もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
国会質問

質問日:2019年 5月 14日 第198国会 総務委員会

国民の信頼が不可欠 NHKネット同時配信 本村氏ただす

しんぶん赤旗 2019年5月14日

国民の信頼が不可欠 NHKネット同時配信 本村氏ただす 法改定案は可決

 NHKがテレビと同じ番組をインターネットで常時同時配信できるようにする放送法改定案が14日の衆院総務委員会で審議され、日本共産党の本村伸子議員は「重要課題が解決されていない。スケジュールありきではなく国民的な納得と合意を得て実施すべきだ」と反対しました。改定案は、共産党以外の賛成多数で可決しました。

 本村氏は、同時配信に際し、番組の公平・正確さと国民の信頼が不可欠だと指摘。NHKでは4月の人事で「官邸の意向」が働き、政権に近いとされる板野裕爾元専務理事がNHK子会社社長から専務理事に復帰したとして「事実であれば言語道断であり、絶対にあってはならない」と強調しました。

 同時配信をする場合、出演者等へ新たに著作権料を支払う必要があります。広告収入に頼る民放は権利処理が困難だとの意見もあります。本村氏が、受信料制度があるNHKに比べ財政力に劣る民放・ローカル局への影響を聞くと、総務省の山田真貴子情報流通行政局長は「NHKと民放で意思疎通しながら進めてほしい」と答え、当事者任せの現状が浮き彫りになりました。

 同時配信に関する業務の種類や費用の範囲は総務相が認可しますが、判断基準がありません。本村氏が「NHKに対する総務省の関与強化になるのではないか」とただすと、石田真敏総務相は「法成立後、国民の意見を踏まえ、(判断基準を盛り込んだ)省令改正等を検討する」と答弁しました。

 

議事録

198-衆-総務委員会-16号 2019年5月14日

○本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。
 参考人の先生方におかれましては、お忙しい中、貴重な御意見を本当にありがとうございます。
 御指摘にもありましたように、ネットの社会というのは、フェークニュースも多く、玉石混交だ、過激な表現も多いという中で、正確で安心して視聴できる良質な番組がネットの世界で存在感を強めていくというのは非常に重要だと私どもも感じております。
 今回の放送法は、NHKの番組の常時同時配信ということを認める内容になっておりますけれども、ネットに流す番組、放送の質が問われているというふうに思っております。
 今回の放送法についても、この法律を通してほしいからということもあって、政権に対する批判、あるいは政治家に対する批判というのをニュースや調査報道の中で抑制しているのではないかというお声もお伺いをいたします。
 また、予算承認もそうですけれども、本来はジャーナリズムとして機能しなければならないわけですけれども、予算承認をしてほしいということで、そんたくなども働き、そのジャーナリズムとしての機能を果たすということが難しくなっているのではないかというふうに思っております。
 どのように改革をすれば、政治からの独立、不偏不党、真実、自律ということが貫かれる公共放送、この公共放送として質の高い番組、放送を発信することができるようになっていくのかという点について、参考人のお三人にぜひお考えをお伺いしたいというふうに思っております。
○宍戸参考人 御質問ありがとうございました。
 私、憲法の研究者でございますし、その意味で、表現の自由というものについては、今委員が御指摘になった問題というものを重く受けとめて、日々放送の分野についても考えているところでございます。
 その上で申し上げますと、例えばでございますが、公共放送NHKがそれ単体で、必ずいつも言っていることが正しいとか不偏不党であるということを維持することは、私は不可能だというふうに思っております。
 むしろ、二元体制の最大の長所は、公共放送NHKが仮に、例えば政権でありますとか特定の社会的、経済的勢力との関係で不偏不党でないといったような状況があったときに、他のメディア、とりわけ民間放送からそれについて鋭い、厳しい批判があり、そしてそれを視聴者が見て、NHKに対して厳しい批判をするということにNHKの番組の自主自律の最大の保障の根拠はあるというふうに私は考えております。
