もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
国会質問

質問日:2023年 3月 8日 第211国会 法務委員会

衆院法務委員会で、法務大臣に質問しました

 
衆院法務委員会で、法務大臣に質問しました。
 
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入管法改悪法案は廃案に!
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 3月7日に国会に提出された入管法改定案は、より深刻な人権侵害を引き起こすもので廃案にすべきだと主張し、入管施設への収容を裁判所が審査する仕組みをつくるよう求めました。
 入管法改定により「最悪のケースでは、強制的に帰国させられて結果的に命が奪われるのではないか、性暴力や暴力にあう危険性が高くなってしまうのではないかという懸念の声が広がっている」と指摘。命や尊厳、暮らしが奪われることは人道上あってはならないと強調しました。
 まずやるべきことは、国連の自由権規約9条4項に沿って、「入管施設に収容が必要かどうかを入管以外の裁判所が審査する仕組みをつくるべきだ」と主張しました。
 齋藤法務大臣は、「私ども、改悪とは全く考えておりませんので、今御指摘の点も含めまして、国会で健全な議論がなされることを御期待申し上げます。」と答弁しました。
 「昨年夏、トルコ国籍クルド人として初めて難民認定された人はそれまでに2回、入管当局に申請を拒まれていた。入管の処分を取り消す札幌高裁の判決により難民認定されたが、法案成立後なら送還されていた可能性がある。」(中日新聞 2023年3月9日付「社説」)との指摘があるように、もともと低い難民認定のもとで強制的に帰国させられて、命や尊厳のリスクが高まることを非常に危惧しています。
 
 
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名古屋入管 ウィシュマさん死亡事件
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 2021年3月に名古屋市内の入管施設でスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんが死亡した事件の資料で「開示されていないものがいくつもある」と批判。
 
 私が質疑のなかで求めたのは以下の資料です。
(1)名古屋入管のウィシュマさんの全映像記録
(2)2021年1月30日に入国者収容所等視察委員会あてにウィシュマさんが投函した手紙
(3)「看守勤務日誌」
(4)「看守業務概況」
(5)「カウンセリングメモ」
(6)「診療等を受ける被収容者を収容区ごとに記載したメモ『リスト』」
(7)「被収容者診療簿」
(8)「診療結果報告書」
(9)「被収容者申出書」
(10)「投与記録」
(11)「被収容者らの情報等を記載したメモ」
(12)「引継簿」
(13)「被収容者面会簿」
(14)「A氏との面談状況等に関する看護師作成メモ」
(15)「A氏と支援者らの面会時の言動」が書かれた記録・録画、録音などの資料、
などウィシュマさんに関する出入国在留管理庁が持っている一切の資料。
 
 斎藤健法務大臣は、開示を拒否した上で、国会への資料の開示は「国会の判断が示された場合には適切に対応していく」と答弁しました。
 私は、「国会が出させるという意思を示せば私たちはチェックできる」と強調し、国会による提出要求を重ねて求めました。
 法務委員長が理事会で協議すると答弁し、委員会後の理事会で引き続き協議となりました。
 
 
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重要な文書、また廃棄!!!!!
被拘禁者にかかわる「死亡帳」、「視察表」、「カルテ」、「保護房動静記録」、死亡帳調査班による中間報告と最終報告
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 昨年8月、名古屋刑務所の刑務官1人が受刑者1名にけがを負わせた事件が発生し、調査を進めたところ、名古屋刑務所で2021年11月から2022年8月にかけて、刑務官22人が3人の受刑者に対して暴行を繰り返し、顔や手をたたくなどの暴行が107件、土下座をさせるなど不適正な処遇が355件のあわせて462件が確認されたとのことです。
 昨年3月、服役中に亡くなられた受刑者のご遺体に傷痕が多数残っていたということで、ご遺族が第三者委員会に対し調査求めている事件もあります。
 
 名古屋刑務所では、過去にも深刻な死亡事件がありました。
2001年、当時の副看守長などが消防用ホースを使って受刑者の肛門に放水し、直腸などがさけ、傷を負った受刑者が細菌性ショックで死亡する事件。2002年には刑務官などが受刑者の腹部を革手錠付きのベルトで締め付け、外傷性ショックで死亡させる事件が起きました。
 
 今回の名古屋刑務所の事件を受け、過去の事件を調べようと、2003年3月に開示された被拘禁者にかかわる「死亡帳」、「視察表」、「カルテ」、「保護房動静記録」、死亡帳調査班による中間報告と最終報告の提出を求めたところ、廃棄したとの報告を受けました。
 「国会を揺るがし、従来の監獄法を抜本的に改正するという刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律に至る大事件。それに関わる資料が廃棄をされたというのは大問題」と指摘し、「後々にもしっかりと検証できるように資料は残しておくべきではないか」と追及しました。
 
 斎藤健法相は「今後とも、刑事施設がこれらの過程で作成又は
取得した行政文書については、公文書管理法に基づき、適切に管理(当該文書は10年ということ・・・)してまいりたいと考えております。」と答弁しました。
 
閉鎖的な空間で自由を奪われた被拘禁者の死亡にかかわる書類を廃棄することは、後々に真相究明などが必要になった際の証拠書類がなくなることであり、大問題です。
10年保存すればよいという話ではありません。
 
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名古屋刑務所視察委員会が貴重な意見をあげていたのに
客観的第三者調査を行わず
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今回の事件が起こる前から、名古屋刑務所視察委員会は、暴行等について2020年度、2021年度に客観的第三者による調査を行うべきだと意見を出していました。
 
「法務省は、視察委員会の指摘を実行してこなかった。客観的第三者による調査を行うべきだ」と強く求めました。
 
 斎藤法務大臣は、刑事施設視察委員会はそれぞれの刑事施設に置かれていて、その施設の運営に関して刑事施設の長に対して意見を述べ、施設運営の向上に寄与する重要な役割を担っていると考えています。
名古屋刑務所視察委員会から重ねて貴重な御意見をいただきながら、今回の名古屋刑務所における一連の暴行、不適正処遇事案を発生させたことは、その意見を施設運営に適切に反映できていなかったと言わざるを得ず、誠に遺憾であります。
刑事施設視察委員会制度や被収容者を救済する仕組みの在り方についても、現在、名古屋刑務所職員による暴行・不適正処遇事案に係る第三者委員会、ここで御検討をいただいているところでありますので、その結果を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えています。」と答弁しました。
 
 
 
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衆議院法務委員会で名古屋入管、名古屋刑務所への視察決定
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3月13日(月)、衆議院法務委員会理事+理事会オブザーバー+理事会派各1人ということで、名古屋入管と名古屋刑務所に視察に行くことになりました。
 引き続き、暴力のない命、人権が大切にされる社会にしていくために全力を尽くします。
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