もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
国会質問

質問日:2021年 4月 15日 第204国会 総務委員会

自治体独自施策阻むな デジタル標準化法案

しんぶん赤旗 2021年4月19日

自治体独自施策阻むな デジタル・標準化法案 本村氏ただす 衆院で可決

 デジタル関連法案のうち自治体情報システム標準化法案が16日の衆院本会議で、自民、公明など各党の賛成多数で可決され、参院に送付されました。日本共産党は反対しました。共産党の本村伸子議員は15日の衆院総務委員会で、地方税や福祉など自治体17業務の情報システムを標準化することで、「自治体独自の施策の前進を阻んではいけない」とただしました。

 本村氏は、標準化の名で自治体を国の「鋳型」にはめるのは地方自治に反すると批判。自治体独自の住民税の減免、国民健康保険料(税)や介護保険料・利用料の免除、被災者への減免などは、従来通り行えるようにすべきだと求めました。

 厚生労働省の岡崎毅審議官らは「独自施策を制約するものではない」と明言。本村氏が、国保料軽減の公費繰り入れが続けられるかもただすと、大隈和英・厚労政務官は「従来通りだ」と答えました。

 本村氏は、独自施策に必要なシステムのカスタマイズ(仕様変更)を無くすよう自治体に求めている政府方針について「住民サービスの抑制につながる」と撤回を迫りました。

 総務省の高原剛自治行政局長が「技術的助言だ」などと言い訳したため、本村氏は「独自施策は阻まないと言いながら矛盾している」と追及。武田良太総務相は「地方自治の本旨を尊重して進める」と答えました。

 本村氏は反対討論で、標準化基準・仕様書が白紙委任になっている問題などを批判。暮らし・福祉を守るには公的基盤の強化こそが必要だと主張しました。

 

