もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
国会質問

質問日:2019年 3月 1日 第198国会 総務委員会

地方税法関連4法案 質疑と反対討論

議事録

198-衆-総務委員会-6号 2019年3月1日

○本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。
 まず冒頭、予算委員会での予算案の採決の強行、そして、この委員会も委員長職権で開かれていることに強く抗議をしたいと思います。二度とこうしたことがないように、委員長にはくれぐれもお願いしたいというふうに思います。
 きょうは、幼児教育、保育の無償化について質問をさせていただきます。
 幼児教育、保育の無償化の、まず、市町村の負担、一体どうなるのか、二〇二〇年度から公立保育園が多い自治体ほど負担がふえるのではないかと思いますけれども、答弁をお願いしたいと思います。
○安藤大臣政務官 お答えいたします。
 幼児教育、保育の無償化に関する財源負担のあり方については、国と地方で適切な役割分担をすることが基本と考えており、国と地方がよく連携して無償化を進めていくことが重要と考えております。
 この財源負担のあり方については、現行制度の保育所等に係る負担割合と同様に、国二分の一、都道府県四分の一、市町村四分の一とし、公立施設については市町村等十分の十とすることで、昨年の教育の無償化に関する国と地方の協議において地方三団体から御了承をいただきました。
 これらの無償化の財源については、消費税率引上げに伴い国と地方へ配分される増収分を活用することとしており、国の責任において必要な地方財源をしっかりと確保してまいります。
○本村委員 二〇二〇年度から公立保育園、公立幼稚園は無償化の負担は一〇〇%市町村負担ということになってまいります。
 東京二十三区の特別区長会の試算では、東京二十三区だけで区立保育所で九十一億円負担増などで、幼児教育、保育の無償化トータルでいいますと三百十六億円の負担増ということになりまして、消費税が来るというふうに言われても、法人住民税の国税化減収分三百八十四億円もございますので、それと合わせますと、結局、差引き二百四十億円の負担増になるというふうに試算をされております。東京も待機児童対策が緊急に求められているのに、そこにお金が回らないということがあっては絶対にいけないというふうに思います。
 そして、愛知県内の自治体からも、公立保育所そして幼稚園、一〇〇%自治体負担で、待機児童対策が必要なのにできないという声も出されております。中核市の市長会の試算では、公立保育園だけで中核市の平均で二億五百万円の負担増ということになってまいります。
 ちょっとここで、別でお伺いをしたいんですけれども、私の地元は愛知県の豊田市でございます。無償化の市町村負担分、不交付団体は二〇二〇年度から丸々持ち出しということになるんでしょうか。
○安藤大臣政務官 お答えいたします。
 今般の幼児教育、保育の無償化の財源については、消費税率の引上げに伴い、国と地方へ配分される増収分を活用することとしており、国の責任において必要な地方財源をしっかりと確保いたします。
 そして、地方交付税の交付団体か不交付団体かにかかわらず、初年度に要する経費については全額国費による負担とすること、そして、初年度と二年目の導入時に必要な事務費について全額国費による負担とすることなどの措置を行うこととしております。
 これらを含めて、地方の財政負担については、昨年、教育の無償化に関する国と地方の協議において、国から地方団体に提案し、その内容について御了承をいただいたものでございます。
 十月からの実施に向けて、引き続き、国と地方でよく連携しながら進めてまいりたいと考えております。
○本村委員 豊田市などは、法人住民税の国税化でとられている。保育の無償化でも、公立の部分は市町村負担、みんな持ち出しということになってまいります。幼児教育、保育の無償化は全額国の責任でやるべきだというふうに思います。
 私どもは、そもそも消費税増税に反対でございます。大企業や高所得者に応分の負担を求める税制改革が必要だということも主張させていただいております。ぜひそうした方向でやっていただきたいと思います。
 もう一つお伺いをしたいんですけれども、愛知県の南知多町では、島の一園を除いて、あとは全て公立の保育園でございます。愛知県内のほかの自治体と比べましても、財政力、財政が豊かな自治体ではありません。こうした自治体は、一〇〇%市町村負担になったら大変になるのではないか。公立保育園、保育士の皆さんは、子供さんの健全な成長のために本当に必死に頑張っておられます。南知多町では、島の民間の保育園では保育士さんがなかなか集まらないということで、保育士さんを町が、南知多町が派遣をして、努力をしているわけでございます。
 公立保育園なら一〇〇%市町村負担という国の方針は、結局、こういう山間僻地の自治体を苦しめることになるのではないかと思いますけれども、答弁をお願いしたいと思います。大臣に、これは大臣に通告をしております。
○林崎政府参考人 お答えいたします。
 先ほども御紹介ございましたけれども、本年十月から実施されます幼児教育の無償化における公立保育所に係る経費につきましては、実施初年度分は全額国費により措置される、これはもう先ほどのお話がございました。
 三十二年度以降は、子ども・子育て支援法の規定に基づいて、今御指摘のように、全額が市町村の負担ということになるわけでございますけれども、平成三十二年度以降の幼児教育の無償化に係るその地方負担分につきましては、地方財政計画の歳出に全額計上いたしまして、一般財源総額を増額確保した上で、個別団体の地方交付税の算定に当たりましても、基準財政需要額に全額算入することによりまして、必要な財源をしっかり確保してまいる所存でございます。この点は、保育所が公立であるか私立であるかにかかわらず同様でございます。
 今般の幼児教育の無償化の実施に当たりまして、地方団体の財政運営に支障が生じないように、引き続き適切に対応してまいる所存でございます。
○本村委員 一般財源総額に全額のせるといいますけれども、一年分ですと約五千億円ですけれども、ちゃんと一般財源総額まるっとふえるという理解でよろしいでしょうか。これは大臣に。いや、大臣に聞く機会がなくなってしまうので、この質問は大臣にお願いしたいと思います。公立保育園の運営が難しくなるような、そんなことにはさせないという御答弁を大臣にお願いしたいと思います。
○石田国務大臣 先ほど局長から申し上げたと同じ答弁になるわけでありますけれども、平成三十二年度以降の幼児教育の無償化に係る地方負担分については、公立、私立にかかわらず、地方財政計画の歳出に全額計上し、一般財源総額を増額確保した上で、個別団体の地方交付税の算定に当たっても、基準財政需要額に全額算入することにより、必要な財源をしっかり確保してまいります。
 繰り返しになりますが、総務省としては、今般の幼児教育の無償化の実施に当たって、地方団体の財政運営に支障が生じないよう、引き続き適切に対応してまいります。
○本村委員 公立保育園は、例えば、困難な御家庭の子供さんを迎えに行くような登園支援ですとか朝食の支援ですとか、民間ではなかなか人手が足りなくてできない部分もカバーして頑張っているわけでございます。民間の保育園の園長さんも、公立の保育園がなくなったら保育水準が下がってしまうと大変心配をしております。公立保育園の役割をぜひとも評価していただいて、公立保育園の維持が難しくなるようなことがないように、くれぐれもお願いを申し上げたいと思います。
 そして、最後に、もう一つ質問をさせていただきたいんですけれども、今回の無償化なんですけれども、給食食材費が無償化の対象になっていないという問題がございます。
 給食は保育の一環で、給食は必須だからこそ、三歳以上の子供さんを含め、副食材費等が公的な保育所運営費に組み込まれてまいりました。しかし、今回は、三歳以上の子供さんの副食材費は新たに実費徴収というふうに言われております。そうしますと、今払っている保育料が低所得で安くなっている方は、今よりも負担がふえてしまうという方々もいる、できてしまうのではないかという心配があるわけでございます。
 そうしたことがないように、給食食材費無償化、これは対象にぜひしていただきたいというふうに思います。今よりも負担がふえることがないように、ぜひお願いしたいと思いますけれども、答弁をお願いしたいと思います。
○安藤大臣政務官 お答えいたします。
 幼児教育、保育の無償化に当たり、食材料費については、在宅で子育てをする場合でも生じる費用であること、そして、これまでも実費又は保育料の一部として保護者に御負担をいただいてきたこと、既に無償化されている義務教育においても実費相当の負担をいただいていることから、引き続き保護者に御負担いただくこととしましたが、あわせて、副食費の免除対象をこれまでの生活保護世帯や一人親世帯から年収三百六十万円未満相当の世帯に拡充することとしており、低所得世帯にとって負担増にならないと考えております。
○本村委員 無償化をやるのであれば全額国費でということを強く求めまして、質問を終わらせていただきます。

