もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
国会質問

質問日:2020年 3月 17日 第201国会 総務委員会

合併特例法改定案質疑 平成の大合併の検証を

しんぶん赤旗 2020年3月24日

日本共産党議員の国会質問/住民の声届け政府の姿勢を追及/平成の大合併検証を/防災力低下を本村氏指摘

 本村伸子議員は17日の衆院総務委員会で、市町村合併・広域化した自治体で弊害が生じている実態を示し、国は深掘りした検証を行うよう求めました。本村氏は、災害時に対応が遅れた事例をあげ「合併での防災力低下を直視すべきだ」と指摘。防災や地域活性化のため、職員増で支所機能を強化できる状況をつくる必要性を強調しました。
 高市早苗総務相は、支所経費への財政措置などにふれ「今後も合併市町村を適切に支援する」と述べました。
 同委員会では、3月末で期限が切れる合併特例法を延長する改定案が採決され、自民、公明などの賛成多数で可決。日本共産党は反対しました。
 本村氏は討論で、議会が否決しても首長請求で合併協議会が設置できるなど「合併推進側だけに有利な仕組みが残されたのは問題だ」と指摘しました。

議事録

201-衆-総務委員会-10号 2020年3月17日

○本村委員 日本共産党、本村伸子でございます。
 どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 まず、大臣に確認をさせていただきたいんですけれども、この法案の前提に地方制度調査会の答申がございます。その中に、みずからの判断により合併を進めようとする市町村を対象と書かれております。
 当然のことだというふうに思うんですけれども、合併しないと選択をした、とりわけ小規模な市町村に対して、合併を強制することはせず、合併しないことを理由とする不利益な取扱いはしないということは確認させていただきたいと思います。

○高市国務大臣 この法律案は、市町村合併を推進するというものではなくて、みずからの判断により合併を進めようとする市町村を対象として、引き続き合併の円滑化のための措置を講ずることができるよう現行法の期限を延長するものでございますので、本村委員御指摘のような懸念は生じないと認識しております。

○本村委員 不利益な取扱いはしないということを確認させていただいたというふうに思っております。
 私、二〇一八年豪雨のときに被災地に行かせていただいたときに、合併によって面積が大きくなる一方で地域から職員の方が削減をされる、そういう中で、災害対応あるいは被災者の方々の支援が非常におくれたのではないかということを痛感してまいりました。
 例えば、私が痛感をした事例では、広域化したことによって各地の状況が把握されておらず、河川も別のところばかりを見て避難指示がおくれて、川が氾濫して二十分以上たってから避難指示が出たという事例がございました。また、被災をされた地域に本当に職員の方が全然来ないということで被災者の方をずっと不安に思わせていた、支援も届かない状況であったという事例。あるいは、人手が足りず、合併をされた地域ですけれども、支所長が現場で本当に対応で精いっぱいやられていたわけですけれども、しかし、災害救助法の仕組みとか被災者支援の仕組みが知られていなかったために迅速な支援とか救援につながらなかった事例。こういう事例を現地に行って痛感をしてまいりました。
 合併をして広い範囲になった自治体で、職員の数が減って、なおかつ、地域がわかる職員さんでない方も赴任してくるということで、災害時に、より十分機能しないという弊害があるのではないかというふうに思いますけれども、総務省としてはどのように認識をされておられますでしょうか。

○高原政府参考人 御答弁申し上げます。
 災害時における市町村の対応については、基本的には、合併の有無にかかわらず、被害の程度や地域の実情に応じて異なるものと考えております。
 その上で、合併市町村においては、もちろん課題もございますが、一般的な状況を申し上げますと、合併により行財政基盤が強化されたことを生かしまして、災害防災対策の専門部署の新たな設置、他課、係等と兼務しない防災部門の専任職員の配置をするなど、災害対応体制の強化に取り組まれているものと私ども認識しております。
 以上でございます。

○本村委員 専任職員の設置で、ちゃんと機能していればいいんですけれども、一つのところしか見ていなくて、全域を見ていなかったということで、避難勧告、避難指示がおくれるということが出ております。だから、そういういい面だけを見るのではなく、やはり全体、総合的に総務省としても把握していただきたいというふうに思うんです。
 これは私が言っているだけではなく、資料の一、一つ目に出させていただきましたけれども、これは読売新聞の記事でございます。合併によって自治体の防災力が低下したという指摘がございます。
 具体的には、これは調査室の方がまとめてくださったんですけれども、一つ目に、合併による市町村の広域化によって、災害時、市役所本庁と支所の間で通信不能になり状況が把握できなかった。二つ目に、本庁に権限が集約された結果、旧市町村の地域は自己決定力を失い、迅速に対応できなくなった。三つ目、支所の職員が減少し、災害対応人員としては少な過ぎるなどがこの記事でも指摘をされております。
 こういう問題があるということは、大臣、お認めになられますね。

