もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
国会質問

質問日:2020年 2月 20日 第201国会 総務委員会

災害時の医療体制確保を/公立・公的病院リストの撤回を

しんぶん赤旗 2020年2月21日

災害時・新型肺炎/不安に応える医療体制を/本村議員が要求/衆院総務委

 日本共産党の本村伸子議員は20日の衆院総務委員会で、災害時医療体制確保と、新型コロナウイルスへの緊急対策について求めました。
 新型コロナウイルスの問題では、愛知県岡崎市長が加藤勝信厚生労働相宛てに出した「藤田医科大学岡崎医療センターでの新型コロナウイルス感染症患者受け入れにかかる支援について(依頼)」を取り上げました。防護服等の救急隊員用資材、小学校への支援、マスクなどの民生用資材の確保、「症状が急変した乗客の受け入れ医療機関の確保」などを求めていることを紹介し、住民の不安に応えるよう訴えました。これに対し稲津久厚労副大臣は「しっかりと受け止めて愛知県とも連携しながら医療体制の確保、住民の安全確保に全力をあげていく」と答えました。
 高市早苗総務相は、災害と同様の地方交付税措置とともに「今後も地方団体の声をしっかり聞いて必要な対応を行ってまいりたい」と答えました。
 南海トラフ地震の被害想定では、災害派遣医療チーム(DMAT)や医療救護施設などが不足することが明らかになっています。
 本村氏は「政府は、病院を減らせ、ベッドを減らせと圧力をかけている。全国的に平時から、人員も病院も余裕がなければ災害時の派遣はできない」と指摘。さらに、「南海トラフ巨大地震や首都圏直下型地震を想定した医療体制を議論することが必要だ」と迫りました。
 稲津厚労副大臣は「地域全体として不足のない災害医療体制の構築を議論していただくことが重要」と答えました。


しんぶん赤旗 2020年2月22日

病院統廃合/計画押し付けるな/本村氏に総務相「地域の声踏まえ対応」/衆院総務委

 日本共産党の本村伸子議員は20日の衆院総務委員会で、厚生労働省が再編統合の再検証を求める公立・公的病院名を公表した問題を取り上げ、病院名リストの撤回と、自治体に再検証を強要しないよう求めました。
 本村氏は、厚労省のリスト公表は「山間地の公的医療機関の役割を無視した議論だ」「直近の2、3年の経営努力を無視している」などと、地方自治体から厳しい声が上がっていると指摘。高市早苗総務相は「今後も地方の声を受け止めていく」などと述べました。
 昨年5月の経済財政諮問会議では、都道府県が策定した地域医療構想が、政府が掲げる2025年に達成すべき病床の削減目標を満たしていないとして、「期限を区切って見直しを求めるべき」だとの意見が出されました。本村氏は、この議論を踏まえ「経済財政運営と改革の基本方針2019」が閣議決定され、同方針が自治体に押し付けられていると批判しました。
 本村氏は、厚労省が1月17日に各都道府県知事あてに出した病床削減の検討を求める通知は「技術的助言であり、ペナルティーはないということか」と追及。同省の吉田学医政局長は、「ペナルティーは予定していない」と答えました。
 さらに、リスト撤回を求める住民・患者の声を聞くことの重要性を強調。高市総務相は「地域の住民、地方団体の声を丁寧に踏まえながら対応していかなければならないので、地域の議論を期待したい」と答弁しました。

 

議事録

201-衆-総務委員会-5号 2020年2月20日

○本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。
 どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 災害時の医療体制の確保についてまずお伺いをしたいというふうに思います。
 二〇一八年八月に、この総務委員会の委員派遣で高知県へ行き、七月豪雨災害の被害の調査、あるいは自治体の皆様から御要望を伺ったりもいたしました。また、南海トラフ巨大地震の対策などもお話をお伺いしてまいりました。高知県の皆様方の、とにかく命を守るんだという本当に真剣な取組に感銘を受けたわけですけれども、その中で、医療の点についても私はお話を伺ってまいりました。
 南海トラフ巨大地震があったときに、高知県の場合、想定負傷者は四万七千人、想定死者数は二万五千人、そのうち重症、中等症の患者さんは約一万四千百人、うち重症者は約四千七百人と、高知県の年間三次救急の患者さんを超える数だということでございました。災害拠点病院等で処置できる可能な人数は合計約三千八百四十人。そうしますと、DMATが対応すべき重症、中等症の患者さんの方々は約一万二百人。被災地の外からの派遣DMAT四十三チームによる処置数というのは約二千人だと。処置できずに残る重症、中等症の方というのは約八千二百人という検討をされておりました。こういうふうな検討をしますと、更に百七十チーム以上のDMATが必要だというふうなことでございました。
 これは、全国のことでならしますと、同じように計算をいたしますと、南海トラフ巨大地震、全国の想定負傷者は六十二万三千人ということになってまいります。処置できずに残る重症、中等症の患者さん方は約十万九千三百人にも上るという想定がなされております。そうしますと、全国的に二千二百チーム以上のDMATが必要だということになってまいります。
 高知県では、総力戦の体制づくりと、総力戦の場所と資機材の確保、総力戦の人材確保、地域をバックアップする体制づくりということで、本当に真剣な取組が行われ、それは一時的なものではなくて、やはり継続的に体制をつくっていくことが必要なんだということで、この高知県での真剣な検討、取組は、厚生労働省の救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会でも取り上げられております。
 災害時の医療体制をどう確保するか、これは大変大きな課題となっているわけでございます。
 そこで、確認ですけれども、南海トラフ巨大地震の際に、医療の体制についてどういう課題があるというふうに国は認識されておりますでしょうか。きょうは厚生労働副大臣に来ていただいておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

