コロナ感染が続くもとで「過労死」の危機にある保健所保健師はじめ自治体労働者の「青天井」の労働時間の問題、住民の皆様の命、保健師の皆様の命を守るには人を増やすしかない!!!と衆議院法務委員会で質問しました。
古川法務大臣は、「長時間にわたる過重な労働は、働く人に疲労の蓄積をもたらし、甚だしい場合には心身の健康にも重大な影響を及ぼしかねないものであり、人権の尊重及び人権擁護の観点からも留意すべき課題であると認識しております。」と答弁。
田畑総務副大臣は、「総務省といたしまして、厚生労働省と連携しながら、必要な支援に努めてまいります。」と答弁。
佐藤厚生労働副大臣は、「労働者の健康確保対策の徹底を図るとともに、労働時間の縮減に向けて必要な指導や支援を粘り強く実施してまいります。」と答弁しました。
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保健師 過労死の危機
本村氏 労働時間規制求める
赤旗 2022年3月16日(水)
日本共産党の本村伸子議員は9日の衆院法務委員会で、「過労死」の危機にある保健師について、過剰・不当な労働時間を規制するよう求めました。
本村氏は、自治労連が7日にまとめた「『過労死ライン』を超える働き方の実態調査結果」によれば、コロナ禍で1カ月最高298時間の時間外労働が確認され、1日15時間以上、30日間連続で働いていると指摘。労働基準法33条1項、3項で「臨時の必要がある場合」に時間外労働の上限規制がない「青天井」になっている問題について、コロナ禍は2年以上続き「もはや臨時とは言えない」、このままでは「過労死」が増える緊急事態だと指摘。住民の命と保健師の命を守るため、保健所保健師の抜本的な増員を図る地方財政措置を求めました。
田畑裕明総務副大臣は、「厚生労働省と連携し、必要な支援に努める」と答弁。本村氏は、さらなる増員を迫りました。
本村氏は、自治体労働者について、時間外労働の上限規制を明確にし、勤務時間のインターバルを11時間取らせるなど、確実な措置を政府として明確にするよう要求。佐藤英道厚労副大臣は、「労働時間縮減に向けて必要な指導をする」と答弁しました。
議事録
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2022年3月9日 衆議院法務委員会 質問 書き起こし
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◆もとむら伸子
日本共産党の本村伸子です。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
まず最初に、コロナ禍で過労死の危機にある保健師の長時間労働の問題について質問をさせていただきたいというふうに思います。
まず、大臣にお伺いをしたいというふうに思います。命、尊厳を守る立場から、人権擁護そして人権尊重の観点から、民間、公務の職場における過剰、不当な労働時間に関し、法務大臣の見解を伺いたいと思います。
◆古川法務大臣
長時間にわたる過重な労働は、働く人に疲労の蓄積をもたらし、甚だしい場合には心身の健康にも重大な影響を及ぼしかねないものであり、人権の尊重及び人権擁護の観点からも留意すべき課題であると認識しております。
◆もとむら伸子
ありがとうございます。
今、コロナ禍の中で、自治体労働者の皆さんも本当に大変な状況になっております。
資料の②、③を見ていただきたいんですけれども、自治労連の皆様が、過労死ラインを超える働き方の実態調査をやられ、三月七日、結果を公表されました。
コロナ禍の中で、一か月最高二百九十八時間もの時間外労働が確認されました。それが資料三なんですけれども、これは京都市の職員の方ですね。埼玉県でも、そして千葉県でも、あるいは静岡市でも、そして名古屋市でも、二百時間を超えるような時間外労働が確認をされております。
一か月最高二百九十八時間ということになりますと、一日十五時間以上働いて、三十日間連続で働くということになってまいります。これはまさに命の危機にあるというふうに思います。
今、労働基準法の三十三条第一項及び第三項では、第一項は、災害その他避けることのできない事由によって、第三項は、公務のために臨時の必要がある場合は、時間外の労働時間が上限の規制がなくて、青天井で労働させることができるという規定になっております。
しかし、保健所の保健師の皆さん始め、新型コロナの対応は二〇二〇年から二年以上続いております。もはや臨時とは言えない状況となっておりまして、今、膨大な新規感染者が出ている下で、このまま続けば過労死がまた増えてしまうという緊急事態だと私は認識をして、今日、質問させていただいているんですけれども、住民の皆様の命も守らないといけない、と同時に、保健師の方々の命も守らないといけない。どちらも守るために国が今早急に対策を取るべきだというふうに思います。
年度を通して行政需要があるということですから、保健所の保健師の抜本的な増員を図る地方財政措置を行うことが必要だと思います。現場からは、人口一万人に一人、まずはこの配置をやってくれということですので、是非その点、総務副大臣、厚生労働副大臣に来ていただきました、是非お願いしたいと思います。
◆田畑総務副大臣
お答え申し上げます。今般の新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、各地方団体におきまして保健所の体制強化に取り組んでいただくことが必要であるというふうにまず認識をしてございます。
総務省といたしまして、保健所の恒常的な人員体制強化を図るため、感染症対応業務に従事する保健師を、令和三年度と令和四年度の二年間で、コロナ禍前の約千八百名から一・五倍の約二千七百名に増員できますよう、令和四年度におきまして、地方財政計画上四百五十名増員するとともに、地方交付税措置として、道府県の標準団体において六名増員することとしてございます。
今後の保健所の体制の在り方につきましては、まずは厚生労働省において地方団体の意見を踏まえ検討されるべきものでございますが、総務省といたしまして、厚生労働省と連携しながら、必要な支援に努めてまいります。
