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難民認定審査に疑義 入管法改悪案は廃案に 2023.5.31
議事録
○本村伸子
日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
重大少年事件の記録が廃棄をされ、信頼を大きく損ねる事態となりました。
最高裁が調査報告書を公表いたしました。しかし、そこには欠けている視点がある。被害者の側の意見も聞いてほしいという声がございます。調査のための有識者会議にも、そうした被害者側の委員はいない。 そして、資料の一ページ、二ページに出させていただいておりますけれども、この調査報告書の中で新たにつくられるというふうに言われております第三者委員会にも、被害者側が入らないのではないか、軽視をされているというふうに批判がございます。この声を真摯に受け止め、被害者の視点を入れるべきだというふうに考えます。
常設の第三者委員会の委員のメンバーには被害者側の委員を入れるべきだ、そして、公平で、多様な委員が確保される委員会にするべきだというふうに思いますけれども、見解を伺いたいと思います。
○小野寺最高裁判所長官代理者
お答えいたします。
特別保存に付することを求める旨の要望につきましては、弁護士会や学術研究者のみならず、被害者の御遺族や事件当事者の方々を含め、どなたからでも行うことができ、このような要望を通じて御意見の提出をいただくことが可能なようになっております。
裁判所といたしましては、裁判所のホームページから、入力フォームにより特別保存の要望の申出を行えるようにするなど、そのような要望、御意見を容易に出していただけるような取組を進めてまいりたいというふうに思っております。
また、第三者委員会の具体的な構成等につきましてはまだ決まっていないところではございますが、第三者委員会に担っていただく役割としては、個別の事件の保存の適否に関する客観的、第三者的なレビューをしていただくということが大きいものでございます。 また、国民共有財産としての事件記録の保存の在り方を大きな目線で助言をいただくなどを想定していることから、その委員としては、報告書に記載いたしているような、法曹関係者や法学者、報道関係者、アーカイブズ学の専門家等にお入りいただくことを考えているというところでございます。 事件に関係する方々に対しては、これまで以上に広く二項特別保存の御要望や御意見をいただけるよう、継続的な広報活動等の取組を行ってまいりたいというふうに考えております。
○本村伸子
被害者の軽視をやめていただきたいというふうに思います。被害者の方々の声をしっかりと聞く最高裁であるべきだというふうに思います。 特別保存に関する基準の中で、資料の三に出させていただきましたけれども、日刊紙の二紙というふうにございます。全国で毎日発行されている全国紙二紙ということですけれども、沖縄タイムスですとか琉球新報、中日新聞、東京新聞、北海道新聞、信濃毎日、西日本新聞、まだ言えていない地方紙があるというふうに思いますけれども、やはりその地方では主要な新聞であるという新聞も、業界紙もあるかもしれません。こうしたこともしっかりと入れるべきだというふうに思いますけれども、お答えをいただきたいと思います。
○小野寺最高裁判所長官代理者 お答えいたします。 運用通達におきましては、当該地方における特殊な意義を有する事件で特に重要なものを特別保存に付することとされておりますところ、地域版を含めた複数の主要日刊紙の掲載状況を確認することで、当該基準を満たすものを対象とすることができるというふうに考えたところでございます。 地方紙に掲載された事件につきましても、先ほど申し上げた主要日刊紙の掲載状況のほか、外部からの要望に基づきまして、要望の中でいただいた御意見を踏まえ、二項特別保存をするかどうかを判断していくことになりますところ、そのような外部からの要望につきまして更に促進されるように取り組んでまいるというのも、今回の報告書の中で申し上げているところでございます。 今後、このような外部からの要望の状況も踏まえつつ、更に必要があれば、申し上げました第三者委員会での議論も踏まえて、更に検討していくことになるというふうに考えております。
○本村伸子
地域の視点も是非入れていただきたいというふうに思います。