○高市国務大臣 この新聞報道のような課題があれば、これは合併市町村において適切に対応をしていただかなければなりません。
 支所が果たす役割というのは、災害においては非常に大きなものがあります。大規模な災害が発生した場合に、例えば、対応に多くの職員が必要になります。合併市町村において、沿岸部の市街地が被災した際に、被害が比較的軽微だった内陸部の旧市町村の職員を派遣したり、また、災害対策本部の置かれている本庁で十分な状況把握が行えない場合に、支所において避難勧告などの避難誘導を適時適切に行っているといった取組もございます。合併によって強化された行財政基盤は十分に活用して、地域の実情に応じて、災害対応の強化に取り組んでいただきたいと考えております。
 これから、IoT水位計ですとか、それから情報通信機能の強化、こういったことも、災害時の長時間の停電などにも対応できるようにという取組も進めておりますので、支所の適切な対応、ここも各合併市町村において考えていただく、取り組んでいただくべきことだと思っております。

○本村委員 実際には、合併によって自治体の防災力が低下したと思われる事例が幾つも出ているわけです。それを直視していただきたいというふうに思います。災害時の命や暮らしを守る問題に、この問題は本当に直結しているというふうに思います。
 今私が指摘をいたしました、広域で合併したことによる災害時の弊害、あるいはマスメディアでも指摘をされている合併の災害時の弊害、問題点を総務省は改善しようとしているのかどうか。先ほど、いいことしか言われなかったんですけれども、ちゃんと見て、改善しようとしているのかどうか、そのことを御答弁いただきたいと思います。

○高原政府参考人 御答弁申し上げます。
 先ほど来大臣からも支所機能の重要性というお話がございましたが、例えば、九州地方の合併市町村では、合併時から旧市町村単位で支所を設置しておりまして、災害時には支所に現地対策本部を置いて、支所長が現地対策本部長として避難勧告の実施権者となっているということで、災害の被害を軽減することもできたという報告もいただいております。
 そういった意味で、支所の果たす役割というのは大変大きいものがございますので、先般来御議論になっておりますが、合併市町村の支所設置について普通交付税の措置をするとか、そういった中で、私ども取組を進めているというところでございます。
 以上でございます。

○本村委員 地方交付税で、算定の見直しということで支所も位置づけているというお話でしたけれども、そもそも、そういうことを想定せずに合併を推進してきたというのが問題だったというふうに思います。だから、どんどん修正をするということになってきたのだというふうに思います。総務省が当初やってきたことに対しての反省が深く必要だというふうに思っております。
 結局、合併した市町村のことでいえば、防災のことや地域の活性化の問題を考えたときに、やはり支所などに職員をふやして、機能を強化をし、各地域のことについて考えて働ける状況をつくっていくしかないというふうに思いますけれども、大臣の御答弁をお願いしたいと思います。

○高市国務大臣 合併そのものは、それぞれの地方公共団体において、住民、また住民を代表される首長や、また議会の皆様が激しい議論をしながら選択をしてこられたものだと思っております。
 合併市町村の支所というのは重要な役割を果たしており、実際、住民サービスの維持向上、災害対応などに活用する取組が行われてきております。
 普通交付税の算定におきまして、支所に要する経費の加算、旧市町村単位の消防署、出張所に要する経費の加算、旧市町村単位の保健福祉に係る住民サービス経費の加算など、平成二十六年度以降、五年間かけて順次見直してきました。
 これからも、合併市町村に対する必要な支援を適切に行ってまいります。

