もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
国会質問

質問日:2020年 2月 25日 第201国会 予算委員会分科会・法務省

刑法性犯罪規定に残る「暴行・脅迫」要件の撤廃等改正求める

しんぶん赤旗 2020年2月26日

性犯罪規定改正せよ/本村氏、スウェーデン例に迫る/衆院委分科会

 日本共産党の本村伸子議員は25日の衆院予算委員会分科会で、刑法の性犯罪規定に残されている「暴行・脅迫」要件の撤廃等、同法の改正を求めました。
 本村氏は、同意のない性交と認定しながら、抵抗できない状態とは断定できないとして無罪とした名古屋地裁岡崎支部の判決を挙げ、罪の成立に「極めて高いハードル」が課されていると強調。スウェーデンは18年の刑法改正で性行為への「自発的な関与」を要件とし、同国政府関係者は「性的行為には同意が必要だとのメッセージを国が発した」と語っていると指摘し、「日本でも刑法改正を」と迫りました。
 森雅子法相は、具体的な検討は法務省の実態調査ワーキンググループ(WG)の取りまとめ(3月予定)次第だとしつつ、「法の不備、隙間がないよう、被害者が泣き寝入りしないよう、検討を迅速に進めたい」と述べました。
 本村氏は、性被害の当事者らでつくる一般社団法人「Spring」が、刑法改正に向けた法務省の検討会や法制審議会の委員の半数以上を被害の当事者や支援団体代表、被害者の実態を熟知する研究者・専門家にするよう求めているとして、実現を求めました。
 森法相は、検討会を設置する場合は「被害者や支援に関わる研究者、専門家等の意見を幅広く聞く体制で進めたい」と表明。被害当事者の経験や要望を聞き取ったWGの議事録が公開されていないことについても「できるだけ速やかに公開したい。事務方に指示したい」と述べました。
 本村氏は、国際的な到達に学んだ性教育の実現も求めました。

 

議事録

201-衆-予算委員会第三分科会-1号 2020年2月25日

○本村分科員 日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 きょうは、性暴力、性犯罪の問題で質問をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、内閣府にお伺いをいたします。
 四十七都道府県の性暴力被害者ワンストップ支援センターへの相談件数はどうなっているのか、そして、今年度予算で四十七都道府県のワンストップ支援センターで実態調査を国として初めてやっているということで、その中で、内閣府の職員の方も大変驚いて私にお話しいただいたんですけれども、子供たちへの性的虐待が多くあったというふうに聞いておりますけれども、その実態、どうだったか、お示しをいただきたいと思います。

○伊藤政府参考人 お答え申し上げます。
 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターにおける相談件数につきましては、平成二十九年度の約二万七千件から、平成三十年度、昨年度ですけれども、約三万六千件というふうに増加をしてございます。
 御質問がありました子供の性被害の状況につきましては、本年度、ワンストップ支援センターにおける支援の状況につきまして、初めて実態調査を行いました。
 ただ、現在、精査を行っているところでございまして、具体的な数値について回答できる状況にまだございません。ただ、子供の被害も一定数あるというふうには承知をしているところでございます。