○稲津副大臣 お答えをさせていただきます。
 南海トラフ地震に対する災害医療の課題、特に、今委員からはDMATについても御指摘をいただきました。
 この令和元年の五月に作成されました、南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画、ここにおきまして、南海トラフ地震では、建物の倒壊、火災等による多数の負傷者の発生、それから、医療機関の被災に伴う多数の要転院患者の発生により医療ニーズが急激に増加をするということ、そして、被災地内の医療資源のみで果たして対応できるのか、こうしたことが想定されると言われております。
 また、この計画におきましては、全国から災害派遣医療チーム、DMATを始めとする医療チームによる応援を迅速に行い、被災地内において安定化処置など救命に必要な対応が可能な医療体制を確保すること、これが必要でございます。被災地内の地域医療搬送を支援するとともに、被災地で対応が困難な重症患者を被災地外に搬送し、治療する、いわゆる広域医療搬送を実施する必要がある、こうしたことについても指摘がなされているところでございます。
 厚生労働省としては、医療体制確保のため、DMAT隊員のさらなる増加のための養成研修を行うとともに、迅速な派遣を可能にする等の課題を解決するために、DMAT事務局の体制整備についても進めているところでございます。
 広域医療搬送実施のため、毎年、内閣府とも、都道府県と連携して、いわゆる都道府県を超えた連携を視野に入れた大規模地震のときの医療活動訓練等を行うなどとしているところでございます。
 今後とも、こうした取組を充実強化しながら、南海トラフ地震の対策に当たってまいりたいと考えております。

○本村委員 ありがとうございます。
 南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ第一次報告、各都道府県での負傷者が最大となるケースが出ておりますけれども、私の地元東海エリア、委員長もそうだというふうに思いますけれども、例えば、想定負傷者数は、愛知県は約十万人、静岡県は約九万二千人、三重県は約六万六千人となっているわけでございます。
 愛知県でいいますと、海抜ゼロメートル地帯、マイナス、ゼロメートル地帯、こういうところが日本で一番広いという地域でございまして、例えば、尾張大橋をかけかえて堤防をかさ上げしてほしい、そういう長年の住民の皆さんの御要望、ハードの面も当然整備をしていただきたいんですけれども、同時に、高知県のお話をお伺いいたしますと、私の地元も、災害時、医療体制が全く足りなくなるんじゃないかということを大変懸念しております。
 そういうときに、今、政府が、病院を減らせ、ベッドを減らせと圧力をかけている。全国的に平時から人員も病院も余裕がなければ、災害時の派遣はできません。DMATだって余裕がなければできないわけでございます。
 公立病院も災害時に重要な役割を担うことになってまいります。先ほども申し上げましたように、災害拠点病院だけでは足りないということは明らかでございまして、やはりこういうことをちゃんと考えていかなければいけないというふうに思うんです。
 高市大臣にお伺いをしたいんですけれども、政府は、災害時の医療体制について本当に真剣に考えてくれているのかという点、大臣にお伺いをしたいというふうに思います。

○高市国務大臣 私が申し上げられるのは公立病院についてということになりますけれども、公立病院は、災害時の医療確保を含む不採算医療の提供、これを期待されております。特に、災害拠点病院に指定された公立病院は、災害時における救急医療を担い、DMATの受入れや派遣機能を有するといった重要な役割を担っております。
 そのため、災害拠点病院など災害時の医療確保に必要な公立病院につきましては、その施設整備について、通常よりも手厚い地方財政措置を講じております。
 さらに、来年度から、過疎地など経営条件の厳しい災害拠点病院など、地域における中核的な公立病院に対する特別交付税措置を創設することとしたところでございます。

○本村委員 自治体の仕事の中で、災害対応というのは非常に大きな仕事になってくるというふうに考えております。ところが、将来の地域の医療をどうしていくか、これを考えるときに、地域医療構想などの議論のときに、災害の視点がないというのが私は大問題だというふうに思います。
 地域の医療体制をどうしていくかというときに、災害時、南海トラフ巨大地震ですとか首都直下型地震ですとか、そうしたことを想定した医療体制、病院、診療所、医師、看護師、医療スタッフ、人工透析の点では大丈夫なのかということも含めて議論が必要なのではないかというふうに思いますけれども、厚生労働副大臣、お願いしたいと思います。

