もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
国会質問

質問日:2020年 3月 19日 第201国会 総務委員会

NHK2020年度予算案承認に対する質問・経営委員会番組介入疑惑を追及

しんぶん赤旗 2020年3月20日

NHK経営委番組介入疑惑/議事録公開を求める/本村議員

 日本共産党の本村伸子議員は19日の衆院総務委員会で、かんぽ生命保険の不正販売を報じた番組をめぐり、NHK経営委員会が日本郵政グループの不当な干渉に手を貸し、NHK会長を厳重注意した「番組への圧力」疑惑を追及しました。
 本村氏は、日本郵政社長が昨年9月の会見で、「今となっては、番組で訴求された点をしっかりと心にとめ、グループ全体できちんと対応しなければならなかったと痛感した」とのべていることを指摘。「不正販売を行ってきた企業から届いた書簡を、経営委員会で取り上げること自体問題がある」と強調しました。
 本村氏は、経営委が野党の要求で、やっと12日になって提出した2018年10月23日の経営委の議事概要のなかで、「(番組の)作り方に問題があるのではないか」との発言が記載されていることを指摘。「放送の作り方を批判していた部分を隠してきたのは、経営委が、番組の評価を行い、放送法に違反するような議論をしていたことが明らかになるのが不都合だったからではないか」と森下氏にただしました。
 森下氏は、「あくまでも自由な意見交換」という言葉を繰り返したため、本村氏は視聴者団体が森下氏の辞任を求めていることも紹介し、改めて議事録の公開と厳重注意の撤回を要求しました。また、かんぽ不正問題の集中審議を求めました。



しんぶん赤旗 2020年3月21日

NHK予算案に反対/本村議員/衆院本会議で承認

 NHKの2020年度予算案は19日、衆院本会議で自民、公明などの賛成多数で承認されました。日本共産党は反対しました。全会一致とならなかったのは16年度以来、4年ぶり。
 これに先立つ衆院総務委員会の採決で、日本共産党の本村伸子議員は、「NHKが、かんぽ生命の不正販売を取り上げた番組に対する日本郵政グループの圧力に屈し、公共放送の自主自律という放送の根幹を揺るがした事実は深刻」と指摘。「こうした事件のもと、NHK執行部が編成し、経営委員会が最終決定した予算に対して、事件の真相を解明し、責任を明らかにしないまま、承認することはできない」とのべました。



しんぶん赤旗 2020年4月8日

地震速報など音声で流して視覚障害者にもわかりやすく/本村議員がNHKに改善要求/衆院総務委

 地震など人命にかかわるニュース速報がテロップでしか表示されないので内容がわからない。音声でも流してください―。日本共産党の本村伸子議員は3月19日の衆院総務委員会で、愛知視覚障害者協議会の要望を踏まえ、NHKに改善を求めました。
 NHKは、本村氏に対し事前に、▽生放送中は番組編集責任者の判断で速報の読み上げ▽収録番組の放送中に人命にかかわる災害が起きた場合、番組を中断して特設ニュースで伝えている▽緊急地震速報が出たとき、チャイム音とともに、「緊急地震速報です」と音声でお知らせする―と回答していました。
 本村氏は、「これでは不十分だ。速報や緊急地震速報などが流れれば、その情報は視覚障害者にもきちんと伝わることが必要」と善処を求めました。
 NHKの木田幸紀専務理事は「視覚に障害のある方に速報の内容が確実に伝わるように努めたい」と答弁。前田晃伸会長も「緊急災害時に、命を守る行動を促す情報などを障害のある方に迅速かつ適切に届けることは非常に重要な課題だと考えている」としました。
 本村氏は、▽ドキュメンタリー番組やニュースで、外国語の部分は音声で日本語訳を流してほしい▽イベントなどの紹介の際、場所や連絡先については「ごらんのとおりです」と放送されるが、音声で伝えてください▽台風情報の予測進路がまったく理解できない―などの要望も示し、当事者との懇談の場を設けるよう要求。前田会長は、「いろいろな方から要望を聞いて、改善してまいりたい」と答えました。

議事録

201-衆-総務委員会-11号 令和2年3月19日

○本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。
 どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 受信料で成り立っているNHKへの信頼というかなめが揺らぐ問題が起きております。NHK経営委員会が、かんぽ生命の不正販売にかかわって、日本郵政グループの不当な干渉を許したのではないか、手をかしたのではないか、経営委員会が日本郵政グループ側に立ってNHK会長を厳重注意する、番組への圧力をかけるような決定をした疑惑でございます。
 NHK「クローズアップ現代+」で、二〇一八年四月に、かんぽ不正の問題を告発した放送がありました。続編をつくり、放映しようとしたときに、日本郵政グループからSNSの動画の削除などの圧力の問題が発生をいたしました。
 当時、森下経営委員長は、NHKの経営委員長代行をされ、前から知り合いだった日本郵政の鈴木上級副社長と面会をし、そして仲介役となるような働きをしていたと見られております。
 まず、森下経営委員長にお伺いをいたします。
 経営委員会がNHK会長を厳重注意した議事の内容を秘密にしていた方がよかったと今でも考えているんでしょうか。

○森下参考人 お答えいたします。
 郵政三社からの申入れ及び会長への注意に関する経営委員会でのやりとりにつきましては、外部からいただく手紙やそれに関する対応として慎重に対応する必要があることと、自由な意見交換と多様な意見の表明を妨げるおそれが考えられることなどから、議事録を非公表といたしました。
 当時の公表を前提として行った意見交換に関する議事録を公表することとなりますと、今後の自由な意見交換や多様な意見の表明を妨げるおそれなど、経営委員会の運営に支障を来すことが考えられますので、経営委員会の総意として、引き続き議事録は非公表とすることを確認しております。
 以上、お答えいたしました。