○本村分科員 子供たちへの性的虐待というのは大変深刻な現状がございます。性暴力、性的虐待をなくしていくことに国が挙げて真剣に取り組まなければいけないというふうに痛感をしております。このことに対して、国からのメッセージ、真剣味が見えてこないというのが大問題でございます。そして、被害に遭ったときに一刻も早く発見、救済、支援ができるということが何よりも必要だというふうに思います。
 岐阜県の例をお示しをしたいんですけれども、岐阜県のぎふ性暴力被害者支援センターの相談件数なんですけれども、二〇一六年度三百八十三件、二〇一七年度六百四十二件、二〇一八年度千四十七件というふうに、電話、面接、メールの相談がどんどんふえております。
 私もお話を伺いに行ったことがあるんですけれども、なぜこうやって相談件数が伸びているのかということをお尋ねをいたしますと、岐阜県では毎年度、県内の全中学校、高等学校の生徒さん、職員の皆さんにこのぎふ性暴力被害者支援センターのリーフレットを配布しているということでございました。県内のコンビニエンスストアのトイレの個室内にステッカーを張るなども依頼をして、ファミリーマートでは県内約三百三十店舗、ローソンでは約百八十店舗協力をしてくださっているそうですけれども、被害当事者、とりわけ若年層の方々にワンストップ支援センターを知らせるように努力をして、そういう中で相談件数が伸びたというふうにおっしゃっておりました。
 三重県も、一時期、電車にステッカーを張ったそうなんですけれども、そうしましたら相談件数が伸びたというふうにおっしゃっておりました。
 ほかの県のワンストップ支援センターも伺いましたけれども、本当は電車の広告とかも打ちたいんだけれども、お金がなくてできないんだというふうなお話を伺ったこともございます。
 被害を受けた方々が早期に発見をされて、そして早期に救援、支援できるように、こうした広報というのは物すごく重要だというふうに思います。
 早期発見、早期救済、支援ということになれば、証拠の採取というところでも高まってくるというふうに思いますし、加害者が処罰されるということにもつながってまいります。
 国家公安委員会の委員長も本会議で、「性犯罪を犯した者は、再び類似の事件を起こす傾向が強い」というふうにおっしゃっておりましたけれども、加害者が野放しにされていては、また被害者が次々に出てしまうということになってまいります。
 内閣府と文部科学省に御提案をしたいというふうに思うんですけれども、小学校、中学校、高校、専門学校、短期大学、そして大学など、全ての子供さん、学生さんに性暴力被害者ワンストップ支援センターを知らせることをぜひやるべきだというふうに思います。
 わかりやすい、そして被害者の方々に寄り添っているということがわかるようなリーフ、カードなどをつくり配布をするという予算をしっかりととっていくということ、そして、学校で全ての教職員、子供さん、学生さんにワンストップ支援センターという相談場所があるんだということを知らせるべきだというふうに思いますけれども、内閣府、文科省、お答えをいただきたいと思います。

○伊藤政府参考人 お答えいたします。
 ワンストップ支援センターの周知を行うことにつきましては、性犯罪、性暴力の被害に遭われた方が支援につながる上で非常に重要であるというふうに考えてございます。
 このため、内閣府におきましては、性犯罪、性暴力被害者のための交付金によりまして、各都道府県が行うワンストップ支援センターに関する広報の経費につきましても二分の一補助ということで行っているところでございます。来年度につきましては、予算の増額をさせていただいているところでございます。
 引き続き、被害に遭われた方がワンストップ支援センターにつながりやすくするように、広報の充実にも努めてまいりたいというふうに考えてございます。

○寺門政府参考人 お答え申し上げます。
 性犯罪、性暴力対策につきましては、被害に遭わないよう啓発するとともに、万が一被害に遭われた場合に相談できる窓口等の情報を適切に提供することが重要だというふうに認識してございます。
 このため、文部科学省におきましては、ワンストップ支援センターについても紹介された警察庁作成の啓発リーフレットを各都道府県教育委員会等に紹介し、周知を図る等の取組を行ってございます。
 御指摘のワンストップ支援センターの周知につきましては、引き続き、センターを所管されます内閣府での検討状況を踏まえながら、十分連携して必要な検討を行ってまいりたいと存じます。

