統一協会による被害救済のための包括的財産保全法案が自民、公明、国民の反対で否決されてしまったのは、非常に悔しいです。
与党提案者は、必要あれば3年を待たずに財産保全のあり方を検討すると答弁しました。
今すぐ包括的財産保全を実現するための検討協議を始めるべきです。
衆議院法務委員会で質問、討論を行い、午後の衆議院本会議で討論を行いました。
以下は、その内容です。ご高覧いただければ幸いです。
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質問の映像へのリンク
統一協会被害者救済のための法案「財産保全を」 2023.12.5
議事録
私は、日本共産党を代表して、統一協会の被害者救済に関する2法案に対する討論を行います。
統一協会は、半世紀以上にわたり、正体隠しや不安を煽った勧誘により信仰選択の自由を奪った状態で、統一協会の教義を信仰させ、違法な霊感商法、高額献金で人々の財産を収奪し、一人ひとりの人生を壊すなど、被害を広げてきました。
これを放置してきた政府、とりわけ自民党の責任は重大であり、被害者救済のための法整備は国会の責務です。
10月13日、政府が一年間の調査をふまえ、統一協会について、全国で「相当甚大」な規模での被害を確認し、その「悪質性、継続性、組織性」を認定し、解散命令請求を行ったことは、きわめて重要です。
このもとで、今回の法案に求められているのは、統一協会の解散命令が確定するなどの間の財産の散逸を防ぎ、被害者の救済を実効性あるものにしていくことです。
被害者や被害救済に取り組む弁護団からは、包括的な財産保全を可能とする特別措置法を超党派で成立させるよう求める声明が繰り返し出されています。
日本共産党は、国対で与野党全党の協議を呼びかけてきましたが、全党協議をおこなわず、包括的財産保全にも背を向ける自民党の姿勢からは、長年にわたって統一協会と癒着し被害を拡大してきたことへの反省があるのかといわざるを得ません。
野党の法案にもりこまれた包括的な財産保全は、被害者救済の要です。財産の隠匿・散逸があっては、被害者を救済することはできません。
今後、統一協会に対する解散命令が確定した段階で初めて脱会を決意し、ようやく被害者として声を上げられるようになる方がでてきても、その時点で財産が散逸していては、一切救済されないことにもなりかねません。すべての被害者の救済を行うためには、包括的な財産保全措置は必要不可欠です。
与党提案者は、民事保全手続による救済をいいますが、わが党の質問で、それだけでは救われない人々がでてくることを認めました。それなら、包括的財産保全に踏み出すべきではありませんか。
しかも、被害者は、宗教的虐待や脱会後の精神疾患の問題など、さまざまな事情によって、今も苦しんでいます。その被害者個々人が自助努力で個別に財産保全の手続を講じなければならないというのは、被害者に過大な負担を強いるものです。
3党法案の法テラスの制度を拡充し、宗教法人の財産監視制度によって、民事訴訟の提起や民事保全の申立を支援し利用しやすくすることに一定の意義はありますが、これだけでは、被害者の実効的な救済にはつながるとは到底言えません。
被害者有志、全国被害対策弁護団は、積極面を生かし「両案成立」を求めており、日本共産党は、両案に賛成の態度をとります。
同時に、与党に対し、包括的な財産保全の検討のため、全党会派による協議を速やかに行うことを求めます。
また、新たに発覚した岸田首相の疑惑をはじめ、自民党と統一協会との癒着関係を徹底究明することが、被害の拡大を防ぎ被害者を救済するうえで欠かすことができない問題であることをきびしく指摘し、討論といたします。