\結婚の自由をすべての人に!衆議院法務委員会で質問/
\犯罪被害者支援を事実婚・同性カップルも対象にするべき!/
3月27日衆院法務委員会で、同性同士の結婚を認めない現行制度を憲法違反とした札幌高裁判決を受け、政治の責任で「結婚の平等」を保障する制度を早期に実現するよう求めました。
札幌高裁判決の指摘をふまえ「同性を好きになることは、本人の意思で変えられるか」と質問。
小泉龍司法相は、同判決の「性的指向は、人生の初期か出生前に決定され、選択するものではない」などの記述をあげ「私も深く認識している」と答えました。
札幌高裁判決は、現行制度が「法の下の平等」を定めた憲法14条だけでなく、婚姻の自由を保障した同24条1項と2項に反すると初めて判断しました。
「判決は、同性愛の方が存在意義を失う喪失感にさいなまれていると指摘した」として「個人の尊厳に関わる問題であり、喪失感を一刻も早く政治の責任でなくさなければならない」と強調。「対策を急いで講じる必要がある」とした判決の付言も示し、制度改善の必要性をただしました。
小泉法相は「さまざまな意見があり国民のコンセンサスが得られるよう力を尽くす」と答弁。
さらに“圧倒的多数派の異性愛者の理解・許容がなければ婚姻による法的効果を受け得ないのは、同性愛者の保護が異性愛者に比べあまりに欠ける”とした札幌地裁判決を示し「異性愛者の許容がなければ、同性愛者の尊厳は認められないのか」と迫りました。
小泉法務大臣は「人権を正面から否定する方はいない」と述べるだけでした。
当事者からの聞き取りなど実態調査の実施を要求。
小泉法務大臣は「適切に判断する」と述べました。
「適切」だったらやりますよね!!!!!
3月26日の衆院法務委員会では、今国会に提出されている総合法律支援法の支援の対象が犯罪被害者の法律婚の配偶者、家族に限られていることを指摘し、「事実婚や同性のカップルも支援の対象者にするべきだ」と求めました。
小泉龍司法務大臣は、今回の改正では援助の対象外としつつも「不断の検討を行っていく。事実婚の状態にある方々への声に真摯に耳を傾け、議論を踏まえ、必要な検討を行っていく」と答弁しました。
26日、最高裁は、パートナーが同性であることを理由に犯罪被害者給付金が支給されなかった男性が、決定の取消しを求め、愛知県を訴えていた裁判で、同性カップルは法律の婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者に含まれるという初の判断を下しました。
翌27日の衆院法務委員会でも「最高裁は、同性カップルも法律婚のカップルと同様の生活をしているということを認めている」と指摘し、重ねて、事実婚や同性のカップルを今回の法テラスの犯罪被害者支援の対象にすることを強く求めました。
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質問の映像へのリンク
議事録
◆もとむら伸子
日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
結婚の自由を全ての人に保障すること、そして、同性愛の方々の個人の尊厳を保障する立場で質問をさせていただきたいと思います。
昨日、最高裁で、二十年間一緒に暮らしたパートナーが殺害をされるという本当につらいことがあったときに、そのパートナーが同性であることを理由に犯罪被害者給付金が支給されなかった男性が、決定の取消しを求め、愛知県を訴えていた裁判で、同性カップルは法律の婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者に含まれるという初の判断がなされました。そして、名古屋高等裁判所に差戻しということになりました。
ちょうど昨日、この委員会で私、この国会に出されている犯罪被害者支援のための総合法律支援法の改定案で、事実婚のカップルとか同性カップル、対象外になっている問題を質問させていただきました。この最高裁の判断では、同性カップルも法律婚のカップルと同様の生活をしているのだということを認めているということを着目しないといけない、この点、大事な点だというふうに思っております。
改めて、事実婚カップル、同性カップルを今回の法テラスの犯罪被害者支援の対象にすることを冒頭強く求めたいと思います。昨日の最高裁の判決を受けて、これを求めておきたいと思います。
