もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
国会質問

質問日:2022年 3月 1日 第208国会 法務委員会

究明終わっていない 入管ウィシュマさん死亡 本村氏が追及

究明終わっていない

入管ウィシュマさん死亡 本村氏が追及

衆院法務委

2022年3月2日(水) 赤旗

写真

(写真)質問する本村伸子議員=1日、衆院法務委

 日本共産党の本村伸子議員は1日の衆院法務委員会で、名古屋出入国在留管理局に収容されていたスリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさんが昨年3月6日に死亡した事件の真相究明を求めました。

 本村氏は、昨年12月に開示されたウィシュマさんが亡くなる2週間前からの監視カメラ映像では、下半身がほとんど動かない状態だったと指摘。「精密検査や根本治療が必要だったのではないか」と追及しました。

 本村氏は、前日に出された入管庁の有識者会議による「入管収容施設における医療体制の強化に関する提言」で、適切な医療を行うことは国の責務としたことにふれ、「収容者の健康状態が悪い場合、外部の医療機関も含めて根本的な治療を行うと約束してほしい」と迫りました。古川禎久法相は、「提言を受け止め、二度とあのような出来事がないよう努めたい」と述べました。

 本村氏は、入管庁施設で相次ぎ死亡事件が起きていることにふれ、監視カメラの映像を長期保存する仕組みも要求しました。

 その上で、本村氏は2月23日のビデオでは命の危機と言える深刻な状況があったにもかかわらず、昨年8月の入管庁調査チーム「報告書」は、「『体調不良で訴えた』としか記載せず、正確ではない」と批判。古川法相は、「すべてを逐一記載していない」など述べました。本村氏は、「真相究明をこれで終わりにしないでほしい」と強く求めました。

 

議事録

 
○もとむら伸子
日本共産党のもとむら伸子でございます。
どうぞよろしくお願いを申し上げます。
まず冒頭、ロシアによるウクライナ侵略に、表現し得る最大限の憤りを持って抗議をいたします。
国際社会がロシアのウクライナの侵略反対の一点で力を合わせ、侵略をやめさせなければなりません。
また、プーチン大統領が核兵器の使用を示唆する発言を行ったことを絶対に許すことはできません。私の父は長崎の被爆者です。被爆者の皆さんが人生を懸けて核兵器をなくすために御努力をされてきた、長崎を最後の被爆地にという声を上げ続けてこられました。この被爆者の皆さんの思いに応えて、核兵器を絶対に使用させない、威嚇も許さないという立場で、政府としても全力を挙げていただきたいということを切に求めるものでございます。
既に子どもたちを含め民間人の命も奪われ、そして犠牲になっているという報道がございます。この命の危機から逃れる避難民の方々の救済、保護というのは喫緊の課題です。750万人もの子供たちもいらっしゃるということが言われておりますけれども、この命を守るための支援をこの日本でもやっていかなければいけないというふうに考えております。
国連の難民高等弁務官事務所では最大400万人、そしてEUの危機管理局は700万人の難民の可能性が出るということが言われておりますけれども、日本でも、ウクライナからの避難民の方々の救済、保護、そしてビザの発給、在留資格発行、そして、難民として柔軟に受け入れていくべきだというふうに思っております。また、ロシアの中でも、プーチン大統領に異を唱え、迫害を受けている方々の救済、保護も必要だというふうに考えております。
ウクライナへの侵略によって命の危機にさらされている避難民の方々を保護し、そして生命の安全を確保するためにも、日本も役割を果たし、そして、難民の受入れを適切に行っていくべきだというふうに考えておりますけれども、法務大臣、お答えをいただきたいと思います。
 
○古川法務大臣
我が国に避難を希望される外国人から上陸申請がなされた場合には、入管庁において、個々の置かれた状況に十分配慮しながら、発給された査証に基づき、本邦への上陸を速やかに認めることといたしております。法務省としては、避難される方々の我が国への受入れについて、関係省庁と連携の上、早急に検討し、積極的かつ適切に対応してまいる所存です。
本邦に避難した外国人から難民認定申請がなされた場合は、その申請者ごとに申請内容を審査した上で、難民条約の定義に基づき、難民と認定すべき者を適切に認定してまいります。また、難民条約上の難民とは認められない者であっても、本国情勢等を踏まえて人道上の配慮が必要と認められる者については、本邦への在留を認めております。
今、委員からは、ウクライナからの避難民の方々に加えて、ロシアの中でもプーチン大統領に異を唱えて迫害をということにお触れになりましたけれども、そのような場合にも適切に対応してまいりたいと思っています。
 