 その意味で、一つには、もちろんNHKについてきちんとした自主自律の規律がかかっている、内部でもしっかりやっていただくということはもちろんでございますが、それと同時に、民間放送において、より自由で多様な情報発信、番組の編集、そこが民間放送についても認められることと、もう一点は、NHKと受信者の間での、先ほど私が申し上げましたが、深いコミュニケーションが図られるような仕組みというものを更につくっていくこと、この二点が必要だと考えております。
 以上でございます。
○中村参考人 言論報道機関の自主自律をいかに確保、保障していくのかという点と、それをいかに国会などでもチェックをしていくのか、そのバランスの問題だと存じますが、まず第一には、平成十九年でしたか、放送法の改正によって、経営委員会の機能が強化をされた、その経営委員は国会の同意人事でございますので、それを通じたチェックをするということが一つの道だろうと思いますし、今回の法案にありますような、NHKの透明性を高める、情報公開を進める、それを通じて国民側がNHKをきちんとチェックをしていく、そういった機能も大事だろうと思います。
 さらには、多様なメディア環境を確保して、つまり、これはインターネットも含めてですけれども、さまざまなメディアがあるということでの、情報の多元性の中でのNHKの番組の内容の健全性というものをチェックしていく、そういった全体の措置が大事なのではないかと考えます。
 以上です。
○砂川参考人 委員御指摘のように、それを実際どうしていくかということについては、やはり、特にNHKに関しては内部的自由というものがどれだけ尊重されるか、そういうところは当然ございます。
 それから、昨今余り聞かなくなった言葉に皆様のNHKという言葉がございまして、つまりNHKはどこに向いているのかというと、本来は受信料を負担している一般の視聴者・国民に向いている、それが果たしてそうなのかという疑念が出るようなことが種々出てきているわけでございますね。そういう疑念が他から示されるということも、またこれも大事なことではあるんですが、それに対して、NHKの内部でやはり改革をできるだけの内部的自由と、それから番組編集責任というのが単に経営にあるということだけではなくて、つまり多様な番組をNHKの中から発信できる体制をどう確保しているか。
 それから、宍戸参考人からも出ましたように、それに対する民間放送、放送の世界ではそうですし、それから新聞ですとかそういった多元な情報発信からこういった問題を喚起していくという必要もあろうかと思っております。
 そのためには、今の、特に若者が、メディアに対する不信というのが非常に強くなってきておりますので、他方、インターネットしか触れない人たちは一面的にしか情報というものを考えようとしていないので、その意味での、先ほど来出ているように、教育分野における情報リテラシーというもの、それからメディアの民主主義における役割、国家権力との関係、こういったものについても学校教育、社会教育で培っていく必要があろうかと思っております。
 以上でございます。
○本村委員 ありがとうございます。
 砂川参考人に伺いたいと思います。
 先生は、著作権の問題などもお詳しいというふうに思いますけれども、常時同時配信でどのようなコスト、労力がふえるというふうにお考えになっているのかということをぜひお聞かせいただきたいと思います。
○砂川参考人 これは、一つはNHK内のコストの問題と、それから、それによる波及効果の問題と二点あろうかと思っております。
 NHKに関しましては、既に出演契約段階でもう常時同時配信を見越して出演契約をしておりますが、その際に、日本の代表的な芸能事務所からは、インターネットに流すものに関してはノーということが、これは民放、NHK、広く言われておりまして、これは実務的に、じゃ、その芸能事務所とどういうネゴシエーションをしていくのかというのは大きな問題ではございます。
 他方、音楽著作権に関しましては、既にNHKは代表的な音楽関係の著作権団体とはインターネットを含んで契約を結んでいるんですが、ただ、同じ放送番組でも、インターネットに流すということになりますと、今度はレコードに関しては改めて許諾を得なければいけない。
