しんぶん赤旗 2020年3月6日
新型コロナ/放課後事業へ支援を/本村氏が要求
日本共産党の本村伸子議員は5日の衆院総務委員会で、安倍政権が打ち出した一律休校など新型コロナウイルス感染症対策が障害がある子どもが通う「放課後等デイサービス」に大きな影響を及ぼしている実態を示し、「重要な役割を担うサービスが感染症問題で倒産や廃業に追い込まれてはならない」と述べ、国の支援拡充を求めました。
本村氏は、医療的ケアが必要な重症心身障害児が対象の放課後等デイサービス事業所では、休校要請の影響で通所による感染を心配して利用者のキャンセルが相次いでいることを紹介。「事業者が電話やメールで相談支援した場合には報酬の対象とするなど、事業が維持できるように支援すべきだ」と主張しました。
厚生労働省の橋本泰宏・障害保健福祉部長は、キャンセルや感染休業した場合、「(訪問や電話で)健康管理や相談などの支援をしたと市町村が認める場合は通常と同等のサービスを提供したものとして報酬を算定する」と答弁。メールでの支援については現場の声を聞き検討する考えを示しました。
一方で、発達障害児らが通う事業所では、休校に伴って多くの子が長時間、事業所で過ごす実態もあります。
本村氏は、学校より密集した部屋で「感染は大丈夫かと、心配が絶えない状況だ」と指摘し、事業所への感染防止マニュアルの配布やホームページでの掲載を要求。感染者が出た場合は「休業補償をするべきだ」と主張しました。
厚労省の橋本部長は感染防止マニュアルについて「厚労省のホームページで分かりやすくなるよう作業している。できるだけ早く示せるようにしたい」と述べました。
しんぶん赤旗 2020年3月8日
◎日本共産党議員の国会質問/新型コロナ/入院体制の構築急務/本村氏が要求
本村伸子議員は5日の衆院総務委員会で、愛知県の病院が新型コロナウイルス感染症の発生を恐れ発熱患者の入院を断る事態が発生しているとして、国の責任で入院体制を構築することを求めました。
愛知県では、発熱した男性が保健センターに新型コロナウイルスの感染を判定するPCR検査の必要がないと言われ、病院からは発熱を理由に入院を断られる事態が発生。さらに、入院患者に新型コロナウイルス感染が確認された名古屋市の病院では外来診療や救急車の受け入れを休止するなど病院機能の低下を招いています。
本村氏は、国立病院機構の稼働していないベッド、病棟の活用を提案。厚労省の吉永和生大臣官房審議官は、「国立病院医療機構における病院の医療体制についても取り組む」と答弁しました。
また本村氏は、感染患者の増加を見据え、「病院が感染症対応ベッドの増床や体制強化を行った場合は百%国費で措置を」と強調。吉永氏は、「クルーズ船の感染症患者は、感染症指定医療機関以外の病床を厚労省の要請を受けて確保した費用を国が全額補助する」と答えました。
本村氏が、改定予定の公立病院改革ガイドラインで病院リストラを押し付けないよう総務省に求めたのに対し、高市早苗総務相は、「議会や住民に十分説明をして取り組むべきだ。災害や感染症対策上も重要な拠点だ」と答えました。
議事録
201-衆-総務委員会-8号 2020年3月5日
○本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。
どうぞよろしくお願いを申し上げます。
きょうは、新型コロナウイルス感染症の問題について質問をさせていただきたいというふうに思います。
亡くなられた方々に、心からの哀悼の意を申し上げたいというふうに思います。また、罹患をされた方々に、心からお見舞いを申し上げたいと思います。また、日々この問題で奮闘されている方々に、心からの敬意と感謝を申し上げたいというふうに思います。
きょうは、障害を持った子供たちが通う放課後等デイサービスの問題についてまず御質問をさせていただきたいんですけれども、放課後等デイサービス、これは非常に重要な役割を果たしていただいているというふうに思っております。
その重要性について御答弁をいただきたいのと、この重要な放課後等デイサービスが、この新型コロナウイルスの問題で倒産やあるいは廃業に追い込まれてはならないということで、まずそのことを御答弁いただきたいというふうに思います。
○橋本政府参考人 放課後等デイサービスでございますが、これは、障害のある子供たちの健全な育成を図り、また、発達の保障をする観点からも、大変重要なサービスでございます。
放課後等デイサービスガイドラインというのがございますが、この中で、放課後等デイサービスの基本的な役割として、子供の最善の利益の保障、それから、専門的な知識経験に基づき支援するなど共生社会の実現に向けた後方支援、そして、三つ目といたしまして、子育ての悩み等に対する相談などの保護者支援、こういったことが盛り込まれているところでございます。