○本村委員 この前の総務委員会では、経営委員長は、会長へ注意したことは議事録で公開すべきだったと反省しているというふうに述べておられましたけれども、そういう言葉は今ございませんでした。
 日本郵政グループは、「クローズアップ現代+」で、かんぽ生命保険の不正販売を行ったと報じられた大企業でございます。後から、二〇一九年九月三十日の日本郵政株式会社の会見で、日本郵政社長は、今となっては、番組で訴求された点をしっかりと心にとめ、日本郵政グループ全体できちんと対応しなければならなかったと痛感した次第ですと述べておられます。深い反省をしなければならない企業でございます。
 不正販売を行ってきた企業から届いた書簡を視聴者の声として経営委員会で取り上げること自体が問題があるとお考えにならないのでしょうか。経営委員長。

○森下参考人 お答えいたします。
 放送法第二十七条には、「協会は、その業務に関して申出のあつた苦情その他の意見については、適切かつ迅速にこれを処理しなければならない。」と定めております。
 視聴者の皆様からの御意見や御指摘に真摯に向き合うことは視聴者対応の基本でありまして、二カ月近く回答していないという協会側の業務執行が視聴者目線に立っていないと考えたものでございます。
 以上、お答えしました。

○本村委員 じゃ、今の、詐欺的なことをやっている企業が放送に圧力をかけ、経営委員会に書状を送る、それを視聴者の声として経営委員会はいつでも取り上げるんですか。

○森下参考人 お答えいたします。
 経営委員会に対する視聴者の皆様からの御意見につきましては、ふれあいセンター等にメールや電話で寄せられるものと経営委員会に直接寄せられるものがございます。寄せられた御意見は、全て経営委員の間で情報共有し、対応しております。
 また、放送法の定めに基づき、全国各地で毎年六回以上、視聴者のみなさまと語る会を開催し、寄せられた御意見については、執行部とも共有し、経営委員会の活動に反映させるように努めております。
 さらに、放送法の二〇一九年の改正では、中期経営計画等の議決に当たり、経営委員会として意見募集を行うことが総務省で義務づけられました。
 経営委員会として、視聴者・国民の皆様の御意見を広く求め、経営委員会の活動に反映させていきたいと考えております。

○本村委員 経営委員長の見識が問われているというふうに思います。
 この一連の問題は、そもそも毎日新聞が二〇一九年九月二十六日にスクープしなければ明らかにならなかった問題です。経営委員会は、放送法で原則議事録を公開しなければいけないのに、一切事実を明らかにしようとしませんでした。何が議論されたか、そのことさえ一切秘密であった、あったことを全く知らせないという状況で、本当に重大な問題だというふうに認識をしております。
 報道があり、そして国会で野党合同ヒアリング、そして国会の質問、総務委員会の理事会、理事懇でのやりとり、そしてその後の資料提出の中でいろいろとわかってまいりました。
 その一つが、かんぽ不正販売の問題を報じた「クローズアップ現代+」は、最初の放送、二〇一八年四月の後、二〇一八年八月に放送しようとしていたけれども、ずっとおくれて、二〇一九年七月に放送された、続編を放送するのに異常に長い空白期間があったということ。それで、この空白期間、続編が放送される前に、日本郵政が持っているかんぽ生命の株、二〇一九年四月に売って、四千百七十億円という売却総額を日本郵政が手にしております。今はその株価は下落をしているわけでございます。
 わかったことの二つ目ですけれども、この背景には、日本郵政グループが不正販売報道にかかわってNHKに対して圧力をかけていたということ。
 三つ目、経営委員会の議事録は原則公開が放送法四十一条の規定にあるのに、非公開になったということ。
 そして四つ目、経営委員会が、かんぽ不正を報道した番組に関連してNHK会長に厳重注意をしたということ。
 五つ目、一番最初のスクープの後、昨年秋に野党は合同ヒアリングを重ねてまいりました。当時、経営委員長代行であった森下経営委員長は、厳重注意をした経営委員会で放送の中身は話していないというふうに私たちに言っておりました。しかし、実際には、出てきた資料でも明らかですけれども、経営委員会で、放送の中身、取材方法まで話して、批判もしていたということが、つい最近、お認めになった資料が出てきたわけでございます。
 そして六つ目、国会を欺く、国会議員を欺くような回答をしてきたということでございます。
 一体誰のために森下さんや経営委員会は働いていたのかということが問われております。当時の一連の森下さんの動きは、日本郵政側に立っていたと言われても仕方がない実態だったのではないかというふうに思います。
 そもそもなぜ議事録を非公開にしようという決定になったのか、誰が言い出して、どういう議論があったのか、そのことを経営委員長、お示しをいただきたいと思います。

○森下参考人 お答えいたします。
 郵政三社からの申入れ及び会長への注意に関する経営委員会でのやりとりにつきましては、外部からいただく手紙やそれに関する対応として慎重に対応する必要があることと、自由な意見交換と多様な意見の表明を妨げるおそれが考えられることなどから、非公表を前提に意見交換をいたしました。その決定につきましては、経営委員会の議事進行を行う前委員長が行いました。
 以上です。