○本村分科員 早期発見、早期救済、支援につながるように、本当に広報を徹底をしていただきたいというふうに思います。
 被害直後から総合的サポートを受けた場合には人生への負の影響を少なくすることができるのではないかと、実際に支援をされているワンストップ支援センターの方がおっしゃっております。また、治療を担当された精神科の方も、被害直後から治療に入ると回復がうまくいくし、とりわけ子供たちの回復のスピードは速いというふうにも言われております。ぜひ、早期の救済、支援につながるように、早急に全ての児童、子供たち、そして学生さんに伝わるようにしていただきたいというふうに思います。
 性暴力被害者ワンストップ支援センターの実態調査、今やられているんですけれども、中間報告の中でも、センターの約七割が人材の確保に悩みを抱えているというふうに言われております。無給とか交通費程度でやってみえる支援員の方々もいらっしゃいまして、それではやはり人材確保というのは難しいのは当然のことだというふうに思います。
 先ほども内閣府から予算を増額したというお話がありましたけれども、来年度、性暴力被害者支援交付金、来年度の予算額は全国で二億四千七百万円ということで、物すごく低いわけです。四十七都道府県でならしてみますと一県当たり五百万円程度ということになりまして、そうしますと、人件費一人か二人の分しか出ないという、本当にお粗末な状況だというふうに思います。
 やはり、こういう予算額を抜本的に引き上げて、国は、人員の配置など基準を定めて、処遇もしっかりと改善をして、責任を持って手厚い財政措置をとるべきだというふうに思います。
 私ども野党は性暴力被害者支援法案も出させていただいておりますので、法的根拠もしっかりとつくって支援をするべきだというふうに思います。
 被害を未然に防ぐ啓発、教育も重要だというふうに認識をしております。
 北米で子供への性暴力を防止するバイブルのように読まれていたという「It’s MY Body」の翻訳、「わたしのからだよ!」という冊子が手元にございますけれども、早い時期に、私の体と心は私のもので他人に勝手にさせない、嫌なさわられ方をしたら嫌だと感じるのが当然で、嫌だと感じてよく、嫌だとはっきり言ってもいいということ、嫌だと思ったことをためらわずに信頼できる大人に話すということなどもしっかりと伝えていくことが早い段階から必要だというふうに思っております。
 そして、さまざまなメディアから情報が氾濫する中で、子供たちに、性や人権、個人の尊厳、不可侵性、性的同意の問題などを含めて、科学的な情報がちゃんと伝わるということが必要だというふうに思います。
 国連の教育科学文化機関、ユネスコでは、二〇〇九年、各国の研究成果を踏まえて、WHOですとか国連合同エイズ計画、国連人口基金、そしてユニセフと協力して、性教育の指針、国際セクシュアリティ教育ガイダンスを発表しております。五歳から十八歳を四段階に分けて学習内容を提示をしております。その中で、性的な接触にはお互いの同意が必ず要るということの理解が重要ということも書かれております。性は恥ずかしいものや汚いものではなく、生きる上で大切な要素なんだということも内容として盛り込まれております。
 日本の性教育というのは本当に不十分だと痛感をしております。その背景にありますのが、例えば中学の学習指導要領、保健体育のところで「妊娠の経過は取り扱わないものとする。」というような規定がございまして、正確な情報を教えることが難しいという状況になっております。
 子供たちに正しい情報を教えるということが慎重な行動につながっていくと国際的にも言われております。子供たちの心身を守り、性感染症も防いでいくということになってまいります。
 文部科学省が諸外国の性教育のあり方を調査研究していないというふうに伺って、私は本当に衝撃を受けました。愕然といたしました。これだけ性被害、性暴力があるわけですから、やはり、子供たちを被害者にも加害者にもさせないためにも、国際セクシュアリティ教育ガイダンスを国として研究をして日本の性教育の構想に取り入れること、そして、専門家などの委員会を立ち上げて、日本の性教育について真剣な検討を行うべきだというふうに思います。
 文部科学省、お答えをいただきたいと思います。

○矢野(和)政府参考人 お答え申し上げます。
 国際セクシュアリティ教育ガイダンスについては承知しているところでございます。
 児童生徒が学校における性に関する指導を通じて性に関し正しく理解し、適切な行動がとれるようにすることは非常に重要であるというふうに考えております。
 このため、学校においては、体育、保健体育、特別活動を始めとして、学校教育活動全体を通じて、発達段階に応じて性に関する指導を行うことといたしております。
 児童生徒が知識や判断力が十分でないため性被害に遭うということのないように、文部科学省においても引き続き学校における性に関する指導の充実に努めてまいります。

