もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
国会質問

質問日:2021年 1月 26日 第204国会 総務委員会

情報通信研究機構「基金」設置に反対 基礎研究こそ支援を

しんぶん赤旗 2021年2月1日

「基金」設置法に反対  情報通信研究 本村議員が批判 衆院総務委

 日本共産党の本村伸子議員は26日の衆院総務委員会で、携帯電話など移動体通信規格の5G(第5世代)に続く将来の通信技術(ビヨンド5G)の研究開発を支援するとして、情報通信研究機構に「基金」を創設する法律について、これまでの支援への検証がなく、巨額の国費を大企業に投入する仕組みづくりだと批判しました。同法は28日の参院本会議で可決・成立しました。日本共産党は反対しました。

 この日の衆院総務委で本村氏は、政府懇談会が将来技術の世界市場でパートナー企業とともに「市場シェア3割の獲得」を目標としているとして、「パートナー企業」について質問しました。武田良太総務相は「一国のみではできない。信頼できる企業と取り組むことが必要」として、国をこえた連携を想定していることを示しました。

 本村議員は、「基金」による研究開発支援の対象などをただすとともに「企業利益となるだけではないか。国民にどう還元されていくか、検証が必要だ」と強調。基礎研究を進める情報通信研究機構の職員は正規雇用4割・非正規6割だと告発し、正規職員を増やすよう要求しました。武田総務相は「安心して才能を発揮してもらえる環境、待遇を考えていくことが大事だ」と答えました。

 

議事録

204-衆-総務委員会-2号 令和3年1月26日

○本村委員 日本共産党を代表して、地方交付税等改定案に対する反対討論を行います。
 新型コロナウイルス感染拡大により地方税の大きな減収が見込まれる中、減収補填債の適用を拡大する措置は、財源のやりくりに苦しむ地方自治体の強い要望に応えたものであり、妥当なものです。
 しかし、国税減収に伴う地方交付税総額の減額に対する加算のやり方は、国と地方の折半ルールを踏襲して、将来の地方交付税の財源を先食いすることによってつじつまを合わせるもので、賛成できません。
 地方交付税法は、毎年度の交付税総額の見積りは総務大臣の権限と責任であり、地方財政計画の策定は内閣の義務であることを規定しています。毎年度当初に見込んだ地方交付税の総額は、国の責任で確保するべきです。
 新型コロナウイルス対策を始め、今後、地方自治体が住民の皆様の命と暮らしを守る役割を一層果たしていくためにも、国の責任を明確にして、地方交付税総額の確保について、その在り方を見直すべきです。
 以上申し述べ、討論といたします。

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○本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 今回、法改定をし、総務省から情報通信研究機構に補正で三百億円の補助金を出し、そしてそのお金でビヨンド5G、6Gの研究開発を推進する、競争的に使う基金をつくって、企業や大学に委託、助成を行うとしております。その基金で行う支援の内容、国民、住民の皆さんへの還元がどのように行われるものなのかという点でお伺いをしたいというふうに思います。
 ビヨンド5G推進戦略懇談会がまとめました「ビヨンド5G推進戦略 6Gへのロードマップ」では、基本方針として、具体的には、ビヨンド5Gのインフラ整備を構成するハードウェア及びソフトウェアの世界市場において、パートナー企業とともに市場シェアの三割程度を獲得することなど、具体的目標を示しております。また、グローバルな協働は、各プレーヤーがお互いに強みを持ち寄って行われるという前提の下、我が国プレーヤーがその協働に効果的に参画できるようにすることが重要、この観点から、国が取り組む必要性の高い施策に絞り、一定期間集中的にリソースを投入するというふうに書かれております。
 現在ですけれども、情報通信白書によりますと、世界市場におけるシェア、マクロセル基地局の出荷額は、二〇一九年、NECで〇・七%、富士通で〇・六%、一%にも満たない状況でございます。
 こういう現状の中で、民間の動きについて報道等が出ております。新聞等で出ておりますけれども、昨年六月、NTT、NECが連携をすると報じられました。5Gだけではなく、その次の6Gの超高速無線、海底ケーブル、そして宇宙空間など、最先端の通信基盤を共同に開発すると報道されておりました。
 その中で、NECの社長さんは、一社で抱え込むビジネスのままでは勝ち目がない、オープン化でメーカーを競わせるため、全体の整備コストも下がるとされる、NECの利益率も下がる懸念はあるというふうに述べられております。
 ドコモの担当者は、オープン化の今後の課題は、国際標準に適合する機器の製造メーカーをいかに増やすかだと指摘をしております。
 国際標準、オープン化ということでございますけれども、多数の企業あるいは国内外の企業と連携していくということが求められているというふうに読み取れます。
 戦略の中で、世界市場においてパートナー企業とともに市場シェアの三割程度を獲得するというふうにしておりますけれども、このパートナー企業というのはどのような対象を想定しているのでしょうか。