○本村委員 石原経営委員長が非公表にしようというふうに言い出したわけですね。

○森下参考人 議長をしておりました委員長が決めました。

○本村委員 二〇二〇年の、ことしの三月二日の毎日新聞、再度のスクープがございました。二〇一八年十月二十三日の、当時の上田NHK会長を厳重注意したNHKの経営委員会で、NHKの経営委員長代行であった森下さんが、番組のつくり方に問題があったと発言をしていたことが報じられました。この報道を受けて、改めて野党の皆さんが国会で質問をして、そして議事録の公開を求めました。これを受けて、やっとついこの間、先ほども申し上げました、資料の二で出させていただいております、三月十二日に「郵政三社からの申し入れに関する経営委員会での対応の経緯について(案)」が経営委員会から国会議員に提出をされました。誰が発言をしたのかということは書いてありません。
 この中身なんですけれども、前回も質問がありましたけれども、オープンジャーナリズムというが、インターネットの情報は偏っているので、つくり方に問題があるのではないかというふうに書かれております。この発言は森下さんの発言ですね。

○森下参考人 お答えいたします。
 非公表を前提とした意見交換でございますので、誰が何を発言したのか、具体的なやりとりを公表することは差し控えさせていただきます。

○本村委員 法令違反もあったかんぽ生命の不正販売にかかわる問題を報道した、その報道の自由が脅かされる、そういう重大な事態でございます。
 自由な意見交換ということをずっと答弁されておりますけれども、しかし、NHK会長への厳重注意という重大な決定をしている、その議論の経過を明らかにするのは当たり前だというふうに思います。自由な意見交換ということで秘密にすることが正当化できる話ではないんです。少なくとも、森下経営委員長が当時経営委員会で何を発言したのか明らかにすることは当然だというふうに思います。
 森下さんが発言をしたのか、イエスかノーかということでお答えをいただきたいというふうに思います。NHKへの信頼にかかわる問題です。ぜひ、正直に真実を語っていただきたいと思います。

○森下参考人 お答えいたします。
 従来から、非公表を前提とした意見交換での個別の発言につきましては、自由な意見交換に支障が出るので公表はしないことを経営委員会で申し合わせておりますので、先ほどお答えさせていただきましたように、具体的なやりとりを公表することは差し控えさせていただきます。

○本村委員 国会でも議事録は公開をされております。しかし、自由な議論をしていこうということでやっているわけでございます。議事録を公開したから自由な議論ができないというのは全くおかしい話だというふうに思います。
 よく、森下さんは、経緯を確認するために番組について議論したということを答弁されておりますけれども、先ほど森下さんが発言したのではないかというふうに申し上げました、つくり方に問題があるのではないかというこの発言は、経緯を議論したというものではなく、評価ではないですか。

○森下参考人 お答えいたします。
 二〇一八年十月の経営委員会では、ガバナンスの議論の前提といたしまして、郵政三社からの書状に記載されている経緯、文書には公式ツイッターの動画が書かれておりますが、それにあわせて十月の番組、それから公式ツイッターの動画について意見交換や感想を述べ合ったものでございます。
 ただ、放送法三十二条の規定のとおり、経営委員会は個別の番組の編集に関与できないことは十分認識しておりますが、その意見交換の中で四月の番組、公式ツイッターの動画についていろいろ出た意見に対しまして、経営委員が番組編集に介入したのではないかと疑念を持たれてしまったことにつきましては反省しております。

○本村委員 私が聞きましたのは、つくり方に問題があるのではないかという発言は、経緯の確認ではなく評価ですねということを確認させていただきたいと思います。

○森下参考人 お答えいたします。
 先ほど私が十月の番組と言ったようでありますが、これは四月の番組の間違いでありますので、訂正させていただきます。
 それから、先ほどの件でありますが、あくまでも私どもは意見交換、感想を述べ合ったものでございます。

○本村委員 それは評価ですね。感想と言葉をかえておりますけれども、番組への、あるいは番組のつくり方に対する評価ですね、番組のつくり方に問題があったというのは。

○森下参考人 お答えいたします。
 これは、何度も申し上げていますが、公式ツイッターなどについての意見や感想を述べ合ったということでございます。

○本村委員 言葉をすりかえて言っているだけなんです。実質、評価をしているわけでございます。その場しのぎのごまかしの答弁はやめていただきたいというふうに思います。
 森下経営委員長が、そうやって、事実を事実として認めず、言葉を言いかえてごまかしている。情報公開もしない。NHKの信頼という最も大切な土台を掘り崩しているんです。受信料を払って、そして公共放送を支えていこうという信頼の土台を、そういう御答弁が掘り崩している。NHKのブランドを傷つけているということだと思います。
 報道では、森下さんが経営委員会の中で、ネットをうのみにし、現場を取材していない、番組のつくり方に問題があると執行部は考えるべきだと発言したというふうに報道をされております。これが事実であるのであれば、現場を取材していないなどと、事実に基づかない、いいかげんな発言もしていたということになってまいります。
 NHKの経営委員会の委員長というのは、放送法への深い理解や事実に基づいた見識が必要だというふうに思います。何度も指摘をされておりますけれども、放送法第三条では、放送番組は、何人からも干渉され、又は規律されることがない、放送法第三十二条は、経営委員は、個別の放送番組の編集について、第三条の規定に抵触する行為をしてはならないというふうに書かれております。
 今回のケースは、まさに法律に反するようなことをやっていた疑惑でございます。森下経営委員長が、代行だった時代に、不正販売を行っていた日本郵政グループの鈴木上級副社長と面談をし、そして郵政三社から経営委員会に書状が届き、経営委員会で番組の内容、つくり方にまで言及をしていた。そして、NHK会長への厳重注意を議事録を非公開にして行っていた。
 これが重大な問題であるという認識は、森下経営委員長にはないんでしょうか。

