もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
国会質問

質問日:2022年 3月 8日 第208国会 本会議

邦人を危険にさらす 防衛省設置法等改定案

 
3月8日国際女性デー、ミモザの花をつけて、衆議院本会議で、防衛省設置法等改定案について岸信夫防衛大臣、林芳正外務大臣にたいし、質問しました。
 
防衛省設置法等改定案は、自衛隊法84条の4に定める在外邦人等の輸送要件を緩和し、外国人協力者だけの輸送も可能とするものです。
 
 私は、同改定案が昨年8月のアフガニスタンからの邦人輸送の経験を踏まえたものとされているものの、当時の派遣決定の背景に何があったかは明らかにされていないと指摘。「米国の事実上の占領統治が崩壊する下で、米軍による退避作戦の一翼を担うものだったのではないか」とただしました。
 
 また、派遣先国政府の同意のみで、もう一方の紛争当事者である反政府勢力などの同意が必要とされておらず、「自衛隊が外国領土に足を踏み入れること自体が敵対行為とみなされ、攻撃対象となり、かえって邦人を危険にさらすことになる」と指摘。同改定案で、政府専用機の使用を原則としてきた規定を廃止し、実施要件を「輸送の安全」から「予想される危険を避けるための方策」に改めるのは、「防衛相が実行可能と判断しさえすれば、輸送を行えるということか」とただしました。
 
 岸信夫防衛相は「緊急時の意思決定を迅速、的確に行えるよう規定を改定した」などと主張しました。
 
 愛知県内の航空自衛隊小牧基地所属のC130輸送機に関わる法改定です。
 
 早め早めの危険回避で、邦人の方々も自衛隊員の方々も命が奪われることがないようにしなければなりません。
 
 
 
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邦人を危険にさらす

防衛省設置法等改定案 本村氏ただす

衆院本会議

写真

(写真)質問する本村伸子議員=8日、衆院本会議

 日本共産党の本村伸子議員は8日の衆院本会議で、防衛省設置法等改定案についてただしました。同改定案は、自衛隊法84条の4に定める在外邦人等の輸送要件を緩和し、外国人協力者だけの輸送も可能とするものです。

 本村氏は、同改定案が昨年8月のアフガニスタンからの邦人輸送の経験を踏まえたものとされているものの、当時の派遣決定の背景に何があったかは明らかにされていないと指摘。「米国の事実上の占領統治が崩壊する下で、米軍による退避作戦の一翼を担うものだったのではないか」とただしました。

 また、派遣先国政府の同意のみで、もう一方の紛争当事者である反政府勢力などの同意が必要とされておらず、「自衛隊が外国領土に足を踏み入れること自体が敵対行為とみなされ、攻撃対象となり、かえって邦人を危険にさらすことになる」と指摘。同改定案で、政府専用機の使用を原則としてきた規定を廃止し、実施要件を「輸送の安全」から「予想される危険を避けるための方策」に改めるのは、「防衛相が実行可能と判断しさえすれば、輸送を行えるということか」とただしました。

 岸信夫防衛相は「緊急時の意思決定を迅速、的確に行えるよう規定を改定した」などと主張しました。

 
 
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議事録

【衆議院本会議 2022年3月8日 質問と答弁の書き起こし】
 
◆もとむら伸子
私は、日本共産党を代表し、防衛省設置法等一部改定案について質問をいたします。
 
初めに、ロシア政府によるウクライナ侵略についてです。
国連総会は、四十年ぶりに緊急特別会合を開催し、武力行使の即時停止、軍の完全かつ無条件の撤退を求める決議を百四十一か国の賛成多数で採択いたしました。加盟国の七割を超える圧倒的多数の声が示されたことの意義を、政府はどう認識していますか。
政府に対し、「侵略やめよ」の一点で国際的な共同を更に広げるための外交努力とともに、ウクライナの人々の命と生活を支援する食料、防寒着、医薬品など非軍事支援に全力を挙げることを求めます。
 