議事録

204-衆-総務委員会-15号 2021年4月15日

○本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 フジ・メディア・ホールディングスの外資規制違反がございました。武田大臣が取消しはしないとした根拠に挙げました内閣法制局の見解、そして、二〇一四年十二月、フジが持参をした資料、二〇一四年十二月、総務省が概要をまとめた資料が昨日、やっと出てまいりました。
 午前中も、松尾議員そして神谷議員の議論もございましたけれども、この一九八一年の内閣法制局への問合せの背景ともなっている放送事業者の事案の経過、そして、これらの資料を基に、二〇一四年当時、長塩放送政策課長、局長が、どう検討、議論をしたのか、なぜ改めて法制局に問合せをしなかったのか、様々な検証が必要でございます。
 当時の担当者も含めた参考人招致をまず冒頭、求めたいと思います。委員長、お願いします。
○石田委員長 理事会で協議します。
○本村委員 法案に入らせていただきます。
 この地方公共団体情報システムの標準化に関する法律案では、全国の自治体が同じような情報システムにする標準化の事務については、政令で定める事務とされておりますけれども、国会審議もなく、政令で対象事務がどんどん拡大することになるのではないかという懸念がございますけれども、その点、御答弁いただきたいと思います。
○高原政府参考人 御答弁申し上げます。
 標準化法案においては、法令でほとんどの事務が定められているなど、自治体にとって創意工夫を発揮する余地の小さい事務に対象を限定することとしております。
 具体的には、事務処理の内容が各地方公共団体で共通し、統一的な基準に適合する情報システムを利用することが住民の利便性向上や行政運営の効率化に寄与する事務として政令で定める事務を標準化対象事務としております。
 この標準化対象事務の内容や範囲等については、自治体の職員にも参加いただきながら、関係府省における標準仕様の検討の中で、システムや業務の実態を十分に確認し、創意工夫を発揮する余地も含めて、事務の共通性等を精査することとなります。
 また、標準化対象事務を定める政令の制定に当たりましては、地方自治法第二百六十三条の三第五項の規定に基づき、地方六団体への情報提供を行うことになるものと考えております。
 このように、政令において標準化対象事務を定めていくに当たりましては、自治体の職員の意見等を丁寧に伺いながら検討してまいります。
 以上でございます。
○本村委員 全国の自治体が、それぞれの状況に応じて様々な情報システムだったものが、このシステムでないと駄目だ、標準化だといって国の鋳型にはめていくということになってまいります。
 このこと自体、地方自治に反するものでございますし、個性豊かな地方自治体、カラフルだったものが単色になっていくイメージもあるわけですけれども、政令で定めるということで、国会審議もなく決められてしまう仕組みでございます。
 法案では、第八条一項で、地方公共団体情報システムは、標準化基準に適合するものでなければならないとし、第二項で、標準化対象事務以外の事務で、一体的に処理することが効率的で、互換性が確保される場合に限り、必要な最小限度の改変又は追加を行うことができるとしております。これがカスタマイズなんだというふうに説明を事前にいただいているわけですけれども。
 現時点では、標準化する事務は十七事務というふうに言われておりますけれども、この十七事務の中で、第八条二項の、一体的に処理することが効率的で互換性が確保される業務とそれに当てはまらない業務、それぞれどういうふうに把握をされておられますでしょうか。
○高原政府参考人 御答弁申し上げます。
 標準化法案第八条第二項において、条例などに基づく地方公共団体の独自サービスについて、標準化対象事務と一体的に処理することが効率的であると認めるときは、標準に準拠したシステムの機能などに一定の改変や追加を行うことを可能とすることを定めております。
 この規定は、例えば福祉などの分野において、地方公共団体が国事業の上乗せ助成を行っているような場合を想定したものでございます。
 いずれにいたしましても、この八条第二項の対象になるもの、あるいはならないものをあらかじめ類型的に想定しているものではございませんで、各業務ごとに、標準仕様の検討の進捗に応じて明らかになってくるものというふうに考えております。
 以上でございます。
○本村委員 この法案の第八条の規定なんですけれども、自治体独自の施策をできなくさせるものではないということを明確に大臣に答弁していただきたいというふうに思いますし、各自治体では、子供さんや障害者の方々、あるいは高齢者などの医療費の無料化、助成制度などを行っておりますけれども、法案はこうした各自治体の独自施策の前進を阻むものであってはならないというふうに考えますが、大臣の見解を伺いたいと思います。
○武田国務大臣 標準化法案では、事務処理の内容が各地方自治体で共通し、統一的な基準に適合する情報システムを利用することが住民の利便性向上や行政運営の効率化に寄与する事務として政令で定める事務を標準化対象事務としております。
 このような標準化対象事務に係る情報システムの標準化が、自治体の独自施策を制限するものとは考えてはおりません。
 なお、自治体における独自の施策がどのようなシステムを用いて実施されるかは個々の団体の判断によりますが、標準化法案第八条第二項においては、標準化対象事務と一体的に処理することが効率的であると認めるときは、互換性が確保される場合に限り、システムの機能等について必要最小限度の改変又は追加を行うことができることとしております。
