もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
国会質問

質問日:2024年 5月 8日 第213国会 法務委員会

未納事情も把握せず 永住権取り消し条文批判

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未納事情も把握せず 永住権取り消し条文批判 2024.5.8

議事録

○本村伸子

日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
まず、前回に引き続きまして、外国人技能実習生の失踪の問題についてお伺いをしたいと思います。
二〇二二年の失踪者は九千六人ですけれども、そのうち一番多いのは建設で、四千七百十七人ということで、五二%を占めております。また、二番目には農業ということで、九百四十八人、一一%ということになっております。
外国人技能実習生の失踪者、避難者ともいうんですけれども、が多い業種である建設、農業の所管省庁、国土交通省そして農水省は、原因、失踪された方々がどこに行ってしまったのかという点、そして対策について、まず、両副大臣にお伺いしたいと思います。

○堂故副大臣

お答えします。
技能実習生の失踪の主な原因としては、一部の実習実施者側の不適切な取扱いや、入国前に支払った費用を返済するために新たな就労先への転職を求めるなどの技能実習生側の経済的な事情となっており、具体的には様々な原因があると認識しています。
建設分野については、仕事の繁閑により報酬が変動し得る点や、現場ごとに就労場所が変わり、管理の目が行き届きにくい点などの業の特性が挙げられます。
このような特性を踏まえまして、国土交通省としては、建設分野独自の上乗せ措置により、処遇や職場環境の改善等を図っております。
例えば、月給制による安定的な賃金支払いの義務化、そして実習実施者の社会保険の加入状況が見える化される建設キャリアアップシステムへの登録の義務化、他分野より厳しい受入れ人数枠の
設定によるきめ細かい目配り確保に取り組んでいるところです。
さらに、出入国在留管理庁と連携して、失踪防止対策に係る企業の取組等の普及啓発に努めてまいりたいと思います。

○武村副大臣

お答え申し上げます。
農林水産省では、個別経営体からの相談などにより失踪を把握した場合には、可能な限り、同じ職場の技能実習生等へ聞き取りを行い、失踪理由を把握するように努めております。
失踪原因につきましては、明確に特定をすることが困難な面もありますが、実習実施者の不適切な対応や技能実習生側の事情によるものと聞いております。
また、入管庁からは、業種別、国籍別の失踪者数や失踪防止対策に係る周知啓発のリーフレット等が共有をされておりまして、これにつきましては、農業や漁業の業界団体等で構成される技能実習事業協議会を通じ、周知に努めているところです。
そのほか、失踪防止のために、技能実習事業協議会を通じた現状、課題の共有、また、相談窓口の設置や優良事例の収集、周知等の取組を行っているところでありまして、引き続き、外国人材が働きやすい環境の整備に向けて取り組んでまいります。

○本村伸子

まず、建設の問題でお伺いしたいんですけれども、先ほどおっしゃられた月額賃金ですとかキャリアアップシステム、これの登録義務化ということですけれども、これは二〇二〇年からやっているというふうに伺っておりますけれども、二〇二〇年から対策を行っているんですけれども、建設でいえば、二〇二〇年、二千六百九十三人の方々が失踪をされ、逃げていったということですけれども、二〇二二年には四千七百十七人というふうに増えております。
実際は、普及啓発とかではなくて、抜本的な対策が必要なのではないかというふうに考えますけれども、副大臣、いかがでしょうか。

 

○堂故副大臣

今お話ししましたように、地道な取組もしっかり続けていく必要があると考えています。
さらに、国土交通省としても、建設業を所管する立場から、受入れ企業に係る労働関係法令等の違反が認められる場合には、建設業法に基づき、必要な指導監督を行うなど、適切に対応してまいりたいと思います。

 

○本村伸子

地道にということですけれども、建設分野技能実習に関する事業協議会というところがございまして、ここで失踪者の問題についてもやっていくんだというふうにも聞いてきたわけですけれども、その議事内容なんかを見てみますと、一回目には半年に一回やりますというふうに書かれてございました。しかし、実際にこの事業協議会がやっていたのは、二〇一八年に一回、二〇一九年に一回、二〇二三年に一回、二〇二四年に一回というふうに、全く、半年に一回も開かれていないわけです。
ですから、やはり真剣さが足りなかったのではないかというふうに私は考えておりますけれども、そこら辺の反省というものはないんでしょうか。

