
大軍拡・大企業ばらまきなど大問題の来年度予算案が衆議院本会議で採決され、自民、公明、維新の賛成で通過してしまいました。
日本共産党は、衆議院予算委員会で、くらし応援のために動議も出して、予算の組み換えを求めました。
来年度予算案への反対討論は、田村貴昭衆議院議員が行いました。
地方税、地方交付税法等の改定案への反対討論は、たつみコータロー衆議院議員が行いました。
私は、所得税法等の改定案への反対討論を行いました。
3つの角度から反対しました。
①大企業優遇税制にいっさいメスを入れていない問題。
②消費税減税に踏み出していない問題。
③「戦争国家」づくりの軍拡増税の問題
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議事録
以下は、所得税法等改定案への反対討論の大要です。
ご高覧頂ければ幸いです。


私は日本共産党を代表して、委員会で修正された所得税法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
反対理由の第一は、「税制のゆがみ」を生み出している大企業優遇税制にいっさいメスをいれていないからです。
安倍政権で4回も行われた大企業の法人税率の引き下げや、研究開発減税、連結・通算納税などの優遇税制による減税効果は、2023年度に過去最高の11.1兆円にまで膨れ上がりました。大企業の利益が増加するにしたがって、減税額も巨大なものとなっています。
例えば、研究開発減税は、23年度に9000億円を超え、大企業にその恩恵の9割以上が集中しています。しかも、研究開発費を減らしても減税が受けられる、政策減税の目的を見失った、まさに大企業へのバラマキ減税そのものです。
そのもとで、過去最高の利益を記録する大企業は、配当金や役員報酬を増やし、内部留保を積み上げています。
与党税制改正大綱は、安倍政権下の法人税減税によって企業収益は拡大したものの、国内投資の拡大や賃上げにつながらず「現預金等が積み上がり続けた」と厳しく指摘しています。そうであれば、なぜ大企業の法人税率を引き上げないのでしょうか。
政府税調は、租税特別措置について「廃止を含めてゼロベースで見直す」ことを要求しましたが、本法案にはまったく反映されていません。
このような不公平税制は早急に正すべきです。研究開発減税や連結・通算納税制度などを廃止・縮減し、大企業に応分の負担を求める税制改革が必要です。
第二は、消費税減税に踏み出していないからです。
今国会のわが党議員の質疑で、収入階級別の税負担割合を推計すると、中間所得層以下の世帯では所得税よりも消費税の負担の方が圧倒的に重く、収入800万円以下の世帯ではほぼ同じ税負担率となり、累進制が失われていることを明らかにしました。能力に応じて税を負担する応能負担原則は崩れています。
ここ数年のお米や野菜などの食料品や燃料費などの物価高騰が国民生活を直撃し、暮らしを追いつめています。生活必需品の価格があがるたびに消費税の負担が増えるという二重の負担増に国民・住民のみなさんは苦しんでいるのです。いまこそ、物価高騰から国民の生活を守るため、逆進性が強い消費税減税に踏み出すべきです。
同時に、1億円以上の所得のある富裕層の所得税負担率が軽くなる「1億円の壁」問題は是正すべきです。富裕層にも応分の負担を求め、税制の応能負担の原則を取り戻す抜本改正に取り組むことが必要です。
与党の修正案は、維新の会との合意により、所得税の課税ラインを160万円にして、基礎控除の引き上げ幅を年収により5段階とする措置を導入するものです。減税額だけを焦点にした弥縫策です。複数の基礎控除が混じることで収入ごとに最低生活費が異なることになります。収入から最低生活費を除いた所得に課税するという所得税の仕組みの公平性を土台から崩すものです。所得税の原理原則を損ないかねない修正案には賛成できません。
第三に、「戦争国家」づくりの軍拡増税を押しつけるものだからです。
2022年12月に策定した「安保3文書」に基づき5年間で43兆円もの大軍拡を押し進めようとしています。その財源確保のため、防衛法人特別税を新設して法人税額に税率4%の付加税を課し、たばこ税増税と合わせ、約1兆円の増税を盛り込んでいます。憲法違反の「敵基地攻撃能力」を所有し、南西諸島の基地強化など、大軍拡と日米同盟の強化を進めるため、国民に増税を強いることは、断じて許されません。
以上、討論といたします。