○武田国務大臣 ビヨンド5Gを実現するに当たって乗り越えなければならないハードル、またコストを考慮すれば、御指摘のように、我が国一国のみで取り組むのではなく、我が国の通信事業者や機器メーカー等が信頼できる諸外国のパートナー企業と連携して取り組むことが求められると考えております。
 具体的なパートナー企業としては、我が国企業と協力して必要な要素技術の共同研究開発や関連技術の国際標準化に取り組む諸外国の通信事業者や機器メーカーを想定いたしております。
 我が国企業が諸外国のパートナー企業と効果的な連携を進めていけるよう、しっかりと連携をしてまいりたいと考えております。

○本村委員 パートナー企業というのは海外の事業者も想定しているということですけれども、この法案で設置をする基金で支援をしていく対象をどのようにしていくのかということをお伺いしたいというふうに思います。
 先ほども少し御議論がございましたけれども、具体的に受託できる方の条件はどのようになるのでしょうか。また、国内外の研究者、事業者、この分野で既に実績のある方など、どのようになるのか。また、委託、助成をしていく対象は、実用化していく事業者にとって必要な研究開発ですとか事業者と限られてしまうのではないかという懸念がありますけれども、いかがでしょうか。

○巻口政府参考人 お答えいたします。
 先端的かつ多岐にわたるビヨンド5G関連技術の研究開発を推進するため、官民の多様なプレーヤーの研究開発力を結集して取り組む必要があると考えております。
 このため、今回の基金では、NICTにおきまして研究開発に関する公募を実施する際、事業者であることや実績の有無により限定されることはなく、国内に研究開発拠点を有する通信事業者、通信機器ベンダー等の民間企業に加え、イノベーションの担い手である大学や中小、ベンチャーなどからも優れた提案を募ることを想定しております。

○本村委員 助成について、法改定をいたしまして対象を拡充する基礎研究というのはどのようなものなのか。ビヨンド5Gに必要とされる技術研究なので、テーマも限定されていくんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○巻口政府参考人 お答えいたします。
 本法案によりまして、NICTの助成金交付業務の対象となる基礎的な研究としましては、例えば、革新的な情報通信技術を創出する土台となる新たな知見を獲得するための研究などが想定されております。
 具体的な技術領域といたしましては、超高速大容量通信を可能としますテラヘルツ波無線技術や光ネットワーク技術などが想定されております。これらの領域における基礎的な研究につきましても、民間における取組を促進することにより、我が国の研究開発力全体の底上げを図ってまいりたいと考えております。

○本村委員 基金で行われた研究開発は国民的にどのように共有されるのかという問題ですけれども、国民に広く研究内容が示されるようになるのか。
 基金は、財源は税金ですので、やはり公的研究として国民、住民の皆様に広く共有されるべきだというふうに思いますけれども、大臣、お伺いしたいと思います。

○武田国務大臣 御指摘のとおりであります。
 今般の基金を活用した研究開発については、国費を投入して行われたものであり、適切な成果が得られたかについて検証するとともに、その成果を広く社会に共有し、国民の理解を得ることが重要となってまいります。
 このため、今般の基金では、研究開発を受託した事業者等においてノウハウが蓄積されることに加え、本法案の規定により、NICTが外部専門家等も交えて研究開発の成果を評価し、その結果の概要を広く一般に公表することとしております。
 また、今般の基金を活用した研究開発の成果については、将来的には、我が国の経済社会の基盤としてのビヨンド5Gの導入という形で広く国民に還元されることになると理解しており、早期の実現に向けて取り組んでまいりたいと思います。

○本村委員 改めまして、知的財産権の取扱いについてお伺いをしたいというふうに思います。
 基金による研究開発の特許など、知的財産権の所有はどうなりますでしょうか。