○本村委員 各自治体の御判断だというふうに言われたんですけれども、当時約束していたことが全く守られないというものもありまして、当時の約束は世論を誘導するためのものであったのではないかという事例もあるわけでございます。そういう中で、合併に誘導されたという自治体もあることもしっかりと見ておかなければいけないというふうに思います。
 支所などに人をふやさないと、結局、災害時にも機能しないし、地域の活性化にもなかなか結びつかないことになるというふうに痛感をしております。
 それで、今後の基礎自治体はどうあるべきかという議論なんですけれども、総務省の自治体戦略二〇四〇構想研究会の第二次報告の中で、市町村を超えた圏域などの団体自治、住民自治に反するものが入っておりまして、これは大問題でございます。
 更に問題なのは、自治体の職員は半分にして、標準化して、スマート自治体という方向が出されていることでございます。AI、ロボティクスなど書かれておりますけれども、AI、ロボティクスなどは災害時、緊急時、本当に機能してくれるんでしょうか。
 研究会報告には、災害時、緊急時のことは、首都圏の帰宅困難者のことなどはございますけれども、本当に不十分な記述しかございません。私の地元は、毎回というほど言っているんですけれども、南海トラフ巨大地震の被害想定区域にございます。こういう乱暴な議論で自治体の職員が削減されるということに誘導されていくことになれば、本当に地元の皆様の命を守ることができないという大変な危機感を私は抱いております。
 大臣に伺いますけれども、将来の自治体のあり方を考える場合、災害対応や緊急対応、今回の新型コロナウイルス感染症の対応もそうですけれども、こういうこともしっかりと位置づけて、将来の自治体、どうあるべきかということを考えていくことが必要だと思いますけれども、大臣、御答弁をいただきたいと思います。

○高市国務大臣 今、第三十二次地方制度調査会で、将来の人口減少社会を見据え、必要となる地方行政体制について調査審議が進められております。防災の視点も含めて議論は行われております。
 昨年七月に中間報告が取りまとめられましたが、南海トラフ地震や首都直下地震などが高い確率で発生する見込みであるなど、今後、二〇四〇年ごろにかけて災害リスクの高まりが想定される中で、地域間の協力による災害対応分野における技術職、専門職の確保の必要性、大規模災害への都道府県を超えた協力関係の構築の必要性、自助、共助による防災活動の重要性といった指摘もなされております。
 今、最終的な答申に向けて調査審議が進められておりますが、この調査会における議論も踏まえて適切に対応してまいります。

○本村委員 研究会報告で、自治体職員は半減してということで書かれて、本当に乱暴な議論だと思いますので、そういうことがないようにぜひしていきたいというふうに思っております。
 今後の自治体のあり方を考える際に、前も公立病院改革ガイドラインのことでも申し上げましたけれども、まちづくりの点でもそうですけれども、災害時のことをしっかりと位置づけられていない、いろいろなものを読んでも位置づけられていないというふうに痛感をしておりますので、ぜひ、総務省のおやりになることに対して、災害時のこともしっかりと想定した施策を徹底するべきだということを強く求めたいというふうに思います。
 災害時の実態もそうなんですけれども、合併や広域行政について、先ほど来御議論ありましたけれども、しっかりと評価、検証を行うべきだということを、地方団体の方々から指摘をされております。
 地方制度調査会でも、全国市議会議長会の委員から、平成の市町村合併について、政府による総括の重要性、政府の責任で改めてトータルに評価、検証を加えておくこと、評価を行ったわずかの県の調査結果を引用するだけでは不十分という指摘がございます。また、全国町村会の委員からは、新たな圏域行政の推進は、平成の大合併の再来ではないかと大変危惧しています、新たな仕組みを検討する前に、広域行政に関する現行制度の検証が不可欠との発言もございます。
 評価を行ったわずかな県の調査結果を引用するだけでは不十分との指摘がありますけれども、私はそのとおりだというふうに思います。表面的に見るのではなく、しっかりと検証、評価を行うべきだと思いますけれども、これは大臣、お願いしたいと思います。

○高市国務大臣 これからの基礎自治体のあり方の検討に当たりましては、これはもう本村委員御指摘のとおり、市町村合併や広域行政の現状や効果、課題を把握した上で行う必要があると考えております。