 一例を挙げますと、CMの世界がそうなんですが、ビートルズの楽曲を五秒使うと四千万と言われております。同様なことが、外国曲が入っている放送番組をインターネットに流そうとすると、まず許諾を得て、それから対価を交渉しなきゃいけないという、これは日本の著作権法でそういうふうになっておりますので、その意味で、NHK番組の中で外国曲を使っている番組、これに対する対応のコストが非常に上がってきます。
 そのために、NHK内ではもう既に、既存の楽曲、CDとかは使わないで、NHKが発注した楽曲、そういたしますと著作権の権利も全部とれますので、そういうような動きがあろうかというふうに考えております。
 ですから、グロスで幾らというよりかは、個別に対応は違いますが、NHK内での実演家の問題、それから外国曲を中心とするレコードの問題、このコストは上がってこようかと思います。
 これに対する、発生する、民放を中心とするほかのコストの上がり方が、これが先ほど陳述で申し上げたように、NHKルールが先に決まってしまいますと、そのあおりという表現が適切かどうかあれでございますが、かなりコストがふえて、実は耐えられないぐらいのコストがかかってくるおそれがあるということと、同様に、じゃ、民放も、CDなどを使わないで、外国曲も使わないで、委嘱の楽曲だけ使えばいいじゃないかというと、そういうことはできませんで、かつて民放連の調査で、一局当たり、じゃ、CDをどのぐらい、楽曲をどのぐらい使っているのかという調査で、まあ随分古いデータなんですが、一年間で一局当たり十万曲とございましたので、一年間十万曲を全て権利処理を改めてやるということになると、これは大変なコストになってまいりますので、その辺のルールづくりも必要になってくるのかなと思っております。
 以上でございます。
○本村委員 ありがとうございます。
 次は三人の参考人の皆様方にお伺いをしたいというふうに思いますけれども、先ほども砂川参考人が言われましたように、民放への影響というのは大きなものがあるというふうに思いますけれども、民放、とりわけローカル局にどのような常時同時配信で影響が出るのかという点をお伺いしたいというふうに思っております。
○宍戸参考人 お答えを申し上げます。
 まず、NHKの番組の常時同時配信がその地域限定で行われるということでありますと、要するに、今までその住民の方がNHKをテレビで見るのとネットで見るというので大きな違いはないかというふうに思います。
 これに対しまして、キー局の番組について常時同時配信が行われ、それがまたネットで地域限定もなく行われていくということになりますと、これはローカル局の経営といいますか、そういったものにも当然影響が起きてくるといったようなことが当然に考え得るわけでございます。
 ただ他方で、そのようなローカル局の経営のことを考えて、全体として、国民の知る権利を拡大する機会があるのにそれをしない、常時同時配信しないというのもこれは考え物だと思いますので、そこは適切なバランスと、もう一点お願いをいたしたいと思っておりますのは、今後の人口減少や少子高齢化、あるいは過疎化が進んでくるという日本国土全体の地方政策というものとの中で、このような常時同時配信、そしてローカル情報の供給と、それからローカル局の経営のあり方、全体のパッケージでの考え方というのが必要ではないかと私は考えております。
 以上でございます。
○中村参考人 通信・放送融合論、二十七年の間にどれだけ対応、準備してきたのかということが、民放局、ローカル局にも問われる場面ではないか。ネットの対応をしていくのは当然のことだと思いますが。
 ただ、他の産業と比較をしますと、例えば音楽、CDの売上げは十年で半減いたしました。書籍でいいますと書店の数が三割減ったというようなことに比べると、テレビ局というのはよく頑張っているなと私は考えております。
 ただ、これからより大きな波が来ると思いますし、ネットの影響も間違いなく来るでしょう。今回の放送法の改正だけではなく、より大きな波が海外からも来ているというところで、いよいよ経営力が問われてくるということではないかと思います。
 これに対応するための規制緩和なども考えられるのですが、まずは、それも個々の会社あるいは業界がどう考えるのかということが大事だと思います。