そして、何を保存したのか分かるリストは公表するべきだというふうに思います。そして、保存するための予算も確保が必要だと考えますけれども、御答弁いただきたいと思います。
○小野寺最高裁判所長官代理者
お答えいたします。
外部からの特別保存の要望を促進するための取組といたしまして、裁判所のホームページからの容易な申出を可能とすることや、あるいは特別保存の判断結果について要望申出を行った方に通知することなどの検討を予定しておりますけれども、二項特別保存に付した記録のリストの公表につきましても、裁判所においてどのような記録を二項特別保存に付し、あるいは保存していないのかということを明らかにすることを通じて、外部からの要望の促進につながる面があるというふうに考えておりますので、引き続き検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
また、最高裁といたしましては、将来にわたって記録の保存、廃棄の適切な運用が確保されるよう、報告書に掲げました種々の改善の取組を行ってまいる所存でございますが、これらの取組に向けて、必要な人的、物的体制の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
○本村伸子
次に、刑事事件なんですけれども、過去には、最高裁で逆転無罪となりました日本長期信用銀行、日本債券信用銀行の事件なども、東京地検が捨ててしまったということがございました。こうしたことがないようにしていかなければいけないというふうに思います。
法務大臣の訓令に、刑事参考記録を解除したり、廃棄する規程がある、今もあるというふうに聞いておりますけれども、やはり、重要な刑事事件については、記録の保存がしっかりとなされるためにも、第三者の目も入れた保存の仕組みが必要だというふうに考えますけれども、見解を伺いたいと思います。
○齋藤(健)国務大臣
歴史的、社会的意義を有する刑事裁判記録の保管、保存については、刑事確定訴訟記録法等に定めがありまして、通常の保管期間経過後も、刑事法制及びその運用並びに犯罪に関する調査研究の重要な参考資料である場合は、刑事参考記録として指定して保存を継続することとされているところです。
その指定に際しましては、判断基準を具体的に設定するとともに、国立公文書館長が認証したアーキビストの方を含む、刑事参考記録アドバイザーの方の御意見を伺う仕組みも設けているところでありまして、今後とも、保存されるべき記録が確実に保存されるように、適切に対処してまいりたいと考えています。
○本村伸子
是非、貴重な資料が残るようにということで、最高裁も、そして法務省も努力をしていただきたいというふうに思います。
次に、難民認定申請書の関係で伺いたいと思います。
資料の七のところで資料を出させていただいておりますけれども、この申請書に、もしあなたが本国に戻った場合に、迫害を受ける理由は次のどれですかという質問項目があります。
その他にチェックを入れた人の中にも、難民保護条約の難民認定事由に当たる人がいると思いますけれども、法務大臣、お答えをいただきたいと思います。
○齋藤(健)国務大臣
まず、難民認定申請書において、申請者がその迫害理由をその他にチェックした場合でも、直ちにそのことをもって難民ではないと判断することはありません。
例えば、申請者が自らの迫害理由について、条約上の迫害の理由である、人権、宗教、国籍、特定の社会的集団の構成員であること、政治的意見のいずれに該当するか分からずに、その他を選択する場合もあるわけであります。そのため、申請者の置かれた立場に配慮しながら、事情聴取を行いながら、申請者の主張内容を十分に確認して、その結果、条約上の理由のいずれか又は複数に該当することが判明するケースもあるというふうに承知をしています。
したがって、その他を選択した申請者の方についても、適切に難民該当性を判断しなければならないと当然認識をしております。
○本村伸子
五月二十五日の参議院法務委員会で、難民審査参与員の浅川参考人が、その他にチェックを入れている難民認定申請書は、申請者の方が条約の難民認定事由に該当しないと自ら認めているということもあるというふうに認識を示されました。
こういう方が大量の難民認定の審査を行っているということで、本当に一人一人、慎重に審査をしてもらえているのかということを大変私は疑問に思いました。やはり、今の難民認定の仕組み自体に疑義が生じているというふうに思います。入管法は廃案にするべきだということも、この場で申し上げさせていただきたいと思います。