このたびの学校の一斉臨時休業に当たりまして、子供の居場所の確保のために、放課後等デイサービスの事業所には長時間の開所ということをお願いしているところでございます。
私どもとしても、厚労省としても、人員、施設設備、運営基準等について柔軟な取扱いを可能とするという取扱いをしているところでございまして、いろいろ厳しい状況の中で御苦労をおかけしているわけでございますけれども、関係者の方々には、何とぞ御理解をいただきながら、子供たちのために御努力をいただきたいというふうに考えております。
○本村委員 非常に重要な役割を果たしていただいている放課後等デイサービスなんですけれども、私は、愛知県内のある自治体の、医療的なケアが必要な重症心身障害児のデイサービスをやってみえる方からお話を伺いました。
新型コロナウイルス感染症の問題で突然の休校要請、この影響でキャンセルが相次いでいる。重度の子供たちですから、親御さんが心配をされて、万が一何かあってはいけないということでキャンセルが相次いでいるということでございます。しかし、キャンセルが相次ぎますと、事業所としては収入が激減をして、これが続けば事業所を閉めなければならないのではないかということで、大変心配をされておられました。
医療的ケアが必要な子供さんの支援ですので、看護師さんや理学療法士の有資格の方々がいらっしゃるということで、そのために人件費がかかる事業所ということになってまいります。今回の新型コロナウイルス対策でキャンセルが相次いだ場合でも、厚労省の方から、訪問事業を行った場合は通常どおりの報酬の対象になるというようなことなんですけれども、そもそも、重度、重症心身障害児の子たちは、児童デイとは別に、別の事業所で訪問看護ですとか訪問入浴サービスですとか、こういうものを受けております。ですから、訪問事業はニーズがないということで事業所としては判断をされております。
この自治体の中では、重症の心身障害児のデイサービスの中でも本当に中心的な役割を果たしていただいている事業所で、そこがなくなってしまえば、本当に子供たちも親御さんも困ってしまうということになってしまいます。新型コロナウイルスの対応で突然の休校要請、キャンセル、急遽の段取りということで、本当に寝る暇もなく奮闘されている方々でございます。地域で果たしてきた役割が果たせなくなることがないようにしなければいけないというふうに思っております。
訪問事業はできない場合でも、電話とか、電話はいいんだというふうに聞いているんですけれども、メールとかLINEとか、こういうもので支援をした場合でも報酬の対象にするなど、ぜひしていただきたいというふうに思います。
医療的ケアが必要な重症心身障害児のデイサービスが維持できるように、潰れることがないように支援をするべきだというふうに思いますけれども、答弁お願いしたいと思います。
○橋本政府参考人 今委員御指摘の点につきましては、二月二十日に出しました事務連絡の中で明示しているところでございますが、都道府県等からの休業要請を受けて休業した場合ですとか、あるいは職員、児童が新型コロナウイルスに感染するおそれがあるため、サービス事業所での支援を避けることがやむを得ないというふうに市町村が判断する場合ですとか、あるいは、これは二月二十八日の事務連絡により更に明確化した点でございますが、児童が新型コロナウイルスに感染することを恐れて事業所を欠席した場合、こういった場合等におきましては、児童の居宅等において健康管理や相談支援等のできる限りの支援を行ったと市町村が認める場合には、通常提供しているサービスと同等のサービスを提供しているものとして報酬を算定する、こういった特例的な取扱いを認めたところでございます。
この取扱いでございますが、必ずしも訪問と電話連絡の両方を要件とするものではございませんで、居宅への訪問あるいは音声通話、スカイプ等によりまして、児童の特性に合わせて提供されることが望ましいというふうに考えております。
なお、通常サービスと同等のサービスを提供するという観点からのものでございますので、保護者や本人への支援として、音声通話やスカイプにより、保護者や本人の声とか表情とか、そういったものから思いを酌み取りながら、必要な助言などを行うということを想定しております。
したがいまして、聴覚障害者のように日ごろからメールでコミュニケーションをとっているようなケースについてはメールの対応もあり得るかというふうには考えておりますが、原則として、メールのみでのサービス提供というものは想定しておりません。