○稲津副大臣 お答えさせていただきます。
 災害時の医療体制、また、将来に向けた、いわゆる地域医療構想を含めたお考えだと思いますけれども、今般の地域医療を進める上での診療実績のデータ分析に当たりましては、災害医療を行っているか否かも実は評価事項として設定をされております。公立・公的医療機関等が災害拠点病院として指定されている場合には、当該医療機関でなければ担えない機能に重点化が図られているとして、「診療実績が特に少ない」の分析で配慮をしています。
 今後、当該分析結果も踏まえつつ、今回の分析だけでは判断し得ない地域の実情を補いながら、地域全体として不足のない災害医療の提供体制の構築を議論していただくことが重要なことである、このように考えております。

○本村委員 やはり、地域の医療をどうしていくかという点で、その地域医療構想の議論でも、調整会議などで、災害に着目した議論は大変重要だというふうに思います。
 今、急性期から回復期というふうになってまいりますと、全体に医師、看護師の数が減っていくということにも病院としてはなりまして、そういうことも含めて、災害時、大丈夫なのかということが心配になるわけでございます。やはり、災害時の医療体制含めて、地域の医療をこれからどうしていくかということをしっかりと議論していかなければいけないというふうに思っております。
 次に、感染症の問題なんですけれども、今回の新型コロナウイルス感染症についても、検査体制の拡充ですとか保健所の体制、病院の体制などが問題になっております。
 再検証の分析対象となっている公立・公的病院の千四百五十五の病院のうち、感染症のベッドを持っている病院は何病院、何%あるでしょうか。お答えをいただきたいと思います。

○稲津副大臣 お答えいたします。
 平成三十一年四月一日時点で、特定感染症指定医療機関、第一種感染症指定医療機関及び第二種感染症指定医療機関は合計五百五十一施設でございます。そして、今回の分析対象とした公立・公的医療機関等において、感染症指定医療機関は四百五十八施設含まれ、割合は二九%でございます。

○本村委員 感染症対策も、やはりこの公的・公立病院が大変重要な役割を担っているというふうなことですし、いざというときに公的・公立病院は使えるんだということもしっかりと視野に入れなければいけないと思います。
 この新型コロナウイルスの問題で、地元の愛知県にあります藤田医科大学岡崎医療センターは、横浜港で検疫中のクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号より、陽性反応は出ているけれども発症がない乗客乗員の方を受け入れるということで、受入れを始めております。ただ、発症のないということでしたけれども、肺炎の疑いがある方がおられ、そして、愛知県内の医療機関へ搬送されるというふうになっております。
 藤田医科大学の皆様方の決断というのは非常に大変なものだというふうに思います。この藤田医科大学の方からはこういう声明も出されております、経過説明がされております。
 船内感染者が四百五十人を超え、感染者の受入先確保が急がれる中、厚生労働省より要請をいただきました、さまざまな困難が予想されますが、医療機関として、日本のため、乗客乗員のためにできることを考えたとき、このような結論にいたしましたという経過が説明をされております。大変な御決断だというふうに思います。
 この受入れの数時間前ですけれども、岡崎市内で住民の皆様方への説明会がございました。説明が遅くなったということに対して謝ってみえたのは、藤田医科大学の方が謝ってみえたということでございます。そもそも、この週末に藤田医科大学に来た話だというふうに聞いておりますし、岡崎市へも、決まってから厚生労働省から聞くというような、事後報告だったのではないかというふうにも皆様方から言われております。岡崎市としては、住民の皆さんの不安に対して応えなければいけないし、さまざまな問合せについても答えなければいけないということでございます。
 もともとこの問題は、二月上旬から、乗客乗員の方を一体どうするのかということが問われてきたのに、なぜこんなぎりぎりになったのか。事前に岡崎市の方に、あるいは住民の方々の方に話があってしかるべきなのではないかというふうに思いますけれども、対応はどうだったのかということをお答えいただきたいと思います。

○稲津副大臣 お答えいたします。
 まず、今回のこの藤田医科大学岡崎医療センターの御協力に対して、心からお礼を申し上げさせていただきたいと思います。また、愛知県、岡崎市、関係自治体、さまざまな行政機関にも、大変な、また地域住民の皆さんにも御協力いただきましたことに、重ねてお礼を申し上げたいと思います。
 確かに、今回のこの藤田医科大学岡崎医療センターへの患者の搬送は、急を要する状況の中でとり行う、そういう準備で、進めたものでございます。移送決定前の段階で、愛知県や岡崎市に対しては、国として受入れを要請していること、センター内で行われる支援の内容、自治体やセンターと連携して対応していくことなどを御説明しておりまして、いわゆる一方的な事後報告であるということではございません。
 また、この周辺地域にお住まいの方々の抱える不安をできるだけ解消するために、岡崎市からの要請を受けて住民説明会を開催させていただきました。今回の受入れは厚生労働省からの要請に基づくものであること、これは厚生労働省側から説明をさせていただいています。また、新型コロナウイルスは飛沫・接触感染をするものであること、そして、センター職員の万全な防護策や動線管理等により、職員や市内への感染防止に全力で取り組むこと、これは医療機関の方から御説明をいただきました。こうしたことをお住まいの地域住民の方々にお伝えさせていただいたところでございます。
 今後、厚生労働省といたしましても、説明会でいただいた御意見、これを踏まえて、県そして市の御支援もいただきながら、全面的に今回の藤田医科大学における受入れの取組をバックアップさせていただきたいと考えております。