○森下参考人 お答えいたします。
 繰り返しになりますが、郵政三社からの申入れに関するやりとりについては、あくまでも非公表を前提とした意見交換の場で行いましたが、経営委員会が会長に注意を申し入れたことの重要性や経営委員会の透明性という観点から考えれば、会長へ注意したことは議事録に公表すべきだったと反省しております。
 このため、昨年の十月に議事経過を公表し、更に今回、議事経過を補足する資料を作成いたしました。
 以上です。

○本村委員 その言葉が本当なのかということも引き続き議論をしていきたいというふうに思いますけれども、二〇二〇年の、ことしの三月十七日の総務委員会で、議事録の公開、非公開とあらかじめ決めて議事に入るというふうに答弁をされました。この規定は内規にはありません。いつ、誰の権限で決められたんでしょうか。

○森下参考人 非公表につきましては、先ほど、内規に定められております、自由な意見交換、あるいはプライバシー、人権等、それから議事、検討又は協議に関する情報であって、公表することによってその審議、検討又は協議が円滑に行われることを阻害するおそれがあるもの、こういったものを非公表にすることを内規で規定しておりまして、それは、そのときの委員長が決めて実行しております。

○本村委員 議事録の公開、非公開とあらかじめ決めて議事に入る、このことを、いつ、誰の権限で決めたのかということでございます。

○大口委員長 森下経営委員会委員長、的確に答弁してください。

○森下参考人 はい。お答えいたします。
 放送法三十条の規定のとおり、経営委員長は経営委員会の会務を総理することと定められております。経営委員会の運営や議事の扱いを含め、経営委員長が議事進行を行って決めております。

○本村委員 第三者の個人のプライバシーに関する事案については、通常の情報公開のように黒塗りにするなどの措置はあるかもしれません。しかし、議事録を一切公開しない、何を議論したかということさえわからないようなやり方は絶対にだめだというふうに思います。
 森下経営委員長は、ことし、二〇二〇年三月十七日の総務委員会で、先ほどもありましたけれども、注意を申し入れたことの重要性や経営委員会の透明性という観点から考えれば、会長へ注意したことは議事録で公開すべきだったと反省しているというふうに答弁をされております。
 こういうふうに言うのであれば、議事録を公開するべきだと思いますけれども、改めて御答弁を求めたいと思います。

○森下参考人 お答えいたします。
 郵政三社からの申入れに関するやりとりにつきましては、あくまでも非公表を前提とした意見交換の場で行いましたが、経営委員会が会長に注意を申し入れたことの重要性や経営委員会の透明性という観点から考えれば、会長に注意したことは議事録で公表すべきだったと反省している、これは先ほど述べたとおりであります。それで、昨年十月に議事を公表いたしました。
 ただし、当時の非公表を前提として行った意見交換に関する議事録を公表することになりますと、今後の自由な意見交換や多様な意見の表明を妨げるおそれなど、経営委員会の運営に支障を来すことが考えられますので、経営委員会の総意として、引き続き議事録は非公表とすることを確認をいたしました。それで、今回、議事経過を補足する資料を作成して、出させていただいたのであります。
 以上です。

○本村委員 委員長に申し上げたいというふうに思います。
 放送法違反にかかわる議事録でございます。委員会への議事録の提出を求めたいと思います。

○大口委員長 理事会で協議をいたします。

○本村委員 かんぽ生命の不正販売が明らかになった今、日本郵政に配慮しなければならない理由はないというふうに思います。議事録を一刻も早く公開をするべきだというふうに思います。
 言葉だけの反省になっているんですね。実質的に議事録は公開をされておりません。どのくらいの議論がされたのかということも含めて、しっかりと公開をするべきだというふうに思います。
 もう一つお伺いをいたします。
 二〇一九年秋ごろの野党合同ヒアリングでは、資料に出させていただきました一番の資料、二〇一八年十月二十三日の経営委員会の議事経過のことが載った資料でございますけれども、これは野党ヒアリングに出されたものでございます。ここでは、番組のことを話したということは一切書いていない資料です。そして、ずっと隠してこられました。それで、三月二日に報道でスクープがあって、そして、三月十二日に、やっと、ついこの間、七日前ですね、一部を出してこられたというのが資料の二でございます。
 放送内容や番組のつくり方を批判していた部分をこれまで隠していたのはなぜですか。森下さんは、番組について話していないと、ずっと野党合同ヒアリングでも話しておられました。番組のことを話していたことが明らかになるのを恐れて、資料を出さずに隠していたんじゃないですか。

○森下参考人 お答えいたします。
 番組の編集の自由を損なうような話はしていないという趣旨でお話をいたしました。説明不足だった点についてはおわびをいたします。
 それから、郵政三社からの申入れに至る経緯を確認する中で、四月の番組や公式ツイッターの動画に関する意見や感想も出ましたが、議論の本質はガバナンスに関する議論でしたので、過去の番組については十月の資料には記載しておりませんでした。
 以上です。