○本村委員 ぜひ検討をしていただきたいんですけれども、電話、メール、LINE、さまざまなやり方でコミュニケーションをとったという場合にも報酬の対象とするという検討をしていただきたいんですけれども、御答弁お願いしたいと思います。
○橋本政府参考人 先ほど、現時点での私どもの考え方を申し上げたわけでございますが、いろいろ今後も現場からさまざまな問合せをいただくと思いますので、そういったものを受けまして、逐次また検討させていただければと考えております。
○本村委員 絶対に潰すことがないように、この新型コロナウイルス対策で困難になって潰れることがないように支援を講じていただきたいというふうに思います。
次に、名古屋市内の事業所のお話なんですけれども、重複の障害や発達障害の子供さんを含め、障害児のデイサービスをやっている事業所にお話を伺ってまいりました。
私が伺ったのは、ちょうど名古屋市が休校になった日でございまして、その日も定員いっぱい子供さんが来てみえました。さまざまな障害がある子供さんがみえますので、マンツーマンで支援をする子供さん、あるいは子供さん二人に対して職員さん一人という支援をしておりまして、本当に元気な子供たちの声が飛び交っている。
支援員の方々の御苦労も物すごく痛感をしてきたわけですけれども、厚生労働省からは、休校に伴って、先ほども言われましたように長時間開所、衛生管理、こういう連絡が来たそうですけれども、学校よりも密集したところで、感染は本当に大丈夫だろうかという心配が絶えない状況でございました。それは事業者さんがおっしゃっていることでございます。
放課後等デイサービスの独自の新型コロナウイルスの感染防止マニュアルというものはない中で、自分たちで大学の衛生管理のマニュアルなどを探して、換気に気を配ったり、アルコールで定期的にあちこち消毒をしたり、体温をはかったり、本当に御努力をされておりました。
そういう中で、消毒液もなかなか、もう高騰してしまって入手が難しい、マスクも入手が難しいということで、このことについても対策をとっていただきたいんですけれども、まず、新型コロナウイルス感染防止のためのマニュアルを事業所にわかるように配布することやあるいはホームページに掲載する、早急にやるべきだというふうに思いますけれども、答弁お願いしたいと思います。
○橋本政府参考人 今般の新型コロナウイルスへの対応に当たりまして、放課後等デイサービスを含め、障害福祉サービスの事業所の皆様方に対しましては、基本的な感染症対策としまして、正しい手洗いですとかあるいは消毒の方法などをお示しした、保育所における感染症対策ガイドラインあるいは高齢者介護施設における感染対策マニュアルを御参照いただきたい、そういう旨を関係団体や地方自治体に対して繰り返し周知をさせていただきました。すなわち、こういった基本的な感染症対策というものは、保育所であれ、高齢者施設であれ、障害者施設であれ同じということでございます。
放課後等デイサービス事業所におきまして、ガイドラインを参考に、感染症に対する正しい知識に基づいて適切に対応いただくということは大変重要でございますので、これらのガイドラインやマニュアルにつきまして、引き続き事業所への周知をしてまいりたいというふうに考えております。
私ども厚労省のホームページも、今、コロナウイルス関係のものが非常にたくさん掲載されておりまして、なかなかどこを見ていいのかわからないというふうな声も聞きます。
そういったことも踏まえまして、厚労省のホームページの中で、障害福祉サービスの関係者がどこを見ればいいのかということをもう少しわかりやすくなるように、ホームページの工夫を、今作業している最中でございますので、これをできるだけ早くそのような形でお示しできるようにしたいと考えております。
○本村委員 それで、先ほども少し御答弁があったんですけれども、もし感染者が出てしまった場合、事業所をしばらく閉鎖しなければならなくなってしまいます。そうしたときに休業補償が出るのか、どうなるのかということで、大変心配をされておられました。
障害のある子供たちの放課後等デイサービスを潰してはいけませんから、当然休業補償というものがあるべきだというふうに思いますけれども、答弁をお願いしたいと思います。
○橋本政府参考人 先ほど申し上げましたように、二月二十日にお示ししました事務連絡の中で、都道府県からの要請を受けて休業する場合とか、あるいは、職員、児童が新型コロナウイルスに感染するおそれがあるために事業所での支援を避けることがやむを得ないというふうに市町村が認める場合などにおきまして、そこの事業所のところに集まるということではなくて、利用者の居宅や電話などで健康管理や相談支援を行えば通常の報酬の対象とするという特例的な取扱いをしております。