さて、結婚の平等の保障に関しまして、三月十四日、結婚の自由を全ての人に保障することを求める裁判で、札幌高等裁判所が判決を出しました。私たちはこの判決から様々学ばなければならないというふうに考えております。
そこで、同性の方を愛するということに関し、
判決では大事な指摘がございます。札幌高等裁判所の判決の中で、性的指向に関しての判決の部分、資料にも出させていただいておりますけれども、判決十二ページ八行目から十三ページ七行目、最高裁にお示しをいただきたいと思います。
◆福田最高裁判所行政局長
委員御指摘の部分、判決文十二ページ八行目から十三ページ七行目までを読み上げます。
性的指向とは、人が情緒的、感情的、性的な 意味で、人に対して魅力を感じることであり、 このような恋愛、性愛の対象が異性に対して向 くことが異性愛、同性に向くことが同性愛であ る。性的指向が決定される原因、又は同性愛と なる原因は解明されておらず、遺伝的要因、生 育環境等複数の要因が組み合わさって作用して いる可能性が指摘されているが、精神医学に関 わる大部分の専門家団体は、ほとんどの人の場 合、性的指向は、人生の初期か出生前に決定さ れ、選択するものではないとしており、心理学 の主たる見解も、性的指向は意思で選ぶもので も、意思により変えられるものでもないとして いる。性的指向が障害や疾患の一つであるとい う考えは受け入れられなくなった(認定事実( 一)ア)。
以上のような性的指向の性質を踏まえると、 人は生物学的に男か女かのどちらかで出生する けれども、どちらであっても、生物学的な機能 の存在とは別に性的指向を有することがあるの だから、異性を愛する場合と同性を愛する場合 を比べると、生まれながらの指向の違いがある にすぎないといえる。そうすると、恋愛や性愛 は個人の尊重における重要な一要素であり、こ れに係る性的指向は、生来備わる人としてのア イデンティティであるのだから、個人の尊重に 係わる法令上の保護は、異性愛者が受けている のであれば、同性愛者も同様に享受されるべき である。したがって、性的指向は、重要な法的 利益であるということができる。なお、同性愛 のみならず、対象が異性と同性の双方の場合、 自身の性を自認できない場合なども同じように 考えることができるが、本件では、控訴人らの 主張に基づき、同性愛と異性愛、同性婚と異性 婚について検討する。
以上のとおり、性的指向は生来備わる性向で あり、社会的には異性愛者と同性愛者それぞれ取扱いを変える本質的な理由がないといえ、 同時に、その個人からみれば、人が個人として 尊重される基礎であり、その個人の人格の象徴 であって、人格権の一内容を構成し得るものと いうべきである。
このように記載されております。
◆もとむら伸子
ありがとうございます。
非常に大切なことが判決の中で述べられているというふうに思います。
そこで大臣にお伺いをしたいと思います。
同性を好きになるということは本人の意思で変えられるというふうにお考えでしょうか。
◆小泉国務大臣
今御指摘の札幌高裁判決にありますように、この性的指向、これは人生の初期か出生前に決定され、選択するものではない、あるいは、心理学の主たる見解も、これは、性的指向は意思で選ぶものでも、意思によって変えられるものでもない、こういう記述が行われております。
そのことを私も深く認識をしているところでございます。
◆もとむら伸子
法務大臣がそうした認識をしていただいているということは非常に重要なことだというふうに思っております。
札幌地裁の判決でも、同性愛は、自らの意思に基づいて選択、変更できないことは、現在は確立した知見になっていると明確に書かれております。そして、圧倒的多数派である異性愛者の理解又は許容がなければ、同性愛者のカップルは、重要な法的利益である婚姻によって生じる法的効果を享受する利益の一部であってもこれを受け得ないとするのは、同性愛者の保護が異性愛者と比して、余りにも欠けると言わざるを得ないというふうに書かれております。
保護が余りにも欠ける状態の中で、同性愛の方が置かれた状況、これも札幌高等裁判所の判決の中では、同性愛の方々が、自分の存在の意義を失うという喪失感にさいなまれているとの指摘がございます。ここの部分は、原告の主張に裁判官が耳を傾け、心を寄せているというふうに言われているところです。
是非、この部分も御紹介いただきたいと思います。判決の十四ページ九行目から二十三行目、最高裁、御紹介をいただきたいと思います。
◆福田最高裁判所行政局長