○本村委員 では、これからしっかりと検証、評価していくということなのだと理解をしております。
 二〇一九年九月十三日の第三十二次の地方制度調査会第二十二回専門小委員会の資料を見てみましても、合併した旧町村の皆様の声が十分反映されているとは思えない内容になっております。私の地元の豊田市のことも書いてありますけれども、本当に表面的な書きぶりだなというふうに痛感をしております。各自治体で深掘りをぜひしていただきたいというふうに思います。
 そういう点では、日本弁護士連合会の中の公害対策・環境保全委員会の皆様方が調査検討されたということについて、お話をお伺いをいたしました。これは、日本弁護士連合会の皆様の公式なものではないということだそうですけれども、合併したところと合併しなかったところ、類似の自治体を調査されて、九カ所調査をされております。
 この結果はどうだったのかということと同時に、人口一万人未満の過疎指定市町村での分析もされておりますけれども、二〇〇五年から二〇一五年の産業分類別就業者数の増減を見てみますと、合併によって公務で働く人が少なくなっているというのが顕著でございます。地域から役所の人がいなくなれば、地域の実情や声を吸い上げる人も少なくなる。そこの地域をどう活性化していこうかと、安定した仕事として専属で考えてくれる人もいなくなる、少なくなる。そして、役場の周りのお店も、売上げが減り、なくなっていく。地域が寂れ、若い人はいなくなる。子供さんも少なくなっていく。小学校、保育園がなくなっていくということだというふうに思います。農林水産予算も、十数年前からすると、一兆円規模で予算が減っている。
 こういう問題も人口減少の重大な要因だというふうに思いますけれども、この日弁連の有志の方々が類似自治体の調査で、合併したところの方が合併しなかったところよりも人口減少が急激になっているという結果が出ております。総務省として、これはなぜそうなっているのかということを検証し、把握をするべきじゃないか、もっと検証について深掘りするべきじゃないかというふうに思いますけれども、これは大臣、お願いしたいと思います。

○高市国務大臣 本村委員もおっしゃいましたけれども、このシンポジウムで報告された分析については、日本弁護士連合会として意思決定したものではなくて、特定の報告者によって行われたものと伺っております。
 そもそも、市町村が置かれた社会的、経済的条件はさまざまでありますので、単純な比較というのは困難でございます。また、市町村の人口変化には、その地域の人口構成や、あと、地理的条件による生活の利便性などの状況など、さまざまな要因が影響いたしますので、一概に人口変化の要因を合併と関連づけるということは適切でないと考えております。

○本村委員 ですから、総務省として、日弁連の有志の方が調査をされた中身について、なぜそうなっているのか、さまざまな要因と言われました。なぜそうなっているかというのをもっと深掘りしてやるべきじゃないかという質問でございます。

○高原政府参考人 御答弁申し上げます。
 私どもが事務的に分析しているところでは、日弁連が比較対象とした四十三組中二十七組、全体の六三%で合併市町旧町村部の人口減少率が非合併町村を上回っていたということでございます。つまり、合併時点において、既に合併市町旧町村部の方がより人口減少が進行していたという分析をしております。
 それから、高齢化率で比較したところ、日弁連の四十三組中二十九組、全体の六七%で合併市町旧町村部が非合併町村の高齢化率を上回っていたということで、合併時点において既に合併市町旧町村部の方がより高齢化が進行している状況にあったということでございまして、四十三組中三十五組が人口減少率若しくは高齢化率で既に上回っている状況にあったという分析はいたしております。
 以上でございます。

○本村委員 資料二も質問をさせていただきたいんですけれども、二〇一七年十二月に、まち・ひと・しごと創生本部事務局が移住・定住施策の好事例集第一弾を出しております。合併しない自治体の方が移住・定住施策の好事例が多いというふうになっておりますけれども、なぜそういう結果になったと考えているか、お示しをいただきたいと思います。ちょっと端的にお願いしたいと思います。

○高原政府参考人 御答弁申し上げます。
 掲載されている団体は合計十八ございまして、合併団体が六、非合併が十二でございます。それで、もともと、全国の合併市町村数が五百九十で非合併市町村数が千百二十八ということで倍近くございますので、大体同じ比率になっているというふうに認識をしております。

○本村委員 日弁連の有志の方が調査をしていただきました。そういうことも材料にして、なぜそうなっているかというのをもっともっと深掘りをして検証していただきたいということを強く求めたいというふうに思います。
 これからの自治体のあり方の問題なんですけれども、先ほども申し上げました総務省の自治体戦略二〇四〇構想研究会の第二次報告では、これからは圏域だというふうに言っております。これまでの広域連携の仕組みとは異なって、市町村の権限、財源の一部を取り上げて圏域に担わせようとしているのではないかというふうに危惧をしております。
 日本弁護士連合会の皆様方も、自治体が自主的権限によってみずからの事務を処理するという団体自治からしても問題がある、住民による選挙で直接選ばれた首長、議員から成る議会もない圏域に対して国が直接財政措置を行うことは、住民自治からしても問題があるというふうに意見を上げておられます。また、町村会、町村議長会の皆様方からも声が出ているというふうに思います。
 自治体と国は対等な関係なはずでございます。国が一方的に市町村の権限や財源を取り上げて新たな制度をつくるということがあってはならないというふうに思います。名前は圏域というふうにしないにしても、実質的に市町村から権限と財源を取り上げる、そういうことが絶対にあってはならないというふうに思いますけれども、大臣、御答弁をいただきたいと思います。

