個別のことになりますので、こちらで把握していないところでございますけれども、状況に応じて働き方等について当然ながら助言等もされていたのでないかというふうに考えております。

○本村伸子

いつも、こういう職員の方の問題も含めて、各庁において適切に把握し適切に対応しているというふうに言って、最高裁の方は把握していないわけなんですね。そうした答弁に私は心底いつも失望しているわけです。日本の人権のとりでである裁判所が、本当に血の通った組織として、特に幹部の方にはそうした対応をしていただきたいというふうに強く思っております。

この一の資料の中日新聞には、全国転勤の負担ということでも指摘をされております。勤務地によって不公平があることにうんざりしたという声です。地域手当などによってかなり年収の差が出てしまうという問題がありまして、私は、東京に合わせて全部二〇%にした上で、地域手当というものはなくして所得をちゃんと保障していくということが必要だというふうに思っておりますけれども、そういう地域間格差があると。
そして、名古屋地裁の豊橋支部の裁判官だった方の声が載っておりますけれども、豊橋支部では、裁判官は支部長を含め五人だ、本庁には医療や労働の専門部があるが、支部は全部やらないといけない、民事の裁判官も刑事の裁判の一部を担う、常に二百件近くの事件を抱え、資料の読み込みに追われたというふうに書かれております。
そして、資料の二は、これは毎日新聞ですけれども、豊橋支部の実情が書かれております。裁判官は帰宅後も深夜まで仕事の資料を読み込み、土日も出勤して判決文や和解文の作成に追われたと記事には書いてあります。休日返上で書類を仕上げる、三か月間で休みは五日しかなかったというふうに書かれております。そして、どれだけ働いても、休日手当や時間外手当は支給されない、裁判官は深夜早朝の令状発付に備えて宿直の勤務もある、月四日だ、宿直手当も宿直室もなく、豊橋市外から勤務している裁判官は自己負担でホテルに泊まらざるを得なかった、労働事件で会社が出張旅費を出さないと言えば、会社側は負ける、そんな判決を言い渡す裁判官が、宿直旅費を自己負担しているのはおかしいのではというふうに憤って書いてあります。裁判官の多忙さというのは、司法サービスの低下にもつながっているのだというふうに記事に指摘をされております。証拠保全の手続は、ほかの仕事の合間を縫い現場に出向いていた、証拠保全は決定後、数日以内に実施されるのが通例だが、人手不足で約三か月かかることもあった、その間に証拠の破棄や改ざんをされる可能性もあるというふうに書かれております。
こういう裁判官の働き方や処遇を改善しなければ、なり手は減る一方です。退職が相次いで、そして、こうした事例をお示しをしても、原因は知らないで済ませようとしているんでしょうか。最高裁、お答えをいただきたいと思います。

○徳岡最高裁判所長官代理者

お答え申し上げます。
先ほど御指摘の多忙の関係ですけれども、その点については、先ほど御説明申し上げたとおり、その働き方等についてそれぞれの工夫あるいは助言などを通じ、あるいは事務負担の見直しなどを通じ、改善をしてまいりたいというふうに考えております。
また、異動の点の御指摘もございました。裁判所におきましては、全国に均質な司法サービスを提供するほか、地方と都市部の勤務の公平を図るという必要もあることから、異動は避けらないところでございます。その点は、職員の任用、配置に当たっては、面談等を通じて把握する本人の任地や担当職務等の希望も踏まえて、家族等の事情にもきめ細かく配慮しつつ、適材適所の観点で実施をしております。
いずれにしても、適切な司法サービスが実現できるよう、体制の整備に努めてまいりたいというふうに考えております。

○本村伸子

もう一つお伺いしたいんですけれども、質問の順番を変えますけれども、この間、女性差別撤廃委員会から勧告が出されております。それは、裁判所に対しても書かれております。女性差別撤廃条約の国内適用に関する司法機関及び法執行機関の能力開発の不足により、法的手続における条約の使用が制限されていること、これが懸念する点として書かれておりまして、そして、締約国に対し、裁判官、弁護士及び法執行機関の専門家に対して、条約、委員会の一般勧告及び選
択議定書に基づく法解釈に関する能力開発を強化し、法的手続においてそれらが十分に考慮されることを確保することを勧告する、あるいは、子供の親権と面会交流権を決定する際にジェンダーに基づく暴力に十分配慮することを確保するため、裁判官と児童福祉司の能力開発を強化、拡大する、このことも勧告をされております。
裁判官がこんなに忙しかったら、そうした研修、学ぶ機会、ちゃんと確保できているんでしょうか。お答えください。

○徳岡最高裁判所長官代理者

お答え申し上げます。
裁判官の研修、研さんとしては、むしろ、OJT、自己研さんというものが基本ではございますけれども、司法研修所におきましても各種研修を実施しておりまして、人権に関する条約、例えば、裁判官の意識を高めるため、国際人権法に関する研修なども行っているところでございます。