○本村委員 少し確認なんですけれども、塩川鉄也衆議院議員が何度も内閣委員会などで指摘をされておりますけれども、富山県の上市町の町議会では、三人目の子供の国保税の均等割の減免、あるいは六十五歳以上の重度障害者の方々の医療費の窓口負担の償還払いを現物給付へという町議の提案に対して、国が導入を進める自治体クラウドを使っていることを理由に、町独自のシステムの仕様変更はできないというふうに町長が答弁をされ、その施策ができないという答弁がございました。
 この法案によって、全体としてそのシステムの仕様変更はできないから独自の施策ができないということにはなりませんねということを改めて確認をさせていただきたいと思います。
○高原政府参考人 御答弁申し上げます。
 富山県上市町長さんの議会答弁について個別にコメントすることは差し控えたいと存じますが、ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、この標準化法案が、住民サービスの維持向上を図ろうとする個別の団体における政策決定の支障になるものではないと考えております。
 以上でございます。
○本村委員 もう一つ、具体的にお伺いしたいんですけれども、情報システムを標準化基準に適合させた場合、自治体が独自に実施している次のような事務はこれまでどおり実施できるということを明言していただきたいというふうに思います。
 一つ目なんですけれども、住民税について独自の基準を設けて減免をする事務、また、母子保健法に基づく妊娠届出書に独自の質問、アンケートの項目を設けて記載を求める、そういう事務、また、国民健康保険料、国民健康保険税や介護保険料、利用料について独自に基準を設けて免除をする事務、そして、災害の被災者の皆様方の料金負担の減免をする事務、年間の納期区分を独自に設ける事務、こういうことはこれまでどおりできますねということを確認をさせていただきたいと思います。
○稲岡政府参考人 個人住民税についてお答えを申し上げます。
 現在、個人住民税の標準化につきましては、税務システム等標準化検討会の個人住民税ワーキングチームにおいて標準仕様書の策定を進めているところでございます。地方団体が条例を定めて行っております個人住民税の減免につきましても、標準仕様書により対応できるよう、地方団体の意見を丁寧に伺いながら進めてまいりたい、このように考えております。
○岡崎政府参考人 母子健康法に基づく妊娠届出書及び国民健康保険料や介護保険料、利用料についてお答えさせていただきます。
 御質問いただいた事務でございますけれども、昨年十二月に閣議決定されましたデジタル・ガバメント実行計画書に基づきまして、現在、標準仕様書の作成に向けた作業を行っているところでございます。
 この標準仕様書ですけれども、一般論として、地方自治体のシステム面における統一化を図るものでありまして、それによりまして地方自治体の独自施策を制約するものではないというふうに考えております。
 厚生労働省といたしましては、今後とも、御指摘いただいた独自施策の取扱いも含めまして、地方自治体の意見を丁寧に聞きまして、内閣官房、総務省とも協力しつつ、自治体のシステムの統一、標準化の取組を進めてまいりたいと考えております。
○本村委員 今、母子保健法の関係と国民健康保険料、介護保険料ですけれども、今の御答弁は、被災者の方々のことですとか、あるいは納期区分のことも入っているという理解でよろしいでしょうか。
○岡崎政府参考人 入っておると考えております。
○本村委員 各自治体では、先ほども申し上げましたように、子供さんに対する医療費の無料化、助成制度、障害を持った方々、あるいは高齢者の方々への医療費の無料化、助成制度を行っていますけれども、これは基準ではどのように位置づけられるんでしょうか。
○岡崎政府参考人 お答え申し上げます。
 繰り返しになりますけれども、標準仕様書はあくまで地方自治体のシステム面における統一を図るものでございまして、独自施策を含めた各種施策を制約するというものではございませんので、そういうことにはならないかというふうに考えております。
○本村委員 引き続き同じようにできる、システムは障害にならないということでよろしいでしょうか。
○岡崎政府参考人 お答え申し上げます。
 繰り返しになりますけれども、あくまでシステムの標準化は自治体のシステム面における統一を図るものでございますので、独自施策を含めた各種施策を制約するものではございません。
○本村委員 今、国会に提出をされております国民健康保険法案の中で、都道府県国民健康保険運営方針に都道府県内の市町村の保険料の水準の平準化や法定外繰入れ解消について定めることを求めておりますけれども、公共団体の判断で法定外繰入れができる標準化基準になるのかどうかということも問われるというふうに思います。
 前も御指摘させていただいたんですけれども、例えば、三重県の名張市では、御夫婦と子供さんお二人の御家庭で、自営業で、所得が三百万円という世帯が、国民健康保険料が五十六万八千六百円と物すごく高額になっている、物すごく高い。そういう中で、一般会計からの繰り出しということをやらなければ、この高い保険料を引き下げることができないわけでございまして、法定外繰入れができる、そういう標準化の基準にするべきだというふうに思いますけれども、その点、お答えをいただきたいと思います。これは副大臣でお願いしたいと思います。
○大隈大臣政務官 お答え申し上げます。