○本村委員 岡崎医療センターは、岡崎市も財政支出をしている、大きな額を出している病院で、それなのに、決まってから、本当に直前に住民説明会とかいうことで、地元の方々はそういうことを問題だというふうに受けとめております。
 岡崎市では、発症のない方を受け入れるということでございましたけれども、既に四名の方、また出たということもあるかもしれませんけれども、肺炎の症状があった方を岡崎市の消防本部の救急車で県外の医療機関へ搬送したということがございまして、その搬送の際に使用した二台の救急車は、感染拡大予防のために、新型コロナウイルスの患者の皆様の専属の救急車として、岡崎医療センター内で待機をするというような対応もとってくださっております。
 そうした自治体の努力、そして、医療機関、地元の皆様の努力、困難をぜひ支援していただきたいというふうに思います。
 昨日、十九日ですけれども、岡崎市長から加藤厚生労働大臣宛てに、藤田医科大学岡崎医療センターでの新型コロナウイルス感染症患者受入れに係る支援について、依頼という文書が出されております。
 御要望、御依頼の一枚目の依頼文ですけれども、一、救急隊員用の資材等ということで、感染予防キット、防護服等八百セット、出動二百回分。搬送の重複が予想されるため、県内消防、DMATの派遣一隊。消毒用アルコール千本。二つ目、小学校、岡崎医療センターの隣接校の支援について。児童にわかりやすい感染症の説明と予防の指導。保健師相当職員六名、各学年一名の派遣。三つ目、民生用資材の優先確保について。アルコール、マスク、ハンドソープの優先的確保ということが言われ、二つ目の依頼文では、一つ目、症状が急変した乗客の受入れ医療機関の確保。陽性で無症状の乗客が、最初の受入れで早くも四名が救急搬送された。この状況が続くと岡崎市だけでは対応できない。愛知県、近隣県等広域での対応をお願いしたい。この体制ができないと岡崎医療センターでは受入れができなくなる。二つ目、リエゾンとして県職員の岡崎医療センターへの派遣。岡崎市職員だけでは対応できないので、県職員の派遣をお願いしたい。
 この岡崎市からの依頼には確実に応えていただけますね。副大臣、お願いしたいと思います。

○稲津副大臣 お答えいたします。
 岡崎市長から厚生労働大臣に出された要請に対しての対応についてでございますが、今回の岡崎市から厚生労働省に対しての、この受入れに関して、今御説明もいただきまして、一部重複しますけれども、もう一度整理してお答えしたいと思います。
 まず、患者の救急搬送業務を行う救急隊員用の防護服の確保、また、周辺地域におけるマスク等の優先的な確保、隣接する小学校の児童に対する感染症の説明への支援、それから、受入れ患者の容体急変に備えた広域的な医療提供体制の構築、こうした御要望をいただいたところでございます。
 厚生労働省として、今回御協力をいただいている岡崎市の要望をしっかりと受けとめて、愛知県とも連携をしながら、医療体制の確保、また住民の安全の確保に全力を挙げてまいる所存でございます。

○本村委員 岡崎市長から厚生労働大臣に出されておりますこの依頼については、確実に対応していただきたいというふうに思います。
 患者の皆様の健康を守ると同時に、やはり住民の皆様は本当にさまざまな不安がございます。風評被害への不安が大変大きい状況にもう既になっております。
 受け入れた自治体、地域の皆様、そして御商売をされている皆様が、損害が出ることがないように、風評被害の防止の対策ですとか、もう既にキャンセルですとか、あるいは小売販売についての影響、損害が出ております。こうした、ほかの自治体のところでもそうなんですけれども、もし損失が出たときの損失補償をしっかりとしていただきたいということ。
 先ほども、マスクの件を市長が御要望されておりましたけれども、マスクや消毒液が手に入らないという問題がございますので、地域に届くように、そして、保育園、学校、子供たちが過ごすところにしっかりと、マスクとか消毒とか、そういったものを配置できるように、また、持病を持った方ですとかお年寄りですとか、そうした方々への配慮もぜひしていただきたいというふうに思います。
 また、医療従事者に対する対策を万全にしていただきたい。防護マニュアルを徹底して、病院内外での動線を明らかにするということ。医療従事者以外にも出入りする方々、お弁当ですとか清掃ですとか、派遣の方もいらっしゃるそうなんですけれども、そういう方にはなかなか感染に関する情報が伝わっていないということも聞いておりますので、そういった方々についてもマニュアルを徹底して、病院内外での動線を明らかにしていただくということ。また、患者さんのプライバシーに配慮をしながら、院内の情報をできる限り周辺の住民の方々に提供していただくということ。そして、住民の皆様の不安にしっかりと応える、要望にしっかりと応える窓口を国としてつくっていただくということなど必要だというふうに思います。
 住民の方々の不安にしっかりと応えていく、御要望にもしっかりと応えていく。これは、厚生労働省とそして総務大臣にお願いしたいと思います。