○蒔苗政府参考人

お答え申し上げます。
今御指摘ございました事業協議会についてでございますが、コロナ等の影響もございまして、何年か開催されていない時期がございました。
第三回の開催が昨年三月に再開しておりますけれども、この際に、協議会のメンバーに業界団体の対象を大幅に拡大させたこと、他の分野においても開催頻度を定めることが一般的でなかったことを踏まえまして、設置要綱の見直しを行ってございます。
ただし、今御指摘ございましたように、今年度三月に開いてございます。また、議事概要の部分につきましては、一部、ホームページで分かりにくい表示になっておりましたので、そちらは今後改定したいと思ってございます。
今後も、少し連携を強めまして、先生御指摘の失踪問題について、きちっと国交省として対応してまいりたいと考えてございます。

 

○本村伸子

厚生労働省の資料でいいますと、技能実習の受入れ企業全体で監督指導実施事業場を増やしておりますけれども、違反率は七三・七%に増えております。その中で、建設分野というのは、違反率が八三・二%というふうに多いわけです。その次に多いのが農業ということで、やはり、労働法制を含めて、違反が多いというところから、失踪者が多い、あるいは監督にそこに入っていただくので増えるということもあるかというふうに思いますけれども、そういう関係になっております。
違反で多いのが割増し賃金。建設でいうと、一番多いのが割増し賃金、そして年次有給休暇、そして医師等からの意見聴取、これが多いということになっておりますけれども、まず、建設分野で避難をした、失踪をした技能実習生の声を聞いていただくということが非常に重要だというふうに思います。そして、技能実習生から相談を寄せられている技能実習機構ですとか、支援者ですとか、支援団体ですとか、そうした声を集めて、しっかりと分析、検証を行い、技能実習生が逃げなくてもいい、そういう職場環境を是非つくっていただきたいというふうに思いますけれども、副大臣、お願いしたいと思います。

 

○堂故副大臣

大変貴重な意見をいただいたと思います。しっかり検討させていただきたいと思います。

 

○本村伸子

技能実習生の人権侵害、悪質な事業者というのは、やはり建設業法で先ほども指導を強化するというふうに言っていただいたんですけれども、指導監督を強めるべきだというふうに思います。
人権侵害、悪質なケース、これは、賃金不払いもかなりの悪質な人権侵害ですから、悪質な場合は建設業としてももう許可をしないということも含めて厳しくやっていただきたいというふうに思います。
そして、そもそも重層的な下請構造がございます。そういう中で、発注者ですとか元請が安全衛生経費も含めてしっかりと下請単価を保障する、そういう責任も問うべきだというふうに考えますけれども、副大臣、いかがでしょうか。

○堂故副大臣

そのように思いますし、今度の国会では建設業法の改正も提出させていただいておりまして、外国人労働者だけでなくて、一次、二次、下請構造の改善も含めて取り組んでいきたいと思っています。

 

○本村伸子

是非、発注者、元請から是正をしていただきたいというふうに思っております。
次に、農業分野ですけれども、ここでもやはり失踪が相次いでおります。
厚生労働省の資料では、農業の労働法制の違反率は七四・七%ということで、建設に次いで高い数値となっております。
農業の場合で一番多い違反は賃金の支払いの違反ということは、結局不払いがあるというところだというふうに思いますけれども、そして次が年次有給休暇、そして安全基準ということになっております。
農業の分野でも、農業技能実習事業協議会は毎年一回やるというふうに言っていたんですけれども、ここも、二〇一八年に二回やった後、二〇二〇年に一回、二〇二二年に一回と、ここも、先ほど答弁があったんですけれども、真面目にやっていないというふうに思うんです。
失踪せざるを得ないような状況に関しまして、やはり真面目に改善しようということでやってこなかったのではないかというふうに私は考えておりますけれども、副大臣、いかがでしょうか。

 

○武村副大臣

お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、外国人材が働きやすい環境の整備に当たりましては、失踪に係る情報を適切に把握をし、取組に生かしていくことが重要であると考えております。
農水省といたしましては、今後、技能実習事業協議会を定期的に開催をするとともに、協議会のオブザーバーである入管庁や外国人技能実習機構等とも相談をし、失踪に係る情報の把握や失踪防止に向けた取組について更にどのような対応が可能か検討してまいります。
今先生御指摘をされました農業技能実習事業協議会につきましては、平成三十年に設置をして以来、毎年六月頃に開催することを基本とすることとしているものの、御指摘のとおり、定期的な開催がかなわず、これまで不定期に、計四回開催をしてきたところです。
一方で、公式な協議会の開催ではありませんが、協議会を構成する農業団体の担当者とは技能実習制度や特定技能制度による外国人材の受入れに関して恒常的に打合せを行っておりまして、こうした活動を通じまして、外国人材にとって働きやすい職場環境づくりを業界を挙げて取り組んでいるところです。
今後は、農業技能実習事業協議会による情報提供や農業団体との打合せを密に行うことにより、農業分野における失踪の防止に努めてまいります。

