もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
国会質問

質問日:2025年 2月 18日 第217国会 予算委員会

選択的夫婦別姓を求める質問をしました

 
選択的夫婦別姓を求める質問をしました。
 
国会に来てくださった方々が、泣きながら傍聴してくださったと秘書さんに伺いました。
 
結婚して名字を変えることに関し、
自分が自分でなくなってしまう感覚、アイデンティティの喪失感、理不尽、苦しさ、違和感人権、人格権の問題だからこそ、個人が尊重されていないからこそ、涙が出てくるのだと思います。泣きながら傍聴してくださった方々のことを思うと泣けてきます。
 
新日本婦人の会の皆様が1月の2週間で集めたアンケート3979人の回答、寄せられた声も紹介し、苦しさ、理不尽など共有しました。
ネットで観ていてくれた事実婚の愛知の当事者の方からも「感動」とメッセージをいただきました。
 
他の党の議員さんが「自分が言いたいこと全部言ってくれた。女性だったらみんなわかってくれると思いますよ」と声をかけてくださいました。
 
男性が名字を変えている方々もいらっしゃいます。それに対し、申し訳ないと思っているパートナーもいます。
 
結婚する2人とも人格的利益、アイデンティティが守られ、「個人的の尊厳と本質的平等」に立脚した制度が、選択的夫婦別姓制度です。
 
個人の尊厳が何よりも大切にされる制度、社会の実現へ引き続き頑張ります。
 
 

質問の映像へのリンク

選択的夫婦別姓実現早く 個人の尊厳と本質的平等へ  2025.2.18

議事録

〇本村伸子

日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
選択的夫婦別姓に関し質問をいたします。
今年は、選択的夫婦別姓の国会の請願が初めて出された一九七五年から五十年となります。結婚しても、生まれ持った名字、名前で生きたいという願いはずっと後回しにされてきました。
戦前、戦争中、誰の人権も保障されなかった、とりわけ女性の権利は認められなかった大日本帝国憲法から、戦後、個人の尊厳が何よりも大切にされる今の日本国憲法に変わりました。
憲法二十四条一項は、結婚は、家父長的な家制度の下の戸主が決めるのではなく、二人の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを規定しています。
憲法二十四条二項では、「婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。」というふうに書かれています。
憲法十三条には、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」と書かれています。
選択的夫婦別姓の制度は、結婚して同じ名字になりたい、そういう人の思いも尊重される、そして、結婚しても生まれ持った名字と名前で生きたいという人の思いも尊重される、そういう制度です。憲法に合致していると考えます。
選択的夫婦別姓について、新日本婦人の会の皆さんがアンケート調査を行いました。この一月の二週間の間に三千九百七十九人の方が回答され、なぜ、結婚後、名字を選択できる制度を求めるのか、どのような負担があるのかなどの声があふれています。
具体的な声です。二十代の方。つき合って十年の彼氏がいます。五年前に婚約し、いまだに法律婚をしていないのは、夫婦別姓が選べないからです。私たちに結婚をする自由を下さいという声です。
三十代の方。いろいろな場面で自分の名前を新しい姓で呼ばれることが続き、自分が自分でないような気がして、精神的に不調を来すようになりました。現在、結婚十三年になりますが、いまだに自分が夫の姓であることに違和感がありますという声です。
別の三十代の方。私が私らしくいるために、今まで、親や友達や先生や職場や、あらゆる場面で誰かに毎日のように呼ばれていた名前は、自分とは切り離せないものです。大体女性側が被るこの理不尽、苦しみ、違和感を次の世代に引き継がせないでほしいという声です。
法務大臣は、結婚によって名字が変わることに関し、苦しみ、違和感、そして喪失感を抱える、そういう方々がおられることに関してどのように認識をされておられますでしょうか。

○鈴木国務大臣

今先生御指摘の、結婚によって名字を変えることに関して苦しみを抱える方々がおられるということ、まさにそうした婚姻によって氏を改める方にとっては、婚姻前の氏を引き続き使えないことによって婚姻後の生活において様々な不利益や支障が生じている、そういった声があるということは承知をしております。そして、そうした声にしっかりと十分耳を傾ける必要があると感じております。