この取扱いにつきましては、主に重症心身障害児などを受け入れるような、そういった重度障害児を対象とする事業所であれ、それ以外の事業所であれ、障害福祉の事業所につきましては同様に適用されるものでございます。
○本村委員 厚生労働省が、三月三日付で「放課後等デイサービスQ&A」を出されているんですけれども、その六ページのところに、「健康管理や相談支援等、市町村が認めた同等のサービスを提供した場合には、通常どおりの利用者負担が発生する」というふうに書かれております。デイサービスの事業所が、通えない利用者さんに電話などで対応した場合も、通っていない利用者さんが負担をしなければならないというのは、なかなか納得のいくものではないというふうに思うわけでございます。
キャンセルをした場合ですとか、休業しなければいけないときですとか、そうした場合は、利用者さんの負担がないように、その分は公費で負担をするということが必要だと思いますけれども、答弁をお願いしたいと思います。
○橋本政府参考人 先ほど申し上げましたような都道府県からの休業の要請などのケースにおきまして、利用者の居宅や電話などでの健康管理、相談支援ということが通常の報酬の対象となるということでございます。通常の報酬の対象になるということは、すなわちそれは必要なサービスを提供しているということが前提であり、したがってまた、利用者の立場から見れば必要なサービスを受けているということが前提になるわけでございます。
したがいまして、このような場合における利用者負担について、これを公費で補填するということは考えておりませんが、既に放課後等デイサービスを利用する際の利用者負担につきましては、所得に応じて一月当たりの負担限度額というものを設定しておりまして、例えば、市町村民税非課税世帯のような低所得世帯であれば無料でございます。こういったように、所得に応じて経済的負担の軽減を図っているところでございます。
電話等で健康管理や相談支援を行うことにより利用者負担が発生するという点につきましては、ぜひ保護者の方々に丁寧に御説明いただくとともに、放課後等デイサービスを使わないことで自宅で問題が生じていないか、そういったことにつきまして保護者や本人からのお話を丁寧に聞いていただいて、必要に応じて助言するような、そういった対応を行っていただきたいと考えております。
○本村委員 利用者負担をなくすということで、ぜひ検討していただきたいというふうに思います。
根本的なところなんですけれども、放課後等デイサービス、そもそも長期休暇は赤字になるそうでございます。ですから、今回の原則開所の措置では赤字は必至だというふうにおっしゃられておりました。
休業補償もそうなんですけれども、そもそも長期休暇も黒字でやっていけるように報酬上するべきじゃないかというふうに思いますけれども、御答弁をお願いしたいと思います。
○橋本政府参考人 放課後等デイサービスにつきましての基本的な状況でございますが、障害児や障害者への福祉サービス全体の中で見ましたときに、放課後等デイサービスにおきましては大幅に利用者数や給付費が増加しております。また、その一方で、質の低い事業所も存在しているということもかねてから指摘されておりました。
また、平成二十九年経営実態調査の中で見ますと、障害福祉サービス全体の平均収支差率がプラスの五・九%というものに比べまして、放課後等デイサービスで見ますと一〇・九%と、全体よりも高い状況でございました。
こういった状況などを総合的に踏まえまして、平成三十年度の障害福祉サービス等報酬改定の中では、支援内容の適正化ということと質の向上ということを目的といたしまして、一つは、障害児の状態像を勘案した指標を設けまして、各事業所の利用者のうち基準に該当する子供たちが占める割合に応じて報酬区分を設定する仕組みを導入する、これが一つでございます。二つ目といたしまして、あわせて、児童指導員等を基準よりも多く配置した場合の加算の拡充など、手厚い支援を行っている事業所を評価することといたしました。
令和三年四月に予定されております次の報酬改定に向けた議論が今後本格化してくるわけでございますけれども、この三十年の報酬改定の中でも、サービスの質を踏まえた報酬単価の設定ということが今後の課題として挙げられております。
令和三年に予定している報酬改定に当たりましては、こういったことに係ります調査研究事業の成果ですとか、あるいは各団体からのヒアリングですとか、あるいは令和二年度に実施する経営実態調査の結果ですとか、さらには報酬改定検討チームでの議論、こういったものなどを踏まえまして、適切な報酬体系について今後十分議論してまいりたいと考えております。