○本村伸子

農業の分野でいいますと、この法案では派遣を導入するという問題もございます。この失踪者が多いような現状では、とても派遣を導入できるような状況でもありませんし、そもそも私たちは、中間搾取がある派遣を導入するという
のは反対でございます。
先ほども副大臣からお話がありましたように、出入国在留管理庁、そして厚生労働省、技能実習機構、農水省と、農業で失踪した、避難をした技能実習生の声、そして支援者の声を共有し、そして、出入国在留管理庁が持っている、失踪した後に見つかった技能実習生の聴取票、これも分析をしていただいて、失踪しなくてもいい環境をつくっていただくためにも、農水省にももっともっと真面目に取り組んでいただきたいということを強く要請をしたいというふうに思います。
参考人質疑でも、この失踪者の問題については、失踪した技能実習生への救済措置を強化するべきだということを参考人からおっしゃっていただきました。
そこで、法務大臣にもお願いしたいんですけれども、やはり、失踪した技能実習生の方の救済措置、もう一度やり直すチャンスが得られるような、失踪せざるを得なかった労働環境の下で失踪したという方々も多いわけですから、是非、救済し、まともな職場で働けるようにするべきだというふうに考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。

○小泉国務大臣

技能実習生が実習先から失踪して不法残留状態となったり、また不法就労を行ったりした場合には、入管法の規定に従って厳正な対応を取ることが原則でありますが、他方で、技能実習生が失踪後間もなくして再度実習の再開を希望する場合等には、個別の事情次第で実習の再開を認める運用をしております。
この運用の中身ということだと思います、委員が御指摘なのは。
この現行の技能実習生制度でも、実習の継続が困難となった技能実習生に対しては、外国人技能実習機構が、実習先の変更の支援を行い、実習先の変更がなされるまでの間の保護を図るため、一時宿泊、宿泊先の提供等の支援を行っております。新しい育成就労制度においても、基本的にこうした対応は継続するということで考えております。

○本村伸子

是非、劣悪な環境から避難をした、逃げた技能実習生の方、これからは育成就労外国人ということになると思いますけれども、救済し、まともな職場で働けるようにするべきだというふうに考えております。
出入国在留管理庁も、そして技能実習機構も、人が足りない中で、やはり業として、厚生労働省もそうですし、国土交通省さんもそうですし、農水省さんもそうです、業を所管するところが真面目に、真剣にやっていただかなければ、深刻な人権侵害はそのままだということになってしまいますので、是非、強力に、逃げなくてもいい職場環境をつくるために尽くしていただきたいということを求めたいと思います。
この内容についてはこれで質問を終わらせていただきますので、御退席いただいても構いませんので、よろしくお願いいたします。

○武部委員長

それでは、両副大臣、御退席していただいて結構です。

○本村伸子

続きまして、永住許可の取消しの問題について質問をさせていただきたいと思います。
永住者の在り方等に係る検討については、ロードマップで、諸外国の制度も参考にすることが書かれていますが、どのような調査をし、諸外国の制度についてどのような議論をされてきたのか、お示しをいただきたいと思います。

○丸山政府参考人

お答え申し上げます。
令和四年の外国人との共生社会の実現に向けたロードマップにおきましては、永住許可後、永住を許可し続けることが必ずしも適切ではないと思われる事案について、諸外国の制度も参考にしつつ、永住許可の取消しの可否を含め、対応方針を確定する、永住許可後に永住許可要件を満たさなくなったと思われる事案などについて、永住許可の取消しを含めて対処できる仕組みの構築を検討するとされております。
法務省におきましては、従前より永住者の在留資格の在り方について検討を行っていたところ、先ほど申し上げたロードマップも踏まえ、一部自治体に対するヒアリング等のほか、諸外国の永住資格の取消し制度などについても必要な調査を行ってきたところです。そして、検討過程におきまして、取消しが永住者の地位に影響を与える、考慮すべきであるとの有識者の御意見が示されたところ、法務省としては、この懸念があることも踏まえまして、一部の悪質な場合に取り消すことができるとしつつ、その場合は、原則として他の在留資格に変更することとして、永住者の定着性に十分配慮するよう慎重に検討を行ってきたところでございます。

