自由と権利の後退も
簡略化判決で警告
【赤旗 2022年4月23日】
日本共産党の本村伸子議員は20日の衆院法務委員会で、「期間限定裁判」の簡略化された判決では「将来的に国民・住民の自由と権利が後退する危惧がある」と批判しました。
本村氏は、期間限定裁判の判決は当事者双方と確認した「判決において判断すべき事項」を記載すればよく、部分的、簡略的な判決にできるのではと指摘。法務省の金子修民事局長は「判決理由を記載する判断の対象は裁判所と当事者双方との間で確認した事項だ」と認めました。
本村氏は、期間限定裁判は「当事者の主張・立証の機会を制限し、粗雑な審理や誤判の危険性があり、しかも部分的で簡略化された判決だ」として、「こうした判決が積み重なることで、将来、国民・住民の自由と権利を後退させる」と追及。古川禎久法相は「十分な議論がなされたと認識している」としか答えませんでした。
本村氏は、簡略化された判決の提案は、昨年10月の法制審部会で初めて行われ、パブリックコメントにもかけられていないとして「法案のつくり方に瑕疵(かし)がある」と指摘。労働裁判は長期化する傾向にあるが「期間限定訴訟が優先され、通常訴訟が長期化することがあってはならない」と強調しました。
衆議院法務委員会で、「期間限定裁判」の簡略化された判決では「将来的に国民・住民の自由と権利が後退する危惧がある」と批判しました。
期間限定裁判の判決は、当事者双方と確認した「判決において判断すべき事項」を記載すればよく、部分的、簡略的な判決にできるのではないかと指摘。
法務省の金子修民事局長は「判決理由を記載する判断の対象は裁判所と当事者双方との間で確認した事項だ」と認めました。
期間限定裁判は「当事者の主張・立証の機会を制限し、粗雑な審理や誤判の危険性があり、しかも部分的で簡略化された判決だ」として、「こうした判決が積み重なることで、将来、国民・住民の自由と権利を後退させる」と追及。
古川禎久法務大臣は「十分な議論がなされたと認識している」としか答えませんでした。
簡略化された判決の提案は、昨年10月の法制審部会で初めて行われ、パブリックコメントにもかけられていないとして「法案のつくり方に瑕疵(かし)がある」と指摘。労働裁判は長期化する傾向にあるが「期間限定訴訟が優先され、通常訴訟が長期化することがあってはならない」と強調しました。
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審理を6カ月に限定する「期間限定裁判」などを可能にする民事訴訟法改定案は4月21日の衆院本会議で採決され、賛成多数で可決しました。
日本共産党、立憲民主党、れいわ新選組は反対しました。
私は、4月20日の衆院法務委員会で反対討論し、期間限定裁判は「訴訟が裁判をするのに熟したとき」に判決するとした民事訴訟の大原則に反し、当事者の主張・立証の機会を制限し、粗雑な審理や誤判の危険が高まると指摘。争点の少ない事案では、現行でも迅速な審理が可能だとして、立法事実がないと述べました。
また、民事訴訟のIT化について、裁判所の判断でウェブ会議での口頭弁論や証人尋問の当事者の意見が通る保障がないなか事実上強制できるとして、「(裁判の)直接主義、口頭主義、公開主義という根本的な訴訟原則に反する」と指摘。ウェブ会議では「国家賠償事件、大企業を相手どった労働事件、公害事件など多くの訴訟で国民の不利益になりかねない」と強調しました。
その上で、憲法32条が保障する「国民の裁判を受ける権利」を侵害するとして、改定案の撤回と裁判所職員等の人的体制を拡充することこそ求められると主張しました。