もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
国会質問

質問日:2024年 4月 24日 第213国会 法務委員会

相次ぐ技能実習生の「失踪」

 
相次ぐ技能実習生の「失踪」(避難の場合も多々あります) 
 
4月24日の衆院法務委員会で、入管法・技能実習法改定案について、法改定の前提として、現行制度の下で相次ぐ外国人技能実習生の失踪の実態を調査・分析して開示するよう迫りました。
 
 失踪者は2022年に9006人に上ります。
 失踪者を出し、実地検査を受けた外国人受け入れ機関の数と、法令違反の状況をただしました。
 
 出入国在留管理庁の丸山秀治次長は、行方不明の届け出を受けて行った実地検査数は20年5524件、21年6444件、22年6969件だと説明。
 法令違反数は20年1623件、21年2153件、22年2413件だと述べました。
 また、実地検査の結果、技能実習計画の認定が取り消された機関は20~22年の3年間で「1機関」のみと答弁・・・。
 労働局への通報件数は2022年に2559件だったと明かしました。
 
 「失踪」の実態や原因は明らかになっておらず、「失踪」後に見つかった実習生から給与、労働条件などを聞き取った「聴取票」を示すよう求めました。
 
 丸山次長は、聴取件数や、失踪後に見つかった実習生数について「集計は行っていない」と述べるだけ。小泉龍司法相は「プライバシーもあるので公表は難しい」と開示を拒否しました。
 
 2018年に聴取票が開示され、国会議員が書き写して集計したことで実習生2870人の3分の2が最低賃金未満で働いている実態が発覚したと指摘。
 
 最賃未満は22人だと説明していた政府のうそが明らかになったとして、1次資料である聴取票の開示が必要だと重ねて求めました。
 
(「しんぶん赤旗」2024年4月25日付記事を加工)
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0:01 / 32:36 入管法改定の前提 相次ぐ失踪調査せよ 2024.4.24

議事録

○本村伸子

日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
まず、現状の問題について質問をさせていただきたいと思います。
技能実習生の失踪者数は、二〇二二年、九千六人に増えております。失踪者が多い分野は、建築、建設、そして農業というふうになっておりますけれども、それぞれの分野でなぜ失踪者が相次いでいるのか、失踪した実習生はどこで何をしているのか、命を落としていないのか、調査分析が必要だということで、四月十六日の衆議院本会議で質問をさせていただきました。
そのときに、岸田総理は、技能実習生が失踪した場合には、速やかに受入れ機関に対して実地検査を実施するなど、失踪の実態や原因の調査に努めているというふうに答弁されました。
そこで、お伺いをいたします。
この間三年間のことでお答えをいただきたいというふうに思いますけれども、外国人技能実習機構が実地検査をした失踪者を出した受入れ機関の数についてお示しをいただきたいと思います。大臣。

○丸山政府参考人

まずは事務当局から御答弁させていただきます。
委員のお尋ねが、失踪者を出した受入れ機関のうち、外国人技能実習機構が実地検査した受入れ機関数という御趣旨であれば、これを集計することはしておりませんが、他方で、外国人技能実習機構では、それが失踪者であるか否かを問わず、行方不明を理由として提出された技能実習実施困難時届を基に、受入れ機関単位で実施した実地検査の状況は集計しております。
この集計によりますれば、実地検査の実施状況等の把握や進行管理に用いるために行っているも
のであり、日々、記録、数値が更新されるところではございますが、検査数を現時点の速報値で申し上げますと、二〇二〇年分については五千五百二十四件、二〇二一年分につきましては六千四百四十四件、二〇二二年は六千九百六十九件となってございます。
失踪に関する調査につきましては、他の調査との兼ね合いなどから、必要性等を勘案して順次対応しているところであり、失踪が発生した全ての受入れ機関に対して、実地検査を行えているわけではございませんが、届出受理後、速やかに賃金台帳等の客観的資料を入手いたしており、未着手の事案はなく、行方不明の発生後の初動調査において必要な措置は講じているものと認識しております。