プーチン大統領が核兵器の使用を示唆したことを契機に、米国との核共有が取り沙汰されています。広島、長崎の惨禍を二度と繰り返させないと、生涯をかけて核兵器の廃絶を訴え続けてこられた被爆者の願いを踏みにじるものであり、絶対に許すことはできません。
唯一の戦争被爆国の政府として、事態を悪化させる議論と決別し、核兵器禁止条約への参加を決断し、核廃絶の先頭に立つべきではありませんか。
 
 
本法案は、自衛隊法八十四条の四に定める在外邦人等の輸送の要件を緩和し、輸送対象者を外国人協力者などに拡大するものです。
今回の改定は、昨年八月のアフガニスタンからの邦人輸送の経験を踏まえたものとしていますが、当時の派遣決定の背景に何があったのか、明らかにされておりません。
 
当初、防衛大臣は、現地に出入りしている関係国の軍用機で退避することが最善としていたにもかかわらず、その数日後には自衛隊の派遣に踏み切りました。アメリカからの要請があったことが報じられていますが、日米間でどのようなやり取りがあったのですか。
 
アメリカの事実上の占領統治が崩壊する下で、米軍による退避作戦の一翼を担うものであったのではありませんか。
そもそも、在外邦人等の輸送は、地域紛争や内戦、内乱などの緊急事態が発生した外国領域に自衛隊を派遣するものです。
政府は、派遣先国政府の同意を得るといいますが、もう一方の紛争当事者である反政府勢力などの同意を得るわけではありません。そのような状況下で自衛隊が外国領土に足を踏み入れること自体が敵対行為とみなされ、攻撃対象となり、かえって邦人を危険にさらすことになるのではありませんか。
 
自衛隊は、国際法上、軍隊であり、その航空機や船舶、車両に搭乗する民間人は国際人道法による保護を受けられないのではありませんか。
 
今回、政府専用機の使用を原則としてきた規定を廃止し、さらに、実施の要件を、輸送の安全から、予想される危険を避けるための方策に改めるとしていますが、これはなぜですか。
 
政府は、従来、派遣先国政府によって安全が確保されないときは輸送を行うことはあり得ないとしてきましたが、防衛大臣が実行可能と判断しさえすれば輸送を行えるということですか。
 
米軍の撤収をめぐる混乱は、二十年前に始めた報復戦争に端を発したものです。二〇〇一年の九・一一テロに対し、当時のブッシュ政権は、自衛の名の下にアフガンへの軍事攻撃に踏み切り、タリバン政権を崩壊させました。ところが、米軍の空爆と掃討作戦は新たな憎しみと暴力の連鎖を生み、それがタリバンの復権を招き、撤退を余儀なくされたのです。
政府は、インド洋に自衛隊を派遣し報復戦争に加担した誤りを認めるべきではありませんか。
 
いかなる国であれ、大国による横暴を許してはなりません。
憲法九条を持つ日本がやるべきことは、敵基地攻撃能力の保有ではなく、東アジアを平和と協力の地域とするための外交努力だということを強調し、質問を終わります。
 
 
 
◆林芳正外務大臣
本村議員にお答えいたします。
国連総会の緊急特別会合についてお尋ねがありました。
現地時間三月二日、国連総会の緊急特別会合におきまして、ロシアによるウクライナへの侵略を最も強い言葉で遺憾とし、ロシア軍の即時、完全、無条件の撤退を求めることなどを内容とする総会決議が採択されたことを歓迎します。百四十一か国が賛成し、総会決議案が採択されたことは、国際社会で幅広く共有されている強い意思が改めて確認されたものと受け止めています。
 