○稲津副大臣 お答えをさせていただきます。
 今回の国内における新型コロナウイルス感染症に対する不安が高まる中で、状況に応じて国民の皆様の不安をしっかり解消していく、その対応をとることは極めて重要であると考えております。
 今、議員から御指摘のございました風評被害等につきまして答弁をさせていただきたいと思います。
 まずは、風評被害の損失防止、補償等についてですが、このことについては、まずはこの新型コロナウイルス感染症に対する緊急対応策、これにおきまして、国民及び外国人旅行者への迅速かつ適切な情報提供、観光業等の中小企業、小規模事業者対策等、あるいはまた雇用対策、これらの対応を行うこととしているところでございます。
 マスク、消毒液等につきましては、この物資は、関係団体を通じまして、製造販売業者の方々や卸売業者の方々に、増産体制あるいは分割納入などを既に要請させていただいているところでございます。
 引き続き、生産、流通、その動向を把握しまして、物資をしっかり供給できるように取り組んでまいります。
 それから、子供さんたちへのわかりやすい情報提供についてのお話もございました。
 これは、文部科学省にも協力をいただきまして、各学校に対して、いわゆる手洗いやせきエチケットなど、感染症対策のそうした指導、アドバイスできるように要請しているところでございます。
 それから、医療関係者の方々への情報提供についてのお問合せもありました。
 この感染症の基本的な知識と同時に、予防策、これは今、新型コロナウイルスに関するQアンドAを作成いたしまして、患者の発生状況ですとか感染予防、あるいはまた潜伏期間などの基本的情報について、厚生労働省のウエブサイト等さまざまな媒体、また、自治体、関係機関等に周知をさせていただいているところでございます。
 それから、住民の皆様の不安の声に応える窓口の設置等について御質問がございました。
 国民の皆様の不安の声に応えるために、既に厚生労働省内にコールセンターを設置いたしておりまして、あわせて全都道府県においても相談窓口を整備していただいて、相談体制の整備強化を行っているところでございます。
 引き続き、国民の皆様の不安を解消するために必要な対応をとってまいります。

○高市国務大臣 総務省消防庁からは、全国の地方公共団体及び消防本部に対しまして継続的に情報提供を行っております。
 それから、十三日に決定しました緊急対応策のうち、一部事業につきましては地方負担が見込まれます。これはもう災害並みの措置を講ずる必要があるということで、例えば、有症患者が入院することができる病床整備に係る備品購入等の支援、また地方自治体の相談窓口設置の支援、こういったことに対して補助を実施する場合に手厚い地方交付税措置を講じることといたしました。
 今後も、地方団体の声をしっかり聞きながら、必要な対応を行ってまいります。

○本村委員 今申し上げましたことを含めて、さまざま御地元には住民の皆様の御要望がございますので、ぜひ、そのお声を聞いていただいて、対応していただきたいというふうに思います。
 この感染症の対応でも、もしある病院で院内感染の疑いがあるということであれば、受け入れられないということになってまいりまして、じゃ、別のところということにもなってまいりますので、やはり、その地域に一つあればいいというんじゃなくて、複数備えておくことも必要だということが今回のケースでもはっきりしているというふうに思います。
 そういう点でも、もう一度、病院の再編、統廃合の問題についてお話をさせていただきたいんですけれども、本会議でも伺った問題でございます。
 政府は、全国の公立・公的病院に対して、入院の病床数を全体で五万床減らす地域医療構想に即した改革プランを求めております。しかし、削減が思うようにいかないということから、全国四百二十四の病院を突然名指しをして、プランを再検証して二〇二〇年九月までに再編統合、機能移転、ベッドの数を減らすという計画を具体化するように求めてきたわけでございます。
 そもそも、この四百二十四の病院名リストというのは、物すごい乱暴なものでございました。例えば、三重県のリストを見てみますと、桑名南医療センターが載っております。でも、この桑名南医療センターは存在していないんです。存在していない病院がリストの中に載っていたと。二〇一七年のデータだというふうに言っていますけれども、どれだけ現場を知らない、いいかげんなものなのかということがよくわかる事例だというふうに思います。こういういいかげんなもので自治体に圧力をかけるということに、本当に憤りを持っております。
 厚生労働省のリストの公表に対して、名指しされたところからさまざまな声が上がっております。
 例えば、岐阜県内でも、飛騨の市長さん、山間地の公的医療機関の役割を無視した議論だ、もとデータの信憑性もない、混乱が広がるのは当然のことで極めて遺憾というふうに表明をされております。
 そして、多治見市長も、更に充実しようとしているところに公表は寝耳に水だ、極めて遺憾だという発言をされております。また、多治見市の市民病院の院長さんは、厚生労働省が分析したデータは直近の二年、三年の経営努力を無視している、多治見市民病院を対象にした根拠も不明で名誉毀損に相当する、業務妨害であり厳重に謝罪を求める、こういうお声でございます。
 また、恵那市立の恵那病院も、建てかえて、そして今、産婦人科も開設をして、二百五十人近くの赤ちゃんが生まれている、町の希望の星だというふうに言われている病院でございます。その院長も、上から言ってくるのはおかしいというふうに声を上げておられます。各地で怒りの声がこういうふうに噴出しているんです。
 総務大臣にお伺いをしたいんですけれども、必死に地域医療を支えている方々の声、特に市町村の皆さんの声をどのように受けとめておられますでしょうか。