○本村伸子

これは質問しないと出てこなかったんですよね。以前、この数字を出してほしいということを申し上げましたら、失踪者ということで集計は行っていないため提出することができないということですけれども、行方不明は二〇二二年で六千九百四十六件、実地検査をしている。
私が聞いたのは、失踪者を出した受入れ企業の実地検査は、二〇二二年は全部はやっていないというようなお答えもあったんですけれども、もう一度整理してお願いしたいと思います。
行方不明者と失踪者の違いも含めてお答えをいただきたいと思います。

○丸山政府参考人

お答え申し上げます。
申し訳ございません。以前の説明がちょっと不十分な点があったかとは存じます。
私どもで集計した九千六人、先ほど先生御指摘しました、あくまで入管の方で失踪者ということで集計をさせていただいたものでございます。
機構の方で行方不明者という言い方をしておりますのは、実は、皆さん、企業さんの方から基本的に報告が参りますので、企業から見て行方が分からないという方たちの連絡が来ることになってございます。
その中には、入国予定だったけれども入国していないというような形、例えば本国の方とも連絡がつかなくなっているような方も含めて行方不明という形で企業から報告が、一部、前のものを含めてカウントしているところがございますので、委員お尋ねの、正確な数字が出ないのですけれども、近い数字として申し上げたということでございます。
また、先ほど実地検査数で、準備としましては、失踪事案、行方不明事案がございましたら、賃金台帳等の取り寄せをして何か問題がないかどうかということをまず確認し、その上で実地検査を順次実施しているという順番となってございます。

○本村伸子

それでは、もう一つお伺いしたいんですけれども、失踪者を出した受入れ機関を実地検査した結果の法令違反等の状況についてお示しをいただきたいと思います。

○丸山政府参考人

お答え申し上げます。
先ほど申し上げた実地検査数に対応するものとしての数値を申し上げます。
二〇二〇年分につきましては、検査数五千五百二十四件のうち違反事実を確認したものが一千六百二十三件、二〇二一年の検査数六千四百四十四件のうち法令違反を確認したものが二千百五十三件、二〇二二年の検査数六千九百六十九件のうち違反事実を確認したものが二千四百十三件となっております。
○本村委員 これは行方不明の方ということですから、例えば六千九百四十六件でいいますと、失踪者の九千六人とはどういう関係にあるのか、お示しをいただきたいと思います。

○丸山政府参考人

申し上げます。
先ほど申し上げたのは、あくまで検査を行った件数でございます。そして、委員御指摘の九千六人というのは個々の実習生の方の類型でございまして、一つの機関から複数の方が所在不明になっている方もいらっしゃったりするものですから、そうすると幾らか差は出てこようかとは思っております。

○本村伸子

失踪者数が九千六人ということですから、これに対してしっかりと集計を取っていく必要があるというふうに思っております。
やはり、こういう数字、しっかりとつかんでおかなければ、法務省出入国在留管理庁は機構の方にいろいろな業務を委託をしているというふうに思いますけれども、そこがしっかりと役割を果たしているのかということを法務大臣としてもチェックができないというふうに考えますけれども、大臣、どういうふうにお考えでしょうか。

 

○小泉国務大臣

それぞれ立場において職責を果たしていただいていると思いますが、なお至らない点がないかどうか、これはチェックしたいと思
います。

○本村伸子

それで、例えば日本とベトナムとの二国間協定、協力覚書を見させていただきますと、これは法務省、外務省、厚生労働省、そしてベトナムの労働・傷病兵・社会問題省というところで二国間で協力覚書をしているんですけれども、ここで、生じる問題の解決ということで、失踪した技能実習生、この問題を解決するというふうに書いてありまして、日本の省の責務ということで、ベトナムの技能実習生が日本に滞在する間、技能実習生の権利と正当な利益を保護することというふうに書かれておりまして、やはり失踪した技能実習生の実態などをしっかりと調査をしなければ、集計もしっかりとしなければ解決はできないんじゃないですか。大臣、いかがでしょうか。

○小泉国務大臣

正確な計数の把握は大事なことであると思います。しかし、それはそれとして、また、二国間取決めを含めて、今回我々も新しい取組を始めますので、これをしっかりとやり遂げたいと思います。