 今、先ほどからるる申し上げていますとおり、このシステム自体は、標準仕様書は地方自治体のシステム面における統一化を図るものでございまして、その政策を、独自施策を制約するものではないということをまず繰り返して申し上げたいと思います。
 御指摘の点は、市町村が行う法定外繰入れ等につきましては、受益と負担の均衡を図る観点から、従来より、その計画的な削減、解消をお願いしてきているものでございます。
 今般の医療保険制度改正法案では、その削減、解消に向けて、都道府県と市町村が一体となった取組を推進していただく観点から、都道府県国保運営方針に、市町村の国保特別会計における財政の均衡を保つために必要な措置を定めるよう努めるという旨の規定を設けていることと承知しております。
○本村委員 法定外繰入れができる標準化基準になるんでしょうか、仕様書になるんでしょうか。
○大隈大臣政務官 従来どおりのものでございまして、市町村独自の施策を縛るものではないというふうに御理解いただきたいというふうに考えております。
○本村委員 国民健康保険料、保険税が本当に高くて、生活が大変な中で一層苦しくなっている現実がございまして、これを引き下げて何とか生活を支援しようということで自治体は努力をされておりますので、そのことの足を引っ張るということはやめていただきたいということも強調させていただきたいと思います。
 資料を今日出させていただいておりますけれども、裏表で出させていただいております。
 二〇一九年三月二十九日、総務省の地方公共団体の自治体クラウド導入における情報システムのカスタマイズ抑制等に関する基本方針におけるカスタマイズ、ここに書かれているカスタマイズと、次、裏で、内閣官房の、これは閣議決定されたものですけれども、成長戦略フォローアップ、情報システムのカスタマイズとここでも書かれているんですけれども、それぞれ、カスタマイズの概念についてお示しをいただきたいと思います。
○高原政府参考人 御答弁申し上げます。
 委員御指摘の、地方公共団体の自治体クラウド導入における情報システムのカスタマイズ抑制等に関する基本方針では、パッケージソフトに対するカスタマイズの例示といたしまして、業務の効率化や過誤防止、情報システム間の情報連携を目的とする機能の追加や独自の住民対応や外部団体との関係等に起因する独自の様式の規定などが示されております。
 成長戦略フォローアップにおけるカスタマイズについても、この基本方針と同様の趣旨のものと考えております。
 以上でございます。
○本村委員 総務省はこれまでも、クラウド導入をする場合に、カスタマイズは行わないことを原則とすべきというふうに基本方針で出し、そして閣議決定でも、情報システムのカスタマイズをなくすことが重要というふうに言ってまいりました。
 カスタマイズができるんだ、八条二項でできるんだという法案の説明はございましたけれども、この基本方針と閣議決定とこの法案、どのような関係になるのかという点をお示しをいただきたいと思います。
○高原政府参考人 御答弁申し上げます。
 標準化法案八条は、第一項において、標準化基準に適合した情報システムの利用を地方公共団体に義務づけております。
 これは、地方公共団体ごと、ベンダーごとに安易に標準準拠システムのカスタマイズを認めた場合、カスタマイズ抑制やベンダー間の円滑なシステム更改、クラウドによる共同利用の促進といった標準化の目的が果たせないこととなるためであり、地方公共団体の自治体クラウド導入における情報システムのカスタマイズ抑制等に関する基本方針や成長戦略フォローアップにおいて言及されておりますカスタマイズの抑制と同様の目的をもって今回規定をさせていただいているというふうに認識しております。
 以上でございます。
○本村委員 今日資料を出させていただきましたこの総務省の基本方針、そして閣議決定なんですけれども、これは十七業務にも限っていないわけでございます。
 カスタマイズは行わないことを原則とすべきと書かれた基本方針、そして、各地方自治体が行っている情報システムのカスタマイズをなくすことが重要としたこの閣議決定の成長戦略フォローアップは、やはりこの文言が独り歩きをして地方自治を侵害する書きぶりになっているというふうに思います。これは撤回するべきだというふうに思いますけれども、大臣、お答えをいただきたいと思います。これは大臣に通告をさせていただいております。
○高原政府参考人 御答弁申し上げます。
 総務省が各自治体に示しております委員御指摘の基本方針では、パッケージソフトに対するカスタマイズは行わないことを原則とすべきとすると同時に、住民サービスの維持向上等の観点からパッケージ機能による対応では不十分である場合であって、カスタマイズ以外の代替措置で対応することが困難であるなどの事由がある場合にはカスタマイズを行うこともやむを得ないとの考えを併せてお示ししているところであり、また、地方公共団体へのお示しの仕方も技術的助言としてお示しをさせていただいているということでございまして、委員御指摘の地方自治を侵害する形にはなっていないというふうに考えております。
 成長戦略フォローアップにつきましても、基本方針と同じ趣旨を端的に表現したものであり、委員御指摘の地方自治を侵害する書きぶりには当たらないというふうに考えております。
 以上でございます。