次に、今日は、内閣府の副大臣に来ていただきました。
みえ施設内暴力と性暴力をなくす会の皆様と、この間、ずっと要請をしてまいりまして、その際に、児童養護施設などの職員の方々の労働実態、労働条件の実態調査をしてほしいということを要望してまいりました。 今年度、児童養護施設などの職員の方々の実態調査をやることになりました。やはり、その実態調査が、現場の改善につながる調査にしなければいけないということも痛感をしております。
例えば、児童養護施設のショートステイのユニットに急遽子供さんが短期で入所するということがございます。一時保護所も足りないという中で、そういうことがございます。職員不足の中で、職員の方も対応に追われる。そして、ほかの子供さんの落ち着きもなくなってしまう。新規に入所される子供さんにとっても、居心地という面で大変心配でございます。ですから、短期入所の場合は別施設、別の部屋、担当職員をつけるということにしてほしいなどの声も現場から出されております。 また、児童養護施設などを退所された若い方々からは、退所をされた若者の支援に関して、希望する場合は、これまで担当していた職員が引き続き支援をすることで、やはり相談しやすい関係があるんだというお話も伺っております。そうしますと、やはり配置基準の抜本的な改善というのはどうしても求められるというふうに思います。
こうした子供さんや若者、職員の方々のきめ細かな御要望を酌み取る、そうした実態調査にするべきだというふうに思います。処遇の改善、配置の改善、労働条件の改善、人員の確保、予算の確保、そうしたことにつながる実態調査に是非していただきたいと思いますけれども、副大臣、お願いしたいと思います。
○和田副大臣
お答え申し上げます。
令和三年度末の社会的養育専門委員会の報告書を踏まえ、ただいま委員からも御指摘のありましたとおり、今年度、具体的には夏頃でありますけれども、児童養護施設職員の方々の勤務実態等についての調査を行うことにしております。 具体的には、児童養護施設等に対し調査票を送付し、職員の業務実態を明らかにするために、勤務実態の可視化、定量化を行い、現状課題の抽出、論点整理等を行うとともに、各施設における職員の配置、雇用形態、賃金等の状況や施設の決算に関わる情報の収集などにより、職員の給与の状況や施設等の経営状態について分析を行うことにしております。
また、調査や分析に当たっては、必要に応じて有識者等の専門的な知見を有する方々から助言をいただくことともしており、今後の施設の在り方の検討の有用な資料となるよう、きめ細かく取り組んでまいりたいと思います。
○本村伸子
是非お願いしたいと思います。
今、児童養護施設の職員の方々からお話を伺っても、本当に人が来ないということが切実な実態となっております。児童養護施設、社会的養護施設などの職員の確保は、本当に緊急の、喫緊の課題だというふうに思います。本当に、欠員が出てしまっておりまして、泣きながら職員の方が働いているという実態がございます。予算を増やして、仕事の魅力なども発信をして、職員の確保に国も全力で、強力に進めていくべきだというふうに考えますけれども、見解を伺いたいと思います。
○和田副大臣
お答え申し上げます。
議員御指摘のとおり、児童養護施設等において必要な人材を確保できるような環境づくりを進めていくことは、重要かつ喫緊の課題だと認識をしております。 そのため、令和三年度に給与を三%相当、月額九千円程度引き上げるための措置を実施するなど、累次の処遇改善を行うとともに、働く場所としての児童養護施設等の魅力等を発信するため、学生向けの広報啓発活動や各施設等での職場体験など、また、施設職員の就業継続を支援することなど、人材確保に関する取組を進めてきたところでございます。
今後も、こうした取組の活用を含め、引き続き、各施設における人材確保の支援に全力を尽くしてまいります。
○本村伸子
本当に緊急事態だというふうに思いますので、更に強力に推進をしていただきたいということを強く求めまして、質問を終わらせていただきます。
○齋藤(健)国務大臣
申し訳ないです、お時間をいただきまして。
先ほど、難民条約上の迫害の五つの理由のうちの一つ、人種と申し上げなくちゃいけないところを人権と申し上げてしまったそうで、おわびして訂正させていただきます。
○本村伸子
終わらせていただきます。
ありがとうございました。