委員御指摘の部分、判決文の十四ページ九行目から二十三行目までを読み上げます。
「もっとも、性的指向及び同性間の婚姻の自由 は、人格権の一内容を構成し得る重要な法的利 益ということができる。性的指向は、社会的に は異性愛者と同性愛者を本質的に区別する理由 がなく、人が個人として尊重される基礎であり、 その個人の人格の一要素でもあることから、社 会の制度上取扱いに不利益があれば、そのこと によりいわゆるアイデンティティの喪失感を抱 き、人としての存在を否定されたとの思いに至 ってしまうことは容易に理解できることである。
控訴人らは、人として、同じく人である同性 パートナーを愛し、家族としての営みを望んで いるにもかかわらず、パートナーが異性でなく、 同性であるという理由から、当事者以外の家族 の間で、職場において、社会生活において、自 身の存在の意義を失うという喪失感に苛まれて いるのであって(甲B四~九、原審原告番号一、 二、四、五及び六の各本人尋問の結果)、個人 の尊重に対する意識の高まった現在において、 性的指向による区別を理由に、このような扱い を受けるいわれはなく、これは憲法が保護する 個人の尊厳にかかわる問題であるということが できる。」
このように記載されております。
◆もとむら伸子
個人の尊厳に関わる問題であり、この喪失感というものを一刻も早く政治の力でなくさなければならないというふうに痛感をしております。
札幌高裁は、憲法に関わっても重要な判断をいたしました。札幌高裁の判決の中では憲法二十四条一項に対してどのような判断をされたのか、判決十七ページ二十一行目から二十五行目、お示しをいただきたいと思います。
◆福田最高裁判所行政局長
委員御指摘の部分、判決文十七ページ二十一行目から二十五行目までを読み上げます。
性的指向及び同性間の婚姻の自由は、個人の 尊重及びこれに係る重要な法的利益であるのだ から、憲法二十四条一項は、人と人との間の自 由な結びつきとしての婚姻をも定める趣旨を含 み、両性つまり異性間の婚姻のみならず、同性 間の婚姻についても、異性間の場合と同じ程度 に保障していると考えることが相当である。
このように記載されております。
◆もとむら伸子
ありがとうございます。
もう一つ、憲法二十四条について総合的にどのように判断をされたのか、判決二十二ページの二十三行目から二十三ページ三行目までお示しをいただきたいと思います。
◆福田最高裁判所行政局長
委員御指摘の部分、判決文二十二ページ二十三行目から二十三ページ三行目までを読み上げます。
以上の点を総合的に考慮すると、本件規定は、 異性間の婚姻のみを定め、同性間の婚姻を許さ ず、これに代わる措置についても一切規定して いないことから、個人の尊厳に立脚し、性的指 向と同性間の婚姻の自由を保障するものと解さ れる憲法二十四条の規定に照らして、合理性を 欠く制度であり、少なくとも現時点においては、 国会の立法裁量の範囲を超える状態に至ってい ると認めることが相当である。
したがって、本件規定は、憲法二十四条に違 反する。
このように記載されております。
◆もとむら伸子
この札幌高裁の判決は、憲法二十四条一項にも反するし、二項にも反するということを判断したということで、非常に重要な判決となっております。
憲法十四条一項についても判断をされております。判決二十六ページ十八行目「婚姻による効果は、」から二十七ページ一行目までお示しをいただきたいと思います。
◆福田最高裁判所行政局長
委員御指摘の部分、判決文二十六ページ十八行目「婚姻による効果は、」から二十七ページ一行目までを読み上げます。
婚姻による効果は、民法のほか、各種の法令で 様々なものが定められており、代替的な措置に よって、同性愛者が婚姻することができない場 合の不利益を解消することができるとは認め難 い。
以上からすれば、国会が立法裁量を有するこ とを考慮するとしても、本件規定が、異性愛者 に対しては婚姻を定めているにもかかわらず、 同性愛者に対しては婚姻を許していないことは、 現時点においては合理的な根拠を欠くものであ って、本件規定が定める本件区別取扱いは、差 別的取扱いに当たると解することができる。
したがって、本件規定は、憲法十四条一項に 違反する。
このように記載されております。
◆もとむら伸子
札幌高裁のこの判決は、長い長い同性愛の方々の訴え、声によってこういう判決が出されたという、その重みを私たち国会議員は受け取らなければいけないというふうに思っております。