○もとむら伸子
以前、シリア難民の皆様には日本は大変冷たい状況があったわけですけれども、今度こそ難民の受入れを適切に行っていただきたいということを強く求めたいと思います。
私も、名古屋でウクライナ出身の方々のお声をお伺いをいたしました。御家族、御親戚、御友人のことを思い、不安で眠ることができないという日々をお過ごしになっておられます。命の危機から逃れ、多くの困難を抱えた方々の救済に、日本政府としても全力を挙げていただきたいということを重ねて申し上げたいと思います。
ウィシュマさんの死亡事件について質問をいたします。
先ほど来大臣からもお話がありますように、ウィシュマ・サンダマリさんが名古屋出入国在留管理局でお亡くなりになった3月6日から一年がたとうとしています。名古屋入管に私も行かせていただきました。その際にも黙祷をさせていただきましたけれども、心から哀悼の意を申し上げたいと思います。
日本の入管収容が国際人権条約に反することは、国連の自由権規約委員会、拷問禁止委員会、人種差別撤廃委員会から指摘をされてきましたけれども、改善しようとしなかった。出入国在留管理庁の調査チームの報告書がありますけれども、それは、こういう国際的な機関からの指摘を何ら顧みられていないという厳しい指摘がございます。
ですから、この報告書を出したからもう終わりだというふうにしないで、真相解明のために引き続き努力をしていかなければいけないというふうに思っております。
昨年12月24日、法務委員長そして法務委員会の理事、オブザーバー、希望する法務委員の皆様が、私も参加をさせていただきましたけれども、ウィシュマさんが亡くなる2週間前からの監視カメラの約6時間半の記録を視聴をいたしました。2週間分ですから336時間あるわけですけれども、その中の6時間半ピックアップされたものでございます。その中でも多くのことが明らかになったというふうに思っております。
法務大臣も視聴されたということを先ほど来答弁されておりますけれども、亡くなる2週間前、
見ることが可能な最初の2月22日から、ウィシュマさんは下半身がほとんど動かない状況になっておられ、かなり調子が悪いということが見て取れました。
法務大臣は、2月22日、どのような状態にあったのかというふうにお感じになっておられますでしょうか。
 
○古川法務大臣
ウィシュマ・サンダマリさん、亡くなられて、3月6日で一年です。改めて哀悼の誠をささげ、御遺族にもお悔やみを申し上げたいと存じます。
今委員お尋ねの件でございますけれども、本事案の評価につきましては調査報告書が出ております。この調査報告書では、可能な限り客観的な資料に基づいて、医師、弁護士等の外部有識者の方々に御意見、御指摘をいただきながら事実を確認し、考えられる問題点を幅広く抽出して検討がなされたものというふうに承知をしております。
調査報告書では、ウィシュマさんの一月中旬以降の健康状態及び医療的対応の在り方について詳細に言及がされております。その上で、問題点は幾つか指摘されております。法務大臣としては、このような調査結果を踏まえた改革を着実かつ迅速に実現するよう入管庁に徹底をするということが重要であるというふうに考えています。
 
○もとむら伸子
下半身がほとんど、2月22日の段階でもう動かないような状況がありましたけれども、早い段階からの精密検査そして根本治療が必要だったのではないかと思いますけれども、大臣、お答えをいただきたいと思います。
 
○古川法務大臣
本事案の評価につきましては、先ほど申し上げました調査報告書に委ねられるべきものだというふうに考えております。
 
○もとむら伸子
だから、先ほど来、報告書は不十分な点があるということも御指摘をさせていただいているんですけれども。
既に2月3日の時点で、愛知県内の支援者の方が、なぜこのような状態になるまで放置していたのか、点滴等、しかるべき処置はきちんとされていたのかと指摘をされておりました。そして、2月15日の尿検査では肝臓や腎臓の病気が疑われる数値、そして、先ほど来御議論ありましたけれども、飢餓状態と指摘をされる状態になっておりました。
なぜ精密検査や根本治療が行われなかったのか、その点、大臣、お答えいただきたいと思います。
 