○本村伸子

諸外国の制度に関しましては検討をやってきたというふうにおっしゃったんですけれども、いつからどこでやってこられたんでしょうか。それは、法務大臣始め政務三役が入っていたのでしょうか。

 

○丸山政府参考人

お答え申し上げます。
永住許可制度の適正化につきましては、法務省において従前から検討を行ってきたところ、有識者から示された御意見のほか、諸外国の制度の調査結果や自治体からのヒアリング結果等も踏まえて、十分検討した上で、本法案として提出させていただいたところです。
そのため、法務省としては、本法案提出に当たりましては、諸外国の制度についても日々十分な検討を行ってきたところでございます。

○本村伸子

いつからやってきたんでしょうか。次長、お答えください。

○丸山政府参考人

申し上げます。
本日の理事会でも御説明させていただいた資料にも書いてございますが、従前よりこの件については検討しておりましたので、いつからというふうに限定的に申し上げることは困難ですが、従前より調査をしてきたところでございます。

○本村伸子

鎌田議員の求めに対して理事会に出した検討経緯というところには、諸外国の制度がいつからかということは書いてないわけです。
いつやってきたんだということを支援団体の方がずっと聞いても答えてこなかったわけですよ。情報を隠して結論だけ押しつけるというのは、民主主義に反します、国民主権にも反します。明確にしてください。なぜ隠してきたかも含めて、明確にしてください。

○丸山政府参考人

お答え申し上げます。
諸外国の調査については、いつからいつまでということではなくて、継続的に行ってきたことでございますので、従前より行ってきたと御説明させていただいております。

○本村伸子

支援団体の方がこれを何度も聞いても答えなかったというふうに聞いております。本当に不誠実な対応だというふうに思います。このことについても改めて抗議をしたいと思います。
諸外国の制度、どういう制度があるかという資料を全部出してください。

○丸山政府参考人

お答え申し上げます。
現時点で調査した内容を御報告いたしますと、米国では、適正に納税申告を行わない場合、永住権を失わせることを可能とる…………(本村委員「時間がないので資料を出してください」と呼ぶ)ちょっとまだ、後刻、中で調整して御報告いたします。

○本村伸子

支援団体の方々に対しても非常に不誠実な対応を出入国在留管理庁は行ってきたんです。こういう態度を是非是正をして、しっかりと情報は開示をする、大臣にこのことをお約束していただきたいと思います。
ほかのことでもいろいろあるんです。この前質問したことも、事前に教えていただければ、それを前提にまた質問できるということになりますけれども、事前に国会の方にも教えてもらえないと、私の方に教えてもらえないと、嫌がらせなのかなというふうにも少し感じているんですけれども、そういうことはやめていただきたいということを、大臣、お願いします。

○小泉国務大臣

適切な対応ができるよう努力したいと思います。

○本村伸子

外国人との共生社会の実現に向けたロードマップは、オープンな文書であるにもかかわらず、ロードマップに書かれている諸外国の制度、当事者が入った、議事録が残るところでなぜ議論をしなかったのでしょうか。

○丸山政府参考人

本件につきましては、ロードマップ等でも検討課題として掲げているところでございまして、その後、過去の政策懇談会においても御議論いただいたところでございます、そういったときの御指摘を踏まえて、法務省の中で日々検討してきたということでございます。

 

○本村伸子

人権に関わることは、やはり、当事者を含めて議論をする、対話をするというのが必要だというふうに思います。
永住者の方々が多く所属をされている団体の方々も、今回の永住権の取消しは突然だったというふうに言われております。人権に関わることは当事者からのヒアリングをする、政策決定に参画する、そういうことが必要なんじゃないかというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

○小泉国務大臣

先ほどの答弁と重なりますけれども、そういう点も含めて、適切な対応を図るよう努力したいと思います。

○本村伸子

是非、この永住権の取消しの問題は、立法事実が全く不十分だということも含めて、慎重な検討がされていない。そういう意味では、ここの部分は撤回をしていただきたいというふうに
思います。
先ほど次長の答弁の中で、子供さんの永住許可の申請に関する数字といたしまして、千八百二十五件の中で二百三十五件が公租公課の未納があったということですけれども、これについて、数字が独り歩きしてもいけませんので、質問をさせていただきたいと思います。
一人一人の未納の理由は何だったのか、つかんでおられますでしょうか。そして、いつからの調査なのか、いつ調査をしたのか、お示しをいただきたいと思います。国民健康保険料、国民健康保険税なのか介護保険料なのか、社会保険料なのか、日本国籍のある人たちとの違いはどうなのか、国税、地方税なのか、その点について伺いたいと思います。