○本村委員 番組に介入していたんじゃないか、干渉していたんじゃないかということを追及されて、いやいや、番組のことは話していませんということを言っていたわけで、説明不足だったと。私たちは、真実を語っていただけなかったというふうに認識をしております。
 本論はガバナンスだったというふうにおっしゃっておりますけれども、もともと、そうやって最初から説明すればよかったんじゃないですか。何で隠していたのか、何で話していないとうそをついたのか、なぜ資料も出さなかったのか、ずっと隠していたのか。隠さなければいけないという事実があったと疑うのは当然だというふうに思います。
 経営委員会が番組の評価なども行って、放送法に違反するような議論をしていた、そのことが明らかになるのが不都合だったんじゃないですか。

○森下参考人 お答えいたします。
 先ほど御回答いたしましたように、郵政三社からの申入れ及び会長への注意に関する経営委員会でのやりとりにつきましては、外部からいただく手紙やそれに関する対応として慎重に対応する必要があることと、自由な意見交換と多様な意見の表明を妨げるおそれがあるということから、議事録を非公表としておったものでございます。
 以上、お答えいたしました。

○本村委員 やはり、話していないとうそを言い、資料も出さない、隠し続けてきたというのは本当に大問題だというふうに思います。
 本論はガバナンスだったというのであれば、議事録を出して証拠を示していただきたいと思います。

○森下参考人 お答えいたします。
 繰り返しになりますが、基本的には、外部からのいただく手紙等、慎重に対応するということで、非公表を前提とした議論でございますので、議事録の公表については控えさせていただきますということを経営委員会の総意として決めております。
 なお、今回、全体の経緯がわかる資料をお出しいたしましたので、それで全体としては理解していただけるものだと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。

○本村委員 全体がわからないからこそ求めているんです。議事録も公開できないようなNHK会長への厳重注意に正当性はないと考えます。
 二〇一八年十月二十三日に行われたNHK会長への厳重注意は白紙撤回するべきだと思いますけれども、経営委員長、お答えいただきたいと思います。

○森下参考人 お答えいたします。
 番組制作と経営は分離しているため、番組制作について会長は関与しないというチーフプロデューサーの説明は、編集権についての考え方が組織にきちんと共有されていないという、見逃してはいけないガバナンス上の問題が含まれていると考えました。
 また、郵政三社からの書状は、二〇一八年八月に会長宛てに質問の文書を送ったのに、二カ月近くたっても回答がなかったために経営委員会に文書を出したとの趣旨でございましたので、協会側の業務執行が視聴者目線に立っていないと考えました。
 以上の観点から、経営委員会として会長に注意を申し入れました。

○本村委員 問題にしておりますのは、経営委員会の隠蔽体質でございます。森下経営委員長の辞任を求める声が、市民の皆様、市民団体の皆様からもう既に出ております。重く受けとめるべきだというふうに思います。
 時間がありませんので、次に質問を移らせていただきますけれども、NHKの内部通報制度、ハラスメントへの対応について伺いたいと思います。
 直近五年間、内部通報の件数及びハラスメントの相談件数、お示しをいただきたいと思います。

○黄木参考人 コンプライアンス通報制度に基づきまして、まず、内部通報の件数ですけれども、NHKと二十五の関連団体を対象として窓口を設けて通報を受け付けておりまして、二〇一五年度二十三件、二〇一六年度二十一件、一七年度三十一件、一八年度四十六件、そして今年度はこれまでに四十五件となっております。
 また、ハラスメントの相談につきましては、コンプライアンス通報とは別に、これも同じく、NHKと二十五の関連団体を対象にした専用の窓口などで対応をしておりまして、名前を名乗って相談があり、担当から連絡をした件数は、二〇一五年度が六十二件、二〇一六年度が六十六件、一七年度が五十二件、一八年度が七十四件、そして今年度はこれまで六十八件となっております。

○本村委員 NHKが取り上げましたかんぽ不正の問題では、日本郵政の内部通報制度が形骸化していたということが、問題の発覚、是正が大幅におくれた原因の一つにもなったというふうに指摘をされております。こうした問題はあらゆる組織でも起こり得ることだというふうに思います。
 日本郵便の事例では、組織内部でパワハラが横行し、通報が寄せられたにもかかわらず、調査、事実認定といった対応がきちんとされてこなかったという報道がございます。さらに、加害者に情報が漏れ、通報者捜しや報復人事なども行われていたというふうに言われております。
 通報しても調査がまともに行われない、あるいは、通報者、被害者が守られない状況では、内部から声を上げることは極めて困難になってまいります。通報制度や相談制度が形骸化すれば、かえって組織の中で問題を隠蔽する機能に変質してしまうというおそれもございます。そうなれば組織の自浄能力が失われてしまいます。
 NHKでは、内部通報制度、ハラスメントの相談の対応について、調査結果や是正措置の内容を通報者、相談者に通知をするということや、通報者、相談者への不利益な取扱いの禁止といった取組は徹底されているんでしょうか。

○黄木参考人 通報者、相談者から名前を名乗って相談、通報があった場合には、通報者に対して担当者から調査結果を通知しております。
 通報者が不利益をこうむることがないように、調査に当たりましては、本人や窓口担当者を含めた関係者に守秘義務を課しております。その上で、調査の対象となる関係者に対しましては、通報を理由として不利益な取扱いを行った場合には処分等の対象になることを説明し、通報者捜しの禁止を徹底しております。

○本村委員 組織内の問題を外部が早期に発見するということは大変難しいわけでございます。それだけに、中にいる人がどれだけ声を上げやすい体制を整えているかということが組織の質を左右することだというふうに思います。通報者、相談者を捜すようなことを含めた不利益の取扱いの禁止の徹底や、これは改めて強化をお願いしたいんですけれども、調査が不十分だった場合に中立的な第三者の機関が再度調査を行う仕組みなど、組織がみずからよい方向へ変わっていくためにも、機能を強化することが今非常に重要だというふうに思っております。
 視聴者の皆様方からの信頼で成り立つ公共放送NHKとしても、今後の取組の強化の決意を会長に伺いたいと思います。