○本村委員 私が伺ったデイサービスは、お迎えに行って、もちろん特別支援学校にもお迎えに行ったりもするんですけれども、御家庭にもお迎え、長期休暇のときも御自宅にお迎えに行って、そして重複の障害を持った方にはマンツーマンで支援をしなければならないなど、人的配置が配慮をされているというふうに私は思いました。
やはりそういったところが長期休暇は赤字になるというようなことは絶対にあってはならないというふうに思いますので、次期改定で検討するというふうにおっしゃられているんですけれども、ぜひ早急に改善していただきたいというふうに思っております。適切な人員配置ができるような報酬にしてほしいということを切に願っておられました。
今、そういう手厚い支援をしているデイサービスですけれども、毎年赤字か黒字か本当にぎりぎりというところで、こういう手厚い支援をやっている事業者さんなどが集まっている団体の皆さんがいるんですけれども、障害のある子どもの放課後保障全国連絡会の皆様の調査では、この間の報酬改定で八割の事業所が減収となり、人件費の節約をするという事態になっております。人件費を節約するというふうになれば人が集まらないということになって、また悪循環になっていくわけでございます。
厚生労働省で、先ほども調査の結果を述べられたんですけれども、ぜひともこの全国放課後連の皆様の声も聞いていただきたいというふうに思うんです。厚生労働省の調査も来るんだけれども、大きくない事業所というのは子供たちの支援で手いっぱいで、人手がなくて調査に答えることもなかなか難しいというふうに聞いております。
そういう中で、八割の事業者の方が減収だというふうになったり、あるいは事業所をもうやめるという事業所もあるそうでございます。
こういう事態では、子供たちあるいは保護者の皆さんが安心できなくなってしまうわけですから、ぜひとも、こうした、大きいところではない、経営基盤が十分とは言えない、それでも手厚い支援をしているというところについてもしっかりと声を聞いていただきたいというふうに思います。
報酬を引き下げるのはやめてほしいという声や、報酬は少なくとも改定前程度に引き上げてほしいというお声を上げておられます。こうした声もちゃんと聞いていただけますねということを確認させていただきたいと思います。
○橋本政府参考人 先ほど、平成二十九年経営実態調査の結果の数字を申し上げたわけでございますが、その後、平成三十年改定を挟んだ形で、令和元年障害福祉サービス等経営概況調査というのを行っております。
この中で見ますと、放課後等デイサービスについて見ると、平成二十九年度決算ではプラス九・一%という状況でございましたが、平成三十年度決算におきましてはプラス一一・〇%ということになってございまして、平成二十九年度の決算よりも高い結果が出てございます。また、これは、障害福祉サービス事業所全体の平均がプラス三・九%であることと比べますと、大変大きく上回る結果というふうになってございます。
もちろん、この結果に対する見方もさまざまでございましょうし、また、この結果をもって何かを決めるというふうなことではございませんけれども、経営概況調査の結果としてこのような数字が出ているということは、事実として申し上げさせていただきたいと思います。
その上で、令和三年の次期の改定に向けましては、現在パブリックコメント中である令和三年度からの障害福祉計画や障害児福祉計画のための基本指針というのがございますが、この中でさまざまな今後の課題というものが示されております。そういったものも踏まえながら、客観的、具体的なエビデンスに基づき、また、有識者や関係団体などの意見もお伺いしなければいけないと思いますし、障害者のニーズを把握していかなければなりません。
また、前回報酬改定の効果や影響などについての分析を踏まえて、令和二年度に行う経営実態調査により事業所の実態等をしっかりと把握した上で、持続可能で質の高いサービスが提供されるように、今後の検討を進めてまいりたいと考えております。
○本村委員 今申し上げましたように、厚労省の調査と少し乖離があるというふうに思いますけれども、八割の事業所が減収という実態の調査があるわけでございまして、やはりきめ細かく声を聞いていただいて、小規模な事業所であってもしっかりと経営できるように報酬を改善していただきたいというふうに思います。
障害のある子供たち、保護者の方々の支援の強化につながるように、国がしっかりと役割を果たすよう強く求め、次の質問に移らせていただきます。
次に、病院のコロナウイルス感染症の対応についてお伺いをしたいというふうに思います。