○本村委員 この総務省の基本方針の中を見させていただきますと、市区町村独自の住民対応に起因するカスタマイズ、起因するカスタマイズという書きぶりも少しおかしいのではないかというふうに思うんですけれども、住民サービスの維持向上のために行われるカスタマイズであり、カスタマイズを行うこともやむを得ないが、可能な限り抑制できないか検討する必要があるということまで書かれておりまして、それはイコール、住民サービスを抑制できないか検討するということにもつながるんじゃないでしょうか。
○高原政府参考人 カスタマイズの在り方につきましては、それが結果的に地方公共団体のシステム運用経費を増嵩させて市町村財政を圧迫していく、あるいは共同化が進まないといったいろいろな問題がある中で、カスタマイズを抑制していこうということでございます。
 それで、これは私ども今作成している標準仕様の考え方でもあるんですが、地方公共団体が独自にサービスできるような部分は、標準仕様の中で、パラメーターの設定といいますか、オプション機能で給付ができるようにするというような考え方がまず一つございます。それと、データベースが一体的であって、必要最小限のカスタマイズで独自施策をするという考え方もある。さらに、そういうので難しいということであれば、API連携ということで、標準システムと情報連携をして独自の給付サービスをするということもできますので、このカスタマイズの抑制ということが、たちまち独自施策ができなくなるということにはならないのではないかというふうに思っております。
 以上でございます。
○本村委員 それで財政的にもかさんでいくのではないか。オプションをつけたらその分また料金が発生するという仕組みになるんでしょうか。先ほどオプションというふうに言われましたけれども、それは、別料金が必要だ、オプションをたくさん、また財政的にかさんでいくということになるんでしょうか。
○高原政府参考人 御答弁申し上げます。
 基本的に、標準仕様書の中のパラメーターの変更で例えば給付を手厚くするということであれば、その追加費用は、もちろんパラメーターの設定は動かさないといけませんが、かからないというふうに思います。
 それから、当然、この八条二項で必要最小限のカスタマイズをするということになりますと、やはり一定の経費はもちろんかかるというふうに考えます。
 以上でございます。
○本村委員 住民の皆さんの切実な要求を実現するために必要なカスタマイズ、これは地方自治体が判断したら自由にやらせていただきたい、できるようにしてほしいというふうに思います。
 基本方針とか閣議決定とか財政支援の差で圧力をかけるというのはやめていただきたいというふうに思いますけれども、御答弁いただきたいと思います。
○高原政府参考人 御答弁申し上げます。
 今回の標準化法案の理念は、人口減少社会の中で、自治体がそれぞれカスタマイズしながら情報システムを維持運営していくのがやはりもう限界に来ているんじゃないかという、これは地方三団体からの意見でもございます。
 そういったことを踏まえまして、標準化法案の八条で標準化基準に適合した情報システムの利用を地方公共団体に義務づける、そして、八条二項で、独自施策をするときに必要最小限のカスタマイズができるという構成を取らせていただいて、多くの地方公共団体の関係者の皆様にも意見照会させていただきましたけれども、それが中長期的に、地方自治の発展といいますか、システム運営経費に係る負担を減らして、もっと職員の皆さんに対住民サービス等に回ってもらうということを実現していく上にはこういった取組が欠かせないということで、こういった法案を出させていただいているということでございます。
○本村委員 先ほど来、自治体独自の施策を阻むものじゃないというふうに言いながら、この総務省の基本方針あるいは閣議決定は撤回されないということで、カスタマイズするな、抑制しろと実際には言っているわけで、それはやはり矛盾しているというふうに思っております。
 総務省にお伺いしたいんですけれども、全ての自治体の情報システムの状況というのはもう既に把握をされているんでしょうか。
○高原政府参考人 御答弁申し上げます。
 これまで総務省では、全ての自治体を対象に情報システムの状況等について調査を行ってきております。
 この調査を通じて、各自治体の情報システムのクラウド化の状況、情報システムの類型などについて把握をしております。
○本村委員 八条二項の必要最小限度の改変又は追加というのは何かということを具体的にお示しを、例示をしていただきたいと思います。
○高原政府参考人 御答弁申し上げます。
 八条二項は、例えば福祉などの分野において、地方公共団体が標準仕様に位置づけられないような独自の取組として国事業の上乗せ事業を行っているような場合を想定したものでございます。
○本村委員 先行して総務省は住民記録システム等標準化検討会で検討され、標準仕様書が出されておりますけれども、その中で必要最小限度の改変又は追加となっている部分を具体的にお示しをいただきたいと思います。
○高原政府参考人 御答弁申し上げます。
 住民記録システム等標準化検討会においては、不在住証明書など、自治体によっては発行されている諸証明関係の様式について、標準化の対象とすべきかどうか議論がなされましたが、標準仕様には含めないこととされました。
 そして、標準化法案八条二項において、このような不在住証明書など自治体独自の諸証明については、標準化対象事務と一体的に処理することが効率的であって、互換性が確保できるということで、必要最小限度の改変又は追加の対象になり得るものというふうに考えているところでございます。
○本村委員 全ての自治体の情報システムを把握されているということですので、お伺いしたいんですけれども、住民記録システムの標準化仕様書の中で、今までは自治体がやっていたけれども、今回できなくなるというものはございますでしょうか。この八条関係でできなくなるというものがございますでしょうか。