◆佐藤厚生労働副大臣
保健所の保健師につきましては、新型コロナへの対応を踏まえ、感染症の拡大時に円滑に業務ができるよう、感染症対応業務に従事する保健師について、令和三年度から二年間かけて、コロナ禍前の千八百名から一・五倍の約二千七百名に増員するために、必要な地方財政措置を講じることとしております。
これを受けまして、各地方自治体におきましては、各地域の実情を踏まえながら必要な体制確保に取り組んでいただきたいものと考えております。
また、昨年夏の感染拡大を踏まえまして、各都道府県には保健・医療提供体制確保計画を策定をしていただき、全庁体制や外部委託の活用などにより、感染拡大のピーク時においては、全国平均で平時の約三倍の人員を確保できる体制を構築していただいたところであります。
さらに、専門人材の派遣の仕組み、いわゆるIHEATの構築など必要な支援を実施するとともに、My HER―SYS等のシステムの徹底活用、健康観察のために都道府県等が設置するフォローアップセンターの強化など、保健所のみに頼らず健康観察等に対応できる体制の構築を各自治体に働きかけるなど、保健師が専門的な業務に注力できるようにするための取組を実施してきたところでありますが、厚生労働省としては、引き続き、関係者の声もよく伺いながら、総務省とも連携の上、保健所における人員体制の強化や業務の効率化等の取組を支援してまいりたいと考えております。
◆もとむら伸子
百七十万人の標準団体で地方財政措置をしていただいているんですけれども、しかし、一万人に一人という水準にはなっていません。更に増員を図るためにも、地方財政措置をやっていただきたいというふうに思っております。
保健所の保健師さんなどの地方自治体の現場でも、過労死しそうなほど長時間労働を続けているということですけれども、時間外労働の絶対的な上限規制を明確にしていただきたいと思うんです。
臨時というより、恒常的にずっとあるわけですから、絶対的に明確にしていただきたいというふうに思います。
医師による面接指導だけでは現実的に過労死防止の実効性がないというふうに現場から言われています。休んでくれと医師に言われても、現場では休めない現実があって、それだけでは駄目だということで、勤務間、インターバル十一時間を取らせることですとか、あるいは、過労死をさせない確実な措置を政府として明確にしていただきたい。人を増やすという指導も含めて、是非強く求めたいと思いますけれども、お二人の副大臣、お願いしたいと思います。
◆佐藤厚生労働副大臣
まず、新型コロナウイルス感染症への対応のために、医療従事者、保健所の職員を始めとしたエッセンシャルワーカーの皆様方に、日々大変な御努力をされていることに心から改めて感謝と敬意を申し上げたいと思います。
その上で、地方公共団体における保健所の職員につきましては、労働基準法に基づく時間外労働上限規制の適用対象となっており、労働基準監督署において指導等を行っているところであります。
一方、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止等のために保健所の職員の皆様が行っている業務は、人命、公益の保護の観点から、緊急性、必要性が高いことから、労働基準法第三十三条第一項の規定により、上限規制を超えて時間外労働を行わせることが認められていることになっております。
こうしたことから、やむを得ず長時間労働となっている方々の健康が確保されるよう、労働基準監督署において、労働安全衛生法に基づく医師による面接指導の実施などの取組が徹底されるように指導を行うとともに、時間外労働を削減するための具体的な方策を検討し実施するよう指導を行っているところであります。
人命等の保護の観点からも、新型コロナウイルス感染症の対応も重要でありますが、その一方で、長時間労働など職場環境を原因として働く方が健康を害するようなことはあってはならないことであります。引き続き、労働者の健康確保対策の徹底を図るとともに、労働時間の縮減に向けて必要な指導や支援を粘り強く実施してまいります。
◆田畑総務副大臣
改めて、総務省として御回答申し上げたいと思います。
まず何より、コロナ禍におきまして保健所で働く方々には大変な御苦労をおかけして、業務に従事なさっていらっしゃること、何よりも感謝を申し上げたいと思います。
地方公務員の時間外勤務の上限規制や健康確保措置については、平成三十年の働き方改革関連法とこれに関連する人事院規則の改正を踏まえ、総務省としても自治体に対して助言通知を発出をし、各団体において制度、体制の整備に取り組んでいただいたところであります。
公務員につきまして、災害や新型コロナウイルス感染症への対応など、公務のため臨時の必要がある場合においては一時的に長時間勤務が必要となるときがあることから、超過勤務が一定時間を超えた場合にそれ以上勤務を命ずることができないとする制度とはなっておりません。
一方で、コロナ禍が長引く中で、時間外勤務の上限規制や健康確保措置の制度を厳格に運用することで過労死等を防止をし、職員の健康を確保していくことが極めて重要になってきていると考えております。
総務省といたしまして、これまでも自治体に対して助言をしてきたところでございますが、本年一月及び二月に、勤務時間の適切な把握や時間外勤務の要因の整理、分析、検証などの制度を適切に運用し、時間外勤務縮減に向けた取組を図ることや、医師による面接指導の効果的な実施、ストレスチェックの実施による職場環境の改善、相談体制の整備など、職員のメンタルヘルス対策といった制度の実効的な運用に当たっての留意点について改めて自治体に通知したところでございます。
引き続き、各自治体における実態を把握をし、確実に措置が講じられますよう助言をしてまいります。
◆もとむら伸子
住民の皆さんの命を守り、そして保健師の皆さんの命を守るためには、人を増やすしかないんですよ。そういう指導を是非、厚生労働副大臣、やっていただきたいと思います、労働基準関係で。よろしくお願いしたいと思います。