○高市国務大臣 昨年の九月の末に厚生労働省からの公表があり、地方からは懸念や不安の声が寄せられました。
 地域の実情をよくお聞きするために、国と地方が協議する場の設置を指示いたしました。そして、十月にそれを立ち上げ、これまで地方三団体、厚生労働省及び総務省によって地域医療確保に関する議論を深めてまいりました。
 協議の場において、地方側からは、民間病院も含めた病院全体のデータが必要、関係者間の合意を得るための十分な時間を確保すべき、公民の別なく国費で財政支援をすべきなどの意見が出されました。こうした地方からの御要望を踏まえて、国において新たな財政支援の創設などを行いました。年末には、このような国の取組に対して一定の評価はいただいたところでございます。
 しかしながら、今後とも、協議の場を通じて地方の声はしっかりと受けとめてまいりたいと存じます。

○本村委員 地域の医療の体制を確保するために御努力されている方々の声をしっかりと聞くべきだというふうに思います。
 そして、そもそも、こういういいかげんな病院名リストは即刻撤回するべきだというふうに思います。本会議でも、総理に撤回するべきだということを私は申し上げました。そうしましたら、病院名リストについて、医療機関が今後医療機能のあり方を考える際の材料としてお示しをしたというふうに答弁をされました。けれども、結局、具体的対応方針の再検証を求めているわけでございます。
 厚生労働副大臣にお伺いをいたしますけれども、なぜ三月末までに対応策を出せというふうに求めているんでしょうか。

○稲津副大臣 お答えをさせていただきます。
 この地域医療構想の再検証の三月末までの期限という御質問でございますけれども、地域医療構想の実現に向けて、これまで急性期機能を中心に担ってきた公立・公的医療機関に対し、民間では担えない医療に重点化すべきとの観点から、今後担う医療機能についての検討を先んじて求めてまいりましたが、その検討結果について、全体として急性期からの転換が進んでいないという御指摘がございます。
 こうした状況において、二〇二五年に地域医療構想を実現するためには、早期に地域における再検討の議論を進める必要があるため、骨太の方針二〇一九におきまして、再編統合を伴わないケースについては原則として二〇一九年度中に対応の方針の見直しを求める、このようにされているものでございます。
 なお、地域における議論の進捗状況や自治体等からの意見も踏まえながら、ことしの夏の骨太方針に向けて、二〇二〇年度から地域医療構想の目標年である二〇二五年に向けての具体的な進め方を整理することにしている、このような流れでございます。

○本村委員 今、骨太方針の話もありましたけれども、それに至る議論も大変おかしいものがあるというふうに思います。
 二〇一九年五月の経済財政諮問会議、財務大臣がこういうふうにおっしゃっております。地域医療構想は、二〇二五年に達成すべき病床数に沿ったものとなっておらず、不十分、再合意に向けて適切な基準を設定することは重要というふうに指摘をし、再合意の具体的期限の設定、見える化、知事の権限強化など、実効性を高める仕組みが必要というふうに上から目線でおっしゃっております。また、民間議員からも、公立病院等の見直しも全体として二〇二五年に達成すべき病床数等に沿ったものになっていない、適切な基準を新たに設定した上で、期限を区切って見直しを求めるべきと、一貫して病床数の削減、再編を狙っている、迫っているわけでございます。
 そして、経済財政運営と改革の基本方針二〇一九、骨太方針を閣議決定して、その方針を地方自治体に押しつけているということでございます。
 国と自治体は対等な関係のはずでございます。にもかかわらず、こういうやり方は、閣議決定して地方自治体に押しつけるというやり方は、やはりおかしいというふうに思います。
 それで、こういう骨太方針を受けて、ことし一月十七日に、各都道府県知事宛てに厚生労働省の医政局長が「公立・公的医療機関等の具体的対応方針の再検証等について」という文書を出しております。
 まず、確認をいたしますけれども、この文書、地方自治法第二百四十五条の四第一項の規定に基づく技術的助言であって、これをやらなかったからといって、ペナルティーは当然ないですね。

○吉田(学)政府参考人 お答えいたします。
 今委員御指摘いただきました文書につきましては、御指摘いただきました地方自治法に基づきます技術的助言として通知を発出しているものでございます。

○本村委員 ペナルティーはないですね。

○吉田(学)政府参考人 お答えいたします。
 今申し上げましたように、この通知につきましては、地域医療構想を進めるに当たりまして、私どもとしての技術的助言でございます。ペナルティーという言葉の意味ではございますけれども、私どもとして、それによる具体的なペナルティーは予定してございません。
 私どもとしては、政府全体として、この地域医療構想が進むための支援策につきましては、別途、私どもとしても全力を挙げて取り組ませていただきたいと思っております。