○本村伸子

それで、岸田総理は、技能実習生が失踪した場合には、速やかに受入れ機関に対して実地検査を実施するなど、失踪の実態や原因の調査に努めているというふうに答弁をいたしましたけれども、その失踪者に関して、集計もしていないというのに、なぜ速やかにやったということが分かるのか、そして、実地検査を実施したというふうに分かるのか、そして、失踪の実態、原因調査がなぜ分かるんでしょうか、集計もしていないのに。

○丸山政府参考人

お答え申し上げます。
まず、スタート地点としまして、九千六人なりの失踪届人数と申し上げている数と、機構の方で行方不明としてカウントしている方、ほとんどかなり重なっているという実情がございます。
その上で、先ほど申し上げた件数につきましても、進捗を管理する観点から集計をしたものをお答えさせていただいております。ですので、まずは、賃金台帳等の取り寄せは全て着手している、そのうちの、先ほど申し上げた、一定程度、案件については実地の検査も終了しているということを御説明させていただいております。

○本村伸子

それに対して、先ほど法令違反のことを申し上げましたけれども、じゃ、どういう違反があったのかということを具体的におっしゃっていただければというふうに思っております。違反の状況、何法違反とか、賃金とか。

○丸山政府参考人

お答え申し上げます。
先ほど申し上げました違反件数は、いずれも技能実習法令違反の件数ではございますが、あくまで検査等の進捗状況を整理するものとして集計している関係もございまして、実数以上の詳細の違反内容については集計をしておりません。

○本村伸子

そうしますと、失踪の実態、原因の調査に努めているというふうに総理はおっしゃったんですけれども、そこができていないということになるんじゃないですか、大臣。

○小泉国務大臣

集計の数字は、先ほど御説明したとおり、改善の余地があるかもしれませんけれども、業務の進行を管理するための書類、これはしっかり作って、それによって業務フローが動いているというふうに私は認識をしております。

○丸山政府参考人

申し訳ございません。
お答え申し上げます。
参考となる数字ということで御説明させていただくわけでございますが、失踪に関する実地検査の結果に限ったものではございませんが、令和四年度に外国人技能実習機構が実地検査において指摘した主な違反事由は、延べ一万四千九百九十七件であり、多いものとしましては、軽微変更届出を適正に提出していなかったものが三千百五十八件、二一・一%、宿泊施設の不備、これにつきましては、私有物収納設備でございますとか消火設備等の不備等に関するものが二千二百十七件、一四・八%、残業代が適切に支払われていなかったものが一千四百六十五件、九・八%になっているところでございます。

○本村伸子

そういう中で失踪者が出ている状況は、どういうところにあるのかということを分析していただきたいわけです。失踪者を出した受入れ機関やブローカーなどへの対応、行政処分などについてもお示しをいただきたいと思います。

○丸山政府参考人

お答え申し上げます。
外国人技能実習機構におきまして実施した実地検査の状況等のうち、失踪に関する実地検査を行った結果、技能実習計画の認定が取り消された受入れ機関は、二〇二〇年から二〇二二年までの三年間において一機関となっているところでございます。

○本村伸子

一機関ということで、失踪で計画の取消しがあった。だから、そのまま続いているということが大多数であるというふうに思います。
それで、以前、失踪者を出した受入れ機関やブローカーなどへの対応、行政処分などをお示しくださいということを申し上げましたところ、法務省の出入国在留管理庁が文書で下さったわけですけれども、そこでは、法令違反が判明した受入れ機関やブローカーについては、行政処分等や関係機関への通報など、必要な措置を講じていますというふうに書かれておりました。
そうしますと、その通報をしたというのは、どこの府省庁に、どこの関係機関に、それぞれ何件通報したのか、お示しをいただきたいと思います。

○武部委員長

速記を止めてください。

〔速記中止〕

○武部委員長

速記を起こしてください。丸山次長。

○丸山政府参考人

申し訳ございません。
お答え申し上げます。
技能実習に関しまして、技能実習機構から労働局の方に通報した件数でございますが、令和四年が二千五百五十九件という数字がございます。

○本村伸子

法令違反が、労働局の方に行ったことが一番多いということです。
それで、失踪した後、見つかった技能実習生から、元技能実習生も含むわけですけれども、個別に給料ですとか労働条件など、事情を聞き取った聴取票があるというふうに思いますけれども、その実態をお示しをいただきたいと思います。