○前田参考人 コンプライアンス通報の窓口、ハラスメントの相談窓口ともに、再調査を申し立てることも可能な組織となっております。
 いずれにいたしましても、委員御指摘のとおり、事実関係をしっかりと把握して、徹底した調査を行い、不正やハラスメントの事案が起こらないように厳正に対処していくことで、ハラスメントのないNHKを実現していきたいと思います。

○本村委員 調査が不十分だった場合の再度の調査、こういう強化もお願いしたいと思いますけれども、改めてお願いしたいと思います。

○前田参考人 再調査を行うことができるような仕組みになっております。

○本村委員 ぜひそういった面も強化をしていただきたいというふうに思います。
 次に、視覚障害者の方の問題についてお話をさせていただきたいと思います。
 愛知視覚障害者協議会の方から御要望をいただきました。視覚障害者もテレビを活用していることを認識してくださいというお声でございます。現在のテレビ番組は私たちにはとても不便です、例えば以下のようなことで困っていますということでいただきました。テロップでしか表示されないので緊急通報の内容がわかりません、音声でも流してくださいという御要望です。
 それに対して、NHKの方からは、人命にかかわるニュース速報等が出た場合、生放送中は番組の編集責任者等の判断で速報の読み上げを行っている、収録番組の放送中に人命にかかわる災害等が起きた場合、番組を中断して特設ニュースで伝えている、また、緊急地震速報が出たとき、チャイム音とともに、緊急地震速報ですと音声で知らせることとなっていると回答をいただきました。
 しかし、これでは不十分だ、速報や緊急地震速報などが流れれば、その情報は視覚障害者の方にもきちんと伝わることが必要だというふうに思います。不安を皆さん抱えておられますので、ぜひ善処をしていただきたいと思います。

○木田参考人 お答えいたします。
 人命にかかわるニュース速報等については、今委員の御指摘のとおりであります。
 今後も、利用者の御意見などを踏まえながら、視覚に障害のある方に速報の内容が確実に伝わるように努めたいと思います。

○本村委員 ほかにも、外国語の部分は音声で日本語訳で流してください、ドキュメンタリー番組やニュースの内容が理解できず困っています、ニュース番組などでは発言者の名前も音声で流す方法を講じてください、どんな立場の人の意見かがわからないので不便です、また、イベントなどの紹介の際、場所や連絡先についてはごらんのとおりですなどと放送されることがあり困っています、音声で伝えてください、ホームページで確認するようにと放送される場合がふえていますが、ホームページを使えない人がまだまだたくさんいることを考慮してください、視覚障害者にはとても不便です、また、台風情報の予測進路が全く理解できません、もう少し言葉による説明を加えてくださいなどの要望も届いております。
 ぜひこの声に応えていただきたいというふうに思いますのと、愛知視覚障害者協議会の方々は、ほかにもたくさんの御要望を持っておられます。懇談の場を設けてほしい、生の声を聞いてほしいというふうなお声も聞いております。
 愛知視覚障害者協議会の方々を始め、幅広い団体の方々、当事者の方々との懇談の機会を設けていただきたいと思いますけれども、会長、御答弁をお願いしたいと思います。

○前田参考人 NHKでは、子供や高齢者、目や耳に障害のある方など、全ての視聴者が見やすく、聞きやすく、わかりやすく、安心して視聴できる、人にやさしい放送・サービスの充実を公共放送の使命として捉え、今の三カ年計画でも重点事項の一つに掲げて拡充に努めております。
 とりわけ、緊急災害時におきまして、命を守る行動を促す情報などを障害のある方に迅速かつ適切にお届けしていくことは非常に重要な課題だと考えております。
 いろいろな方から御要望を聞いて、改善してまいりたいと思います。

○本村委員 ぜひ強く求めておきたいというふうに思います。
 次に、新型コロナウイルス感染症の問題についてお伺いをいたします。
 年度末は転居も多い時期でございます。NHKの契約取次業務で訪問に従事されている方々がいらっしゃいますけれども、その方々から心配のお声が出ております。
 NHKの営業サービス関東支社のある事務所に勤務するパートの従業員の方が感染をされました。同じ事務所の社員とパート従業員の方々、四十人の方が自宅待機をしているということを聞いておりますけれども、そこに、NHKの地域スタッフの方々も同じ空間に居合わせたということでございます。NHKからは、保健所の指導に従っていたということと、あと、事務所に居合わせた方はPCR検査をしていないというふうに伺っております。
 取次業務、訪問というのは、高齢者の方々も訪問、面接をするわけでございます。今、熱がないかをチェックしたり、マスクなどをしているということですけれども、それでもNHKの訪問業務で感染をさせてしまう側に回ってしまうのではないかという心配の声がございます。全日本放送受信料労働組合の方も心配をされておりまして、一定期間訪問活動を停止する措置をNHKの責任でとられるように緊急に要請も出ております。
 訪問活動を休止する場合、休業補償など、NHKがちゃんと補償をしながら、感染拡大を防止する、より安全な対策をとるべきだというふうに思いますけれども、会長、お願いしたいと思います。