○本村事務所

これだけ多忙で、休日も返上で働いている、この岡崎支部は、性暴力被害者に対して、実の父親から性虐待があった、それが無罪判決が出されたところなんですね。ですから、とりわけジェンダー平等に関する教育をしていただきたい、そういうふうに思っております。こういう忙しさも一つの原因ではないか、変、全く不当な判決が出る、そうした背景にあるのではないかということも痛感をしております。
裁判官がこれだけ忙しいということは、裁判所の職員の方々もかなり忙しいという現実があるというふうに言わざるを得ません。岡崎支部や豊橋支部は、多忙で職員の方々も転勤に行きたがらないところだというふうに聞いております。裁判官も調査官も職員の方々も、増員をしていただきたいというふうに思います。
そして、この裁判所の職員の方々なんですけれども、一般職の方々、九十日以上の長期病休取得者がついに二百人を突破してしまったということを伺いました。
全司法の皆様からお話をお伺いをいたしますと、二〇二四年九月一日現在における一般職員の九十日以上の長期病休取得者の総数は、裁判所全体で二百十八人に及んでおります。そのうち精神及び行動の障害による長期病休者は百八十八人に、昨年も私、質問させていただきましたけれども、また増えております。この原因をどのように分析をされておられますでしょうか。

 

○徳岡最高裁判所長官代理者

お答え申し上げます。
精神及び行動の障害による長期病休者等の関係が増えているということの御指摘でございました。
なかなか、この病休の原因というのは、人それぞれ個別様々な事情がございます。仕事の事情もあるかもしれません、あるいは家庭の事情等もあるかもしれません。様々な事情があるので、これがということは申し上げにくいんですが、ただ、これらのその原因はさておきましても、裁判所の中においても、ワーク・ライフ・バランスを実現できるような方策を対応していきたいというふうに考えております。

○本村事務所

それでは、昨年も質問させていただいて、また増えているわけです。その原因をちゃんと、さておきじゃなくて、原因をちゃんと分析して、対策を取るべきじゃないですか。

○徳岡最高裁判所長官代理者

お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、原因を分析して原因を取り除くということは重要であるとは認識をしているところでございます。
裁判所におきましては、例えば、職員が自らの不調に気づくための知識、これを付与したり、あるいは、部下職員にメンタルヘルス不調が発生した場合でございますけれども、管理職員が早期に発見して対策を取ることができるような知識付与、これを行うことなどしてきたところでございます。
引き続き、職員の健康保持に向けた取組も進めてまいりたいというふうに考えております。

 

○本村伸子

じゃ、原因分析というのはちゃんとやるんですね。そのことをお答えをいただきたいと思います。

○徳岡最高裁判所長官代理者

お答え申し上げます。
先ほど申し上げたとおり、原因を分析して原因を取り除くことは重要であると認識しております。それぞれの個別事情がございますので、どこまでできるかということはございますけれども、これは重要であると思っておりますので、それは可能な範囲でやってまいりますし、先ほど申し上げたとおり、職員の健康保持に向けた取組は進めてまいりたいというふうに考えております。

○本村伸子

名古屋地裁管内の相次ぐ退職の背景や、二百人を突破した一般職員の方々の九十日以上の長期病休取得者などの問題を鑑みれば、裁判官、職員の増員こそ本質的な解決の道だというふうに思いますけれども、お答えをいただきたいと思います。

○小野寺最高裁判所長官代理者

お答えいたします。
今、委員の方からいろいろな問題を御指摘をいただきました。
裁判所において全ての職員が心身共に健康で職務に精励できるよう、ストレスチェックや、あるいは外部講師による講演会の実施、カウンセラーによる相談体制の整備や、職員が自らの不調に気づくための知識付与などにも取り組んでおります。
また、病気休暇を取得していた職員の職場復帰に当たっては、職員の主治医や裁判所の健康管理医の意見を踏まえて、職場において必要な環境整備を行い、円滑な職場復帰が可能となるように努めているところでございます。
その上で、裁判所の人的体制につきましては、これまでも各庁の事件動向や事件処理状況等を踏まえて、各庁における必要な体制を整備してきたというところでございます。
今後とも、各庁各部署における実情をきめ細かく把握しつつ、裁判事務に支障が生じないよう必要な体制の整備に努めてまいります。

○本村伸子

六月からは、児童虐待等の一時保護について司法審査が始まります。そして二〇二六年からは、非合意共同親権を含む改定民法の施行も予定をされております。業務が増えるのに人を減らす提案になっております。これでは本当に一人一人の子供さんに寄り添ってやっていただけるのか、このことも大変懸念をしております。是非抜本的な増員を求めて、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。

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参考資料

20250314 法務委員会 資料 裁判所定員法

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