○本村分科員 ぜひ、国際的な到達に学んで、性教育をしっかりとやっていただきたいというふうに思います。
 被害を受けた方々というのは、加害者を処罰してほしいと求めても高いハードルがある。警察、検察、そして裁判、高いハードルがあるわけでございます。
 まず、警察庁にお伺いをしたいというふうに思います。
 性暴力救援センター・東京、SARC東京の皆様方が被害当事者の方々と同行して支援を行っておりますけれども、警察に行った際に被害届を出すことも拒否されるケースが少なくないという声が届いております。二五%不受理というお話も伺っておりますけれども。法務省のワーキンググループ、実態調査ワーキングでも、暴行、脅迫の構成要件に当てはまらないという理由で事件化できないという説明がされることが多くなった気がしますとSARC東京の方がおっしゃっております。
 私の事務所に警察庁の方に来ていただいたときに、大変驚きました。暴行、脅迫がなければ強制性交の被害届を受け取れないという趣旨の発言を私にも警察庁の方がいたしました。
 法務大臣は、前の法務大臣の方もそうなんですけれども、私たちが暴行、脅迫要件の緩和、撤廃ということを申し上げますと、実務上、具体的事案に応じて、被害者の年齢そして精神状態、行為の場所、時間など、さまざまな事情を考慮して暴行、脅迫の要件が認められており、暴行、脅迫要件のみが障害となって処罰されないという状況にあるということについては、これは一概に言いがたいというような答弁をされております。
 しかし、警察庁の職員の方が、暴行、脅迫がなければ被害届を受け付けないというふうに言われ、SARC東京の方が現場でも同じように言われている実態がございます。私、警察庁の本庁の方が平気でこういうふうなことを言う状態であったら、地方の現場ではやはりこういう状況が横行しているんじゃないかということは本当に想像にかたくないというふうに思うわけでございます。
 警察庁は、暴行、脅迫がなければ被害届を受け付けないというようなことを全国でやっているのか、その点について御答弁いただきたいと思います。

○太刀川政府参考人 強制性交等罪の構成要件として「暴行又は脅迫を用いて」と規定されておりますが、構成要件に該当するか否かは捜査を尽くさなければ判明しないことから、申告の段階でこれに当たらないことが明らかである場合などを除き、被害の届出に対しては、即時受理し、適切に捜査を行うよう都道府県警察を指導しているところでございます。
 また、警察庁においては、御紹介のありましたSARC東京を始めワンストップ支援センター等の支援員の方々から、被害届の受理に関するものも含め、警察の対応に関し被害者から寄せられた意見があればそれを伺い、必要に応じ都道府県警察の指導を行うなどしているところでございます。
 警察庁といたしましては、引き続きこうした取組等を推進し、被害者の心情に配意した適切な対応が徹底されるよう、都道府県警察を指導してまいります。

○本村分科員 警察庁の方が、暴行、脅迫要件によって被害届を受け取らないという発言をしたわけでございます。やはり、法務大臣の答弁と違う実態があるわけです。そこを直視をして、実際においても、やはりしっかりと被害者が救済されるように、暴行、脅迫要件を緩和、撤廃するべきだというふうに思います。
 次に、法務省に伺いたいと思いますけれども、強制性交等罪の起訴、不起訴はどうなっているのか、二〇〇〇年の数字と最新の数字、お示しをいただきたいと思います。

○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 検察統計におきましては、起訴率については、一年間の起訴人員数をその年の起訴人員数と不起訴人員数の合計数で割る方法によって算出しているところでございますが、これによりますと、二〇〇〇年、平成十二年の強姦の起訴率は六八・四%でございます。また、平成三十年、二〇一八年の強制性交等の起訴率は三九・三%でございます。