○本村伸子

結婚によって名字を変えることに苦しみや喪失感を覚える、そういう方々がいらっしゃる、その根源には何があると大臣はお考えでしょうか。

○鈴木国務大臣

一概にはどうと言うことはできないと思いますが、そうした苦しみの根源ということですが、選択的夫婦別氏制度の導入に賛成というか、そういったことを推進しようとする方々の御意見の中には、氏を含む氏名が個人のアイデンティティーに関わるものであるということを理由とするものがあるということについては承知をしておりますし、また、夫婦同氏制度が合憲であると判断した最高裁の平成二十七年の判決においても、氏を改めることによっていわゆるアイデンティティーの喪失感を抱くなどの不利益が生じることがあるということは否定ができないということが判示をされていると承知をしております。

○本村伸子

自分が自分でなくなるような感覚に陥ってしまう喪失感、苦しさ、違和感、それは、名字と名前がセットである氏名が、人が個人として尊重される基礎であり、個人の人格の象徴であって、人格権の問題だから、人権の問題だからではないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。

○鈴木国務大臣

人格権という話を今されました。
人格権ということでいえば、先ほど申し上げましたけれども、夫婦同氏制度が合憲であると判断をした最高裁の平成二十七年の判決ということになるかと思いますけれども、氏名について、「社会的にみれば、個人を他人から識別し特定する機能を有するものであるが、同時に、その個人からみれば、人が個人として尊重される基礎であり、その個人の人格の象徴であって、人格権の一内容を構成するもの」と判示をされていると承知をしております。
その上で、この判決では、氏は、婚姻及び家族に関する法制度の一部として法律がその具体的な内容を規律しているものであるから、氏に関する上記人格権の内容も、憲法上一義的に捉えられるべきものではない、そして、憲法の趣旨を踏まえつつ定められる法制度をまって初めて具体的に捉えられるものとされていると承知をしています。
そういった中において、現行の法制度の下における氏の性質、それに鑑みますと、婚姻の際に氏の変更を強制されない自由というものが憲法上の権利として保障される人格権の一内容であるとは言えないとも同時に判示をされているというのが、この最高裁における判示であると承知をしております。

○本村伸子

最高裁の多数意見について、二〇一五年の判決についてお話がありました。この判決については、憲法から個人の権利を導き出そうとしていない、そして、女性差別撤廃条約、これについては無視をしている、そういう批判がある判決です。
そして、この判決に関して、最高裁判事であった泉徳治さんは、まず社会があり、社会の構成要素として家族があり、家族の中に個人があるという発想だ、個が見えない判決だ、個人の尊厳がまず最初に来るべきだというふうに批判をしていますけれども、本当にそのとおりだというふうに思います。
三原大臣にもお伺いをしたいというふうに思います。
人格権、人権保障は後回しにされていい問題ではないというふうに思います。選択的夫婦別姓を早期に実現して、二人とも人格的な利益、アイデンティティーを守られる制度をつくるべきだというふうに考えております。そして、憲法の個人の尊厳と本質的平等を実現するべきだというふうに思います。
三原大臣にお伺いしたいのは、夫婦同姓を義務づける今の制度の中で、九五%が夫の名字に妻が変えているという現実です。生まれ持った氏名に関する人格的利益を失い、夫との不平等状態に置かれるのは妻側だというのが大半の現実です。
今のままであれば、性別による不平等を固定化、再生産することにつながるのではないかというふうに思いますけれども、大臣の御見解を伺いたいと思います。

○三原国務大臣

委員御指摘のような思いをしていらっしゃる方がいるということは、私も一つの意見として受け止めたいと思います。
その上で、夫婦の氏に関する制度の在り方につきましては、国民の皆様の間に様々な議論、様々な立場からの御意見があり、より幅広い国民の皆様の理解を得る必要があると考えております。
引き続き、分かりやすい情報提供というものをしっかり取り組んで、夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方について国民の皆様の理解が深まるよう取り組んでまいりたいと思っています。

○本村伸子

人格権、人権の問題は、後回しされていい問題ではありません。
本来、一九九六年、法制審議会が選択的夫婦別姓の民法改正案要綱を答申し、二十九年になります。答申以降ずっと放置をされ続けています。個人が尊重されていない、人格的利益が失われている人たちが次々と生まれているのに、それを放置し続けております。
選択的夫婦別姓を早期に実現して、結婚する二人両方の人格的利益を守り、アイデンティティーを守り、個人の尊厳と本質的平等、個人の尊重を最も重視する、憲法の方向に政治を変えるべきだというふうに思います。大臣、いかがでしょうか。

○安住委員長

もう時間がとうに過ぎていますので、今の意見で終わってください。

○本村伸子

個人の尊厳が何よりも大切にされる法制度に変えることを強く求め、質問とさせていただきます。
ありがとうございました。

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