○西山出入国在留管理庁次長
大臣からもお話がございましたけれども、本件につきましては調査報告書を作成して、案件について客観的な資料等に基づきまして、また有識者にも加わっていただいて検討したものでございまして、その調査結果は尊重すべきであるというふうに私どもも考えておりますけれども、その調査結果に基づきましても、委員が御指摘の下半身の状態も含めまして、ウィシュマさんに生じていた体調不良について、その当時、ウィシュマさんを庁内外の複数の医師が検査等を行ったものの、調査結果に記載してございますとおり、当時、その原因を特定することがそもそもできていなかったということがございます。
また、調査チームによる調査におきましても、死因となった疾患及び死亡に至った具体的な経過を詳細に特定するために、専門医2名から意見を聴取するなどいたしましたけれども、詳細な死因については、複数の要因が影響していた可能性があり、死亡に至った具体的な経過、機序を特定することは困難であるとの結論に至っているものでございます。
そうした本事案の評価に基づきますれば、個別の治療行為の必要性については言及はなかなか難しいということでございます。
 
○もとむら伸子
私は、もっと早い段階で精密検査や根本的な治療が行われていればウィシュマさんの命が守られたのではないかというふうに思っております。
昨日、2月28日、私の事務所に届けていただきましたけれども、入管収容施設における医療体制の強化に関する提言というものを届けていただきましたけれども、その中の「入管収容施設における医療の目的」の中には、「被収容者は、自己の意思により自由に施設外の医療を受けることができず、その健康の保持と社会一般の医療水準に照らし適切な医療上の措置を行うことは、収容を行う国の責務である。」というふうに書かれております。
今後、収容者の方々の健康状態が悪い場合、外部の医療機関も利用して、精密検査も含めて、根本的な原因を突き詰め、そして根本治療をやると約束をしていただきたいと思います。大臣、お願いしたいと思います。
 
○古川法務大臣
昨日、入管収容施設における医療体制の強化をテーマとする有識者会議からの報告書を受け取りました。これは、ウィシュマさんのあの悲しい出来事を、二度と同じことを繰り返してはならないというその決意の下に、そのための改善策の一つとして、このように有識者会議を設置していただいて、そこで多角的に御議論いただいた、その成果がこの提言でございます。
この提言をしっかりと受け止めて、二度とあのような出来事のないようにしっかりと努めてまいる覚悟です。
 
○もとむら伸子
精密検査など、根本的な原因を突き止め、そして根本治療をしっかりとやっていただけるということでよろしいですね。
 
○古川法務大臣
入管庁の施設におきましては、被収容者に対しては、体調不良や傷病等を訴える被収容者に対しましては、訴えの内容や症状等に応じて、必要な診療、治療を適時適切に受けさせております。庁内外の医師の診察を適時に受けさせた上、その診察結果に従った医療的対応を行ってきております。
その上で、今回いただいた提言を踏まえて、やはり、その提言の中に、今までのやり方では足りないところがあるという指摘であるならば、それを真摯に受け止めて、そのような改善に努めてまいりたいということでございます。
 
○もとむら伸子
少し確認をさせていただきたいんですけれども、出入国在留管理庁の収容施設の中で死亡事件が相次いでおります。戦後から今まで何人の方が亡くなられたのか、改めてお伺いをしたいと思います。
 
○西山出入国在留管理庁次長
平成19年以降でございますけれども、全部で17件ございます。
 
○もとむら伸子
戦後の数字をお願いしたんですけれども。
 
○西山政府参考人 (出入国在留管理庁次長)
私どもで資料で確認できる限りで、平成19年以降で数字を挙げさせていただいた次第でございます。
 
○もとむら伸子
先ほども指摘をさせていただきましたけれども、そもそも、2月3日の時点で、亡くなる一か月以上も前から、点滴をということを訴えておられました。
私は、12月24日の、監視カメラの映像を6時間半見させていただいたときに、この2月3日の時点のビデオも見させてほしいというふうに申し上げましたけれども、名古屋入管の監視カメラの記録は2週間で上書きされるから残っていないというふうに言われました。
外から隔離をされた閉鎖空間の中で、命と尊厳が守られ、虐待、暴力などの隠蔽を許さないためにも、映像記録が2週間前までしか残らないという仕組みはやめて、記録媒体、保存機器などで残すなど、もっと長期に保存できる仕組みを構築するべきだと思いますけれども、大臣、お願いしたいと思います。
 