○高原政府参考人 御答弁申し上げます。
 私ども、検討会で、各自治体の住民基本台帳事務をそれぞれ参照させていただきながら標準仕様書の作成作業を進めておるところでございますが、標準仕様の中に含まれておらないのは、先ほど申し上げました自治体独自の諸証明ということでございまして、それは八条二項のカスタマイズの対象というふうに考えているところでございます。
○本村委員 総務省の住民記録システム等標準化検討会の準構成員として、RKKコンピューターサービス、Gcomホールディングス、TKC、電算、NEC、日立システムズ、富士通の方が入っておられます。また、オブザーバーとして十八事業者の方が参加をされておりますけれども、こうしたベンダーなどの民間事業者が参加することで、全ての自治体の利用しているシステムが大体把握できているということでよろしいでしょうか。
○高原政府参考人 御答弁申し上げます。
 私どもが開催しております住民記録システム等標準化検討会では、準構成員又はオブザーバーとして二十五のベンダーに御参加いただいておりますが、それに加えまして、標準仕様を全国の自治体に照会する際には、自治体を通じて、検討会に参加をしていないベンダーにも情報が行き届き、標準仕様の検討案に対する意見を出せるよう配慮をしております。
 そういう意味で、全国の自治体が利用しているシステムの現状を踏まえた検討が行えているものというふうに考えております。
 以上でございます。
○本村委員 この検討会の準構成員、先ほど名前を挙げました事業者や、オブザーバーとして参加されている十八の事業者、各事業者の自治体システムのシェアというのはどのようになっているのか、お示しをいただきたいと思います。
○高原政府参考人 御答弁申し上げます。
 ただいま御紹介いただきました個別の事業者における自治体へのシステムの提供シェアについては、それぞれの事業者における営業の秘密に該当すると考えておりますので、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
○本村委員 検討会に参加をし、基準を作る段階から入っている企業が今後のビジネスでも有利になるのではないかというふうに思いますけれども、その点、いかがでしょうか。
○高原政府参考人 私ども、市町村に対して一定規模以上の納品をされておりますベンダーに準構成員として入っていただいているわけでございますが、そのほかにもオブザーバーとして入っていただいている会社もかなりございます。それに加えて、自治体の皆さんに標準仕様書の意見を求めるときには、必ず地元のベンダーさんにも見ていただいて御意見をいただくようにということで事務をやっておりますので、御懸念のところは当たらないんじゃないかというふうに思います。
○本村委員 今後、寡占化していないかどうか、情報公開というものはなされるべきだと思いますけれども、その点、お答えをいただきたいと思います。寡占化していないかのチェックができるようにするべきだと思いますけれども。
○高原政府参考人 御答弁申し上げます。
 標準仕様書でなされた議論等につきましては詳細に情報公開させていただいているところでございますし、引き続きやらせていただきたいと思っております。
○本村委員 寡占化していないかという情報開示も是非やらなければいけないというふうに思っております。
 自治体の事務には、法定受託事務、自治事務、法令に基づくものに自治体が上乗せをしている事務、そして法令に基づかず任意に行っている自治事務がありますけれども、それぞれ、今、システムを構築し、活用しております。その中には、入力の際に複数のシステムがリンクする仕組みになっているケースがあると思われます。
 今回の法案では、国が十七事務を抜き出してシステムの標準化を行います。新たに十七事務については対応し直さなければいけないということになってまいります。それだけではなくて、抜き出したためにリンクできなくなって、独自に行っている事務で新たに独自に対応しなければいけないという場合も考えられると思います。
 国は、標準化のために必要な財政措置をするというふうに法文でもなっておりますけれども、その対象について、四つの点から大臣に伺いたいというふうに思います。
 一つ目、八条一項に対応した標準化対応の経費、対応を行うための契約変更した場合の経費も含めて、これも一〇〇%出すべきだ、国が補償するべきだ。
 二番目ですけれども、八条二項の、標準化対象事務以外の事務で、一体的に処理することが効率的であると認めるときに行える必要最小限度の改変、追加の経費、これも一〇〇%見るべきだというふうに思います。
 そして、システムをリンクさせて行っていた場合のシステムの変更の経費、これも一〇〇%見るべきだというふうに思っております。
 四つ目ですけれども、パッケージ等で対応していた、自治体独自のシステムで改めて対応しないといけなくなった場合の経費、これも一〇〇%国が必要な財政措置を取るべきだというふうに思います。
 大臣、この点、お願いをしたいと思います。いや、ここは大臣でということでお願いをさせていただいているので。
○高原政府参考人 御答弁申し上げます。
 まず、ちょっと事務的な整理ということになるわけですが、令和二年度第三次補正予算において、ガバメントクラウド上で提供される標準準拠システムへの移行のために必要となる経費を支援するため、千五百九億円を計上しており、補助率については十分の十で考えております。
