議事録
204-衆-本会議-10号-2021年3月2日
私は、日本共産党を代表して、地方税法、地方交付税法等の改定案に対する反対の討論を行います。(拍手)
まず、総務省接待問題についてです。
菅総理が、総務大臣当時、大臣秘書官に任命した長男の菅正剛氏が勤める東北新社が、衛星放送の免許認定や衛星放送事業に権限を持つ総務省の幹部官僚に高額接待を繰り返し、東北新社に有利になるよう、行政をゆがめたかどうか問われる重大な問題です。
調査過程で総務省が得た第一次資料の情報も開示されておりません。東北新社の関係者も国会に招致し、真実の徹底解明をするべきです。
地方税法、地方交付税法等の改定案に対する反対の理由を申し述べます。
法案は、地方の財源不足の穴埋めに一・七兆円もの臨時財政対策債の発行を地方に迫るものとなっています。
地域の公衆衛生体制や医療体制の確立、社会保障関係費の自然増分など、地方が必要となる財源は、基準財政需要額を地方財政計画に反映し、地方交付税の法定率を抜本的に引き上げて地方の一般財源総額を確保することが必要であり、国はその責任を果たすべきです。地方債の特例発行に頼るやり方には反対です。
また、菅政権がコロナ禍を口実に強行しようとしているデジタル庁の設置、行政のデジタル化についてです。
地方公共団体情報システム機構に新たな基金を設け、国費を投入し、自治体業務システムの標準化、全国規模でのクラウド移行、マイナンバーカードを用いたオンライン手続の推進等、自治体デジタル・トランスフォーメーション推進計画に沿った交付税措置を創設しようとしています。
自治体業務システムの標準化など、これらの推進は、自治体独自のサービスの抑制、個人情報保護の後退、住民自治、団体自治を侵害する危険性があり、問題です。
今大事なことは、オンライン申請ありきではなく、困難を抱える当事者に情報をきちんと届け、自治体が一人一人の生活の状況をしっかりと聞き取り、寄り添ったケースワークをして生活を支える体制強化です。
コロナ禍で格差と貧困が広がる下で、地方税でも生計費非課税、所得の再分配機能を高めることが求められていますが、地方税法の改定内容は応えるものになっていません。
地方税の見直しとともに、消費税五%の減税こそ直ちに行うべきであることを申し述べ、討論といたします。(拍手)