もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
国会質問

質問日:2024年 2月 21日 第213国会 予算委員会

ガザ地区ラファへの総攻撃の中止を

 
衆議院予算委員会の書き起こし(大要)を投稿いたします。(質問時間は短すぎたのですが、投稿としては長くてすいません<m(__)m>)
🔷ガザ地区ラファへの総攻撃の中止を
🔷資金停止は「ガザの住民にとって死刑宣告」。国連パレスチナ難民救済事業機関への拠出再開を
🔷殺傷能力のある武器の輸出は撤回を(三菱重工小牧北工場でつくられた地対空誘導弾パトリオットPAC3等を武力行使を行うアメリカに輸出はやめよ!)
🔷平和憲法を踏みにじる岸田自公政権は退陣を!
 
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ラファ総攻撃止め恒久的停戦を 政府に迫る 2024.2.21

議事録

 
【ガザ地区ラファへの総攻撃の中止を】
〇もとむら伸子
日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
イスラエルによるガザ、ラファの無差別殺りくをやめさせる問題について質問をさせていただきたいと思います。
国連安全保障理事会は、20日、アルジェリアが提出した人道的停戦の即時実施を求める決議案を採決にかけ、米国が拒否権を使い、イギリスが棄権をし、否決をされました。強い憤りを覚えます。
16日、国際司法裁判所が改めてイスラエルに、ジェノサイド防止のあらゆる対策を講じるよう命じた1月の暫定措置を守ることを求める通知が発出されたということが発表されました。
そして、先ほど目にしたニュースですけれども、国連世界食糧計画、WFPが、ガザ地区の全人口220万人が深刻な飢餓に直面しているということを指摘していますけれども、安全確保ができないため、ガザ北部の食料の配布を停止をしたということを発表いたしました。
イスラエルの大規模攻撃により、パレスチナ・ガザ地区は、人道支援を行っている方がこの世の地獄と言う、本当に深刻な危機に直面をしております。パレスチナ保健当局の12日時点の発表では、ガザ地区の死者は2万8300人、そして、そのうち子どもは1万2250人にも上ります。ガザ保健当局は、20日までに死者は2万9195人。命がまた奪われ続けております。
イスラエルは、ガザの住民の方々に対して、命が助かりたければ南部へ行くようにと退避を通告いたしました。それによって、ラファは避難民を始め150万人もいらっしゃるというふうに言われております。
今、イスラエルは、その最南部のラファへの空爆を行い、さらに地上作戦を始め総攻撃を行おうとしています。この卑劣な人道に反する攻撃を絶対にやめさせなければなりません。
配付をさせていただいた資料の資料①を御覧いただきますと、国連の人道問題のトップが13日、声明を出しました。この戦争は終わらせなければならない、ラファでの軍事作戦は大虐殺につながり、ただでさえ脆弱な人道支援活動を死のふちに放置することになると警告を発し、イスラエル政府に要求を無視しないよう批判をしております。
14日のNHKの夜の七時のニュースでも、現地で支援活動を調整しているユニセフの主任緊急支援調整官がこういうふうにおっしゃっております。
最も弱い立場の子どもたちが攻撃で最も影響を受ける、医療体制は疲弊し切っていて、この状況に対応できない、子どもたちが負傷していても病院に連れていけない、戦闘が続く限り子どもたちにとって安全な場所はガザ地区にはない、包括的、恒久的停戦が子どもたちを救う唯一の手段なんだ、当事者と国際社会に対して圧力をかけ、停戦が実現するようユニセフは求めているというふうに語っておりました。
林官房長官、日本として、イスラエルに対し、ラファへの総攻撃は絶対にやってはいけないと直接繰り返し言うべきです。そして、包括的、恒久的停戦を直接強く繰り返し求めるべきです。長官、お答えいただきたいと思います。
 