 支援の対象範囲等の詳細につきましては、地方公共団体のシステムの実態をよくお伺いしながら、今後検討していくということになろうかと思っております。
 それで、その上で、八条一項について委員の言及がございましたが、標準化システムへの移行経費については、基本的に国費による対応をしていくということになろうかと思います。
 それから、八条の二項の関係でございますが、標準化対象事務以外の独自事務に係るシステムについては、基本的には国庫補助の対象とすることは考えておらないわけですが、システムのリンクというお話もございましたが、標準準拠システムとの連携部分に一定の影響を及ぼすことも考えられますので、そこら辺の財政支援につきましては、引き続き検討していきたいと思っております。
 それから、パッケージソフトについてのお話がございましたが、現行、パッケージソフトを利用している小規模団体につきましては、パッケージソフトを提供している事業者が、ほかの業務ももちろん今までどおりあるわけですが、その中で、十七業務については標準仕様に準拠した形でパッケージソフトを多分提供されるだろうということでございますので、私ども、そこら辺で財政支援は今の段階では必要ないんじゃないかなというふうに思っております。
 委員御指摘の点につきましては、大体事務的には以上の形で今検討しているということでございます。
○本村委員 今回のこの法案によって、様々自治体は対応しなければならなくなるわけでございます。それに対してしっかりとした財政措置をしていくんだという大臣の答弁をお願いしたいと思います。
○武田国務大臣 まずはしっかりとそれぞれの実情を伺って、適切に対応してまいりたいと考えています。
○本村委員 一〇〇%、必要な財政措置は対象にするべきだということを重ねて申し上げたいというふうに思います。
 第五条では、国が基本方針を定めるに当たって地方六団体の意見を聞くということになっておりますけれども、どのような段階で聞くのかということと、聞いた意見をどう取り入れて合意を図っていくのか。結局、最終的に国の判断が優先されるのではないかということが懸念をされるわけですけれども、基本方針を定める際、そして標準化の基準を定める際、自治体の声をしっかりと反映させるべきだというふうに思います。
 また、この基本方針と標準化基準を定める際に、自治体で働く方々、この自治体で働く方々がいなければ地方自治体は回っていきませんので、そして現場の声を一番よく知っている方々ですので、自治体の職員の方々、労働組合の皆さんの意見を聞いて反映させるべきだというふうに思いますけれども、これは大臣、お願いしたいと思います。
○武田国務大臣 本法案では、基本方針の策定に当たり、地方三団体等へ意見聴取することが定められているほか、標準化基準の制定時に、地方自治体その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならないこととしております。
 これは、地方の実情を踏まえて策定することが必要とされているものであり、地方公共団体の意見をしっかり反映させていくことが重要であると考えております。
 例えば、住民記録システムの標準仕様を検討する総務省の検討会では、全国市長会や全国町村会から推薦をいただいた、住民担当課や情報システム担当課などのシステムの実務に直接携わる方にも構成員として参加をいただいております。
 基本方針や標準化基準の策定に当たっても、自治体の幅広い御意見が十分に反映されるよう、丁寧に進めてまいりたいと考えております。
○本村委員 第十条についてもお伺いしたいというふうに思います。
 ガバメントクラウドを利用するよう努めるものとすると規定されております。ガバメントクラウドを利用しない自治体も利用した自治体も同等の地方財政措置を図るべきだというふうに考えますけれども、御答弁をお願いしたいと思います。
○高原政府参考人 御答弁申し上げます。
 自治体の情報システムの標準化の取組はクラウド利用の促進につながるものでございますが、全国規模のより広域的なクラウド環境を共同で利用することにより、自治体の行政運営の更なる合理化、効率化に寄与することが期待されるところであります。
 標準準拠システムへの移行に要する経費については国費により支援することとしておりますが、ガバメントクラウドを活用した場合には、最新のセキュリティー対策、技術革新対応力の向上、コストの低減が実現されるなどの効果が期待されることから、ガバメントクラウド上で標準準拠システムを利用していただくことが基本と考えております。
 ただ、補助対象範囲などにつきましては、システムの実態をよく伺いながら検討してまいりたいと考えております。
 そして、移行後の運用経費の地方財政措置についてでございますが、これは、標準準拠システムの運用に要する経費については、その実態も十分に踏まえながら、適切な地方財政措置が講じられますよう検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○本村委員 最後に大臣にお伺いしたいと思います。
 この法案によって、住民自治、団体自治が侵害されるようなことがあってはならないというふうに思いますけれども、最後に御答弁をお願いしたいと思います。
○武田国務大臣 本法案における情報システムの標準化は、こうした地方行政のデジタル化の基盤となり、住民の利便性の向上や行政運営の効率化に資するものであり、地方自治の本旨を尊重しながら進めていくものである、このように考えております。
○本村委員 終わります。ありがとうございました。