○丸山政府参考人

お答え申し上げます。
入管庁におきましては、失踪技能実習生を認知した場合に、必要に応じて、不適正な受入れ機関に対する調査、処分等や、関係機関に通報といった対応をすることを目的として、入国審査官が失踪動機などを聴取することとしております。
その聴取結果は、失踪技能実習生本人からの一面的な情報であり、裏づけのある情報ではないことなどを踏まえ、集計することは行っていないため、聴取件数等についてのお答えは困難でございます。

 

○本村伸子

これについては集計を行っていないということで、失踪の後、見つかった技能実習生の聴取票というのは、取られているとは思うんですけれども、集計はされていないということです。
これについては、じゃ、聞き取った聴取票の人数はどのくらいかという点、お示しをいただきたいと思います。何人かということ。

○丸山政府参考人

お答え申し上げます。
先ほど申し上げたとおり、聴取した人数等についても集計は行っておりません。

○本村伸子

これは、それさえやっていないということで、この点も前から提出できませんというふうに言われていたんですけれども、人数さえ教えてもらえないと。
では、失踪した後、見つかった人数は何人でしょうか。

○丸山政府参考人

お答え申し上げます。
今お尋ねがございました数値につきましても集計は行っておりません。

○本村伸子

大臣にもう一回お伺いしたいんですけれども、二国間の協力覚書のところで、ベトナムに約束したんですよね、失踪者の問題を解決していくんだ、保護を図っていくんだということを約束したんだというふうに思うんですけれども、これで保護が本当に図れるんですか。

○小泉国務大臣

失踪者の問題については、日本で問題が起こったときに、ベトナム側にこれを通報し、ベトナムの送り出し機関に問題があればベトナム政府からケアをしてもらう、そういうやり方で進んできています。
ただ、今回は、新たにMOCを結び直して、その結んだ国、当事国しか受け入れないという制約もつけまして一段と厳しいものにしていこう、そういうことを踏まえた約束になっておりますので、我々はしっかりとその約束を誠実に履行していきたいと思いますし、履行できると思っています。

○本村伸子

でも、失踪者の数というのは増えているわけです。もちろん、コロナということがございましたけれども、直近の三年間を見てみましても右肩上がりで、コロナというのもあったんですけれども、増えているわけでございます。ですから、対策は全く不十分です。
失踪した外国人技能実習生の聴取票というのは、過去、私たち野党が要求をいたしまして、今日、その一部、本当にこの重いファイルが何ファイルもございまして、何分冊もありまして、私たち野党の法務委員のメンバーや野党の有志の皆さんが全て書き写して、その写しがここにあるわけです。失踪した技能実習生の一面的な声なんだということなんですけれども、しかし、そういう労働者の
声に耳を傾けなかったらどうやって改善していくのかということでございます。
例えば、ベトナムの、このときの、当時の聴取票、個票ですけれども、ベトナム男性、とび、失踪した理由について、低賃金というふうに書かれております。そして、送り出し機関に払った金額は百二十万、そして、借金の借入れは親族に百二十万、そして、最初、月額給与は二十万だと母国で入国前に説明があったんですけれども、実際には十万であった。そういう実態がこの聴取票で分かるわけですよ。
ですから、この表をいま一度、この法案審議に当たっても出していただきたいというふうに思いますけれども、大臣、是非お願いしたいと思います。

○小泉国務大臣

その聴取票は、法務省においても、もちろん担当者も含めて見ているわけです、しっかり。そして、そこから様々な政策示唆を受けていると思います。ただ、その聴取票そのものは、技能実習生、その方個人に関する情報そのものでありますから、プライバシーそのものでありますので、生の聴取票を公表するということは難しいということは御理解をいただきたいというふうに思います。聴取票の中身は法務省も見ております。