○丸山政府参考人

申し上げます。
一度にたくさん御質問いただきましたので、できるだけちょっと、漏れていたらまた御指摘ください。
お答え申し上げます。
入管庁におきましては、永住者の子として出生したことにより本邦に在留することとなった外国人から永住者の在留資格の取得の申請がなされた際は、その許否判断のため、その者の永住が日本国の利益に合すると認められるかという要件として、その外国人を扶養する永住者の公租公課の支払いを含む公的義務の履行状況を審査しており、永住許可制度の在り方を検討するに当たって、その審査結果を調査することとしたものです。
調査対象は、昨年の令和五年一月から六月までに処分結果が出たものを対象に調査いたしました。
したがいまして、入管庁は、永住許可するか否かに当たり、その要件である公的義務を果たしているかどうかを、納税証明書などの提出があるかどうかなどの観点から審査をしているため、公租公課の不払いの者について、その経緯や理由の調査までは行っていないところでございます。
こういった場合、永住許可のガイドラインでも示していますとおり、通常、税金のほか、公的な医療保険でございますとか、公的な年金制度への支払い状況について確認をさせていただいているところでございます。

○本村伸子

国民健康保険料なのか、国民年金なのか厚生年金なのか、介護保険料なのか、国税なのか地方税なのか、明確にお答えください○丸山政府参考人 お答え申し上げます。
数字につきましては、取り急ぎ、現在手元で持っている数字を申し上げさせていただきますので、その点については御了承いただければと思います。
今回、二百三十五件の内訳でございます。お一人で複数未納がございます方もありますので、合計が二百三十五になりませんのを前提でお聞きください。
住民税に係る未納が三十一件、国民健康保険に係る未納が十五件、国民年金に係る未納が二百十三件、そのほかが四件となっているところでございます。

○本村伸子

それぞれの未納の理由というのは、つかんでいないということです。
先ほども鎌田議員から御質問がありましたように、督促なんかは行われているのかということも分からないという御答弁でした。
上記答弁の、今言われた答弁の根拠資料を全てこの委員会に提出をしていただきたいと思いますけれども、お願いいたします。次長。

○丸山政府参考人

お答え申し上げます。
まず、いわば個人情報でございますので、私どもとしては、なかなか提出は難しいというふうに考えておりますが、また委員会で御判断いただければと思っております。

○本村伸子

後で根拠資料をこの委員会に提出をさせてください。委員長、お願いいたします。

○武部委員長

理事会にて協議いたします。

○本村伸子

一人一人の事情も把握せずに数字だけで見るのは非常に乱暴であり、危険だというふうに思います。新たな人権侵害を誘発してしまう、そういうおそれもあります。先ほどの答弁の根拠資料については、必ず提出をしていただきたいというふうに思っております。
立法事実に関わりまして、育成就労制度等によって、永住につながる労働者がどうやって大幅に増えることが予想されているのかという点を大臣にお伺いしたいというふうに思います。

○小泉国務大臣

育成就労制度は、未熟練労働者を受け入れて、人手不足分野における特定技能一号への移行に向けた人材育成を目指すものであります。そのため、育成就労から特定技能一号に移行し、また、その後、特定技能二号等を経て、中長期的には永住許可を受ける外国人が増加し得ると考えているところでございます。

○本村伸子

今の御答弁なんですけれども、育成就労期間の三年、そして特定技能の一号の五年、これは永住許可に必要な就労期間には入りません。ですから、そこから五年は必ず働かないと永住許可というものはなく、そして、しっかりと税金や社会保険料を払っていなければ許可は得られないという厳しい状況になっております。
やはり立法事実というのがかなり不十分だというふうに思っております。
今、三年、五年とありましたけれども、急速に永住許可が増えるわけではないということが明らかでありまして、立法事実を慎重に検討してほしいんだということを、今日、在日本大韓民国民団中央本部の団長の声明も資料として出させていただいているんですけれども、やはり立法事実の有無等を慎重に検討するべきだというふうな御意見もございます。まだ十分期間があるわけですから、これを一回取り下げてやり直すべきじゃないですか、大臣。

○武部委員長

申合せの時間が経過しておりますので、答弁は簡潔にお願いします。

○小泉国務大臣

事務局からるる御説明しましたように、一定の期間の、一定の経過を経て、これまで様々な調査も行い、また様々な方々の意見も、地方自治体の意見も伺い、ここまで法案を作ってまいりましたので、是非、御理解をいただきたいと思います。

○本村伸子

当事者の声を聞くべきだということを強く求め、質問を終わらせていただきます。

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