○林官房長官
イスラエルがラファハにおきまして大規模な空爆を伴う軍事行動を展開しておりますが、人口過密状態にある同地区におきまして、この民間人の避難、保護のための十分な措置、これが取られないまま軍事作戦が継続いたしますと、更に多くの犠牲者が発生する惨事となり、人道支援活動、今御指摘がありましたが、これはますます困難になることは明らかであります。
このため、2月12日に外務報道官談話を発出をいたしまして、さらに、2月16日の会見におきまして、上川外務大臣から、日本として、人道支援活動が可能な環境を確保し、また、人質の解放につながるような人道的停戦が速やかに実現し、そして、持続可能な停戦が実現すること、これを期待しており、こうした考え方の下で、当事者対して、直ちに人道的な観点から行動することを求める旨を強調いたしました。
この外務報道官談話や上川外務大臣が会見において表明した我が国の立場につきましては、既にイスラエル政府に対して直接伝達をしております。
また、これ以前にも、イスラエルに対しては、昨年の岸田総理とヘルツォグ大統領との会談やネタニヤフ首相との電話会談を含めて、ハマス等によるテロ攻撃を断固として非難をした上で、国際人道法を含む国際法の遵守、これを求めてきておるところでございます。
引き続き、イスラエルを含む全ての当事者に、あらゆるレベルで、国際人道法を含む国際法の遵守や関連の国連安保理決議に基づいて誠実に行動することを求めつつ、人質の即時解放、人道状況の改善、そして事態の早期鎮静化に向けた外交努力、これを粘り強く積極的に続けてまいります。
 
○もとむら伸子
林官房長官、イスラエルに対して、直接、国際司法裁判所の判断を守ること、そして国際人道法を遵守すること、そして、直ちに軍事攻撃をやめ、即時人道的な停戦を求めた国連総会の決議の実現を繰り返し直接求めるべきだというふうに思います。そして、イスラエルを支援するアメリカに対しても、即時停戦、持続的停戦の呼びかけを繰り返し行うべきだというふうに思いますけれども、長官、もう一度お願いしたいと思います。
 
○林官房長官
この報道官談話ですとか、外務大臣が会見において表明した我が国の立場、先ほど御説明をしたとおりでございます。この立場について、既にイスラエル政府に対して直接伝達をしておるところでございます。
今お話のありました関連の国連安保理決議等々に基づいて、イスラエルに対して誠実に行動することを求めつつ、人質の即時解放、人道状況の改善、事態の早期鎮静化、こうしたことに向けて外交努力を粘り強く積極的に続けてまいりたいと思っております。
 
○もとむら伸子
ガザで現に民間人の方々の大量殺りくが繰り返されている事実からも、そしてこの問題の根底にある歴史的経緯からも、自衛権の名で軍事攻撃を容認することが許されるはずはないということも指摘をしたいと思います。
 
【資金停止は「ガザの住民にとって死刑宣告」。国連パレスチナ難民救済事業機関への拠出再開を!】
 
そして、もう一つ重大な問題は、日本がガザでの人道支援の足を引っ張っていることです。国連パレスチナ難民救済事業機関、UNRWAの資金を停止した問題です。
資料の②を御覧いただきたいんですけれども、外務省の資料ですけれども、日本は、2022年でいうと六番目にUNRWAに拠出をしています。
短期間日本に戻ってきたUNRWAの清田明宏保健局長は、資金拠出の停止はガザの住民にとって死刑宣告となるというふうにおっしゃっております。ガザでUNRWAのような規模の人道支援をできる団体はほかにはない、困っている人のライフラインを止めてはいけないというふうに指摘をしております。
政府は、ほかの組織に支援するというふうに言っておられますけれども、赤十字国際委員会の駐日代表は、14日の参議院外交・安全保障に関する調査会の中で、ガザにおける本当に驚異的な人道的なニーズ、それらの苦痛の規模というのを目の当たりにする者として、UNRWAの支援は不可欠であるというふうにおっしゃっております。そして、UNRWAは食糧支援から教育に至るまで実に幅広い業務に従事している、赤十字国際委員会はUNRWAに取って代わることはできませんというふうにおっしゃっております。
子どもたちを始め、避難された方々の命の危機が迫る中、ほかの機関では代えることができない役割を果たしているUNRWAへの拠出、これを再開するべきだというふうに思います。
とりわけ、日本は、補正予算でこの拠出をこれまでもしてまいりましたので、ほかの国と違う時期、まさに1月から3月という時期に拠出をする、そういう特別な役割も持っているというふうに思います。
UNRWAの保健局長は日本の方でございます。UNRWAの清田明宏保健局長からもちゃんと話を聞く場を持っていただき、拠出の再開を是非行うべきだというふうに思いますけれども、長官、お願いしたいと思います。
 