我が国は、ロシアによるウクライナへの侵略を厳しく非難するという基本的な立場に基づき、総会決議案の共同提案国となり、賛成票を投じました。決議が実施されることが重要です。
政府として、引き続き、G7を始めとする国際社会と連携して、ロシアに対して、即時に攻撃を停止し、部隊をロシア国内に撤収し、国際法を遵守するよう強く求めていく考えであり、国連においても、我が国の基本的立場を踏まえ、積極的に貢献していきたいと考えています。
 
次に、ロシアによる侵略の即時停止を国際社会が一体となり求めることの重要性についてお尋ねがありました。
三月二日、国連総会の緊急特別会合において、ロシアによるウクライナへの侵略を最も強い言葉で遺憾とし、ロシア軍の即時、完全、無条件の撤退を求めること等を内容とする総会決議が賛成国百四十一か国で採択されました。これほど多くの国が賛成し、総会決議案が採択されたことは、国際社会で幅広く共有されている強い意思が改めて確認されたものと受け止めております。
 
日本としては、引き続き、G7を始めとする国際社会と連携して、ロシアに対して、厳しい制裁を実施しつつ、即時に攻撃を停止し、部隊をロシア国内に撤収し、国際法を遵守するよう強く求めていく考えであり、国連においても、我が国の基本的立場を踏まえ、積極的に貢献をしていきます。
 
次に、ニュークリアシェアリング及び核兵器禁止条約についてお尋ねがありました。
ニュークリアシェアリングは、平素から自国の領土に米国の核兵器を置き、有事には自国の戦闘機等に核兵器を搭載、運用可能な体制を保持することによって、自国等の防衛のために米国の核抑止を共有するといった枠組みと考えられますが、我が国については、非核三原則を堅持していくことから、認められません。
 
また、核兵器禁止条約は、核兵器のない世界への出口とも言える重要な条約です。しかし、現実を変えるためには核兵器国の協力が必要ですが、同条約には核兵器国は一か国も参加をしていません。
 
御指摘のような対応よりも、我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器国を関与させるよう努力をしていかなければなりません。
 
そのためにも、まずは、唯一の同盟国である米国との関係が重要です。先般の日米首脳テレビ会談でも、核兵器のない世界に向け、共に取り組んでいくことが確認され、信頼関係構築に向けた一歩を踏み出すことができました。引き続き、米国と協力しながら、現実的な取組を進めていきます。
 
次に、インド洋における海上自衛隊による支援活動についてお尋ねがありました。
我が国は、二〇〇一年十二月以降、テロリズムの防止、根絶に向けた国際社会の連帯において責任を果たし、我が国を含む国際社会の平和と安全の確保のための取組の一翼を担うため、旧テロ対策特別措置法及びテロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法に基づき、インド洋における海上阻止活動に参加する各国艦船に対して、海上自衛隊による燃料、水の補給支援を実施しました。
我が国による補給支援活動については、アフガニスタンや米国を含む多くの国や国連などから、アフガニスタンの平和と安定に寄与するものとして、歓迎の意が示されました。
 
次に、東アジアを平和と協力の地域とするための外交努力についてお尋ねがありました。
今般のロシアのウクライナ侵略や緊張する米中関係に見られるとおり、厳しさと複雑さを増す国際情勢の中で、未来への理想の旗をしっかりと掲げつつ、自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を重視しながら、したたかで、徹底的な現実主義を貫く、新時代リアリズム外交を展開していきます。
 
力による一方的現状変更は認められません。我が国の外交、安全保障の基軸である日米同盟の抑止力、対処力を一層強化し、地域の平和と繁栄、そして、より広く国際社会に貢献する同盟へと導いていきます。また、私自身、先月、日米豪印外相会合、フランス・EU共催のインド太平洋閣僚会合等に参加したところですが、米国、豪州、インド、ASEAN、欧州などの同盟国、同志国とも連携しながら、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組を引き続き推進してまいります。
 