名古屋市内の大きな民間病院で、入院患者の方に新型コロナウイルス感染が発覚をいたしました。そうしますと、病院機能としましては、外来の診療の休止、救急車の受入れも休止、入院患者の方々への面会も当面禁止というふうに病院機能が低下、麻痺をしてしまうという現状に、その病院、結構大きな病院ですけれども、なってしまっております。
そういう意味では、地域でバックアップ体制、医療の面でもバックアップ体制が本当に必要だということを痛感しております。今、政府は公立・公的病院のリストラを進めているわけですけれども、こういう施策はもってのほかだということを痛感しております。
名古屋市内の感染症の指定病床は十二床しかありません。既にもう満床になっております。ほかの自治体の病院や、あるいは陰圧がある民間病院にも頼んでいますけれども、大変な状況となっております。
愛知県内は、藤田医科大学岡崎医療センターの方々で、症状がないということで受け入れたんですけれども、症状が出ておられる方々が二桁以上になっております。感染症対応のベッドの確保というのが物すごく課題になっております。
厚生労働省の支援も重要だというふうに思いますけれども、総務省も特別交付税で、公立・公的病院の感染症病床を増床するために財政支援をしているというふうに思いますけれども、その点、御答弁いただきたいと思います。
○内藤政府参考人 お答えを申し上げます。
二月十三日の新型コロナウイルス感染症対策本部において決定いたしました緊急対応策のうち、一部事業につきましては地方負担が見込まれることから、総務省としても、地方団体の財政運営に支障が生じることのないよう、手厚い地方交付税措置を講じることとしているところでございます。
委員御指摘の病床確保でございますけれども、有症患者が入院することができる病床整備に係る備品購入につきまして、災害並みの、国庫補助に係る地方負担額の八割を特別交付税により措置することとしているところでございます。
○本村委員 その特別交付税措置の拡充も求めたいというふうに思います。
今後、新型コロナウイルス感染症患者の方々の増加が、検査をすればふえますから、増加するということが見込まれるわけでございます。既に、一般外来ですとかあるいは入院の受入れの縮小とか休止が病院の一部で出ている状況もございます。
例えば、愛知では、発熱があるということで相談をしたんですけれども、PCR検査は必要ないというふうに言われ、そして、病院からは発熱があるからということを理由に入院を断られるという事例が発生をしております。先ほども、名古屋市内の病院で新型コロナウイルス感染症が発覚したんだということを申し上げて、病院の機能が麻痺してしまったということを申し上げたんですけれども、そういうことを懸念して、発熱を理由に入院を断る、それは、新型コロナウイルスかどうかは別として、発熱で入院を断られるという事態になっております。
医療を受けられない方が出ないように、入院が必要な方はしっかりと入院ができるように、対策を国としてとるべきだというふうに思います。例えば、愛知では、国立の病院機構の病院で、現在、許可はされているけれども稼働はしていないベッド、病棟がございます。これを活用することを求めたいというふうに思います。また、人員については、ナースセンターの活用やほかの医療機関からの派遣など、あらゆる手段を講じていく必要があるというふうに思っております。
新型コロナウイルス感染症対策や、高熱などの方で入院先がないというようなことがないように、入院が必要な方が入院できるような体制を構築するべきだというふうに思いますけれども、これは厚生労働省、お願いしたいと思います。
○吉永政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、必要な方が必要な医療を受けられるということが大変重要だと思ってございます。
このため、厚生労働省といたしましては、医師が必要と判断された方が着実に検査及び適切な診療が受けられますように、国民の皆様に対しまして、わかりやすい相談、受診の目安を取りまとめて公表いたしたり、あるいは、PCR検査が必要に応じ着実に実施されるように、どのような方が対象であるのか、わかりやすい通知を発出しております。
また、全ての都道府県での帰国者・接触者相談センターの二十四時間対応、また帰国者・接触者外来につきましては八百以上の設置といった措置を講じているところでございます。
また、先ほど委員から名古屋の状況につきまして御説明ございましたけれども、二月二十五日時点でございますが、日本全国で感染症指定医療機関は五百五十一存在してございまして、二千を超える病床数を有してございます。この二千のベッドの中で、空床、空きベッドにつきましては千三百ぐらいあるところでございますけれども、こういったものの利用のほかに、緊急時には、当該指定医療機関におきます一般病床の空きベッドが四千以上ございますので、こういったものも活用することで、現時点で把握しているだけでも五千以上の活用が可能になっているものでございます。