○林官房長官
我が国は、昨年10月7日のテロ攻撃にUNRWA職員が関与したという疑惑を極めて憂慮しております。
本件に関しては、御案内のように、国連による調査が行われておりまして、対応策が検討されるため、当面の間、UNRWAへの令和五年度補正予算の拠出を一時停止せざるを得ないという判断に至ったところでございます。UNRWAは、今お話がありましたように、パレスチナ難民を対象とした保健、医療、教育、福祉分野のサービス提供など、不可欠な役割を担っております。私も外相時代に現地を訪れて、意見交換もさせていただきました。
そういった意味でも、このUNRWAが、信頼を取り戻して、こうした本来の役割を果たすことができますように、我が国としては、国連、UNRWA、関係国と緊密にコミュニケーションを取りながら、UNRWAにおいてガバナンスの強化を含めて適切な対応が取られることを強く求め、国連による調査、そして第三者による検証に積極的に協力をしてまいります。
同時に、深刻化の一途をたどるガザの人道状況を改善するため、我が国としては、関連情報を収集しながら、様々な方策を検討しております。
その一環として、世界食糧計画、赤十字国際委員会といった他の国際機関への支援等も通じて、ガザ地区を含む地域のパレスチナ人への人道支援に積極的に取り組んでまいります。
 
○もとむら伸子
食糧配布を停止したと言ったり、あるいは、赤十字の方も、取って代わることはできないんだと言っているわけです。
UNRWAの清田明宏保健局長は、昨年10月のハマスによるイスラエル奇襲にUNRWAの職員12人が関与した疑惑について、イスラエル側から関与を裏づける具体的な証拠は国連側に提示されていないというふうに語っています。しかし、その職員の雇用を継続した場合に、国連への影響を懸念をして、疑惑の段階で解雇に踏み切ったと説明をしております。
こうした段階で拠出を停止するというのは人道に反しているというふうに思います。是非、全ての、もう既に補正予算で予算は確保をされているわけですから、今すぐUNRWAへの拠出を再開し、食料、水、医療など命を守る人道支援を行うべきです。
もう一つ、重大な問題として質問させていただきます。イスラエルを支援しているアメリカに殺傷能力のある武器を輸出しようとしている問題です。
資料③、パネルを御覧いただきたいんですけれども、政府は、昨年12月22日、武器輸出のルールを定めた防衛装備移転三原則と運用指針の改定を閣議決定いたしました。改定した運用指針の第一弾として、地対空誘導弾パトリオット、PAC2、PAC3のアメリカへの輸出を決定いたしました。このPAC3などは、私の地元である愛知県の小牧市、三菱重工小牧北工場で造られているというふうに言われております。
運用指針の中では、ライセンス元国がほかの国に再輸出をする場合、現に戦闘が行われていると判断される国への提供を除外するとしましたが、そもそも、日本が殺傷能力のある武器を輸出しようとしているアメリカはどうなのかという問題があります。
資料④、御覧いただきますように、アメリカの武力行使の一覧です。これはアメリカの連邦議会に報告をされたアメリカの武力行使の近年のものです。2018年1回、2021年2回、2022年1回、2023年6回、そして、今年に入ってまだ2か月にもなっておりませんけれども、5回も武力行使を行い、そのうち3回はイギリスと武力行使を行っております。この後にも、ニュースなどが載っておりますので、また議会に報告されるかもしれません。
そこで、長官にお伺いしたいんですけれども、アメリカは現に戦闘が行われていると判断される国ですねということを端的にお示しをいただきたいと思います。
 
○林官房長官
今お尋ねのペトリオットミサイルの我が国からの米国への移転、これにつきましては、昨年の12月22日に、防衛装備移転三原則及び同運用指針に従い、国家安全保障会議で審議をいたしました。この審議において、米国において武力紛争の一環として現に戦闘が行われていないと判断をいたしました。
その上で、国際的な平和及び安全への影響、米国と我が国の安全保障上の関係等を考慮して、慎重に検討した結果、海外移転を認め得る案件に該当するということを確認したところでございます。
 