◆岸信夫防衛大臣
本村伸子議員にお答えをいたします。
まず、昨年八月のアフガニスタンにおける在外邦人等輸送の実施の決定の背景についてお尋ねがありました。
アフガニスタンからの邦人等の退避については、邦人等を退避させ、安全の確保を図ることは極めて重要であるとの考えの下、八月二十三日、外務大臣臨時代理から依頼を受け、防衛大臣から自衛隊に対して在外邦人等の輸送を命じたものであり、米軍による退避作戦の一翼を担うものとの御指摘は当たりません。
実際のオペレーションに際し、米国との間では、現地情勢に関する情報共有や、出国希望者の迅速かつ安全な退避を実施するための連携等、様々なレベルで緊密に調整、連絡を行いました。
 
次に、紛争当事国の同意がない状況下での在外邦人等の輸送の実施についてお尋ねがありました。
派遣先国と紛争当事者との関係等、個別具体の緊急事態の状況は様々であり、お尋ねについて、
あらかじめ一概に申し上げることは困難でありますが、輸送の実施に当たり、邦人に事故が起きる事態を避け、在外邦人の安全確保というそもそもの目的を達成することが重要であることは言うまでもありません。
国際人道法についてお尋ねがありました。
自衛隊は、国際法上、一般的には軍隊として取り扱われるものと考えられますが、ジュネーブ諸条約に代表される国際人道法は、基本的には、武力紛争の当事国の間における関係を規律しているものです。
自衛隊法第八十四条の四に基づく自衛隊の活動は、外国における緊急事態に際して生命又は身体の保護を要する邦人を本邦等の安全な地域に輸送する活動です。当該輸送は、国際法上禁じられた武力の行使に当たるものではなく、我が国がこうした活動を行うこと自体によって紛争当事国になることはありません。
したがって、このような活動について、そもそも国際人道法における軍事目標主義の適用を論じる意義はなく、当該輸送を行う自衛隊の部隊に対して武力の行使を行うことは、国際法上違法な武力の行使であって、正当化されません。
次に、輸送の安全についてお尋ねがありました。
自衛隊法第八十四条の四に基づく在外邦人等の輸送については、これまで、予想される危険を避けるため、チャフ、フレア、防弾板等の自己防護措置の使用等、輸送機ならではの方策を講じた事例を含め、自衛隊機の派遣実績が積み重なっています。
こうした派遣実績の積み重ねに照らすと、現行規定の、予想される危険を避けるための方策を講ずることができると認められれば、自衛隊による輸送の支援となるような危険は避けることができると判断されるため、当然に、輸送を安全に実施することができると判断されることが分かってきました。
このため、緊急時の意思決定を迅速的確に行えるように、本規定を改正することとしたものであります。
なお、従来、派遣先国政府等の措置により輸送の安全を確保することと御説明してまいりましたが、今後とも、予想される危険を避けるための方策について、外務大臣と協議し、当該方策を講じた上で派遣を行うという点については変更はありません。
 
次に、インド洋への自衛隊の派遣についてお尋ねがありました。
9・11テロに対して、我が国は、国際的なテロリズムの防止及び根絶のための取組に積極的かつ主体的に寄与することは国益にもかなうという立場から、旧テロ対策特別法に基づき、インド洋において海上阻止行動を行う諸外国の軍隊に対する補給活動等を行いました。
自衛隊による補給活動については、国連やアフガニスタンを含む各国からの評価や謝意が表されており、御指摘の報復戦争に加担した誤りを認めるべきとの御指摘は当たりません。
最後に、いわゆる敵基地攻撃能力についてお尋ねがありました。
政府としては、御指摘の外交努力を尽くすとともに、いかなる事態にも対応できるよう万全を期していくことは当然です。
我が国を取り巻く安全保障環境が急速に厳しさを増す中で、ミサイル防衛体制を始め、国民の命や暮らしを守るために十分な備えができているのか、いわゆる敵基地攻撃能力も含め、あらゆる選択肢を排除せず、現実的に検討してまいります。
この検討は、憲法及び国際法の範囲内で行ってまいります。

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