○本村分科員 表にもきょう出させていただきましたけれども、二〇〇〇年、起訴率は六八・四%あったんですけれども、二〇一八年は起訴率三九・三%になってしまっております。六割以上の被害を訴えられた方が不起訴で、刑事裁判にもかけてもらえず、門前払いということになっております。
 伊藤詩織さんも、刑事事件としては不起訴となって裁判にもかけてもらえず、民事裁判で、一審では被害を受けたことが認められ、被告が有罪ということになっております。
 なぜこんなに不起訴がふえているのかということを疑問を持つわけですけれども、きょうは時間がないので先に進みたいというふうに思います。
 法務大臣にお伺いをいたしますけれども、警察では、暴行、脅迫がないからと強制性交等の被害届も受けとってもらえない。検察では、起訴率が落ちて不起訴が六割以上になっている。
 裁判でいえば、例えば、私の地元でございます名古屋地裁の岡崎支部の判決。
 ここでは、中学校二年生から実の父親に性的虐待を受けていた娘さん、Aさんの事件では、性交されそうになったときに抵抗して、父親からこめかみのあたりを数回拳で殴られ、太ももやふくらはぎを蹴られた上、背中の中心付近を足の裏で二、三回踏みつけにされた、大きなあざもできたということが事実認定されております。そして、性的行為が意に反するものであったこと、継続的な性的虐待を通じて精神的支配下に置かれていたこと、学費や生活費で経済的負い目があり、支配状況は従前より強まっていたということが認められております。
 しかし、判決では、本件各性交当時におけるAの心理状況は、例えば、性交に応じなければ生命、身体等に重大な危害を与えられるおそれがあるという恐怖心から抵抗することができなかったような場合や、相手方の言葉を全面的に信じこれに盲従する状況にあったことから性交に応じるほかには選択肢が一切ないと思い込まされていたような場合など、心理的抗拒不能の場合とは異なり、抗拒不能の状態にまで至っていたと断定するには、なお合理的な疑いが残ると言うべきであるというふうになりまして、無罪判決、無罪の結論が出されました。
 被害者の方々を支援しておられる伊藤和子弁護士が、こういうふうに言われております。つまり、女性が被告人に対して抵抗しがたい心理状況にあったとしても、それだけでは十分ではなく、生命、身体などに重大な危害を加えられるおそれがあった、性交に応じるほかに選択肢が一切ないと思い込まされていたという極めて高いハードルを課して、これをクリアしない限り、いかに性虐待があっても、親から無理やり性交されても、レイプにはならない、父親は何ら刑事責任も問われないというのがこの判決の結論だ、こう評価されております。
 ずっとお話を聞いていただいたんですけれども、刑法に暴行、脅迫要件があるために警察では被害届も受け付けてくれない、そして、今の刑法の条文によってこのような判決が可能だというのであれば、やはり法律は変えなければいけないというふうに思います。
 余りにも被害者にハードルが高過ぎるというふうに思いますけれども、法務大臣、お答えいただきたいと思います。

○森国務大臣 本村委員の御質問、大変重要な御指摘であるというふうに思います。私も、被害者団体の方に昨年大臣室に来ていただきまして、早速、大臣直轄の勉強会に被害者団体の皆様に入っていただいて、これを今週立ち上げるところでございます。
 私も弁護士時代に性犯罪の事件を担当したこともあり、今御指摘になったさまざまな事柄、暴行、脅迫要件も含めて、現在、法務省の中の実態調査ワーキンググループにおいて実態把握を進めておりますが、これをしっかり、法の不備、法のすき間がないように、そして被害者の方が泣き寝入りしないように、私も、先日検察の実務の集まりで、大臣訓示で特出しして、この性犯罪被害については被害者の人生を一生傷つけるものであるというふうに言わせていただいたところでございますので、しっかり検討を迅速に進めてまいりたいと思います。

○本村分科員 今、法のすき間のこともおっしゃっていただいたんですけれども、具体的な事例なんですけれども、十三歳の女子中学生が、離婚した父親と七年ぶりの面会交流で強制わいせつをされたという事件がございます。でも、この事件は二〇一八年の事件で、二〇一九年、養育費を支払っていないので監護者に該当しないとされまして、監護者わいせつ罪に該当しなかった。娘さんは父親の行動に動揺していたそうですけれども、暴行、脅迫もなかったから不起訴になってしまったそうです。当然、同意もない、性虐待でございます。にもかかわらず、起訴もされない。
 先ほども、すき間があるというようなお話がありましたけれども、こういう法の運用とか法のすき間があるということは大臣も認識されているということでよろしいでしょうか。

○森国務大臣 個別事件については、済みません、大臣としてなかなかお答えを差し控えざるを得ませんが、一般論としてお答えをいたしますと、監護者については、精神的、経済的に依存しているということを、さまざまな、同居の有無や生活費の支出、総合的に判断されることになっております。また、監護者に当たらない場合であっても、児童福祉法や都道府県の青少年保護育成条例違反に該当する場合であれば、それらの法令違反の罪も成立します。
 しかし、個別事案についてはなかなか言及をできませんが、法の不備、法のすき間があるかどうかも含めて、今、先ほどお示しした法務省における実態調査ワーキンググループにおいて、被害者団体の皆様等から現状をしっかりとヒアリングをさせていただいているところでございますので、その中で具体的な検討対象を決めていき、その先の議論に迅速に移ってまいりたいと考えているところでございます。