○高市国務大臣 第三十二次地方制度調査会では、今後の人口減少、少子高齢化を見据えた地方行政体制のあり方について調査審議が進められておりますが、専門小委員会では、市町村間の広域連携は地域の実情に応じた自主的な取組として行われるものであることを前提として議論が進められております。
 よって、広域連携に関して、圏域のような何か別の行政主体を設けて、そこに市町村の権限を移譲するような方向の議論はなされておりません。

○本村委員 ぜひ、圏域的なものによって財源や権限を奪うようなことはないようにしていただきたいというふうに思います。
 民主主義の質の向上と人権保障の強化に資する地方制度を求めて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

○大口委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――

○大口委員長 これより討論に入ります。
 討論の申出がありますので、これを許します。本村伸子君。

○本村委員 私は、日本共産党を代表し、市町村の合併の特例等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。
 合併特例法は、国、都道府県主導で合併を押しつける仕組みを導入するなど、平成の大合併を進める役割を果たしました。住民合意をとる過程で、合併後の公共施設等の存続などを約束して世論を誘導し、結局その約束が守られない事例もありました。
 強引な合併押しつけに対する批判を受けて、二〇一〇年の改正で、国、都道府県による市町村への積極的な関与等の文言は削除されましたが、有権者の五十分の一以上の署名で合併発議できるとした住民発議権や、合併協議会設置が議会で否決されても首長の請求若しくは有権者の六分の一以上の署名により合併協議会設置の住民投票請求ができる特例はそのまま残されました。
 合併という自治体と住民にとって最も重要な問題について、合併推進側だけに有利な仕組みが残されたのは問題です。
 二〇一〇年以降、現行合併特例法のもとでは七件の合併事例がありますが、その中には、合併協議会設置を議会が否決しても、住民発議、住民投票の仕組みを利用して合併に至った事例も含まれています。
 本法案は、合併推進にだけ有利な仕組みを変えずにそのまま延長するものであり、反対です。
 以上を申し上げ、討論といたします。

○大口委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――

○大口委員長 これより採決に入ります。
 市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

○大口委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――

○大口委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、中根一幸君外四名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム、公明党、日本維新の会・無所属の会及び希望の党の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。高井崇志君。

○高井委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。
    市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の事項について措置すべきである。
 一 市町村の合併については、地域の自主的な判断を尊重し、合併を強制することのないようにすること。また、自主的に合併を選択した市町村に対しては、合併後のまちづくりが円滑に進められるよう、必要な支援措置を講ずること。
 二 平成の合併の効果や課題等について、合併を選択しなかった市町村や、合併に伴う課題を指摘している合併市町村を含め、幅広く関係団体等の意見を聴取した上で、引き続き評価・検証を行うこと。
 三 既に合併した市町村については、周辺地域の活力の低下、職員の減少等に伴う住民サービスの低下、住民の声が反映され難くなったことなど、なお多くの課題が指摘されていること等を踏まえ、合併市町村の一体的な振興や周辺地域への対応が適切に行えるよう継続的な支援を行うとともに、住民自治の拡充のための必要な措置を講ずること。
 四 市町村の在り方については、平成の合併によって市町村の人口や面積が増加したことに伴い、合併前の旧市町村の区域の住民の意見が十分に反映され難くなったなど、住民自治にふさわしい基礎自治体の姿や規模について様々な議論があること等を踏まえ、地域の実情に応じて、地域自治区、地域審議会等の地域自治組織を活用するなど、住民の意見をきめ細やかに反映するために必要な措置を適切に講じるよう、必要な助言を行うこと。
 五 市町村間の広域連携の在り方については、現行の広域行政の仕組みについて十分な検証を行った上で、市町村の主体性や意見を十分に尊重しつつ、慎重かつ丁寧な検討を行うこと。また、広域連携に係る新たな制度を創設する場合には、強制とならないようにするとともに、周辺地域の活力が失われることのないよう万全の措置を講ずること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

○大口委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

○大口委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。高市総務大臣。

○高市国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。

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参考資料

https://motomura-nobuko.jp/wp-content/uploads/2020/06/f922cc62949b08599481edbab3226532.pdf

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