 最近のローカル局を見ていましても、地域の番組の中身を充実させて、より地域で喜んでもらうような対応をしようという局があったり、イベントなどに力を入れて、別のビジネスに力を入れようというところもあれば、ネットユーザーの方々の声を番組の中にどんどん取り入れていくという、本業回帰にネットを使うというようなところがありまして、さまざまな戦略も出てきたので、そういった方向でいろいろと頑張っていただきたいと思っているところです。
○砂川参考人 今回の同時常時配信そのもので、ローカル局の経営が左右されるということはないと思うんです。
 ただ、インターネットがこれだけ普及をしてまいったときに、当然ながら、テレビを見るということが減っていく。しかも、キー局、特に民放の場合はキー局のいわゆるネット番組は見たいけれども、ローカルの情報は要らないという視聴者が出てきている。さらに、例えば、ある地方局では、ゴールデンタイムで視聴率三〇%のローカル番組は現存します。しかし、スポンサーが極めて弱小なので、ネット番組、ネットって、東京から流れてくる番組でネット配分金というのをローカルが受けた方が、いわゆるぬれ手にアワで、金額は絶対額、高かったりするんですね。
 したがいまして、ローカル放送局の情報発信というものは極めてやはり大事な情報インフラ、社会インフラでございますので、これを守るというよりかは、どうやったらこのインターネット時代の中でローカル情報というのは構築できるかという、守るというと極めて防御的な話になりますので、それをポジティブな発想にどう変えていくか、その辺が今後の課題かというふうに考えております。
 以上です。
○本村委員 どうもありがとうございました。

○本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。
 どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 初めに、NHK会長と総務大臣に伺いたいというふうに思います。
 インターネットサービスについては、不正確な情報が多く流れてしまうことや、あるいは、自分の都合のよい情報だけを見るようになる傾向があること、さらに、事業者の側が個人の嗜好に沿って情報を流すということによって、自分と違った立場や視点の情報に接する機会がなくなってしまう、遮断されてしまう、いわゆるフィルターバブルといった現象も起きてくる、そういうさまざまな指摘がございます。
 先ほども申し上げましたけれども、フェークニュースが多く、玉石混交で過激な表現も多いという中で、そういう中で、公共放送であるNHKの放送番組が常時同時配信として配信されるという意義を持つためには、肝心の放送内容自体が公正なものとして、正確なものとして、視聴者の皆さん、国民の皆さんから深く信頼、評価されることが不可欠であるというふうに考えております。
 この点、NHK会長と総務大臣に御見解を伺いたいと思います。
    〔委員長退席、桝屋委員長代理着席〕
○上田参考人 お答えいたします。
 NHKは、報道機関として、正確な事実に基づいて、公平公正、不偏不党、何人からも干渉されることなく、みずから律して放送に当たっております。NHKのよって立つところは、視聴者・国民の皆様の信頼だと考えております。常時同時配信の実施に当たりましても、この考えが変わることはいささかもありません。
 こうした視聴者・国民の皆様の信頼を維持向上させるためにも、自主自律、不偏不党の立場を堅持し、公平公正を貫いてまいりたいと考えております。
○石田国務大臣 NHKは、放送法の規定に従いまして、公共の福祉のため、豊かで、かつ、よい番組を放送することや、報道は事実を曲げないですることなどが求められているところであります。
 常時同時配信については、NHKの放送番組そのものをインターネットを通じて同時に配信することから、その内容についても、こうした放送法の規定に沿ったものになると認識をいたしております。
○本村委員 例えば、前会長の時代、籾井会長みずからが放送法の根本的な理解を欠く発言を繰り返し、国民の皆様から、視聴者の皆様から批判を受けてきたわけでございます。