札幌高裁の判決で付言がつけられております。資料の一番最後につけさせていただいておりますけれども、対策を急いで講じる必要があるという付言がつけられております。
同性カップルが婚姻の平等保障がないために、当事者の方々が自分の存在意義を失う、喪失感にさいなまれていることについて、その苦しみを私たち国会議員あるいは政府の側が理解をするという努力をすること、そして、制度を改善してこの苦難をなくしていくという必要性を、大臣としてはどのようにお考えになっておられますでしょうか。
◆小泉法務大臣
こうした判決で述べられていることをまずしっかりと把握し、理解をしたいと思います。そして、制度の改正については、大勢の方々が関わっていて、大きな国で、大勢の方々がいて、様々な御意見がありますから、しっかりその中で国民的なコンセンサス、理解が得られるように、法務省としても力を尽くしていきたいと思っております。
◆もとむら伸子
先ほども、札幌地裁の方の判決、紹介させていただきましたけれども、普遍的価値を持つ個人の尊厳、人権は、多数派の理解、許容が必ず必要なんでしょうか。どうでしょうか。多数派の理解や許容がなければ認められないものなんでしょうか。
◆小泉法務大臣
何をもって多数派ということになるのか、様々な御意見があるということを申し上げています。特定の意見ではなく、様々な意見がまだありますので、そういった方々の理解、コンセンサス、これもやはり求めていく必要はあると思いますが、先生がおっしゃる救済をする、苦しんでいる方々の思いを同じくしていく、そういうことも非常に大切な行政の在り方だと思いますし、また立法の在り方だとも思います。
◆もとむら伸子
もう一度お伺いをいたします。
普遍的価値を持つ個人の尊厳、人権は、多数派の理解、許容が必要なのでしょうか。
◆小泉法務大臣
多数派が人権を否定しているわけではないと思います。具体的な多数派のお話がないので。一般論ですね。
私の考え方では、人権の尊重を否定する多数派というのは、どういうケースを考えていらっしゃるんでしょうか。
◆もとむら伸子
札幌地裁の方では、圧倒的多数派である異性愛者の理解や許容がなければ、同性愛カップルは、重要な法的利益である婚姻によって生じる法的効果を享受する利益の一部であってもこれを受け得ないとするのはというふうに書かれておりまして、多数派である異性愛者の理解や許容がなければ、同性愛者の個人の尊厳や人権は認められないと考えているのかという点をお伺いしているんです。
◆小泉法務大臣
婚姻制度という社会制度の在り方が今問われているわけです。そして、それに関わる様々な国民の方々がいらっしゃり、様々なお考えの方がいます。しかし、その中で人権を正面から否定する方はいないと思います、我が国においては。
ですから、今先生がおっしゃりたいのは、何というんですかね、そこに焦点を絞るとそういうお尋ねになるんだと思いますけれども、みんな人権を守りながら、しかし、社会制度の在り方として何が適切かという議論は、これは、意見はお持ちでありますから、そういう方々の意見にも耳を傾ける必要はあると思います。
◆もとむら伸子
是非、憲法違反であるという指摘を重く受け止めていただきたいというふうに思っておりますし、当事者の苦しみなどを理解するために、同時に法律婚をしている異性カップルと変わらない生活を同性カップルも送っているということを理解するために、まず、大臣、当事者からの聞き取りなど、実態調査、実態把握を法務大臣として行っていただけないでしょうか。そして、同性カップルに婚姻の平等を保障するべきだと、一歩を踏み出していただきたいというふうに思いますけれども、大臣、御答弁をいただきたいと思います。
◆小泉法務大臣
御指摘の実態調査でありますが、引き続き、国民の代表者である国会議員の方々の議論の状況等も注視しつつ、総合的に判断してまいりたいと思います。
◆もとむら伸子
是非大臣が直接同性カップルとお会いになっていただき、お話を是非聞いていただきたいと思います。最後にお答えいただきたいと思います。
◆武部委員長
申合せの時間が経過しておりますので、質問を終えてください。
最後に、小泉大臣。
◆小泉法務大臣
適切に対応したいと思います。
◆もとむら伸子
是非会っていただきたいということを強く求め、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。