この中には、もちろん、御指摘のございました愛知におけます国立病院機構における病院も含まれているものでございます。
引き続き、国民の皆様に御理解、御協力をいただきながら、必要な人が検査を受けられるような体制及び医療提供体制の確保につきまして、人的な面も含めまして取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
○本村委員 国立病院の活用についてはいかがでしょうか。
○吉永政府参考人 国立病院機構における病院の医療体制の確保につきましても取り組んでまいりたいと考えてございます。
○本村委員 これからまだ患者さんがふえる可能性があるわけでございます。また、高熱だということで入院が拒否されている現実がありまして、そういうことがないように、やはりベッドを確保しなければならないというふうに思います。
感染症の指定医療機関の一般病床、感染症指定医療機関ではない病院についても、感染症対応ベッドをふやすこと、あるいは、体制の強化、機能の強化など、ハード面の対策が必要だというふうに思います。整備を行った場合は、その費用を一〇〇%国費で措置していくべきだというふうに思います。とりわけ、厚生労働省からの要請でダイヤモンド・プリンセス号などの患者さんを受け入れた自治体に対しては、一〇〇%国費で感染症ベッドを増床できるようにすることを強く求めたいと思いますけれども、御答弁をお願いしたいと思います。
○吉永政府参考人 お答え申し上げます。
感染症指定医療機関につきましては、必要な支援が行われているところでございますが、具体的には、感染症指定医療機関の運営費といたしまして、空床、空きベッドを活用するための費用でございますとか、施設の新設、増設に要する費用の一部を補助しているところでございます。
補助率につきましては、国二分の一、都道府県二分の一ということで、十分の十の体制でやっているのが通例でございます。
加えまして、二月十八日にクルーズ船において発生いたしました新型コロナウイルス感染症患者などにつきましては、感染症指定医療機関における感染症病床以外の病床、あるいは、感染症指定医療機関以外の医療機関の病床を厚生労働省の要請を受けて確保した場合につきまして、当該病床を確保した費用につきましては国が全額補助することといたしております。
引き続き、我が国におきます新型コロナウイルス感染症の患者数の変化に速やかに対応できますよう必要な検討を行ってまいりたいと考えてございます。
○本村委員 名古屋市、愛知県の事例ですね、連日、感染症の患者さんが出ておりますし、ダイヤモンド・プリンセス号の患者さんを受け入れたということで、ベッドも逼迫した状況があるというふうに思います。新型コロナウイルスの患者さんの命、あるいは、新型コロナウイルスかどうかわからないけれども、熱が出ているからということで病院に拒否されてしまう、入院拒否されてしまうということであれば、新型コロナウイルスと関係ない方も命を失う危険性もございます。厚生労働省と連携をしながら、総務省も、感染症対応ベッドの確保に早急に努めていただきたいというふうに思います。
そして、公立病院改革ガイドラインについても質問をさせていただきたいのです。
この間、自治体病院リストラに総務省もやはり動いてきたというふうに思うんですね。そういう中で、公立病院の数というのは九十六病院マイナス、ベッドの数は二万三千五百九十五ベッドマイナスというふうになっております。
夏までにこのガイドラインを新たにつくるんだ、見直しをするんだというふうに言っておりますけれども、この新公立病院改革ガイドラインの見直しは、一層の病院、病床削減を強要するものであっては絶対にならないというふうに思います。また、災害時や感染症の対策などもしっかりとつくるということを、ぜひ大臣に、最後に御答弁をお願いしたいと思います。
○大口委員長 時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
○高市国務大臣 改革プランの策定に当たりましては、地域における持続可能な医療提供体制の確保のための取組であるということを議会や住民の皆様にも十分説明をして、地域の理解を得ながら必要な改革に取り組むべきであると考えております。
また、災害や感染症対策上も重要な拠点であるということは、たびたび申し上げております。
○本村委員 ありがとうございました。