 NHKは、肝心の放送に寄せられる批判をどのように受けとめた上で常時同時配信を行おうとしているのでしょうか、会長にお伺いしたいと思います。
○上田参考人 お答えいたします。
 先ほど申し上げましたとおり、NHKのよって立つところは、視聴者・国民の皆様の信頼だと考えております。視聴者・国民の皆様からいただいたさまざまな御意見につきましては、常に謙虚に受けとめ、経営と現場で共有いたしております。
 NHKの全ての番組は、放送法や放送ガイドラインにのっとって制作しておりまして、正確で公平公正な情報や豊かで良質な番組を幅広く提供することで、健全な民主主義の発達と文化水準の向上に寄与しているものと認識いたしております。
 放送番組のインターネットでの常時同時配信の実施に当たりましても、これまでどおり、放送法や放送ガイドラインを遵守する姿勢に変わりはなく、自主自律、不偏不党の立場を守り、視聴者・国民の皆様に信頼される公共メディアに向け、最善の努力を尽くしてまいりたいと考えております。
○本村委員 先ほど参考人として来られておられました砂川先生もおっしゃっていますけれども、NHKは批判に対して誠実に耳を傾け、視聴者との対話をもっとオープンにやっていく必要があるのではないかというふうに考えますけれども、会長、御見解をお願いしたいと思います。
○上田参考人 お答えいたします。
 NHKは、豊かでよい放送番組をあまねく全国に届けることを基本的使命とし、受信料によって支えられる公共放送として、視聴者の皆様からの信頼が重要であると考えております。
 放送や経営などへの視聴者の皆様からの問合せや意見は、ふれあいセンターが電話やメールなどを受け付けております。また、本部を含む全国の放送局と一部の支局にNHKハートプラザを設けて対応いたしております。
 寄せられた声は、基本的に全て記録され、全ての役職員がパソコンで見ることができ、放送番組や業務の改善などに生かしております。毎日寄せられる視聴者の視聴者意向は、毎週取りまとめて報告書を作成し、NHKホームページで公開いたしております。月ごと、年度ごとにもまとめて公表いたしておる次第であります。
○本村委員 ちょっと順番を変えたいと思いますけれども、ガバナンスの問題でさまざま御議論がある点について確認をさせていただきたいんですけれども、経営委員長にお伺いをいたします。
 四月九日、経営委員会では、元専務理事の板野裕爾NHKエンタープライズ社長を専務理事に復帰させることについて、佐藤友美子さん、この方は監査委員でもございます、小林いずみさんの二名の委員が棄権をし、十二名中十名で同意したと報じられております。
 二名の経営委員の方が棄権をされた理由は何なのか、経営委員が棄権となる、どんな議論があったのかということを御紹介いただきたいと思います。
○石原参考人 お答え申し上げます。
 年齢構成とかもともとの職種、それから女性の登用など、全体的なバランスについて気になるという話や、あるいは、板野氏が、固有名詞を申し上げますけれども、再任されると反発があるのではないかという話がありました。
 そういったことの中でいろいろ議論をいたしまして、採決の際に棄権をしたいと、今おっしゃったお二人が棄権をされたもので、残り十名で採決をしまして、決定いたしました。
 以上でございます。
○本村委員 先ほども砂川先生が御紹介をしていただきました毎日新聞の記事ですけれども、複数のNHK関係者は、政権に太いパイプを持つとされる板野氏の復帰は、首相官邸の意向と明かしたというふうに記事に書かれております。
 そして、二名の経営委員の方のうちのお一人でいいますと、何年かやってくる中で、ちょっとこれはどうかと思うようなことが幾つもありました、私としては板野さんに対して抵抗感があって、そこは拭えませんということなどがございまして、それは、例えば「クローズアップ現代」のキャスターの降板を主導した人物じゃないか、そういうこともあってなのかというふうにも思うんですけれども、その辺の議論はあったんでしょうか。
○石原参考人 お答えいたします。
 板野氏について、大変リーダーシップのある立派な人だと私は思っておりますけれども、いろんな意見がございまして、十二名の経営委員の中で、全体で賛成の意見、反対の意見、いろいろ闘わせた、その結果、決定したということでございますが、今おっしゃったような、具体的な、「クローズアップ現代」とか、そういったお話についての議論はございませんでした。