○松原参考人 お答えいたします。
 感染が判明した従業員の業務というのは、情報処理というデスクワークの業務をしていまして、訪問員と近くで接触する機会はなかったということで、訪問員の中に、保健所からの、濃厚接触者はないというふうになっています。
 感染が判明した翌日、三月八日には職場内の消毒を全て終え、濃厚接触者の特定を行いました。保健所の指示により、濃厚接触者とされた方については、自宅で経過観察を二週間実施した上で職場復帰の可否を判断するというふうにしております。
 また、全国の訪問要員に対しては、マスクの着用、アルコール消毒等による小まめな手洗い、毎朝体温をはかって、三十七・五度を超える発熱があった場合には休むということ、それから、視聴者と話すときは一定の距離を保ち、必要以上に近づかないというような対策を徹底するように指示をしています。
 また、今後については、感染状況とか政府、自治体の対応、あるいは専門家の見解などを踏まえて適切に対応していきたいというふうに思います。

○本村委員 PCR検査で陰性と出ていないのに、大丈夫だということは言えないというふうに思いますので、科学的な根拠に基づいて、感染を拡大することがないよう、万全の措置をNHKの責任でとるべきということを強く求めたいというふうに思います。
 最後に、インターネット活用業務についてお伺いをしたいんですけれども、二・五%ということで、そういう範囲なんですけれども、二・五%に合わせるために仕分しているのではというふうな思いも抱くわけでございます。オリンピックも別枠になっております。出演者の扱いはどうなっているのか、出演料の扱いはどうなっているのかということも気になってまいります。この予算の情報公開を更に徹底していただきたいということを最後にお伺いしたいと思います。

○大口委員長 前田会長、時間が来ていますので、簡潔に答えてください。

○前田参考人 NHKプラスを含めた二〇二〇年度のインターネット活用業務につきましては、オリンピック・パラリンピック東京大会に係る費用を除きまして、受信料収入の二・五%の費用上限におさまるように実施することといたしております。
 実施に当たりましては、経費を抑制的に管理するとともに、情報開示をしていきますが、出演者の出演料等につきましては、個々の契約でございますので公表はいたしておりません。
 なお、出演料に関しましては、権利者団体や権利者の方々に公共的サービスであることを御理解いただき、経費の抑制に努めております。

○本村委員 かんぽ不正問題での集中審議を求めて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

○大口委員長 次に、本村伸子君。

○本村委員 私は、日本共産党を代表し、放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求める件、いわゆるNHK二〇二〇年度予算の承認に対して、反対の討論を行います。
 NHKが、かんぽ生命の不正販売を取り上げた放送番組に対する日本郵政グループの圧力に屈し、公共放送の自主自律という放送の根幹を揺るがした事実は極めて深刻です。
 かんぽ生命の不正販売によって多数の被害が出ており、NHKがこれを報道することは、視聴者と国民の知る権利に応える使命を持つ公共放送としての重要な役割があります。
 ところが、NHK執行部は、日本郵政からの抗議を受け入れ、予定していた第二弾の放送番組を異常なまでに先送りし、その上、経営委員会は、日本郵政側の要求に応じ、NHK会長に厳重注意を行いました。
 経営委員会の行為は、放送番組は何人からも干渉されないとする放送法三条及び三十二条に違反し、公共放送たるNHKの自主自律を脅かすものであり、断じて許されません。しかも、その経過を経営委員会の議事録から隠すなどの隠蔽行為も行われております。
 こうした事件のもと、NHK執行部が編成し、経営委員会が最終決定した予算に対して、事件の真相を解明し責任を明らかにしないまま、承認することはできません。
 最後に、国民の代表としての自覚と放送法を遵守する経営委員会に改革することを強く求め、反対の討論を終わります。


○大口委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――

○大口委員長 これより採決に入ります。
 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件について採決いたします。
 本件を承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

○大口委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。
    ―――――――――――――

○大口委員長 この際、ただいま議決いたしました本件に対し、中根一幸君外四名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム、公明党、日本維新の会・無所属の会及び希望の党の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。吉川元君。