 

【反対討論】

○本村委員 私は、日本共産党を代表して、地方公共団体情報システム標準化法案に対し、反対の討論を行います。
 国、地方の行政が保有する膨大な個人情報を企業利益のために利活用していくデジタル社会形成基本法案などのデジタル関連法案と一体的な本法案は、地方自治体の事務処理に使う情報システムの標準化の基準を定め、地方自治体にそれに適合したシステムを義務づけ、さらに、デジタル庁が整備するガバメントクラウドの利用を求めるものです。
 地方自治体の業務を国のシステムの鋳型にはめていくこととなり、地方自治を深く侵害するものであり、反対です。
 政府は、標準化の対象を、住民記録、地方税、福祉など十七事務としていますが、標準化対象事務以外であっても、一体的に処理することが効率的であると認められ、互換性が確保される場合に限り、必要最小限度の改変、追加を認めるとしています。従来からの、カスタマイズをなくすことが重要との閣議決定や、カスタマイズ抑制との総務省の基本方針は撤回されておらず、結局、カスタマイズできるといっても極めて限定的なものとなるおそれがあり、財政措置も明らかになっていません。
 住民福祉向上のために自治体が独自に実施している業務が、行政の効率化、財政健全化を理由に削られていく危険性があります。
 標準化対象事務も政令で定めることとなっており、国会審議もなく拡大され、標準化基準、仕様書もはっきりと見えておらず、白紙委任となっていることも大問題です。
 また、新たな自治体リストラを推進することにつながることも重大です。
 政府は、自治体情報システムの標準化を進め、スマート自治体の実現を掲げていますが、その柱は、半分の職員数でも担うべき機能が発揮される自治体への転換です。
 窓口業務の整理を始め、人員削減など、新たな自治体リストラの推進は行うべきではありません。
 住民の福祉、暮らしを支え、災害に対応し、地域の公衆衛生を維持拡充していくためにも、公的基盤の強化こそが必要です。また、住民の多様な行政ニーズに応えるためにも、対面サービスの拡充こそが求められています。
 標準化対象事務として想定されている十七事務のうち、十四事務は自治事務です。本法案は、自治事務の処理方法についても詳細にわたって義務づけを課すものですが、自治事務に対する新たな義務づけ、枠づけの創設は、機関委任事務の廃止と自治事務の原則化等を通じた地方の権限拡大という地方分権の流れにも真っ向から逆行するということを申し述べ、討論といたします。

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参考資料

https://motomura-nobuko.jp/wp-content/uploads/2021/04/20210415.pdf

© 2010 - 2021 もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)