○もとむら伸子
国連でも、アメリカの行動は国連憲章に違反をしている、国際法に違反をしているという指摘が各国から行われております。それを、戦闘が行われていないと判断する、本当におかしいというふうに思います。
他国の領土内で一方的に軍事攻撃をしかけることは、各国の主権や領土保全の尊重を定めた国連憲章や国際法に違反をしています。アメリカはこうした国連憲章や国際法に違反した行為を行っております。
もう一つ、長官にお伺いしたいんですけれども、アメリカは紛争当事国ですね。
 
○林官房長官
武力紛争の一環として現に戦闘が行われていると判断される国、これに該当するか否かは、仕向け国・地域における戦闘の規模や期間等を踏まえて、個別具体的かつ総合的に判断をしております。
この規定でございますが、仕向け国、すなわち本件の場合はアメリカということになりますが、武力紛争の一環として現に戦闘が行われているか否かに係る規定であり、日本政府としては、米国において武力紛争の一環として現に戦闘が行われているとは認識をしていないところでございます。
 
○もとむら伸子
本当におかしいというふうに思いますよ。各国から国連憲章に違反をしている、国際法に違反をしていると言われているのに、戦闘を行っている国ではないという判断は本当におかしいというふうに思います。異常だと思います。
もう一つお伺いしたいんですけれども、防衛装備移転三原則で、移転を禁止する、武器輸出を禁止する場合に、三つございますけれども、その中にある紛争当事国、括弧、国連の安全保障理事会が取っている措置の対象の国というふうになっていますけれども、その対象の国というのはどこでしょうか。
 
○林官房長官
現時点におきましては、防衛装備移転三原則上の紛争当事国、すなわち、武力攻撃が発生し、国際の平和及び安全を維持し又は回復するため、国連安保理が取っている措置の対象国は、基本的に存在しないと考えております。
これまでの例としては、朝鮮戦争における北朝鮮、これは安保理決議第82号、83号、84号でございますが、及び湾岸戦争におけるイラク、これは安保理決議の第660号、678号でございますが、そうした例が挙げられます。
 
○もとむら伸子
今はこの防衛装備移転三原則で禁止をする紛争当事国はないということが明らかになりましたけれども、本当に抜け穴だらけのこれは三原則であるというふうに思います。赤十字の国際委員会は、60以上の国が紛争当事国というふうに言っております。しかし、この三原則は紛争当事国がゼロというので、本当におかしいというふうに思うんです。
最後に、指摘をさせていただきたいというふうに思います。
パネルを、資料⑥、見ていただきたいんですけれども、いま一度立ち返るべきだということで、資料を出させていただきました。
1976年、三木内閣の際に、実質的に全地域向けに武器輸出は禁止をされました。
この衆議院の予算委員会での議論を踏まえて、政府統一見解として三木武夫総理が読み上げたのが武器輸出に関する政府方針です。
「『武器』の輸出については、平和国家として の我が国の立場から、それによつて国際紛争等 を助長することを回避するため、政府としては、 従来から慎重に対処しており、今後とも、次の方針により処理するものとし、その輸出を促進ことはしない。」
こういうふうに書かれています。
その後、国会では、1981年、武器輸出の問題等に関する決議がなされました。
「武器輸出問題等に関する決議
わが国は、日本国憲法の理念である平和国家 としての立場をふまえ、武器輸出三原則並びに 昭和51年政府統一方針に基づいて、武器輸出について慎重に対処してきたところである。
しかるに、近時右方針に反した事例を生じた ことは遺憾である。
よつて政府は、武器輸出について、厳正かつ 慎重な態度をもつて対処すると共に制度上の改善を含め実効ある措置を講ずべきである。
右決議する。」
というふうに書かれております。
元内閣官房副長官補の柳沢協二さんは、「国際環境が激変し、戦争の危機が現実に高まっているからこそ、紛争を助長せず、平和解決を目指すことに平和国家としての価値がある、日本はその道を貫くべきだ」というふうにおっしゃっておりますけれども、本当にそのとおりだというふうに思います。
岸田自民党、公明党の政権は、多くの犠牲の下に作られた平和憲法を踏みにじっています。戦争を助長する、紛争を助長する方向に日本の国の形を変えようとしています。世界にとっての私はこれは害悪だというふうに思います。
子どもたちの未来を奪う暴挙であり、一刻も早い退陣を強く求め、質問を終わらせていただきます。
 

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参考資料

20240221 予算委員会配布資料

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