しんぶん赤旗 2021年4月23日
国民世論は改憲望まず 衆院憲法審 赤嶺・本村議員が主張
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衆院憲法審査会は22日、与党提出の国民投票法改定案の質疑と自由討議を行いました。早期に採決し改憲議論に進むべきだとする自民・公明両党や日本維新の会に対し、日本共産党の赤嶺政賢議員は「世論は改憲を優先課題とはしていない。国民が改憲を望んでいない以上、審査会を開くべきではない」と主張しました。
維新の足立康史議員が「国民は改憲を求めていないとする根拠は」と質問したのに対し、赤嶺氏は、安倍晋三前首相が「20年を憲法改正の年にしたい」と述べ、そのもとで自民党も躍起になって改憲世論を高めようとしてきた経過を指摘。その安倍氏が首相退任の会見で「国民的な世論が十分に盛り上がらなかった」と述べたことをあげ、「これが国民の答えではないか」と切り返しました。
定例日を増やせなどと主張する自民党などに対し、赤嶺氏は「15年の安保法制審議の際、憲法審査会に出席した3人の憲法学者が安保法制は憲法違反だと述べ、『憲法壊すな』という国民の声のもとで、1年半も審査会を開かなかったのは自民党だ」と述べ、「ご都合主義だ」と批判。国民投票法についてはCM規制などを含め、根本的な議論をすべきであり、採決は認められないと主張しました。
日本共産党の本村伸子議員は、総務省の違法接待問題などの相次ぐ腐敗をあげ、改憲議論の前提を欠いていると改めて指摘しました。
立憲民主党の山花郁夫議員は、CM規制なども同じ法律の改定議論であり「同時に決着すべきだ」と主張しました。
これに先立つ幹事会では5月6日に審査会を開くことを決めました。採決については引き続き協議することとなりました。
衆院憲法審査会は22日、与党提出の国民投票法改定案の質疑と自由討議を行いました。早期に採決し改憲議論に進むべきだとする自民・公明両党や日本維新の会に対し、日本共産党の赤嶺政賢議員は「世論は改憲を優先課題とはしていない。国民が改憲を望んでいない以上、審査会を開くべきではない」と主張しました。
維新の足立康史議員が「国民は改憲を求めていないとする根拠は」と質問したのに対し、赤嶺氏は、安倍晋三前首相が「20年を憲法改正の年にしたい」と述べ、そのもとで自民党も躍起になって改憲世論を高めようとしてきた経過を指摘。その安倍氏が首相退任の会見で「国民的な世論が十分に盛り上がらなかった」と述べたことをあげ、「これが国民の答えではないか」と切り返しました。
定例日を増やせなどと主張する自民党などに対し、赤嶺氏は「15年の安保法制審議の際、憲法審査会に出席した3人の憲法学者が安保法制は憲法違反だと述べ、『憲法壊すな』という国民の声のもとで、1年半も審査会を開かなかったのは自民党だ」と述べ、「ご都合主義だ」と批判。国民投票法についてはCM規制などを含め、根本的な議論をすべきであり、採決は認められないと主張しました。
日本共産党の本村伸子議員は、総務省の違法接待問題などの相次ぐ腐敗をあげ、改憲議論の前提を欠いていると改めて指摘しました。
立憲民主党の山花郁夫議員は、CM規制なども同じ法律の改定議論であり「同時に決着すべきだ」と主張しました。
これに先立つ幹事会では5月6日に審査会を開くことを決めました。採決については引き続き協議することとなりました。
議事録
204-衆-憲法審査会-2号 2021年4月22日
○本村委員 日本共産党の本村伸子です。
まず、前提の話なんですけれども、前回、赤嶺政賢議員が、総務省の違法接待問題、吉川元農水大臣の収賄事件、河井克行前法務大臣、案里前参議院議員の選挙買収事件など、安倍、菅政権の下で、疑惑と腐敗は数え切れず、国民の政治に対する不信感が増していることを指摘し、そもそも、改憲や改憲につながる整備の議論をする大前提を欠いているということをただしたのに対して、法案提出者の逢沢一郎議員は、「憲法審査会における議論そのものが国民の政治に対する信頼につながる、」と答弁をいたしました。
疑惑と腐敗を脇に置いて憲法審査会だけは議論するというのでは、ますます政治不信は拡大するばかりだと思いますけれども、見解を伺いたいと思います。
○逢沢議員 本村先生にお答えを申し上げます。