○本村伸子

見ていると言っても、さっき、取りまとめていないのに、大臣はどうやって見たんですか。

○小泉国務大臣

数は集計していないと言っているわけです。現物はありますから、現物を見ていますよね。

○丸山政府参考人

申し訳ございません。
ちょっと説明が不足しているところがあるかと思いますので、補足させていただきます。
委員お尋ねの聴取票につきましては、平成三十年法改正のとき、いろいろ御議論いただいたところでございますが、その後、全て調査をしてきまして、あくまで聴取票については問題事例等を把握するものとして御利用させていただいておりますので、入国審査官が聴取した中で特に問題があると思われるものについては、技能実習機構とも情報を共有し、機構単独あるいは入管庁とともに調査を行うというふうに行われているところでございまして、入手した情報を活用していない、見ていないということではございませんので、その点はちょっと補足させてください。

○本村伸子

失踪した後、見つかった技能実習生の人数についても、私たち国会議員にも知らせてもらえない、そういう中で審議をしなければいけないということでございます。
聴取票を是非見せていただきたいというふうに考えておりますのは、以前、聴取票を出していただく前に、失踪した外国人、技能実習生の二千八百七十人分あったんですけれども、そのときに出入国在留管理庁、法務省は最低賃金未満で働いていた人は二十二人だというふうにおっしゃっていたんです。しかし、これをみんなで写して調査してみたら、三分の二が最低賃金以下だったということが分かったわけです。
ですから、政府のいろいろな数字が出てくるわけですけれども、その基になる一次データが大切だからこそ見せていただきたいというふうに申し上げているので、こういう過去の事例もあったものですから、是非、今回も見せていただきたいというふうに思います。いかがでしょうか。

○小泉国務大臣

個別票を公表しますと、やはり当事者の方々にとっては、自分の生の個人情報が出ていきますので、今後、我々がそういう聴取票をいただきたいと言っても、いや、それは無理ですと。皆さん、警戒をして、もう本当のことを言ってくれなくなる、そういうリスクは非常に大きいと思います。我々はそこを考えているわけです。

○丸山政府参考人

申し訳ございません。
若干補足させていただきますと、委員御指摘のお話は、恐らく、当時の法務委員の先生方が聴取票を写されて、集計された結果を御報告された数字だと思いますけれども、あくまで聴取者本人がおっしゃった金額、これも、手取りなのか、控除額を含む、含まないとか、ほとんど言い値しか書いてございません、裏取りができておりません。
その後、私どもの方で裏取りの調査を翌年三月にかけてやった報告書は提出させていただいているところでございますが、それによりますれば、最低賃金違反事件というのは、人数は五十八人というような数字が確認できているところでございます。

○本村伸子

ちゃんと労働時間等も含めて割らなければならないというふうに思いますので、そういう点についても調査をするために一次資料を出していただきたいというふうに思います。
続きまして、失踪した後に死亡したことが分かった技能実習生の方々の数をお示しをいただきたいと思います。

○丸山政府参考人

お答え申し上げます。
お尋ねの件につきましては、失踪後の状況ということもございますので、数値として集計していくことは困難でございます。
他方で、技能実習生の技能実習期間中に発生した死亡事案につきましては把握しており、各年ごとに集計しております。令和二年から四年における死亡事案の件数につきましては、令和二年は五十三件、令和三年は四十八件、令和四年は三十八件の、合計、三年間で百三十九件となっております。

○本村伸子

それは、失踪した後の人数ではなくて、技能実習生の方が亡くなったということですね。それの中の労災の数を教えてください。

○丸山政府参考人

お答え申し上げます。
現在、手元で持っている数字で御紹介できますのは、そのうち実習中の事故死というものが十一件という数字を手元に今持っているところでございます。(本村委員「三年間で」と呼ぶ)三年間でございます。

○本村伸子

では、後で死因について教えていただきたいというふうに思います。
失踪した後、亡くなっていないのかという点に関して、私は非常に心配なわけです。今、人身売買ですとか、臓器売買されたのではないかを含んで、非常に失踪された方が心配になるわけですけれども、大臣はそういうお気持ちはないんでしょうか。

○小泉国務大臣

それは、お一人でも無事でいてほしい、とにかくできるだけ大勢の方に無事でいてほしい、無事で生きていていただきたい、生活していただきたい、その思いは本村委員と変わらないと思います。

○本村伸子

それで、外国人の方が亡くなったと分かったときに、警察ですとかいろいろなところから出入国在留管理庁に知らせがあるというふうに思いますけれども、そういう点からも集計はできないでしょうか。