○本村委員 会長にお伺いをしたいんですけれども、板野裕爾NHKエンタープライズ社長を専務理事に復帰させることについて、官邸の意向というのはあったんでしょうか。
○上田参考人 お答えいたします。
 今回の執行部役員人事は、自分自身の判断で決め、放送法の規定にのっとり、経営委員会の同意をいただいた上で任命したものであります。
 NHKとしては、放送法にのっとり、番組編集の自由を確保し、公平公正、不偏不党、自主自律を貫くことが視聴者から信頼されるかどうかの生命線だと考えておりまして、これからもこの認識を持って業務の執行に当たってまいりたいと考えております。
○本村委員 万一、官邸の意向というものが存在し、上田会長がこれを容認したということであれば言語道断ということになってまいります。絶対にあってはならないわけですし、この方だけではなく別の方からもそういうお声が聞こえてまいりますので、不偏不党と公正中立、これは確実にやっていただきたいということを強く改めて申し述べたいというふうに思います。
 常時同時配信の問題なんですけれども、現行のNHKのインターネット活用業務は二〇一四年の法改正で常時同時配信を除いて実施可能となっておりまして、常時ではない同時配信は一部やられているわけですけれども、東京オリンピック・パラリンピックのときに現行の同時配信では具体的にどのような不都合があるんでしょうか。
○荒木参考人 お答えします。
 これまでのオリンピックやワールドカップサッカーなどの際に実施いたしました同時配信は、現状のインターネット実施基準に基づきまして、権利処理上の課題や配信システムへの負荷、視聴ニーズなどを検証する目的で、あくまでも試験的提供として実施したものであります。
 NHKとしては、来年の東京オリンピック・パラリンピックでは最高水準の放送サービスを実施することを目指しておりまして、これに間に合うように常時同時配信を実施したいというふうに考えております。
 インターネットやモバイル端末の急速な普及の中で情報を取得する手段が大きく変化する中にあってもNHKが信頼される情報の社会的基盤の役割を果たし続けるために、常時同時配信を実施することによって視聴機会の拡大につなげていくことが重要だというふうに考えております。
○本村委員 まず、現行でも同時配信はできているということを一応ここの時点では確認をさせていただきたいというふうに思います。
 新たな権利処理への対応の問題についてなんですけれども、放送を巡る諸課題に関する検討会では常時同時配信に関するさまざまな重要課題を検討してこられましたけれども、まだ多くは解決をしていない問題がございます。その中の一つに新たな権利処理に対する対応がございます。
 総務省の検討会の最終報告では、現段階で具体的な権利処理方法を絞り込むことは困難であり、今後の取組状況を踏まえ、継続的な検討に向けた体制を整備するというふうにされております。
 そして、NHKと権利者団体等とは、NHKさんに質問をいたしましたら、文書で、権利処理ルールについての協議を始めたところという御回答をいただいております。
 ここで文化庁さんにお伺いをしたいんですけれども、規制改革推進に関する第三次答申では、コンテンツ流通の推進として、同時配信に係る著作権等処理の円滑化のため、総務省の検討委員会の検討結果を踏まえ、放送事業者における具体的な同時配信の展開手法やサービス内容を勘案し、所要の課題解決を行うなど必要な見直しを行うというふうにされております。
 これについて、二〇一八年度中に検討開始、検討状況を踏まえて順次実施、著作権制度のあり方についての見直しは二〇一九年度措置とされております。この著作権処理についてどこまで取組が進んでいるのか、現状をお示しをいただきたいと思います。
    〔桝屋委員長代理退席、委員長着席〕
○内藤政府参考人 お答え申し上げます。
 同時配信に関しましては、権利者団体により権利の集中管理の取組が現在進められておりまして、NHKと日本レコード協会との間でも既に包括契約が行われていると承知してございます。
 文化庁といたしましても同時配信等に係る権利処理の円滑化を図る観点から、こうした権利者団体に所属されていない、いわゆるアウトサイダーの方々の情報も含めまして、音楽分野における権利者情報データベースの構築を進めているところでございます。