○吉川(元)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。
    放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議(案)
  政府及び日本放送協会は、次の各項の実施に努めるべきである。
 一 協会は、令和二年度予算において昨年度に引き続き事業収支差金の赤字を見込んでいることについて、放送法に定められた目的に即し、業務の目的の明確化や業務の見直しなどにより、収支均衡を基本とする安定的な業務運営の体制確保に努めること。
 二 協会は、協会本体及びグループの職員による一連の不祥事に対し、国民・視聴者から厳しい批判が寄せられていることを踏まえ、協会一体となって綱紀を粛正しコンプライアンスを徹底した運営を行うことで、信頼回復に努めること。また、子会社を含むグループ全体としての経営改革に組織を挙げて迅速かつ確実に取り組むこと。
 三 経営委員会は、放送法が定める協会の自律性を担保するために、協会の経営に関する重要事項を決定する権限と責任を有する最高意思決定機関であることを深く認識し、職務を遂行するにあたっては、放送法を遵守し、特に、何人からも介入されることのない個別の放送番組の編集への経営委員会の介入が疑われるような行為は厳に慎むこと。また、協会が放送法に定められた役割を的確に果たせるよう、監督権限を行使すること。役員に不適切な行為がある場合、又は、公共放送の倫理観にもとる行為がある場合には、監査委員会と十分連携しながら再発防止の観点から厳格に対処すること。
 四 協会は、平成二十五年に首都圏放送センターの記者が過労で亡くなられた事実を重く受け止め、協会の業務に携わる者の命と健康を最優先とし、適正な業務運営と労働環境確保に努め、長時間労働による被害を二度と起こさないよう、全力で取り組むこと。
 五 協会は、放送番組の編集に当たっては、受信料を財源とする公共放送の性格を定めた放送法の趣旨を十分踏まえ、事実に基づく放送に強い責任を自覚し、かつ政治的公平性を保ち、我が国の公共放送としての社会的使命を果たすこと。また、寄せられる様々な意見に対し、必要に応じ自律的に調査し、その結果を速やかに公表し、国民・視聴者に開かれた公共放送として信任を得られるよう努めること。
 六 政府は、日本国憲法で保障された表現の自由、放送法に定める放送の自律性に鑑み、協会を含めた放送事業者の番組編集について、引き続き自主・自律性を尊重すること。また、経営委員の任命に当たっては、社会に対する重大な職務の公共性を認識し、公正な判断をすることができる経験と見識を有する者を、教育、文化等の各分野及び全国各地方が公平に代表されることを考慮して幅広く選任するよう努めること。
 七 協会は、その運営が受信料を財源としていることを踏まえ、国民・視聴者に対し、情報を十分に開示し、説明を尽くすこと。また、そのために、経営委員会及び理事会等における意思決定過程や、財政運営上の規律、不祥事に伴う処分、子会社等の運営の状況、調達に係る取引等を合理的に跡付け、又は検証することができるよう、議事録の適切な作成・管理を行うとともに必要な時は公表すること。
 八 協会は、放送センターの建替えに際し、受信料を財源としていることを踏まえ、透明性を確保するとともに、建設費の大幅な増大が生じないよう万全を期すこと。
 九 協会は、平成二十九年十二月の最高裁判決にも鑑み、公共放送の存在意義及び受信料制度に対する国民・視聴者の理解の促進や信頼感の醸成に協会一体となって、一層努めること。また、受信契約の締結に際しては、視聴者の理解を得ながら適正に行われるべきことを、職員及び業務委託先に指導し、周知徹底すること。なお、受信料については、繰越金や今後の事業収支の状況を踏まえ、公共放送の役割を持続的に果たしつつ、国民・視聴者の十分な理解を得られるよう、減免対象の拡大など受信料体系・水準の在り方を含めて、業務やガバナンスの在り方と併せて検討すること。
 十 協会は、インターネット常時同時配信等通信分野での業務について、民間放送事業者の見解に十分留意しつつ、国民・視聴者のニーズや動向を的確に把握し、国民・視聴者に対する情報提供や関係者間での情報共有及び連携を図り、通信分野での協会の在り方について、できるだけ明確にその姿勢を示すよう努めること。また、費用全体を国民・視聴者にわかりやすく公開・説明すること。
 十一 協会は、国際放送については、我が国の経済・社会・文化等の動向を正しく伝え、我が国に対する理解を促進するよう努めること。また、番組内容の充実、国内外における国際放送の認知度の向上等に努めること。
 十二 協会は、自然災害が相次いでいる現状に鑑み、地震災害、風水害、雪害等、いかなる災害時にも放送・サービスが継続され、正しい情報が国民に伝達されるよう、地方局と連携し、放送設備と体制の強化を図ること。
 十三 協会は、サイバーセキュリティ基本法に定める重要社会基盤事業者であること及び本年に開催される東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けてサイバー攻撃の脅威が高まっていることに鑑み、関係機関と緊密な連携を図り、サイバーセキュリティの確保に取り組むこと。
 十四 協会は、地域の魅力を生かした活性化と発展の観点から、地域の様々な分野の関係者と連携を強化し、それぞれの地域ならではの魅力の紹介及び地域の発展に寄与するコンテンツの充実並びに国内外に向けた積極的発信に努めること。
 十五 協会は、障害者の法定雇用率を達成し、雇用率を一層高め、職場での差別禁止や合理的配慮を徹底し、障害者の働く環境改善を進めること。また、女性の採用・登用について、より高い数値目標を設定し、性別に関係なく仕事と家庭が両立できる職場の環境改善を進めること。
 十六 協会は、労働法制の改正を受けて、ハラスメント防止の事業主の措置義務を果たす取組を一層促進し、ハラスメントをなくすこと。
 十七 協会は、新体制の下、放送と通信の大融合時代にふさわしい公共放送の在り方、受信料の在り方について真剣に検討し、新しい社会と技術に対応した公共メディアとしての経営ビジョンを構築すること。
 十八 政府は、放送と通信の大融合時代にふさわしい公共放送の在り方、受信料制度の在り方について真摯に検討し、その結果を踏まえ、所要の措置を講ずること。
 十九 政府は、新型インフルエンザ等対策特別措置法の指定公共機関である協会に対する同法に基づく指示については、報道の独立性及び国民の知る権利を最大限に尊重すること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

○大口委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

○大口委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、高市総務大臣及び日本放送協会会長前田晃伸君から発言を求められておりますので、これを許します。高市総務大臣。

○高市国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。

○大口委員長 次に、日本放送協会会長前田晃伸君。

○前田参考人 日本放送協会の令和二年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして御承認を賜り、厚く御礼申し上げます。
 本予算を執行するに当たりまして、御審議の過程でいただきました御意見並びに総務大臣意見の御趣旨を十分生かしてまいります。
 また、ただいまの附帯決議は、協会運営の根幹をなすものでございますので、十分踏まえて、業務執行に万全を期してまいりたいと考えております。
 本日は、ありがとうございました。
    ―――――――――――――

○大口委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――

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参考資料

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