○丸山政府参考人

お答え申し上げます。
日本でお亡くなりになった外国人の方につきましては、市町村への届出等がございまして、その結果として私どもで把握できる数字はございますけれども、お尋ねの、実習生の方が失踪後お亡くなりになったかを正確に把握することはなかなか困難でございます。

○本村伸子

後でまた、警察から亡くなった方のお知らせ等がございましたその数、人数についてお示しをいただきたいと思います。次長、お願いします。

○丸山政府参考人

お答え申し上げます。
どういう数字がお出しできるか、ちょっと帰ってまた検討させていただければと思います。

○本村伸子

もう一つお伺いをしたいんですけれども、失踪者が多い業種というものがございます。建設業、そして農業ということになりますけれども、これは、以前から私、国土交通委員をやっていたときから、国土交通省を挙げて、業としてしっかりとやってほしいんだということも申し上げてまいりました。そして、農水省に関しても、前にいろいろ聞き取りを行ったんですけれども、余り関心を持っておられるとは思えなかったわけです。
国交省や農水省と、失踪者を減らす対策についてこれまでどういうことをやってきたのかという点、お示しをいただきたいと思います。

○丸山政府参考人

お答え申し上げます。
法務省におきましては、技能実習法に基づく事業協議会などの機会を捉えて、建設や農業を所管している関係省庁等に対して、職種別の失踪技能実習生に係る情報提供や失踪防止対策に係る周知啓発などの取組を行ってきております。
先日も、入管庁におきまして、失踪防止対策に対する取組として、新たにリーフレットを作成し、入管庁ホームページに公表した上で、国土交通省や農林水産省を含む業所管省庁に対し、周知啓発の依頼を行ったところでございます。

○本村伸子

失踪者の数が減らないということで、これは受入れ企業だけの問題ではないというふうに思っております。最上位の企業が下請単価や取引価格を引き下げたり制限する中で低賃金という構造ができているわけですから、ここの根本を正さないといけないというふうに思っております。
そして、今日は厚生労働副大臣にも来ていただいたので、機構についてお伺いをしたいというふうに思います。
外国人技能実習機構及び外国人育成就労機構は、相談に乗るわけですけれども、私も名古屋の事務
所に行ったことがあるんですけれども、とても外国人の方が相談しやすい場所ではありませんでした。
相談しやすい場所にすること、SNSでも相談しやすい場所にしていくべきだというふうに考えます。また、専門性のある職員の増員が本当に必要ですし、そのための職員の育成が必要だというふうに思いますけれども、そして転籍先が見つかるまで生活保障を是非やっていただきたいというふうに思いますけれども、厚生労働副大臣、お願いしたいと思います。

○武部委員長

申合せの時間が来ておりますので、答弁は簡潔にお願いします。

○宮﨑副大臣

まず、現行の技能実習制度における相談の体制でございますが、母国語相談対応ということで八か国語で対応しております。
電話、メール、それとあとオンラインの通話もしております。これはフリーダイヤルで受けるようにしておりまして、機構本部で一元的に無料で相談を受けるような形にしております。
また、全国十三か所、地方事務所、支所がございますので、御来所いただいた場合には対面での相談にも対応しておりまして、この場合、言語についても、もしその支所に人がいなければ、電話で通訳をしっかりできるような体制を活用しているところでございます。
また、相談の質ということでありますが、毎年度、本部及び各地方事務所の職員に研修を実施をさせていただいているところでございまして、これを育成就労制度に移行した場合に改組してまいりますので、その中でしっかりとした対応をしていきたいと思っているところでございます。
また、もう一点、生活保障の御指摘もございました。今、技能実習法の五十一条で、連絡調整その他必要な措置を講ずるということになっておりまして、この必要な措置の中には、先生が御指摘になったような、次の実習先のあっせんだけではなくて、次の実習先が確保されるまでの間の宿泊先の確保や日常生活に必要な費用の支援ということも含まれております。
育成就労制度に移行した場合には、現行制度も踏まえつつ、関係者の御意見を聞きながら定めてまいりたいと思っております。

○本村伸子

是非、見つかるまでの生活保障も充実をさせていただきたいということを強く求め、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。

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