【討論】
○本村委員 私は、日本共産党を代表して、地方税法改定案ほか三法案に対する反対の討論を一括して行います。
 以下、反対の理由を申し述べます。
 地方交付税法では、交付税算定へのトップランナー方式を拡大しています。自治体業務の民間委託などによって削減した経費水準を地方交付税の単位費用に反映するトップランナー方式を、来年度、学校用務員などで更に段階的に拡大するとしています。地方交付税を削り、自治体に一層のアウトソーシングを押しつけることは許されません。
 地方税法では、消費税一〇%への増税強行を前提にしています。上下水道や給食費など公共サービス料金のさらなる引上げ、地域の医療機関の経営圧迫など、消費税増税は住民生活に大打撃となります。自動車保有税の恒久的な引下げと環境性能割の一%減税は、業界団体の要望に応え、消費税増税による駆け込み需要と反動減への対策を行うものです。一部にしか恩恵の及ばない対策ではなく、消費税増税そのものを中止するべきです。
 さらに、消費税増税で自治体間の財政格差を拡大させながら、その格差是正の責任を一部の自治体に押しつけるやり方も問題です。特別法人事業税は、地方税を国が取り上げ、ほかの自治体に回すやり方を恒久化するものです。地方自治体の課税自主権を侵害するもので、地方税制にゆがみを持ち込むものです。自治体間の財政格差は、地方交付税の財政調整機能を回復させ、国の責任で是正するべきです。
 また、森林環境税は、二〇二三年度で終了とされていた個人住民税均等割への上乗せ千円を、看板をかえて継続するものです。個人住民税の均等割は、所得割が非課税の人にも課税となる逆進性の高い税です。国民生活を圧迫するやり方はやめるべきです。森林整備の財源は、国の一般会計での森林予算や地方交付税で保障するべきです。
 以上を申し述べ、討論といたします。(拍手)

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