○巻口政府参考人 お答えいたします。
 基金事業では、NICTから民間企業等に対する委託及び助成による研究開発を想定しているところでございます。
 委託につきましては、いわゆる日本版バイ・ドール制度と呼ばれる国の委託研究開発における知的財産権の取扱いを定めた制度に基づきまして、知財に関する報告義務や知財移転の事前承認義務など一定の条件を前提に、研究開発による知的財産権は民間企業等に帰属することとなります。
 助成につきましては、そもそも民間企業等が研究開発主体でありますことから、研究開発による知的財産権は原則民間企業等に帰属するということになります。

○本村委員 一方、NICT、研究機構が自ら行う研究開発で知的財産権を得た場合、どのような取扱いになるのか。ポリシーでどのように規定をし、そして社会的な還元をどういうふうに行うのか、お示しをいただきたいと思います。

○巻口政府参考人 お答えいたします。
 NICTが自ら行う研究開発の成果としまして知的財産権が得られた場合でございますが、NICTが保有することとなるわけでございますけれども、NICTが定めます知的財産ポリシーにおきまして、「NICTの研究開発により創出された知的財産を積極的に外部へ展開し、社会において効果的に活用されていくことが必須である。」というふうにされているところでございます。
 例を申し上げますと、多言語音声翻訳におきましてNICTの技術を用いて様々な民間企業による活用が進んでおりますが、このように、NICTが所有する知的財産が社会で最大限に活用されるよう、民間企業への技術移転など社会実装の取組を進めてまいりたいと考えております。

○本村委員 VoiceTraなどは、本当に、今コロナ禍の中で私も外国人の方から御相談を受ける際に活用させていただいて、もっともっと進展していくといいなというふうに思っているんですけれども、NICTさんが開発した場合は知的財産権はそういう取扱いだということになります。
 今回、民間企業が開発を行った場合、知的財産権の取得を行う研究開発に携わる者というのは企業であることが予測をされるわけでございます。企業の利益となっていくだけではないか、国民にどのように還元されていくのかという点、検証が今後引き続き必要だというふうに思っております。
 そもそもの話なんですけれども、NICTの人員、基礎研究の拡充こそ必要なのではないかというふうに思っているわけですけれども、今回の基金が三百億円だと。情報通信研究機構の二〇二〇年度の運営費交付金の規模は約二百八十億円、NICTの収入合計も三百六十五・五億円ということになってまいります。
 今回、研究機構が基金交付に当たって公募を行い、受託者とのやり取り、国への報告、経理業務などを行うことになります。日頃より研究開発されておりますので、技術的にはできないことはないということは理解できますけれども、業務量が大変増えるということで、NICT職員の増員が必要なのではないかというふうに思います。
 基金の交付のために新たな雇用はするのでしょうか。

○巻口政府参考人 お答えいたします。
 NICTは、情報通信分野における我が国唯一の国立研究開発法人として、自ら研究開発を実施しているほか、研究開発の外部委託及び助成についても実績を積み上げてきており、一定の資金配分能力を有しているものでございます。
 今般の基金の設置に当たりましては、NICTにおいて資金配分業務に係る人員を増強することにより万全の体制を整備することとしておりまして、必要な研究開発に対して適切な支援が行われるというふうに考えております。

○本村委員 私、二〇一八年にもこの情報通信研究機構の人員を正規でということでお話をさせていただいたんですけれども、その当時も既に正規は四割、非正規は六割という状況でございました。
 基礎研究を担うこの情報通信研究機構の足下で安定的な人員の確保が軽視されているのではないかという印象を持っております。
 改めて伺いますけれども、この研究機構の雇用、正規、非正規の方々、どうなっているのか、二〇一八年からの数字、お示しをいただきたいと思います。

○巻口政府参考人 お答えいたします。
 NICTにおけます職員数の構成比は、二〇一八年度から二〇二〇年度までにかけて、いわゆるパーマネント職員が三九%から三七%に、有期の雇用職員が六一%から六三%にという形で推移はしておりますが、特段の大きな変化があるものではないというふうに認識をしております。
 有期の雇用職員につきましては、近年、研究者の働き方の多様化が進んでおり、特に最先端の技術を扱う研究者には、特定の雇用先との長期雇用にとらわれない柔軟な働き方が広がっている実態があることや、随時外部の高度専門人材を組織に取り入れることにより研究開発プロジェクトが活性化されるといったメリットも考えられるところでございます。
 今後とも、NICTにおきまして、革新的な情報通信技術を創出するため、研究者のニーズも踏まえつつ、適切な形で人材を確保していくことが重要であると考えております。