 一方で、権利処理の円滑化に向けましては、法律により権利の内容を見直してはどうかとの御意見もあるところ、一部権利者団体からは、データベースの構築などのような取組により円滑な権利処理は可能であるといたしまして、法律による権利内容の見直しに関しましては慎重な意見も出ていると承知してございます。
 放送業を所管する総務省としてもまずは運用面、技術面の取組を進めていくと伺っておりますので、文化庁といたしましてもデータベースの充実などを着実に進めてまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
○本村委員 同じ放送番組でもインターネットで流そうとすると、先ほど来御議論がありますけれども、改めて事前に権利処理を行うことが必要となってまいります。そこでは膨大な費用そして手間がかかるというふうに言われておりますけれども、NHKでは常時同時配信でどのくらい膨れ上がるというふうにお考えでしょうか。
○松坂参考人 お答えいたします。
 常時同時配信に係る著作権の費用につきましては、今後、権利者団体や個別の権利者との協議を行うことにより決まってくることになります。法改正がされましたら、詳細な計画を作成して、必要なコストを見積もって実施してまいりたいと思います。
 今後の権利者団体等との交渉に当たりましては、常時同時配信が受信料で賄われる公共的サービスであることを御理解いただき、経費を抑えられるように努めていきたいと考えております。
○本村委員 受信料制度に支えられているNHKと広告収入に頼る民放とでは、対応力にも大きな差が出てまいります。NHKのやり方次第では民放にも大きな影響が及ぶことが予想されておりますけれども、民放ローカル局への影響をどのように考えておられますでしょうか。これは総務省にお願いしたいと思います。
○山田政府参考人 お答え申し上げます。
 総務省としては、放送事業者によるネット配信、活用につきまして、競争するところは切磋琢磨していただき、協調分野では連携をとりながら、国民のニーズや期待に応え、取り組んでいただきたいと考えております。
 今般の法案は、NHKに対しまして、他の放送事業者との協力を求める努力義務規定を盛り込んでおります。ネット同時配信に係る円滑な権利処理の手法につきましても、NHKと民放が意思疎通をしっかりと図りながら進めていただきたいと考えておりまして、総務省では昨年十二月からネット同時配信に係る権利処理に関する勉強会というのを開催しておりまして、円滑な権利処理の実現に向けて必要な対応策の検討を進めておりますけれども、NHKとローカル局を含む民間放送事業者の連携状況等につきましてもしっかりと注視をしてまいりたいと考えております。
○本村委員 もう一つ確認をしたいんですけれども、現行の第二号受信料財源業務の費用区分の整理は維持して、常時同時配信の必要経費は全て第二号受信料財源業務費用に加えるということかという点と、内訳を示すというふうにおっしゃられていますけれども、常時同時配信の実施に加わる権利処理などの新たなコンテンツ経費、インフラ経費も内訳として分けて示すということを確認させてよろしいでしょうか。
○松坂参考人 お答えいたします。
 インターネットの活用業務にどのような費用がかかっているかを示す現行のネット活用業務に係る経費についての考え方は維持してまいります。
 インターネット活用業務の経費は、現状は国内放送費や国際放送費などさまざまな費目に含まれておりますけれども、去年十一月の諸課題検討会で総務省から説明がありました区分経理など、会計上の透明性の確保についての新たな考え方を踏まえまして、何にどれぐらいの費用がかかるのかをより詳しく、よりわかりやすく説明してまいりたいと考えております。
○本村委員 なので、その新たなコンテンツ費用、インフラ経費も内訳として分けて示すということでよろしいんでしょうか。
○松坂参考人 インターネットに係る費用をどのように透明性を確保しながら説明していくかということについては、詳細は今後検討いたしますけれども、何にどのようにかかっているのか、できる限りわかりやすく、詳しく説明してまいりたいと思っております。