○古川法務大臣
委員の御指摘は受け止めさせていただきます。
他方で、記録媒体の保存容量の問題ですとか、被収容者個人の着替えの場面など、プライバシーに関わる映像記録を必要以上に長期間保存することの適否等の問題もございます。
また、この監視カメラというのは、その設置の趣旨でございますけれども、これは体調不良の被収容者や遵守事項違反に及び保護室に収容された被収容者の動静をリアルタイムで監視して、容体に変化があった際ですとか自傷行為に及んだ際な
どに迅速に対応するために、そういう趣旨を持ってこのカメラというものは設置をされておるわけです。
このカメラ設置の趣旨等にも照らして、十分な仕組みとなるように努めてまいりたいと思います。
御指摘は受け止めます。
 
○もとむら伸子
センシティブな個人情報はしっかりと保護しながら、それをどうやって両立するのかということも含めて検討をスタートしていただきたいというふうに思います。
先ほども、報告書、報告書というお話がありましたけれども、その報告書ですけれども、様々な問題がございます。
階議員が映像記録を見た際にも御指摘ありましたけれども、2月24日の監視カメラの記録、
朝4時から朝4時59分までの映像を見させていただきました。ウィシュマさんは、最初、動かない状況で、一瞬白くなり、そして四時五分頃、ああ、ああという苦しみの声が続き、そして毛布をかぶり直し、4時15分過ぎに、ため息、はあという声があり、吐くような状態がありました。
そして、4時15分から4時20分の間に、担当さん、口から息できない、ああ、ああという、そして吐き気がひどそうな状況もございました。ああ、ああと、ずっと苦しみ続けている状況がございました。
しかし、出入国在留管理庁調査チームの報告書には、かぎ括弧で、日中以外では、午前四時台にも体調不良を訴えたとしか書かれておりません。
明らかに命の危機と言える深刻な状況があったのに、報告書の書きぶりはおかしいというふうに思いますけれども、正確でないというふうに思いますけれども、大臣、お答えをいただきたいと思います。
 
○古川法務大臣 この調査報告書には問題点や改善点の検討の前提となる事実関係を幅広く記載しておりますが、亡くなられた方や職員の発言、行動等の全てを逐一記載することはしていないところであります。
御指摘の場面につきまして、看守勤務者が臨場した当初は、亡くなられた方が、ウィシュマさんが息苦しさや腹痛等の体調不良を訴えていたが、血液等の測定、バイタルチェックで数値に異常は見当たらず退室したものであったことから、この場面も含めて調査報告書には、A氏はこれらのほかにも体調不良を訴えて「日中以外では、午前4時台にも体調不良を訴えた」、バイタルチェックを希望し、看守勤務者がバイタルチェックを行ったが、各数値に異常は見当たらなかったと記載しているものと承知しています。
なお、2月下旬の体調不良の訴えに対する医療的対応の問題点につきましては、外部有識者の方々の御意見、御指摘を踏まえて、指摘をされております。
具体的には、名古屋局の幹部が、被収容者の体調や診療の申出事実等を的確に把握し、必要に応じ、外部医療従事者による対応を検討する、指示できる体制を構築しておくべきであったこと。
あるいは、この亡くなられた方の、ウィシュマさんの訴えが誇張やアピールであったと疑っていたとしても、仮にですよ、疑っていたとしても、そのことと医療的対応の必要性とを区別して、真に医療的対応の必要な状況を見落とすことなく適切に対応できるよう、職員に意識させておく必要があったというようなことが、そういう指摘を受けております。
 
○鈴木委員長 本村君、申合せの時間が経過しておりますので、御協力をお願いします。
 
○もとむら伸子
今、報告書、問題点を指摘させていただきましたけれども、真相究明をこれで終わりにしないでいただきたいということを重ねて申し上げ、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
 

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