○本村委員 地方自治体に押しつけるということがあっては絶対にならないというふうに思います。
 この医政局長の文書ですけれども、この中には、都道府県は、公立・公的医療機関等に対し、具体的対応方針について再検証を要請すること、都道府県から要請を受けた再検証対象医療機関は、以下一から三について検討を行い、その結果を反映した具体的対応方針について、地域医療構想調整会議において、再検証を経た上で合意を得ること、一、現在の地域における急性期機能や、将来の人口推計とそれに伴う医療需要の変化等の医療機関を取り巻く環境を踏まえた、二〇二五年を見据えた自医療機関の役割、二、分析の対象とした領域ごとの医療機能の方向性、ほかの医療機関との機能統合や連携、機能縮小、機能廃止等、三、一、二を踏まえた機能別の病床数の変動、こういうことを書いております。
 ベッドを減らす議論をしろというようなことまで書いてあるわけですけれども、先ほども申し上げましたように、国と地方自治体は対等な関係のはずでございます。やはりこの医政局長の文書というのは上から目線で、おかしいと思いますけれども、その点、副大臣、いかがでしょうか。

○稲津副大臣 お答えいたします。
 この一月十七日付の医政局長の通知の件でございますけれども、地方自治法に基づく技術的助言として御指摘の通知を出しておりまして、当該通知は、国と地方自治体が対等である、この前提のもとに出されたものと考えているところでございます。
 また、御指摘の通知につきましては、昨年十二月二十四日の第三回地域医療確保に関する国と地方の協議の場におきまして、その骨子を協議した上で発出したものでございまして、地方自治体と調整をさせていただいたものでございます。

○本村委員 国と地方自治体、市町村は対等な関係でございます。決して国の政策を押しつけるというようなことがあってはならないということを念を押しておきたいというふうに思います。
 再検証ということなんですけれども、公立・公的病院のこと、地域医療をどうしていくかということを考えるときに、やはり一番大事なのは患者さんの声や住民の皆様の声だというふうに思います。
 公立・公的病院のことを考える、地域の医療をどうしていくかということを考えるときに、患者の皆様や住民の皆様の声を聞くというのは当然だと思いますけれども、高市大臣、御答弁をお願いしたいと思います。

○高市国務大臣 今回の再検証要請病院の分析、公表を受けまして、先ほども申し上げましたが、昨年十月から地域医療確保に関する国と地方の協議の場を開催しております。地方側から、地域での実情が考慮されていない、地域で不安や不満が出ているといった指摘がございました。
 その後、厚生労働省におかれまして、地方との意見交換会を順次開催して、丁寧に説明がなされたと聞いております。
 今後は、それぞれの地域において地域医療構想調整会議がございますので、ここで議論が進められてまいります。各地方公共団体において、今回の分析データも踏まえながらですが、病院が将来担うべき役割などについて、地域の実情を踏まえながら議論を尽くしていただくということとともに、地域住民の皆様の御理解を得るということが重要だと考えております。

○本村委員 十分、住民の皆さん、患者の皆様の声を聞くというのが大事だというふうに思います。
 例えば、リストに載っております愛知県の碧南市民病院、ここでは、同じく愛知県の西尾市にございます西尾市民病院と碧南市民病院を一つに統合しようという動きがございました。そのときに、西尾市では住民アンケートをとりまして、あるいは地域のお医者様のお声も、御意見もお伺いをした。その結果、病院の建物を一つにするというのはなくなったわけでございます。碧南市の方は、市の当局はやらなかったそうですけれども、私ども日本共産党の碧南市会議員団が住民の皆様にアンケートをとりましたら、九割の皆様が市民病院を守れという御意見でございました。
 それぞれの病院は、地域の皆様、働く皆様の長年の御努力で、志などによって支えられてきたもので、地域の大切な財産なわけです。先ほども申し上げましたように、まちづくりの希望の星というふうにも言われている財産でございます。
 そういう地域の皆様にとって財産である病院を今後どうしていくのか、医療体制をどうしていくのかということを議論するときに、やはり患者の皆様や住民の皆様の声を丁寧に聞いていくということがまず大事だというふうに思います。その点もお答えをいただきたいというふうに思いますし、三月までに出せとか九月までに決めろとか、期限ありきで国の政策を押しつけるというやり方そのものがおかしいと思いますけれども、厚生労働副大臣、お願いしたいと思います。

○稲津副大臣 お答えをさせていただきます。
 御指摘のとおり、地域における医療供給体制の議論に当たっては、地域の置かれているさまざまな経緯ですとか実情、これを踏まえることが必要である、このように考えております。
 そのために、住民の皆様の声を含め多面的に意見を聞くことが必要である、そのように考えているところでございまして、このために、病院が将来担うべき役割を国が機械的に一律に決める、そういうことはございません。
 地域医療構想会議において公立・公的医療機関等の具体的な対応方針を再検証していただくということとしておりまして、その際に、地域住民に対する協議の透明性を確保する観点から、先ほど大臣からも御指摘ございましたように、原則、調整会議を公開して開催するようお願いをさせていただいているところでございます。
 なお、地域における議論の進捗状況や自治体等からの意見も踏まえながら、ことしの夏の骨太方針に向けて、二〇二〇年度から地域医療構想の目標年である二〇二五年に向けての具体的な進め方を整理することとしているところでございます。