○本村委員 総務大臣に次にお伺いしたいんですけれども、改定案では、その実施基準を定める項目に、常時同時配信事業に関する業務の種類、内容及び実施方法、業務の実施に要する費用に関する事項などを追加し、これを総務大臣が認可をするというふうになっております。
 どこまでを放送事業の関係経費とし、どこまでをインターネット活用事業の関連経費とし、これを認めるかということが重要になってくるというふうに思いますけれども、この法案では、法律上は、総務大臣が認可を下すに当たっての判断基準というのは一切示されておりません。
 そこで、インターネット業務関連の経費のどこまでが適正なのかの判断については、NHKによる区分経理の追認になるのか、また、NHKインターネット関連業務のあり方を、総務省がNHKのその業務のあり方を通じてNHKに関与を強めることになるのか、どちらかになると思うんですけれども、お答えをいただきたいと思います。
○石田国務大臣 現行の放送法では、NHKが第二十条第二項第二号及び第三号に定める業務、いわゆるインターネット活用業務を実施する場合には、実施基準を定め、総務大臣の認可を受けなければならないとされており、この基本的な枠組みは今回の改正後も同様であります。
 改正法の施行後、NHKから実施基準の認可申請が提出されれば、総務省として第二十条第十項各号に規定する認可基準に照らして認可の適否を判断することとなるものでございまして、従前と同様に、放送法に基づき厳正に審査を実施してまいりたいと考えております。
○本村委員 それでは、インターネット業務の関連の経費はどこまでかということが明確にわからないので聞いているわけでございますけれども、これから省令改正なども行うということなんですが、総務省からの提出資料では、厳格な区分経理と適切な情報公開を行うことにより会計の透明性を確保するため、省令改正等を行うというふうに言われております。省令といっても、総務省が自分の責任で、その範囲で改変をするということができるものでございます。
 省令改正等というふうにありますけれども、等というのは一体どういうものでしょうか。
○山田政府参考人 お答え申し上げます。
 本法案による改正後の放送法に基づきまして、NHKの常時同時配信を実施する場合、インターネット活用業務の費用については、受信料を負担する国民・視聴者等に対する説明責任を果たす観点から、区分経理や情報開示の実施を求めることにより会計上の透明性の確保を図るということは適当と考えておりまして、そういう対応を図ってまいります。
 その具体的な方法といたしましては、総務省令、また、インターネット活用業務の実施基準に係るガイドラインがございまして、そちらの改正をすることを考えております。
○本村委員 二〇一四年の改正のときに衆参で付された附帯決議では、「政府は、協会がインターネット活用業務を行おうとするときに定める実施基準の総務大臣の認可に関し、国民・視聴者や利害関係者からの意見、苦情等については適切に対応すること。」とございます。
 NHKはやはりこれをしっかりと踏まえていくべきだというふうに思います。そして、この省令改正等の中で、やはりこの附帯決議を生かしていくことが必要だというふうに思います。それを生かして、省令改正の中で具体的に基準や手続等の扱いについて反映していくべきではないかと思いますけれども、大臣に最後に御答弁いただきたいと思います。
○石田国務大臣 平成二十六年の放送法改正案に対する本委員会の附帯決議を踏まえまして、総務省では、実施基準の認可に関し、手続の透明性や認可の適否の予見可能性を確保するため、総務省令案やインターネット活用業務の認可に対するガイドライン案につきまして、広く意見募集を行い、提出された意見等を踏まえて、これらを策定したところであります。
 今回の法改正につきましても、改正法が成立した場合には、国民・視聴者からの意見等を踏まえて、総務省令等の改正を検討してまいりたいと考えております。
○本村委員 権力からの独立というのは公共放送としてNHKに最も求められるものでございます。今回の改定によってNHKに対する関与が強化されるということはあってはならないということを申し述べ、質問

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