○本村委員 現場のお声を聞いておりますけれども、やはりパーマネントを増やしてほしいというのが現場のお声でございます。
 私、二〇一五年度からも調べておりますけれども、右肩上がりで有期雇用の職員の方々が増えているということで、やはりこれでは人材育成という点でも本当に深刻な状況だというふうに思います。
 時間がないものですから、少し飛ばさせていただきます。
 三次補正予算でも、整備予算、百九十九億円ついているんですけれども、これまでも補正予算によって一時的に施設整備の確保が行われております。
 その後の維持管理の費用が入っていないんじゃないかということが現場から言われておりまして、それが入っていないと、人件費ですとか研究費ですとか、そういうところを食ってしまうということで、やはり、新たに整備された設備の維持管理費もしっかりと財政措置するべきだというふうに思いますけれども、研究費や人件費、それを維持管理費が食ってはいけないということで、是非大臣、御答弁いただきたいと思います。

○武田国務大臣 御指摘の維持管理費についてですけれども、これまでもNICT運営費交付金から支出をされております。
 この施設等の維持につきましては、研究の実施状況やニーズなどを踏まえ、不断の見直しを図りながら、NICT運営費交付金の中でその費用を賄ってきたと理解しております。
 委員御指摘のように、今後とも、この研究現場、そして施設等の維持に支障がないように、必要な予算というものをしっかり確保してまいりたいと考えています。

○本村委員 最後になるかというふうに思いますけれども、先ほどもどんどん有期雇用契約の割合が増えているこのNICTの現状、研究者の方々、研究を支える人の確保、育成が本当に必要だというふうに思います。大臣としてどのようにお考えか。また、運営費交付金、基礎研究費の部分が、この三年間を見てみますと、三年の中でも一番少ないわけでございます。やはり、基礎研究を支える運営費交付金をしっかりと増額をしていく、基礎研究の支援こそ必要だというふうに思いますけれども、二問まとめて大臣に伺いたいと思います。

○武田国務大臣 まず、人材につきましては、先ほどから質問が相次いでおりまして、やはりしっかりと、いい人材が、このNICTはもとより、日本から逃げないように、非常に厳しい競争、世界の中で人材獲得競争も激化しておりますので、その方々が安心して伸び伸びと、遺憾なくその才能を発揮していただける環境、また待遇というものはしっかりと考えていく、このことがまずは重要なことではないかなと思っています。
 また、基礎研究費の確保についての御指摘でございました。
 この基礎研究に係る費用は、基本的には国から交付される運営費交付金によっておりまして、外部から獲得した資金と合わせて、二〇一八年度三百三十四億、二〇一九は三百八十九、二〇二〇年度は三百七十二億円で現在推移をしております。
 NICTの努力もあり、一定の研究費は確保してきておるんですが、NICTが世界をリードする研究機関であり続けるためにも、総務省としては、NICTと連携し、必要な研究費をしっかりと確保してまいりたいと考えております。

○本村委員 基礎研究の支援こそ先々の技術に広く貢献していくということになると思いますので、是非強力にお願いしたいと思います。
 失礼いたします。ありがとうございました。

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○本村委員 日本共産党を代表して、国立研究開発法人情報通信研究機構法改定案に対して反対の討論を行います。
 本法案は、ビヨンド5Gを実現する革新的な情報通信技術の創出を推進するためとして、情報通信研究機構の助成対象業務の対象を拡大して新たな基金を設置するとしています。
 しかし、5Gの段階でも情報通信研究機構を通じて技術開発支援を行っていますが、技術開発の方向性や手法が適切だったのか、全く検証されておりません。
 にもかかわらず、本法案は、技術で勝てても市場では必ずしも勝てなかったとしたビヨンド5G推進戦略懇談会の指摘に基づき、基金を通じて巨額な国費を情報通信企業の活動への助成に使うものであり、賛成できません。
 今、補正予算で求められているのは、新型コロナ感染症への対策です。コロナ対策と関係のない本法案を提出し、補正予算関連法案として、このような僅かな時間で審議をして通してしまうやり方に厳しく抗議をいたします。
 以上申し述べ、討論とさせていただきます。

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参考資料

https://motomura-nobuko.jp/wp-content/uploads/2021/01/20210225142224854.pdf

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