○本村委員 地域の住民の皆様の声、患者の皆様の声を丁寧に聞いて、その地域で医療をどうしていくか、災害時も含めて、感染症も含めて、その地域の医療をどうしていくかというのを丁寧に議論していくということが何よりも大事だというふうに思っております。
 先ほど、ペナルティーは考えていないというふうに御答弁を局長はされましたけれども、ことしの一月十七日の医政局長の文書を見ますと、早く具体的対応方針を出した方が有利になるのではないか、地域医療介護総合確保基金の箇所づけなどで差をつけるんじゃないかというふうに思われるような記述があるわけです。
 この地域医療介護総合確保基金の、いろんな使い方があるんですけれども、とりわけ愛知県でも御要望が多い、そして岐阜県でも多いわけですけれども、医療従事者の確保、こういう部分ですとか、在宅医療の充実ですとか、働き方の改善の部分ですとか、そういうところは、再編統合するところとかベッドを削減するところが有利になるというふうなことじゃなくて、やはりそれぞれの自治体の判断、それぞれの住民の皆様の判断を尊重するべきだというふうに思いますけれども、副大臣、お願いしたいと思います。

○稲津副大臣 お答えをさせていただきます。
 今お話がありました地域医療介護総合確保基金のいわゆる配分のことであるというふうに思いますけれども、二〇二五年に向けて、病床の機能分化、連携、在宅医療・介護の推進、医療・介護従業者の確保、勤務環境の改善等、いわゆる効率的でかつ質の高い医療提供体制の構築と、そして地域包括ケアシステムの構築、これを実現するために、地域医療介護総合確保基金については各都道府県で設置をしたものでございます。
 その配分に当たって、経済財政運営と改革の基本方針二〇一九、ここにおきまして、めり張りをしっかりつけていこうということとされております。令和二年度の配分を行う際にも、この地域医療構想の着実な実施を図り、次のところが大事だと思うんですけれども、効率的でかつ質の高い、さらに、持続可能で地域のニーズに応じた医療提供体制を構築する、こうした観点から、いわゆるめり張りということになってございますが、具体的な配分方針については、こうした観点を踏まえて今後検討を行っていくところでございます。

○本村委員 骨太方針にのっとって、この基金の予算の配分も、病院再編、統廃合のところが分厚くなっていて、愛知県からも岐阜県からも御要望が高い医療従事者の確保というところが全然足りないわけですよ。再編、統廃合の方じゃなくて、こっちに、医療従事者の方に予算をもっと配分してほしいという御要望を受けておりますので、骨太方針に沿っていけばいいというわけじゃないということも強調させていただきたいと思いますし、実際に、愛知県とか岐阜県から聞いたお話は、医療従事者の確保ですとか在宅医療を充実するためのところをもっと分厚くしてほしいんだ、予算を、基金を分厚くしてほしいんだ、そこの部分をちゃんとやっていただきたいというふうに思います。
 いろいろ数字で、機械的にやっていくと大変なことになっていくという一つの事例が、国立病院の話なんですけれども、東尾張病院という精神科の病院があるんですが、ここは結核モデル病床というのがあって、精神疾患プラス結核というベッドがあるんですけれども、今回、ベッドの稼働率が悪い、八割を切っているということで、この病棟自身をなくすということで、愛知県内で精神科でかつ結核というのがゼロになってしまうんですね。
 こういう乱暴なことを本当に国が認めてしまっていいのかという点を厚生労働副大臣にお伺いしたいというふうに思いますのと、今もいろいろ議論させていただきましたけれども、最後に、高市大臣に、やはり、地域の実情を無視した乱暴な病院名リストは、地方自治にも反するものでありますし、撤回するべきだということを、ぜひ厚生労働大臣に強く言うべきだというふうに思います。
 この二点、お答えをいただきたいと思います。

○稲津副大臣 お答えいたします。
 御指摘の独立行政法人国立病院機構東尾張病院の病棟の廃止につきましては、精神科医師の確保が非常に厳しくなってきたことに伴い、結核モデル病床が含まれている病棟を閉鎖し、病棟集約を図るものであり、結核モデル病床の廃止については愛知県とも相談の上行うもの、このように聞いているところでございます。
 一般に、精神疾患と結核を同時に患う患者さんに係る対応については、患者さんの病状を踏まえつつ、関連する診療科が連携をとりながら、医療機関において適切に判断されるもの、このように承知しております。

○高市国務大臣 先ほど本村委員が例示された、現在存在しないような病院も入っているリストということですが、これも、厚生労働省から、利用可能な最新データである病床機能報告二〇一七年のデータを機械的に用いて行っているなど、説明を受けておられるようでございます。この件も、厚生労働省から自治体などに対して、各地で意見交換会を実施して、丁寧な説明が行われたと聞いております。
 また、総務省も参加しております国と地方の協議の場でもこの趣旨が説明され、昨年十二月の会議では、地方側から、議論の正常化に向けて道筋がついたという発言がございましたので、一定程度国と地方の相互理解も進んだと思います。
 しかしながら、御指摘のとおり、地域の住民ですとか地方団体のお声を丁寧に踏まえながら対応していかなければなりませんので、今後、各地域の地域医療構想調整会議で実効性のある議論が行われるということを期待したいと存じます。

○大口委員長 本村君、時間が来ております。

○本村委員 お呼びをしたのに御答弁いただけなかった方がみえます。大変申しわけありませんが、ありがとうございました。

すべて表示

© 2010 - 2024 もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)