国民の皆様の政治への信頼がいかに大切であるか、政治の正当性の、それはもう原点でございます。それは当然のことであります。私たちは、そのことを常に念頭に置いて、真摯な姿勢で政治活動を日々行っていかなくてはならない、それは国民の代表たる我々国会議員の責務であろうかというふうに思います。
その上で、委員御指摘のような問題につきましては、例えば予算委員会など、それを議論する場は国会にございますし、場合によりましては通常委員会等々がそういった場になる、そのように私としては理解をいたしております。
また、法案提出者として、当憲法審査会にはいわゆる政局を持ち込まないという原則について、全会派の皆様、先生方において共有をしていただいている、そのように承っております。
今般、私どもは、国民投票における投票環境の向上を図るための七項目の改正案を提出いたしました。憲法審査会においてその審議をお願いしているところでありますが、投票をしやすくする、一人でも多くの有権者の方に投票していただく、高い投票率を誰もが期待をいたしているわけでありますけれども、是非そのことについて早期に結論をお出しいただきますように、改めてお願いを申し上げたいと思います。
まさに、この憲法審査会、この場で真摯な議論がなされている、そのことが国民の政治への信頼、それにもつながるということを改めて申し上げたいと思います。
○本村委員 疑惑と腐敗で失った国民の皆様の信頼は、疑惑の真相究明と、ただしていくということでしか取り戻せないということを強調させていただきたいと思います。
総務省の違法接待疑惑では、放送法の外資規制違反が問題になりました。放送法の外資規制は、日本における放送の自由と健全な民主主義の発展にとってゆるがせにできない問題です。
外資規制については、政治資金規正法にも規定がございます。元々、政治資金規正法は、株式の五〇%以上を外資が保有している法人からの政治献金を受け取ることを禁止しておりました。これは、我が国の政治あるいは選挙から外国の影響を排除する原則とされてきました。
ところが、二〇〇六年の法改定では、五〇%以上の外資が入っている企業であっても、日本法人で、五年以上継続して上場している会社であれば、献金を受け取ってもよいとされております。そのように改定をされてしまいました。背景には、当時の日本経団連の御手洗会長のキヤノンが外資五〇%前後で推移していたからだというふうに言われております。
そこで、二点伺いますけれども、株式の五〇%以上を外資が保有している企業からの政治献金は、国民の皆様の政治参加の権利を侵害し、国家主権を揺るがすものではありませんか。また、外資から献金を受け取った政党が憲法改定の国民投票運動をやるということについてどう考えるのか、見解を伺いたいと思います。
○中谷(元)議員 御指摘の政治資金規正法の改正につきましては、もちろん、我が国の政治や選挙が外国の勢力によって影響を受けることがないように配慮をしておりますが、証券市場のグローバル化、この進展した社会の情勢の変化を踏まえまして、日本法人である上場会社からの政治活動に関する寄附に限ってその制限を緩和することを内容としたものであります。
この日本法人である上場会社につきましては、まず、所有と経営が完全に分離をしておる、それから、少数特定者持ち株数、また株主数に関しまして厳しい審査基準があります。また、有価証券報告書の提出義務が課せられて、株主の状況等について市場による監視が徹底しております。このような理由によりまして、そこから寄附を受けたとしても、我が国の政治や選挙が外国の勢力からの影響でゆがめられるようなことはないと承知しております。
同様に、御指摘のような企業から寄附を受け取った政党が中心になり国民投票運動を行うことにつきましても、国民主権、国家主権を揺るがすような問題が生じるとは考えておりません。
なお、旧国民民主党から提出されております国民投票法の改正案につきましても、このような問題提起がされていることは承知しておりまして、今後、様々な検討点を踏まえた上で、他の国民投票法に関する諸論点とともに、憲法審査会の場で議論していきたいと考えております。
○本村委員 元々、企業献金というのは、企業の利益を実現するための賄賂性を持っております。ましてや、外資がお金の力で日本の政治に影響を行使することなど、あってはならないと思います。
こうした点も含めて、今後、この今の制度でいいのかということを根本から議論するべきだということを申し述べ、質問とさせていただきます。