○本村分科員 十三歳で性的自己決定ができるからと暴行、脅迫要件で問われるわけでございます。子供への保護が余りにも欠ける実態があるというふうに思います。
 スウェーデンの件もお伺いをしたいんですけれども、スウェーデンでは、積極的同意を要件とした刑法の改正を行いました。法務省もヒアリングに参加をしているというふうに思いますけれども。
 ちょっと時間がないのであれなんですけれども、スウェーデンの方々がおっしゃっておりました。性的行為は強制されるべきではない、法改正の意義として、性的行為には同意が必要であるとの規範をメッセージできたこと、社会全体の考え方を変える、そういうメッセージを国が発することができたということ、そして、今までの法律は被害者の保護が不十分であった、それを改善する意義があったというふうにお話をされておりました。
 先ほど来お話をしておりますように、被害者の保護は全く不十分でございます。やはり日本としても刑法を改正して、性的行為には同意が必要であるという規範をメッセージとして出すべきだという点をお伺いしたいのと、あと、先ほどもワーキングの話がございました。昨年の十月二十八日から議事録が出ていないんですね。やはりこの重要なワーキングの中身をこうした予算審議を含めて生かすべきで、人をふやして、予算審議にも生かせるように議事録をすぐに出していただきたいと思いますけれども、大臣、この二点、お願いしたいと思います。

○森国務大臣 スウェーデンについての御指摘がございました。
 スウェーデンにおいても、長い議論の末に、国会、政府、社会内において大きな議論を経て、啓発活動や国民に対する教育もなされているというふうに伺っております。
 我が国でも、現在、性犯罪の実態を適切に把握するワーキンググループをしておりますが、さまざまな立場の方の声をお聞きし、多くの方々の理解が得られるように丁寧な議論を尽くしていき、そして、御指摘のように、啓蒙活動等も積極的に、関係省庁と連携して適切に進めていきたいと思います。
 また、ワーキンググループの議事録について御指摘がございました。
 おっしゃるとおりでございまして、皆様の国会審議に参考になるように、議事録をできるだけ速やかに公開したいと考えておりますので、なおまた事務方に対して指示をしてまいりたいと思います。
    〔山口(壯)主査代理退席、主査着席〕

○本村分科員 ありがとうございます。
 それで、先ほども大臣からお話がありましたように、被害当事者団体スプリングの皆さんは、本当に必死に声を上げて、何度も何度も国会に来ていただいて、与党も野党も、議員に対してさまざま働きかけをされております。
 その御要望は、大臣も聞かれているというふうに思いますけれども、附則第九条に基づき、刑法性犯罪の再改正に向けた見直し検討会及び審議会を早急に実施すること、見直し検討会及び法制審議会に、性被害当事者や支援団体の代表、さらに、被害者の実態を熟知した研究者、専門家を委員に半数以上入れること。そして、刑法改正市民プロジェクトの皆様が刑法性犯罪規定改正案を出されております、こういったものも検討の議題として、ぜひするべきだというふうに思います。大臣、最後にお答えをいただきたいと思います。

○森国務大臣 スプリングの皆様にも大臣室に昨年十二月に来ていただきまして、御要望等を受けとめさせていただいたところでございます。また、このメンバーの皆様にも私の直轄の勉強会に入っていただく予定になっております。
 附則九条に基づく具体的な施策の検討については、現在ワーキンググループをしておりまして、この春に取りまとめをし、その結果を見た上で検討会というふうになってまいりますが、検討の対象となる事項については、被害者や被害者支援団体から寄せられた御要望も踏まえつつ、しっかりと検討していきたいということ。
 それから、メンバーについても御指摘がございましたが、当然、被害者の立場の方、また被害者支援にかかわる研究者、専門家等の御意見を幅広く聞くことができるような体制で議論を進めてまいりたいと思っております。

○本村分科員 刑法を改正して、性的行為は強制されるべきものではない、性的行為には同意が必要であるという規範を日本も国としてメッセージを出すべきだということを申し述べて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

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参考資料

https://motomura-nobuko.jp/wp-content/uploads/2020/06/f922cc62949b08599481edbab3226532-1.pdf

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